証券外務員資格試験の合格率と難易度を徹底解説

更新日:2021年11月26日

目次

証券外務員試験の合格率

証券外務員資格には現状4つの種類がありますが、その中から一般の方が受験できる正会員試験2種類(一種証券外務員・二種証券外務員)にスポットライトを当てていきます。まずは証券外務員試験の合格率を見ていきましょう。

証券外務員試験を実施ししている日本証券業協会のHPには、直近2年間の受験者数と合格者数が掲載されていますので、この数字を確認していきます。

一種証券外務員(正会員)の合格率

受験者数 合格者数 合格率
2022年 4,533名 3,198名 70.5%
2023年 5,886名 4,199名 71.3%

一種外務員試験は、例年70%を超える程度の合格率となっています。

二種証券外務員(正会員)の合格率

受験者数 合格者数 合格率
2022年 2,413名 1,700名 70.5%
2023年 3,833名 2,516名 65.6%

試験問題の出題難易度は二種試験の方が一種試験と比較すると易しく、そう考えると合格率も高くなると想像されますが、実際には一種試験も二種試験も合格率は変わりません。

これは一種試験にも受験資格がないというのが原因と考えられます。そもそも一種試験を目指す方は、二種試験は受験せずに一種試験に挑むことが多いかと思います。そのため二種試験に挑むのは、二種試験を目指している方のみ。そう考えるとこの結果も頷けるでしょう。

証券外務員試験の難易度

合格率は一種・二種ともに60%以上と、非常に高いことが分かります。また、合格率から難易度を推測すると、しっかりと対策しておけば十分に合格が目指せる試験であることも想像できるでしょう。

一種試験と二種試験では出題される問題のレベルも、出題範囲、出題数も変わります。出題される問題の難易度に注目しながら解説していきましょう。

一種と二種の出題の違い

一種試験は金融商品全般が出題範囲、二種試験は一種試験の出題範囲から、デリバティブ取引に関する問題を削除した分野が試験範囲となります。その分出題数にも差があり、一種試験100問、二種試験70問となっています。

試験問題の難易度に関しては、一種試験は金融商品全般における範囲から、実務に直結するような問題が多く出題されます。一方二種試験ではそこまで実務的ではなく、どちらかというと基礎的な問題が中心です。

一種試験と比較すると二次試験は、出題範囲が狭く、出題数も少なく、さらに問題の難易度も低いということになります。

一種と二種の合格ライン

第一種試験 第二種試験
出題数 〇×方式 70問
五肢選択方式 30問
〇×方式 50問
五肢選択方式 20問
配点 〇×方式 1問2点
五肢択一 1問10点
五肢択二 解答1つ5点で1問10点
満点 440点 300点
合格ライン 308点(70%以上) 210点(70%以上)
試験時間 160分(2時間40分) 120分(2時間)

一種試験と二種試験の出題に関する差を表にまとめてみました。どちらも出題はすべて選択式での解答となり、筆記問題はありません。出題数の差から両試験で満点の点数が変わりますが、合格ラインは70%で全く同じということになります。

証券外務員試験は、ほかの受験者の成績に関わらず合否が決定する絶対評価の試験です。つまり合格点をクリアできれば、何人でも合格できる試験となります。

資格試験の評価方法には2種類の方法があります。ひとつは証券外務員試験のように、あらかじめ合格ラインが決まっていて、合格する人数が決まっていない絶対評価。もうひとつはあらかじめ合格する人数がある程度決まっており、受験者のレベルによって合格ラインが変動する相対評価です。

一般的に相対評価の試験よりも絶対評価の試験の方が対応もしやすく、難易度は低くなる傾向にあります。

証券外務員試験合格を目指すのであれば、まずはこの70%が目標となります。ただし、試験当日は何が起こるかわかりません。できれば試験日までに8~9割は正解できるように準備しておきましょう。

CBT方式なので難易度は低め

証券外務員試験が、比較的取得しやすい資格であるといわれる原因のひとつに「CBT方式」という点があります。

CBT方式とは、インターネット上で申し込みを行い、さらに会場に指定されたパソコンで試験を受ける方式です。しかも受験日は受験者の希望で決められる試験であり、基本的に1年中いつでも受験が可能な試験となっています。

一般的な資格試験は、年に1度、もしくは複数回行われ、指定された会場で受験することになります。そのため試験日までに勉強を終わらせる必要があり、間に合わなければ半年や1年間は受験ができないということになるわけです。

CBT方式で試験日も試験場所も自分で選べますので、受験準備の計画は立てやすくなります。自分なりに準備が整ったベストのタイミングで受験ができるという点でも、難易度はさほど高くない試験と言うことができるでしょう。

