地震保険とは?

更新日:2019年12月6日

地震保険とは?
目次

地震保険とは

地震もしくは噴火またはこれらによる津波(以下「地震等」という)を直接または間接の原因とする火災、損壊、埋没または流失によって、保険の対象について生じた損害を補償する保険です。

したがって、火災保険では地震等による火災(およびその延焼、拡大損害)によって生じた損害、火災が地震等によって延焼、拡大したことにより生じた損害はいずれも補償の対象にはなりませんので、これらの損害を補償するためには地震保険への加入が必須となります。

地震保険の対象物件とは

住宅用の建物(専用住宅、店舗併用住宅)と家財(生活用動産)に限定されています。住宅用の予定であれば建築中でも付帯は可能で、門、へい、物置・車庫などの付属建物も含まれます。

ただし、工場、事務所専用の建物など住居として使用されない建物、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や宝石・美術品・通貨、有価証券、印紙、切手、自動車などは含まれません。なお、家財の盗難による損害も補償されません。

地震保険とは

地震保険の契約方法とは

単独では契約できず、必ず住宅用の火災保険に付帯して契約しなければなりません。すでに契約している火災保険に中途から加入することもできます。

なお、法人の場合は、地震等による損害に備えて、火災保険等に地震危険担保特約を付加するなどして対応する必要があります。

地震保険の保険料とは

地震保険の保険料率は、損害保険料率算出機構が算出し、基準料率として位置づけられており、各損害保険会社は、この基準料率を使って保険料を算出するため保険会社間で保険料が異なることはありません。

なお、地震保険の基準料率は、建物構造・都道府県別の基本料率に、割引が適用される場合は、以下のような割引率(4種類)のいずれかを適用します。このとき、重複適用は不可となります。

割引の種類 割引の適用条件
免震建築物割引
(割引率:50%)
品確法に基づく免震建築物である場合
耐震等級割引
(割引率:
耐震等級3⇒50%
耐震等級2⇒30%
耐震等級1⇒10%)
品確法または「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」に定められた耐震等級を有している場合
耐震診断割引
(割引率:10%)
耐震診断または耐震改修の結果、改正建築基準法における耐震基準を満たす場合
建築年割引
(割引率:10%)
昭和56年6月1日以降に新築された建物である場合

地震保険の保険期間とは

短期、1年または長期(2年~5年)で、1年ごとに更新するか、主契約の火災保険の保険期間に合わせることもできます。最長で5年となります。中途契約の場合は火災保険の次回更新時期までになります。

地震保険の保険金額とは

建物5,000万円、家財1,000万円を上限に、主契約の保険金額の30~50%の範囲内で任意に決められます。

地震保険の保険金の支払いとは

建物・家財ともに損害の程度を4区分に分け、保険金額に対してそれぞれ、全損(100%)・大半損(60%)・小半損(30%)・一部損(5%)が支払われます。

地震保険が支払われない場合とは

以下の場合は、保険金が支払われません。

  • 故意もしくは重大な過失または法令違反による損害の場合
  • 地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害の場合
  • 戦争、内乱などによる損害の場合
  • 地震等の際の紛失・盗難の場合

総支払限度額とは

1回の地震等によって政府と損害保険会社全体が支払う保険金には限度額(総支払限度額)が設けられています。

万一、算出された支払保険金総額がこれを超える場合は、その割合に応じて保険金が削減されることがあります。

地震保険に関するよくある質問

地震保険にて、損害の程度が大半損の場合、保険金額の60%という高い割合の保険金が支払われますが、この高い割合の設定には何か理由があるのでしょうか?

保険金額は、損害の規模により定められています。

「大半損」は、半分以上が壊れたと認定されることです。したがって、保険金額の60%が保険金として支払われることとなります。

大半損のみが他の破損割合より高いわけでは決してなく、それぞれの損害の規模に応じて保険金が定められております。

「火災保険では、特約で、一個の価額が30万円を超える貴金属等は明記しておけば補償対象。地震保険では一個の価額が30万円を超える貴金属等は補償されない」ということですが、

これはすなわち、一個の価額が30万円を超える貴金属等は、火災保険の特約であらかじめ明記した場合に限り火災保険のほうから支払われるという認識でよろしいのでしょうか?

はい、その通りです。火災保険のほうから支払われることとなります。

地震保険は1個30万円超の貴金属、宝石類は保険対象外となってますが、火災保険の明記物件の考え方とは違って、そもそも対象外ということですか?

火災保険では、保険の種類で若干の差異はありますが、普通保険約款や特約規定で、一定のものは保険証券に明記されていない場合、保険の目的には含まれません。

すなわち、明記されていれば補償の対象に含まれるということです。うっかり明記が漏れていた場合でも、30万円を限度に補償されます。

いっぽう、地震保険では、1個または1組の価額が30万円超のものは、補償の対象外ですが30万円以下のものは補償の範囲になります。

考え方としては、貴金属、宝石、書画、骨とう品、美術品などは1個または1組の価額が30万円を超えるものは生活用動産に含まれないため、地震保険では補償されず(30万円以下ならば、補償される)それ以外のものについては、金額がいくらであっても例えば、有価証券、通貨、切手などは補償されません。

この記事の監修者は
金山浩晃(かなやま ひろあき)

合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天

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