第52回(平成30年度)通関士試験内容の講評

試験講評

第52回(平成30年度)通関士試験内容の講評

2018/10/16

総評

10月14日に、平成30年(第52 回)通関士試験が実施されました。

受験された方、お疲れ様でした。
今回の試験について、トータルとして見ると、「通関業法」および「関税法等」は、難問も含まれていたものの、例年どおり過去問をマスターできていれば合格基準を超える得点が取得できる内容でした。
一方で「通関実務」は、特に【(多肢)選択式】及び【択一式】については、近年の傾向以上に難易度が高かったという内容でした。

「合格基準」については、過去問の知識および標準的な知識の出題内容を踏まえると、標準的な基準である「(各科目)満点の60%以上」と予想されます。

なお、科目別に合格基準を設定されることを考慮すると、「通関実務」のみ「満点の55%以上」とされる可能性があります。


「通関業法」について

まず、【(語句)選択式】については、全体的に易しいものでした。過去問をマスターしていれば、満点も容易な内容でした。

【(多肢)選択式】及び【択一式】については、各肢とも過去問をマスターできていれば、多少迷う問題はあったとしても、正解にはたどり着ける内容でした。正解することが比較的難しかった問題としては、「第7問(通関業の許可に基づく地位の承継)」「第10問(通関業者に対する業務改善命令等)」「第14問(通関士の審査等)」「第18問(通関業者に対する監督処分等)」がありました。


「関税法等」について

まず、【(語句)選択式】については、過去問ベースの出題ではあったものの、「第2問(関税の納税義務)」「第4問(輸入通関)」のように、知識はあるものの、横断的な知識を問われる内容に戸惑い、不正解となった受験者も少なくなかったと思われます。

【(多肢)選択式】及び【択一式】については、過去問ベースの肢と新作の肢が混在する問題構成でした。 過去問演習ではインプットできなかった知識であっても、制度内容から推測して正解できる肢もありましたので、「現場思考」で正解できたかどうかが合否を分けると思われます。

正解することが難しかった問題としては、「第8問(オーストラリア協定)」「第11問(課税価格の決定の原則)」「第18問(輸出通関)」「第21問(保税蔵置場)」「第23問(関税定率法に規定する関税の免除又は払戻し)」「第29問(NACCS)」がありました。


「通関実務」について

まず、【輸出申告の作成】については、オーソドックスな問題でした。そして、問題「記5」に掲げられた各運賃・費用等を輸出申告価格にどのように反映させるべきかの判断、さらに問題「記7」を念頭においた正確な分類がポイントとなりました。

一方、【輸入申告の作成】については、問題「記6」~「記8」を課税価格に正確に反映できたこと、および問題「記9」を見落とさずに分類できたことがポイントとなりました。

以上から、【輸出申告の作成】及び【輸入申告の作成】のいずれも過去問演習から申告価格の算出方法と貨物分類方法の正確な理解が試された出題と言えます。

次に、【(多肢)選択式】及び【択一式】については、過去問ベースの肢と直近では出題されていなかった規定に基づく肢が混在する問題構成でした。過去問演習ではインプットされていなかった知識であっても、制度内容から推測して正解できる肢もありましたので、現場思考で正解できたものもあったと推測します。

正解することが難しかった問題としては、「第4問(関税率表の所属の決定)」「第6問(特恵受益国原産品)」「第7問(経済連携協定に基づく原産品)」「第17問(オーストラリア協定)」がありました。

最後に、【計算式】については、全体的には過去問をマスターできていれば正解できるレベルの内容でした。この観点から、【計算式】の問題で得点内容が合否を分けることになりそうです。