出題科目別の難易度

証券外務員試験の出題科目は大きく3つに分けることができます。この3つの出題科目ごとの難易度をチェックしていきたいと思います。まずは出題科目とその内容を確認しておきましょう。

出題科目 出題内容
法令・諸規則
  • 金融商品取引法及び関係法令
  • 金融商品の勧誘販売に関係する法律
  • 協会定款・諸規則
  • 取引所定款・諸規則
商品業務
  • 株式業務
  • 債券業務
  • 投資信託及び投資法人に関する業務
  • 付随業務
  • デリバティブ取引
    ※(第一種試験のみ)
関連科目
  • 証券市場の基礎知識
  • 株式会社法概論・経済・金融・財政の常識
  • 財務諸表と企業分析
  • 証券税制
  • セールス業務

一種試験と二種試験の違いは、「商品業務」に含まれる「デリバティブ取引」の部分。金融商品全体を取り扱う一種資格では必須の科目となりますが、現物以外の商品を基本的に取り扱えない二種では試験問題に含まれていません。

では、出題科目別の難易度をチェックしていきましょう。

法令・諸規則

「法令・諸規則」で出題されるのは、金融商品取引における法令や規則などほぼ暗記科目となります。法令や規則には独特の言い回しがあり、このあたりを理解するのがやや難点ではありますが、基本的にはそこまで対策が難しい科目ではありません。

大学で経済学部など、経済学を専攻していた方であれば、大学時代の勉強を覚え直しでもある程度対応できる科目でしょう。法律などの勉強に慣れていない方にとっては、最初が少々難しく感じるかもしれませんが、それでもそこまで難しい科目ではありません。

商品業務

商品業務の科目では、実際に金融商品の販売実務に直結する分野が出題されます。また、販売のみではなく、販売後の付随業務や、手続きなども出題されます。ここでも勉強は暗記が中心とはなりますが、一部計算問題も出題されます。

株式業務や債券業務の問題では計算問題も多く、計算が苦手という方には関門となる科目かもしれません。

科目全体を見ると、資格取得後の業務に直結する部分も多く、証券外務員資格を目指すのであればもっとも力を入れて勉強すべき科目といえるでしょう。

関連科目

関連科目では、非常に基本的な部分を問われる出題が目立ちます。一部法規制の出題などもありますが、どちらかといえば常識を問う部分の問題が多く、きっちり対策ができればそこまで難しくない科目といえるでしょう。

ただし、常識といっても一般常識ではなく、金融商品を取り扱う上での常識ですので、特に金融関係の仕事をしていない方、学生の方はしっかりと勉強をしておきましょう。

また、一部財務諸表の問題などでは計算力を問われる出題もあります。合格するには全体の7割を正解する必要があり、計算問題も気を抜けないところ。しっかりと解けるように準備しておくことが重要です。

証券外務員試験の難易度をほかの資格試験と比較

証券外務員試験の難易度を、ほかの資格試験と比較して難易度を考えていきたいと思います。比較するのは同じ金融商品に関する知識が問われる資格や、受験者が多く人気の高い資格とします。

出題範囲や合格率、出題問題レベルなどを加味して難易度を比較していきましょう。

証券アナリスト(CMA)試験と比較

CMA二次講座後の認定試験データ
受験者数 合格者数 合格率
2022年 3,405名 1,865名 54.8%
2023年 2,548名 1,189名 46.7%

証券アナリストは証券投資・企業評価のスペシャリストであり、様々な投資に関するアドバイスや正確な判断ができる資格となります。資格の性質上、証券会社や銀行員などでも取得する方が多く、特に金融機関の方に人気の資格といえます。

証券アナリストの資格を取得するには、日本証券アナリスト協会が主催するCMA一次講座を受講し、その後の修了試験に合格する。一次試験の修了試験に合格したら、二次講座を受講し、さらに修了試験を受験し合格するという手順が必要です。

一度の試験で合格できる証券外務員資格と比較すると、資格取得までの時間が必要であり、二度の試験をクリアするだけの専門知識も必要になります。

証券アナリストは、金融商品を販売する、勧誘するのが業務ではなく、顧客の投資が問題ないかを分析・判断するスペシャリストであり、その分求められる専門知識もより深い知識が必要となります。

