FP(ファイナンシャルプランナー)3級の難易度は?合格率や合格のためのコツを解説

更新日:2024年2月15日

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FP(ファイナンシャルプランナー)3級はファイナンシャルプランナーの入門編ともいえる易しい試験です。FP3級はファイナンシャルプランナーになりたい人が最初に取得する資格として最適です。

受験者層は、社会人、学生、主婦と幅広いですが、合格率は70%程度の高さで推移しています。
ここではそんなFP3級の難易度についてまとめました。

過去の合格率や、他の資格との比較、効率的なテキストと過去問の勉強法やコツなど、FP3級の資格取得に必要な情報をまとめてるのでぜひ参考にしてください。

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  • 目次

    FP3級の難易度

    FP3級は、ファイナンシャルプランナーの入門編ともいえる易しい試験です。理由はファイナンシャルプランニングについての予備知識がなくても、短時間の勉強でほとんどの人が合格できる試験だからです。

    FP3級の合格率は70%程度の高い水準にあります。それではFP3級の難易度と合格率について、もう少し詳しくみていきましょう。

    FP3級の合格率の推移

    ひと口に「FP3級の合格率」といっても、実施団体や実施回によって異なります。日本FP協会の場合、2023年に行われたFP3級学科試験合格率は、1月で85.25%、5月で88.25%、9月で74.78%となっています。

    また、実技試験では、1月で88.34%、5月で86.83%、9月で77.67%です。同じ年の受験であっても、実施回によって10%も差があることが分かります。

    一方、きんざいが実施した2023年のFP3級学科試験合格率は、1月で56.00%、5月で54.13%、9月で37.19%となっています。日本FP協会と比較すると低い合格率となりますが、同一の問題が使用されることから、出題の難易度に差があるわけではありません。

    合格率の差は、受験者層の違いによるものと考えることができます。ちなみに実技試験では、個人資産相談業務については1月で67.46%、5月で61.58%、9月62.29%、保険顧客資産相談業務については1月で40.05%、5月で58.91%、9月で55.30%です。

    参考:日本FP協会 試験結果
    参考:一般社団法人 金融財政事情研究会 試験結果

    FP3級の合格基準点

    資格試験の合格基準点の決定方法には、全受験生の得点から合格ラインが決定される「相対評価」と、あらかじめ基準点が決められている「絶対評価」の2種類があります。

    FP3級試験の合格基準点は日本FP協会ときんざい共に絶対評価で、満点の60%の得点率で合格です。

    日本FP協会の場合、学科試験は60点満点中36点以上、実技試験は100点満点中60点、きんざいの場合は学科試験で60点満点中36点以上、実技試験で50点満点中30点以上が合格基準となっています。

    参考:一般社団法人 金融財政事情研究会 試験要綱
    参考:日本FP協会 試験要綱

    難易度の理由

    FP3級試験は、なぜ合格率が高く、難易度が低めなのでしょうか。なぜなら、予備知識がなくても、短時間の勉強で、ほとんどの人が合格できる試験だからです。
    また、試験自体も多肢選択式かつ60点という絶対評価の合格ラインのおかげで、一定の勉強をしてきた人であれば、全員合格できる仕組みになっています。

    試験対策としては、出題傾向も毎年ほとんど変わらないため、過去問で対策可能です。
    このような条件が重なった結果、FP3級は多くの人が合格を手にする、難易度低めの資格試験となっているのです。

    他の資格と難易度を比較

    ではFP3級は他の資格と比べて難易度はどうなんでしょうか?ここではFPと同じように人気である資格と難易度を比較しています。宅地建物取引士、行政書士、日商簿記3級との比較は以下の通りです。

    宅地建物取引士とFP3級の難易度を比較

    3級FP技能士と宅地建物取引士試験はどちらが難しい?

