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試験講評

令和2年度通関士試験の解説

2020/10/06

総評

10月4日(日)に、令和2年(第54回)通関士試験が実施されました。

受験された方、お疲れ様でした。

今回の試験について、トータルとして見ると、「通関業法」および「関税法等」は、難問も含まれていたものの、例年どおり過去問をマスターできていれば合格基準を超える得点が取得できる内容でした。
一方で「通関実務」は、特に【(多肢)選択式】及び【択一式】については、今年はこれまでとは異なる切り口の出題内容のものを含み、難易度が高い内容でした。

また、「合格基準」について、「通関業法」および「関税法等」は、例年どおりの難易度であったため、合格基準は標準的な基準である「(各科目)満点の60%以上」と予想されます。
一方、「通関実務」は、難易度が高かったため「満点の50%以上」とされる可能性があります。

「通関業法」について

まず、【(語句)選択式】については、全体的に例年並みの難易度でした。過去問をマスターしていれば、満点も狙える内容でした。

【(多肢)選択式】及び【択一式】については、多少判断に迷う肢はあったものの、過去問をマスターできていれば、正解にはたどり着ける問題でしっかり得点できれば、合格レベルでした。
正解することが比較的難しかった問題としては、「第11問(通関業の許可及び営業所の新設)」「第16問(更正に関する意見の聴取及び検査の通知)」「第17問(通関業者及び通関士の義務)」「第19問(通関業者が通関士試験に合格した者を通関士としてその通関業務に従事させようとする場合における財務大臣の確認)」がありました。

「関税法等」について

まず、【(語句)選択式】については、過去問ベースの出題ではあったものの、「第2問(関税の徴収)」については、横断的な視点の理解が曖昧なため、不正解となった受験者も少なくなかったと思われます。

【(多肢)選択式】及び【択一式】については、例年どおり過去問ベースの肢と新作の肢が混在する問題構成でした。
例年の傾向と大きく変わらず、過去問演習でフォローできない知識であっても、各制度内容の概要から推測して正解できる肢もありましたので、「現場思考」で正解できたかどうかが合否を分けると思われます。

正解することが難しかった問題としては、「第10問(加工又は組立てのため輸出された貨物を原材料とした製品の減税)」「第11問(特恵関税制度)」「第12問(課税価格の決定の原則に基づき輸入貨物の課税価格を計算する場合)」「第16問(関税の納税義務者)」「第19問(輸出通関)」「第23問(特例輸入者及び特定輸出者)」「第25問(外国為替及び外国貿易法第48条に規定する経済産業大臣の輸出の許可及び承認)」がありました。

「通関実務」について

まず、【輸出申告の作成】については、オーソドックスな問題でした。そして、問題「記7」に掲げられた各運賃や費用等を申告価格にどのように反映させるべきかの判断、さらに問題「記8」を念頭においた正確な分類がポイントとなりました。

一方、【輸入申告の作成】については、問題「記7」~「記10」の記述量の多さに混乱することなく、状況を正確に理解した上で課税価格に反映すべきか否かを正確に判断できたことがポイントとなりました。

以上から、【輸出申告の作成】及び【輸入申告の作成】のいずれも過去問演習から申告価格の算出方法と貨物分類方法の正確な理解、さらに情報整理力が試された出題と言えます。

次に、【(多肢)選択式】及び【択一式】については、過去問ベースの肢と直近では出題されていなかった規定に基づく肢が混在する問題構成でした。過去問演習ではインプットできなかった知識であっても、制度内容から推測して正解できる肢もありましたので、現場思考で正解できたものもあったと推測します。

正解することが難しかった問題としては、「第5問(関税率表の適用上の所属の教示に係る照会)」「第6問(経済連携協定における関税についての特別の規定による便益の適用)」「第7問(経済連携協定)」「第12問(輸入貨物と同種の貨物に係る国内販売価格に基づく課税価格の算出)」「第16問(関税率表における物品の所属の決定)」がありました。

最後に、【計算式】については、全体的には過去問をマスターできていれば正解できるレベルの内容でした。
この観点から、【計算式】の問題で得点内容が合否を分けることになりそうです。

以上