証券アナリストの合格率はそこまで低くありませんが、これはその前に講座を受講しているからでしょう。反対に言えば、講座を受講しても約半数は不合格になる試験です。

取得難易度という点では、証券外務員よりもかなり難易度の高い試験であるといえるでしょう。

FP2級試験と比較

FP2級試験データ
受験者数 合格者数 合格率
2023年9月 学科 23,917名 12,804名 53.5%
実技 20,892名 10,867名 52.0%
2024年1月 学科 26,563名 10,360名 39.0%
実技 24,632名 15,055名 61.1%

※日本FP協会の試験結果

ファイナンシャルプランナーは、個人や企業の資産運用などにアドバイスできる資格です。この資格も金融業界では取得者の多い人気資格です。

ファイナンシャルプランナーは資産運用などのアドバイスを行うため、金融商品に関する知識はもちろん、税制に関する知識、保険や相続に関する知識も必要になります。また金融商品だけではなく、不動産などの知識も必要となるため、問われる知識の範囲が非常に広くなります。

証券外務員試験との難易度比較を考えると、より広範囲に勉強をする必要があるファイナンシャルプランナー試験の方が難しいといえます。

宅建士試験と比較

宅地建物取引士試験データ
受験者数 合格者数 合格率
2022年 226,048名 38,525名 17.0%
2023年 233,276名 40,025名 17.2%

金融関係資格とは別に、人気の高い資格試験とも難易度を比較していきたいと思います。まずは例年20万人以上の受験者がいる宅地建物取引士試験と比較してみましょう。

宅地建物取引士(以下:宅建士)は、不動産取引の現場で、重要事項説明を行うという独占業務を持っています。そのため業務上不動産取引を行う会社には多くの宅建士が在籍しています。

また、不動産関係の業界では、宅建士資格が資格手当の対象となっている会社も多く、業務上は使用しない社員も取得している資格となります。

証券外務員も金融商品の販売や勧誘に必須の資格であり、独占的な業務があるという点では宅建士資格と近い資格になります。この資格がないとできない業務があり、会社から取得を命じられる、推奨される資格という点も似ています。

合格率を見ると、宅建士試験はかなり難易度が高いように感じるかもしれません。しかしこれは、受験者の中にしっかりと対策をしていない方も多いのが影響しているでしょう。上でも触れた通り、特に不動産業界では取得を推奨されている資格であり、準備はしていないけど会社の指示で受験をしているという方も少なくありません。

試験難易度の比較を考えて行きます。宅建士資格は、見た目の合格率ほど難しい試験ではありません。しかし試験範囲が広いという特徴もあります。不動産に関する専門知識はもちろん、税制、法令、相続、登記など多岐にわたる知識が問われる試験となります。

出題難易度に関しては、宅建士試験と一種証券外務員試験で近いものがありますが、対策をする範囲の広さから、試験難易度は宅建士試験の方が高いといえるでしょう。

日商簿記2級試験と比較

日商簿記2級試験データ
受験者数 合格者数 合格率
2022年4月~2023年3月 105,289名 39,076名 37.1%
2023年4月~2023年12月 78,980名 29,188名 37.0%

独占業務はないものの、業種を問わず活躍できる日商簿記2級も非常に人気の資格となります。日商簿記2級を持っていると、商業簿記、工業簿記ができる上、企業の財務諸表の読み方も身に付けることができます。

財務諸表からその企業の営業状態が見えるということは、事務業務が中心の部署だけではなく、営業職などでも活躍できる業界があるということ。その分受験者数も多い資格となります。

合格率の低さは、資格試験でありながら、数学的なアプローチが必要であり、計算力なども問われることが大きな要因といえるでしょう。出題難易度自体はさほど高いものではないといわれていますが、専門知識の応用力を問われるという点で、資格取得の難易度は低くない試験といわれています。

どちらかといえば暗記科目が中心であり、細かな計算力や応用力が問われることが少ない証券外務員試験と比較すると、難易度の高い試験と言うことができるでしょう。

証券外務員を目指すならフォーサイトがおすすめ

ご覧いただいたように、証券外務員試験はそこまで難易度の高い試験ではありません。そうなると、独学で挑戦しようと考える方も多いかと思います。しかしここでおすすめするのは通信講座の受講。特にフォーサイトの通信講座受講がおすすめとなります。

大きな理由の一つは、難易度がそこまで高くない試験だから。難易度がそこまで高くないのであれば、できるだけ勉強時間を短くし、短期間で一気に合格するのがベストです。また、出題科目の多くは暗記科目となります。この点でも一気に勉強して合格を目指す方が効率的といえるでしょう。

