《2024年最新》簿記2級とは? 難易度・合格率や出題傾向などを徹底解説!
更新日:2023年2月19日
日商簿記2級は、経理や財務の専門職を目指す方はもちろん、ビジネスマンや就職を予定する学生ならぜひ取得して欲しい人気資格です。新しく始まったネット試験(CBT方式)の影響もあり、今、受験者数はうなぎ登りに増えています。
本コラムでは、簿記2級の取得を目指す方のために、試験の概要や取得のメリット、勉強方法などを紹介します。簿記2級に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
簿記2級とは? 簿記3級との違いは?
簿記2級について、簿記3級と比較することによりきちんと理解していただきたいと思います。
簿記2級と3級とでは、レベルと試験科目の範囲が大きく異なります。
レベル | 試験科目 | |
---|---|---|
簿記3級 | 経理業務の入門資格であり、経理・会計に必要な「基礎知識を持っていること」の証明となるレベル | ●商業簿記のみ |
簿記2級 | 財務諸表から経営内容を把握できるなど、会計実務を踏まえた適切な処理や分析ができるレベル。 | ●商業簿記 ●工業簿記 |
簿記2級の内容を習得すれば、財務諸表から正確な経営分析ができるようになります。
経理・会計の仕事はもちろん、自社の予算管理の実施、経営状況の分析のみならず、他社の経営状況が的確に把握できるようになります。
簿記2級を取得するメリットは?
簿記2級の内容を習得すれば、財務諸表から正確な経営分析ができるようになります。
これにより、次の3つのメリットが生まれます。
①就職・転職で有利!
まず、経理スタッフとして就職・転職ができます。多くの企業では、経理部門の社員に簿記2級以上の知識を求めています。また、財務諸表から正確な経営分析ができることから、社長室・経営企画室などの企画部門のスタッフとしての就職・転職も可能となります。
さらに、管理職になれば、自分の部署の予算管理を行うことや、経営状況の把握、また、取引先の信用情報の分析が求められます。簿記2級で習得した知識があれば、このような業務を十分にこなすことができます。だから、就職・転職で有利になります。
②スキルアップできる!
財務諸表から正確な経営分析ができることから、業務について経営的視点から分析・改善することができます。つまり、経営者と同じ視点で業務を把握できるようになります。これにより、自分の業務の質をアップすることができ、スキルアップにつながります。
③他の資格取得に役立つ!
簿記2級の取得を武器に、さらにレベルの高い資格取得が楽にできるようになります。
公認会計士、税理士、中小企業診断士、ファイナンシャルプランナーなどの試験では簿記の知識が要求されます。
簿記2級に合格していれば、これらの資格取得も楽にすすめることができます。
簿記2級の難易度・合格基準・合格率は?
ここでは、簿記2級の合格基準・合格率・難易度についてみてゆきましょう。
簿記2級の合格基準
簿記2級の合格基準は次のとおりです。
試験科目 | 配点 | 合格基準 |
---|---|---|
商業簿記 | 60点 | 100点満点中70点以上 |
工業簿記 | 40点 | |
合 計 | 100点 |
合計点が70点以上に達しているかという絶対評価で合否が決まるため、問題の難易度によって合格率に開きが出ます。 次の簿記2級の合格率をご覧いただければわかります。
簿記2級の合格率
回 | 実施年月日 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|---|
154 | 2020年2月23日 | 46,939 | 13,409 | 28.6 |
155 | 中止 | |||
156 | 2020年11月15日 | 39,830 | 7,255 | 18.2 |
157 | 2021年2月28日 | 35,898 | 3,091 | 8.6 |
158 | 2021年6月13日 | 22,711 | 5,440 | 24.0 |
159 | 2021年11月21日 | 22,626 | 6,932 | 30.6 |
160 | 2022年2月27日 | 17,448 | 3,057 | 17.5 |
161 | 2022年6月12日 | 13,118 | 3,524 | 26.9 |
162 | 2022年11月20日 | 15,570 | 3,257 | 20.9 |
163 | 2023年2月26日 | 12,033 | 2,983 | 24.8 |
164 | 2023年6月11日 | 8,454 | 1,788 | 21.1 |
期 間 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
2020年12月~2021年3月 | 29,043 | 13,525 | 46.6 |
2021年4月~2022年3月 | 106,833 | 40,713 | 38.1 |
2022年4月~2023年3月 | 105,289 | 39,076 | 37.1 |
2023年4月~2023年12月 | 78,980 | 29,188 | 37.0 |
参考:商工会議所の検定試験 2級・3級受験者データ(ネット試験)
簿記2級の難易度
まず、従来の統一試験(紙)の合格率は過去10回の平均で約20%です。10人中2人しか合格できないので、難しいと言えます。
また、2020年12月から開始されたネット試験の合格率は約40%と、統一試験の2倍です。 つまり、10人中4人は合格できるので、難易度はまあまあと言えます。
簿記2級の合格率が低い要因とは?
