司法書士講座の講師ブログ

被保佐人による不動産の売買

皆さん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の中村篤史です。

先日、被保佐人の方が不動産を売却したことによる所有権移転登記を申請しました。
保佐人には不動産の売却・登記についての代理権が付与されているため、登記の申請は、保佐人が被保佐人を代理して行います。
居住用不動産ではないので、家庭裁判所の許可を得る必要はありません。

しかし、保佐の登記事項証明書を確認したところ、保佐監督人が選任されているため、一瞬、「売買について保佐監督人の同意が必要では?」と思ってしまいました。
「後見人が、被後見人に代わって営業若しくは13条1項所定の行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人がいるときは、その同意を得なければならない」とされているからです(民864条前段)(テキスト1CのP198)。
しかし、この規定は保佐には準用されておらず、保佐監督人の同意を得る必要はないことになります。