そのためには独学よりも、予備校や通信講座の方が勉強効率は高くなります。では、予備校よりも通信講座をおすすめする理由を解説していきましょう。

予備校や独学よりも効率がいい通信講座

確かに予備校へ通学して勉強するのは効率のいい方法です。しかしその予備校が自宅や勤め先、通学先の学校の近くにあるとは限りません。資格取得対策講座を開講している予備校の多くは、人口が集中している都市部に教室があります。

都市部に住んでいる方、都市部に通勤している方は通学も可能ですが、そうではない地方部に住んでいる方には、まず予備校を見つけることが難しいということになります。

また運よく自宅から通える範囲に予備校がある方にもデメリットはあります。それが通学時間です。予備校に通学するのに片道30分必要であれば、通学のたびに1時間を移動時間で消費していくことになります。

実際に社会に出ているサラリーマンの方が、1日に確保できる勉強時間は3時間程度。このうち1時間が移動時間で消費されるのは効率的とは言えません。

この予備校通学における大きな2つのデメリットを解消してくれるのが通信講座です。通信講座は自宅で勉強をするため、まず通学時間がありません。さらに日本全国どこに住んでいても同じ授業を受けられるのもポイントです。

では独学ではどうでしょう。証券外務員試験は、独学でも挑戦できる資格ではあります。しかし、独学の場合自分で参考書や問題集を探し、自分で勉強時間を確保し、分からない問題の解決も自分でしなければいけません。

独学という勉強方法は、確かに経済的ではありますが、効率的とは言えません。特に短期での合格を目指すのであれば、あまりおすすめのできない勉強法となります。

目指す資格試験の難易度が高く、簡単に合格できない、長期間の勉強期間が必要な試験であれば、予備校のメリットは非常に大きくなります。また、独学で挑戦することで経済的なメリットが大きいということもあるでしょう。

しかし証券外務員のように、比較的難易度の低い試験であれば、通信講座を受講することがもっとも効率的な勉強方法ということになります。

講義動画に特徴があるフォーサイト

フォーサイトをおすすめする大きな理由の一つが、講義動画のクオリティの高さです。通信講座は、講義動画や講義配信を見ながら自宅で学習するのが基本的な勉強方法になります。この点においても、講義動画のクオリティの高さというのは、通信講座を選ぶ際に非常に大きな要素となります。

フォーサイトの講義動画は、すべて専用のスタジオで収録されています。このスタジオに大きな特徴があります。フォーサイトの講義動画を収録しているスタジオは、地上波のテレビ番組の収録にも利用されていたスタジオです。

地上波のテレビ番組を収録できるレベルのスタジオとなると、録音機材や照明機材に関しても充実しているスタジオということになります。

一般的に、通信講座の講義動画は、パソコン画面で見るという方が多いかと思います。以前と比較するとパソコンの液晶画面の解像度も上がってはいますが、一般的にはテレビほど解像度は高くありません。つまり、パソコンで講義動画をみると考えた場合、より見やすい講義動画を制作する必要があるわけです。

フォーサイトの講義動画はこの点を重視。パソコン画面やタブレットの画面で見ても見やすい、聞き取りやすい動画を制作するため、機材の充実したスタジオで、本格的な撮影を行っています。

さらにフォーサイトの講義動画は、映像面のクオリティだけではなく、内容のクオリティも高水準にあります。フォーサイトでは講座ごとに専門の講師が講義を担当していますが、受講している生徒の反応が悪いと、担当講師を外されるという制度を採用しています。

そのため、講義内容も十分に練られており、多くの生徒さんから好評をいただいている講師の動画のみが生き残っているということになります。

ここではフォーサイトの講義動画を紹介しましたが、ほかにもオリジナルテキストの充実や、スキマ時間を有効活用できるeラーニング教材の充実などもおすすめポイント。どの通信講座を選ぶか迷った場合は、このあたりを比較検討するといいでしょう。

まとめ

証券外務員資格は、金融機関で働く以上必要不可欠な資格といえます。資格には一種と二種があり、一種の方がやや難易度は高くなっています。自分の業務に必要な資格を取得するのがおすすめ。

就職活動をしている学生など、まだどんな業務に就くのか決まっていない方は、全ての業務に対応できる一種を取得しておきましょう。

資格試験の難易度としては、そこまで難しい試験ではなく、しっかりと対策さえ行えば多くの方が合格できる試験です。そのため、資格取得を目指すのであれば、できれば短期間で一気に取得してしまいましょう。

証券外務員資格を短期間で取得するには、効率的な勉強をする必要があります。そのためには通信講座、フォーサイトがおすすめ。見やすく聞き取りやすい講義動画はもちろん、オリジナルテキスト、さらにスキマ時間を有効活用できるeラーニング教材も充実しています。

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