自賠責保険とは?|わかりやすくFP解説
更新日:2024年9月27日
自賠責保険とは
自賠責保険とは、「自動車損害賠償責任保険」の略称です。この保険は、自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づき、すべての車両(二輪車や原動機付自転車も含まれます)に加入が義務付けられている強制保険です。
自動車の所有者や運転者が運転中に他人の生命や身体に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に、その損害を補償します。ただし、物損事故に対しては補償されません。原動機付自転車も、自賠責保険に加入していないと運行が認められません。
他人とは
自賠法による他人とは、自動車保有者・運転者に該当しない者ですので、被害者が保有者や運転者の父母・配偶者・子の場合でも保険金支払いの対象となります。
保有者と運転者とは
自賠法で言う保有者とは、自動車を使用する正当な権利を持っている人をいいます。
運転者とは、他人のために自動車の運転または運転の補助をする人をいいます。
被保険者とは
自賠責保険の被保険者は、当該車両の保有者と運転者です。
保険料とは
保険料は、自動車の用途や車種、保険期間により決まっており、取り扱う損害保険会社や共済により異なることはありません。
支払限度額とは
1名当たりの支払い限度額は、支払事由により異なります。
- ケガの場合…治療関係費、休業損害、慰謝料などで120万円まで
- 後遺障害の場合…逸失利益、慰謝料、ケガによる損害などで75万円~3,000万円まで
ただし第1級で常時介護を要する後遺傷害は、最高4,000万円までとなります。
- 死亡の場合…葬儀関係費、逸失利益、慰謝料、死亡するまでの損害などで3,000万円まで
- 1事故あたりの限度額はなく、何度事故を起こしても減額されません。
保険金が支払われない場合とは
契約者や被保険者が故意に起こした損害については、保険金は支払われません。ただし、被害者は保険会社に対して直接「被害者請求」を行うことが可能です。
また、重複して保険がかけられている場合も、保険金の支払いは行われません。これは、1台の車に複数の自賠責保険が付いているケースが該当します。
自賠責保険の請求方法
加害者(被保険者)だけでなく、被害者からも保険会社に保険金の支払いを請求することができます。
政府の損害賠償保障事業とは
ひき逃げや盗難車による事故など、自賠責保険で保障されないケースで死傷した被害者を救うため、政府は損害賠償保障事業を行っています。
保障額は自賠責保険と同じです。
自賠責保険に関するよくある質問
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自賠責保険では「我が子」も保険給付の対象となりますか?
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自賠責保険では、他人とは、自動車保有者・運転者に該当しない者ですので、被害者が、保有者・運転者の父母、配偶者、子の場合でも保険金支払いの対象となります。
したがって、「我が子」の場合でも対象となります。 -
「酒酔い運転」という違法行為に伴う事故の場合、自賠責保険から保険金は出ますか?
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自損事故保険は、単独事故によって運転者・保有者、その他搭乗者が死傷したときに保険金が支払われますが、酒酔い運転や麻薬等を使用している場合は、保険金の支払対象にはなりません。
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自賠責保険は保険会社破綻後の経過期間にかかわらず100パーセント補償されるのでしょうか?
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自賠責保険は、保険会社ではなく政府が保障している保険ですので、100%保障されます。
参考:後遺障害が残ったら?逸失利益の計算方法を弁護士が解説!|小杉法律事務所
金山浩晃(かなやま ひろあき)
合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天