危険物取扱者の試験内容を解説!合格するために実践したいコツ!

更新日:2019年1月22日

目次

危険物取扱者の試験内容を詳しく解説!

一口に危険物取扱者といっても以下のように大きく3種類に分かれます。危険物取扱者の種別によって試験の内容・難易度が異なってきますが、各受験科目において、60%以上得点することができれば、合格基準に達することができます。

取り扱える危険物の種類
甲種危険物取扱者 第1類~6類のすべての危険物
乙種危険物取扱者 免状の交付を受けた危険物
丙種危険物取扱者 ガソリンなど第4類のうちの一部

甲種危険物取扱者

試験は、五肢択一式のマークシート形式で、試験時間は2時間30分です。
また、受験科目と問題数は以下の通りです。

受験科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 15問
物理学及び化学(物化) 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消) 20問

乙種危険物取扱者

試験は、五肢択一式のマークシート形式で、試験時間は2時間です。
また、受験科目と問題数は以下の通りです。

受験科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 15問
基礎的な物理学及び基礎的な化学(物化) 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消) 10問

丙種危険物取扱者

試験は、四肢択一式のマークシート形式で、試験時間は1時間15分です。
また、受験科目と問題数は以下の通りです。

受験科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 10問
燃焼及び消火に関する基礎知識(燃消) 5問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消) 10問

乙種危険物取扱者は、第1類から第6類のうち1種類でも試験に合格し、免状の交付を受けていれば、受験科目のうち、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消)10問のみを受験すればよく、その際の試験時間は、35分になります。

なお受験科目の一部免除は、当然に受けられるのではなく、願書を提出する際に、免状のコピーの添付を要するため注意が必要です。

危険物取扱者の試験日で注意するべき点とは?

危険物取扱者は、一般的な国家資格と異なる点があります。それは、全国一律の日程で試験が実施されないという点です。

つまり、都道府県ごとに試験の日程や試験の実施回数が異なるため注意が必要です。みなさんが受験される都道府県の情報を事前に確認しておいてください。

試験日程は都道府県で異なる

例えば、東京都の場合、乙種4類の試験は、1ヵ月に3~4回程度実施されています。また、回数は少ないですが、土日に限らず、試験が平日に実施されこともあります。

なお、みなさんが受験される地域によっては、数カ月に一度しか試験が実施されない場合もありますので、受験するタイミングを考慮に入れて、学習の開始時期を決められることをおすすめします。

居住地・勤務地にかかわらず、みなさんが希望する都道府県で受験することができます。そのため、どうしても居住地などでの受験がタイミング的に合わない場合は、近隣の地域での受験を検討されても良いかもしれません。

受付期間は申請方法で異なる

申請方法は、電子申請と書面申請の2つに分かれ、それぞれ、受付期間が異なります。

電子申請

都道府県ごとに異なりますが、書面申請と比べて、受付期間の開始日・締切日ともに数日程度早くなっています。
受付期間は概ね1~2週間程度です。

電子申請を行う場合には、利用規約を確認の上、受験地等を選択し、受験者情報・支払方法を入力します。入金が確認されることで電子申請が正式に受理され、受付が完了したことになります。

なお支払方法は、コンビニエンスストアでの支払いの他、クレジットカード払いなどがあります。

電子申請をした場合は、支払方法に関わらず、入金確認後、受験票の準備が整った時に試験実施団体より「受験票ダウンロード可能メール」が送られてきます。メールを受信することで、受験票のダウンロードが可能になります。

受験票はみなさん自身で、電子申請のTOPページ画面にある「受験票ダウンロード」より、ダウンロードのうえ、印刷をする必要があります。多くの資格試験のように試験実施団体から受験票がみなさんのご自宅に送付されるわけではないため注意が必要です。

書面申請

都道府県ごとに異なりますが、電子申請と比べて、受付期間の開始日・締切日ともに数日程度遅くなっています。
受付期間は概ね1~2週間程度です。

書面申請を行う場合には、東京都においては、(一財)消防試験研究センター本部、中央試験センターの他、都内の各消防署で願書を入手する必要があります。
また、各道府県においては、(一財)消防試験研究センター各道府県支部、関係機関・各消防本部で願書を入手する必要があります。

なお、電子申請の場合と異なり、書面申請の場合は、試験実施団体から受験票がみなさんのご自宅に送付されますので、各自で受験票を印刷する必要はありません。

電子申請と書面申請の受付期間の一例
試験日 電子申請の受付期間 書面申請の受付期間
開始日 締切日 開始日 締切日
9/1(土) 7/9 7/20 7/12 7/23
9/8(土) 7/16 7/27 7/19 7/30
9/24(月) 7/30 8/10 8/2 8/13