    宅地建物取引士の方が圧倒的に難しいと言えます。
    不動産取引行業に欠かせない宅地建物取引士試験は、取得すると就職に有利で私生活にも役立つ人気の資格です。

    合格率でいえば、3級FP技能士の平均70%に対して宅地建物取引士は約15%です。合格率からみると宅地建物取引士のほうが難しいといえるでしょう。
    また、FP3級の勉強時間の目安としては、20~30時間程度あれば十分と言えます。対して宅地建物取引士は300時間が必要と言われています。勉強時間からみても宅地建物取引士の方が難易度は高く、それなりの学習対策が求められます。

    宅地建物取引士の主な業務と試験科目は「不動産関連業務」です。この不動産関連業務はFP3級にとっても重要な科目です。これらは宅地建物取引士の業務で必要な知識であるとともにFP3級の試験範囲でもあります。試験範囲の一部が重複していることを生かし、FPと宅地建物取引士を取得して、ダブルライセンスとすることもお勧めです。

    不動産業界で仕事をする場合、FPの入門的な資格である3級資格を取得することで、お客様へのより説得力のある提案能力が身に付くばかりか、ご自身の今後の人生設計においてもプラスに働くでしょう。

    宅地建物取引士とFP3級のどちらも取ることで不動産業務のスペシャリストになることができます。会社によっては宅地建物取引士とFP3級を両方取得するように勧めているところもあります。

    さらに、宅地建物取引士のステップアップを考えた時に「行政書士」や「司法書士」がありますが、これらの資格とも関連性の強いのがFPです。FPの勉強をして後悔をすることはないでしょう。

    行政書士とFP3級の難易度を比較

    3級FP技能士と行政書士試験はどちらが難しい?

    行政書士はFP3級よりはるかに難しいです。
    FP3級と行政書士のダブルライセンスは、資格の前提を考えると、相乗効果を出すことは難しいです。FP3級は、家計管理などプライベートな方面でファイナンシャルプランの知識を生かすための資格です。仕事におけるメリットはないと考えておきましょう。

    もちろん行政書士をする人がその知識を家庭に持ち帰って、家族のファイナンシャルプランに役立てるという意味でなら、相乗効果は十分です。
    よって、行政書士として独立の意欲がはっきりしているのでしたら、こちらの勉強に専念した方がいいでしょう。

    日商簿記3級とFP3級の難易度を比較

    3級FP技能士と日商簿記3級はどちらが難しい?

    日商簿記3級の方が難しいと言えます。
    まずFP3級と日商簿記3級は、両方とも人気の資格であり、受験者数はかなり安定して多い資格です。FP3級は年間10万人程度受験しており、日商簿記3級は年間を通して約30万人近くが受験をしています。

    またどちらの資格も、この次の級から履歴書に書けるという点が同じです。日商簿記検定もFP技能検定も、2級以上だと履歴書に書くことができます。さらに、受験資格が要らないという点、年3回試験が行われるという点についても、共通点となっています。

    しかし、合格率を調べると、この2つの資格の難易度は大きく違うことが分かります。日商簿記3級の合格率は受験回によって違い、20%台から50%台まで差がありますが、平均して約40%です。FP3級の合格率は約70%です。

    日商簿記3級とFP3級では、難易度にずいぶん差があり、日商簿記3級の方が難しく、FP3級の方が取得しやすいことがわかりますね。また、日商簿記とFPのダブルライセンスを目指すのであれば、どちらかの2級までを取得することをお勧めします。就職や転職で評価されるのは2級からと考えた方が良いです。

    ちなみに、1級となると、どちらもかなり難易度が高い資格で、長期間の勉強が必要となってきます。両方ともお金の知識であるので、どちらかの2級を習得した後にもう片方の資格をあわせて持つ事で資格の価値や評価の相乗効果が期待できます。何よりそれぞれの1級を取るよりも日商簿記2級とFP2級のダブルライセンスは、はるかに簡単なので、勉強時間に対するメリットも大きいです。

    FP3級の効率的なテキストと過去問の勉強法・コツ

    勉強法のコツは、広く浅く勉強することが大事です。6つの学習テーマをすべて網羅する学習計画を立て、とにかく過去問中心に学習していきましょう。FP3級の勉強で一番大切なことは、過去問の活用です。過去問というのは、過去実際に出た問題であり、これを解いてみることで、FP3級の本試験でどのような問題がでるのかをイメージしやすくなります。

    また、本番と同じ時間をかけて解いてみることで、実際の試験の練習ができます。
    FP3級は過去に出た問題と同様の問題が出る可能性が高いので、効果的な演習となります。過去問を解いてわからなかった問題は周辺知識を含めテキストで補完していってください。

    一番避けるべきことは、「深く勉強していったせいで6つのテーマのうち4つしか勉強できなかった」という状況になることです。学習が一部間に合わず全く知識がないのと、多少でも知識があるのとでは、試験結果に大きく影響を与えると思います。