簿記3級の合格率は約50%です。これに対して、簿記2級の統一試験の合格率は約20%と合格率が低くなっています。 ここでは、その要因を2つ説明したいと思います。
➀3級は商業簿記だけだが、2級は工業簿記が加わるため
商業簿記はデパートなどに関する簿記なのでイメージしやすいです。
これに対して、2級から加わる工業簿記は、自動車メーカーなどに関する簿記なので、製造業に勤務したことがないと、製造業の原価計算の流れがなかなかイメージできません。
②試験範囲が拡大したため
2015年に決定した試験範囲の改定の影響です。
簿記2級の試験範囲の改定により、2016年度から3年かけて試験の出題される範囲が広がってきました。
従来、簿記1級の範囲だった「連結会計」や「外貨建取引」、「リース取引」などが簿記2級でも出題されることになりました。このように出題範囲が広くなったため、難易度が上がりました。
簿記2級の出題傾向と対策について
簿記2級の試験では、第1問~第3問までが商業簿記、第4問と第5問が工業簿記から出題されます。 過去問を元に出題傾向をまとめると下記のようになります。
問題数 | 試験科目 | 予想される出題と対策 |
---|---|---|
第1問 | 商業簿記 | 仕訳形式の問題。対策はいろんなバリエーションの仕訳問題を繰り返し練習することです。 |
第2問 | 商業簿記 | 特定分野に関する問題。出題論点はある程度決まっていますが、出題形式は回によって様々です。対策は、出題パターンを把握して、時系列に整理し、仕訳を使いながら取引の動きを把握しましょう。連結会計の問題は、確実に対策してください。 |
第3問 | 商業簿記 | 財務諸表の作成や精算表の作成など、決算問題。難易度は高めですので、対策としては、解けるところだけ確実に得点しましょう。 |
第4問 | 工業簿記 | 工業簿記の仕訳問題
製造原価報告書の作成問題 |
第5問 | 工業簿記 | 各種原価計算 |
満点を狙うのではなく、70点を超えることを考えろ!
先に述べたように、簿記2級の範囲は膨大です。 細かいところまで、理解しようと思って学習していたらいくら時間があっても足りません。 まずは、よく出題される範囲を確実に得点するという方針で勉強しましょう!
工業簿記を得点源にする!
工業簿記の出題範囲は長い期間にわたり変更されておらず、出題傾向も安定しています。 だから、まず、工業簿記の過去問から出題傾向を押さえましょう。
比較的に出題頻度の高い総合原価計算、差異の分析を行う標準原価計算、CVP分析を含めた直接原価計算の3分野を特に意識して押さえましょう。できれば、40点満点を狙いましょう!
実際の問題と解くことで慣れろ!
簿記2級試験の合否を分けるのは、多岐にわたる問題を正確に迅速に解く能力です。 仕訳問題では複雑な取引の仕分けが多く出され、正確に解くには練習でルールと手順を身につけることが必要です。
決算処理や会計原則も、具体的な事例を用いて入念に学習することで、試験の難易度に備えられます。 過去問を何度も間違える中で、確実に正しい知識を身につけてゆきましょう。
ネット試験(CBT方式)とは?
2020年12月よりネット試験(CBT方式)が開始されました。
ネット試験(CBT方式)とは、試験場に設置された専用のコンピュータを使用して行う試験方式です。自宅のパソコンから受験できるわけではありませんので注意してください。
受験できるのは、2級と3級のみです。
ネット試験(CBT方式)のメリットは次のとおりです。
- ネット試験会場(テストセンター)の空きがあれば、いつでも受験可能です。
- 受験日の3日前まで変更・キャンセルが可能です。
- 試験終了後、すぐに点数と合否がわかります。合格証は即日発行されます。
試験時間・出題範囲・回答方法
ネット試験(CBT方式)の試験時間や出題範囲は、統一試験(ペーパー形式)と変わりません。
回答方法はネット試験の場合には、端末(パソコン)上で入力やプルダウンなどを行い問題に回答します。ネット上なので問題用紙への書き込みはできませんが、計算用紙は配られます。
従来の受験方法とネット試験(CBT方式)で合格率に差はある?