各試験の締切日以降は、提出済みの願書の「試験日」並びに「試験種類」の変更はできないため、申請に当たっては、事前に仕事などのスケジュールを確認しておく必要があります。

危険物取扱者の試験の合格率を紹介

危険物取扱者の試験は、都道府県ごとに実施され、実施回数も異なりますが、合格率は、全国・1年単位での数値が、(一財) 消防試験研究センターから公表されています。

平成29年度の試験実施状況は以下の通りです。

甲種危険物取扱者
申請者 受験者 合格者 合格率
26,287人 22,504人 8,388人 37.3%
乙種危険物取扱者
申請者 受験者 合格者 合格率
361,327人 325,411人 135,210人 41.6%

※乙種1類~6類までを合計した数値です。

丙種危険物取扱者
申請者 受験者 合格者 合格率
35,126人 33,128人 16,780人 50.7%

平成29年度において、最も人気のある乙種4類の試験は、申請者は289,795人、受験者数は256,587人、合格者数は88,328人、合格率は34.4%という結果でした。

なお、乙種4類以外の試験は、多くの方が、乙種4類の試験に合格された後に受験されるため、受験科目の一部が免除され、合格率が60~70%と高くなっています。

危険物取扱者の試験に受かる勉強法のコツ

それでは、実際に危険物取扱者試験に合格するためにはどのように学習を進めていくべきかをご紹介します。

徹底的に暗記する

学習においては、暗記と理解の2つの要素があります。この2つの要素のうち、どちらがより重要かよく問題になりますが、危険物取扱者においては、暗記の要素が強くなっています。確かに、単なる暗記で対応できない計算問題なども出題されますが1~2問程度です。
出題の大部分が、暗記要素を占めるため、問題集を通じて、繰り返し反復演習を行うのが非常に効果的です。

参考書は1冊に絞る

よく、参考書を何冊も購入する人もいますが、結局は、利用せずに終わってしまうことが多いと思われます。無駄な出費を控えることはもちろん、効率的な学習をしていくうえでも参考書は1冊に絞ることは重要です。

特に人気の高い乙種4類の参考書は、充実していますので、実際に書店で、参考書の内容の比較を行い、これなら学習を継続できそうだと思えるものを1冊決めましょう。

過去問を解く

すでに述べた通り、徹底的に暗記するという学習方法においては、参考書だけでなく問題集が不可欠です。

年に何回も試験が実施されるため、どうしても似たような問題が出題されることになります。そのため過去問演習を反復することで、繰り返し出題される内容を身に付けていくことができます。

参考書と同様、特に乙種4類の過去問題集は書籍が充実しています。また、書籍によっては、インプット教材である参考書とアウトプット教材である問題集が1冊にまとまっているものもあります。

複数ある危険物取扱者の試験!どの資格の種類を受けるべき?

危険物取扱者は、甲種・乙種・丙種の3種類に分かれます。それぞれ、試験の難易度・出題範囲や受験資格の有無など違いがありますので、どの種別から受験をしていくか学習を開始する前に決める必要があります。

自信がない人は丙種から受ける

3種類の危険物取扱者試験は、段階を踏んで取り組んでいくという選択肢もあります。特に危険物取扱者以外に資格試験の学習をした経験がない方や物理学・化学を苦手とされている方などは、いきなり乙種試験を受験するのではなく、まずは、丙種危険物取扱者試験から受験することも考慮に入れてみてください。

丙種危険物取扱者試験に合格できた成功体験があれば、自分に自信ができ、少し難易度の高い乙種の試験にも対応できる土台はできあがっているはずです。

勉強時間を確保できる人は乙4種から受ける

乙種危険物取扱者資格は丙種危険物取扱者資格の上位資格に該当します。丙種危険物取扱者試験の標準学習時間と比べて乙種危険物取扱者の標準学習時間は約2倍です。

そのため、みなさんが受験される日程を考慮に入れて、概ね2~3ヶ月程度の学習期間を確保できる場合は、乙種4類から受験されてはいかがでしょうか。

まとめ

危険物取扱者の受験に当たっての学習方法について、紹介してきましたが、学習を進めていくうえで、一人で本当に大丈夫だろうかと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

危険物取扱者試験に受かるためには、学習のコツを押さえることが重要になります。試験の性質上、他の受験生と競う必要はないため、試験対策がしっかりできれば、合格基準に達することは決して難しくはありません。

しかし、忙しくて独学で出来るかどうか不安を感じられる方は、通信講座で試験対策をすることをおすすめします。

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