    それでも全く試験に自信がない人はどうしたらいいでしょうか。時間的に余裕があるのであれば、試験範囲全体をテキストで一通り勉強した後、過去問に2~3回分程度チャレンジすれば、十分に合格レベルに達するでしょう。もちろん過去問で間違えた問題は、重点的に復習してください。

    勉強時間は人にもよりますが、ポイントがよくまとまっている過去問題集とテキストを利用し、基本的には1日1時間で1か月、計30時間ほど費やせば十分に合格できると思います。

    受験機関をあらかじめ決めておく

    FP試験には実施機関が2種類あり、日本FP協会ときんざいでそれぞれ行われています。受験に先立ち、どちらで受験するかを決定しましょう。日本FP協会ときんざいの違いは、「実技試験の科目」です。

    日本FP協会では「資産設計提案業務」のみですが、きんざいは「個人資産相談業務」または「保険顧客資産相談業務」からの科目選択が可能です。

    「資産設計提案業務」と「個人資産相談業務」の内容に大きな違いはなく、学科の試験範囲の知識を活かして実際に顧客の立場に立ったファイナンシャル・プランニングができるかどうかが審査されます。

    一方で、きんざいで受験する場合に選択できる「保険顧客資産相談業務」は、生命保険をメインとした内容となっています。

    過去問を活用する

    FP3級試験対策として、積極的に活用したいのが「過去問」です。過去に出題された問題を繰り返し解くことで、インプットした知識が実際の試験でどのように問われるのか、頻出のテーマはどこなのか等、出題傾向を把握することができます。

    また、過去問では試験範囲がまんべんなく網羅されているので、直前期の総復習にも役立つでしょう。過去問演習時には、試験時間を意識するのがお勧めです。実際の時間配分を想定することができるので、本番に向けてより効果的な訓練となります。

    なお、2024年度からCBT方式に移行しましたが、毎年5月下旬頃に日本FP協会、きんざいからそれぞれCBT方式の問題が公表されます。サンプル問題として活用すると良いでしょう。

    通信教育を活用する

    どんな資格対策にも共通して言えることですが、資格合格のカギは「通信教育の活用」にあります。独学の場合、使う教材や受験までのスケジュールをすべて自分で検討する必要がある他、試験範囲の内容理解も自分で進めていかなければなりません。

    この点、通信教育を活用することで、出題されるポイントを効率良く学ぶことができます。FP試験対策には通学講座もありますが、忙しい毎日の中で資格対策を進めたいなら、断然「通信教育」がお勧めです。

    効率よく資格取得を目指すならフォーサイトがおすすめ

    通信教育フォーサイトを受講するメリットとして、まず第一に挙げられるのが「合格点主義で効率的なカリキュラム」です。FP3級の合格基準である満点の60%の達成を目標として、合格に必要なポイントのみを徹底的に習得します。加えて、「eラーニング教材の充実」も、フォーサイトならではです。

    スマホやタブレットを利用して、いつでもどこでも勉強することができるので、スキマ時間の有効活用に役立ちます。さらに、「3級と2級の両方を目指すことができるコース設定」も、フォーサイトFP講座の特徴と言えます。

    バリューセットの教材群にはFP試験に必要なインプット・アウトプットが一通り網羅されており、FP2級基礎講座・過去問講座に加え、FP3級対策も受講できます。

    また、このバリューセットは、日本FP協会が認定するAFP認定研修の対象講座に指定されているため、修了によって2級受験資格を満たすことができます。つまり、3級合格を待たずに上位級の合格を狙うことも可能になる、というわけです。

    まとめ

    ここでは合格率による難易度について、他の資格との比較を中心に行ってきました。FP3級は難易度が低く、取得しやすい資格であることがわかっていただけたかと思います。

    FP3級の試験対策は、スピード重視の勉強方法が正解です。そして、過去問を解いた上でわからないところはテキストでチェックするのが、効率的な学習方法と言えるでしょう。
    勉強法を間違わずにしっかりと勉強をしていただければ、合格を手に入れることができるでしょう。

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    この記事の監修者は
    金山浩晃(かなやま ひろあき)

    合格の先をイメージして!
    【出身】埼玉県
    【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
    【座右の銘】雲外蒼天

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