先に述べたように、紙で実施される統一試験の合格率は約20%です。
これに対して、ネット試験の合格率は約40%です。
現時点では、合格率が倍違うので、ネット試験がオススメです。
簿記2級に合格するための勉強方法・スケジュール
簿記検定においては、3級に合格していなくてもいきなり2級にチャレンジすることは可能です。 ただ、3級の学習を飛ばして、2級の勉強をすることはオススメしません。
3級は簿記の入門レベルです。その知識がないと2級の学習を理解することができないからです。 まず、3級の勉強をきちんとしましょう。
3級の勉強を終えたら、2級の勉強を開始しましょう。 2級は3級と違い、難易度が格段にアップし、量も増えます。
ムダなく効率的に合格するためには、通学または通信講座を受講するのがベストです。 自分にあった講座に巡り合ってください。
また、簿記2級の試験では計算問題が出題されるため、早めに電卓を用意しましょう。 電卓は大きめのものを使用すると、入力ミスを防げます。
簿記2級の試験は時間との勝負なので、電卓に慣れておくことが大切です。
必要な勉強時間の目安は?
簿記3級の知識がある方が2級合格に必要な勉強時間の目安は、以下のとおりです。 1日2時間の学習を目安にして計算しています。
- 講座を利用する場合:100~200時間。期間は2~3か月。
- 独学の場合 :250~350時間。期間は4~6か月。
独学でも合格可能?
簿記3級なら独学も可能ですが、簿記2級は3級と異なり難易度が格段にアップします。 特に、独学の場合、工業簿記のイメージに苦労します。だから、合格に必要な時間も、講座を利用する場合の倍以上かかります。
「3級は独学で合格できたのに、2級では落ちた」という話はよく聞きます。 2級に効率的に合格するには、スクールに通う、または、通信講座で勉強するのがオススメです。
簿記2級最短合格なら通信講座がベスト
難しい簿記2級に、最短で合格するのにベストの学習法は、ズバリ、通信講座です! その理由は、下記のとおりです。
①忙しくても自分のペースで勉強ができる。
通信講座のメリットは、場所や時間を選ばずに、いつでも、どこでも学習ができることです。通勤・通学時間のみならず、自宅での家事の合間や会社の昼休みにも勉強することもできます。仕事や家事、育児などで忙しい人も、それぞれの生活リズムに合わせて、自分のペースで学習を進めることが可能です。
②費用が抑えられる
通学講座の場合、まとまった授業料に加え、通学のための交通費もかかります。 この点、通信講座なら受講料もリーズナブルで、交通費も不要です。
③サポート体制が充実している
市販のテキストを購入し独学で勉強するとき、疑問点を自力で調べなければいけません。これに対して、通信講座なら、質問対応など、学習中のサポート体制が充実しています。不明点をそのまま放置することなく、安心して勉強に取り組むことができます。
フォーサイトの簿記通信講座の特徴
ここで、高い合格率を誇るフォーサイトの簿記通信講座の特徴を述べてみます。
①たった2か月で合格!!
簿記2級検定の合格までには、一般的に4か月程度の学習期間が必要と言われています。
しかしフォーサイトの簿記講座なら、2か月で合格されている方もいます。
満点主義ではなく、合格点主義で教材を制作しているフォーサイトだから、短期合格が可能なのです。
②満足度驚異の90%以上 こだわりのフルカラーテキスト!
フォーサイトのフルカラーテキストは、試験に出るだけのボリューム・重要度毎の配色・理解を助ける豊富なイラストで、高い合格率を実現しています!
③講師歴20年以上の実力派講師陣!!
フォーサイトの簿記講座は、小野正芳講師が担当しています。経験豊かな専任講師が、カリキュラムに合わせた講義や教材の執筆を行っています。
通信講座を体感するなら資料請求しよう!
これまで通信講座をやったことがない方や通信講座をやってみたけど挫折した経験がある方にとっては、通信講座を始める場合、不安が大きいと思います。
そこで、まずは、資料請求をオススメします。もちろん、無料です。
資料請求すると、こんな体験ができます。
①サンプルテキストや問題集を見ることによって、実際の教材に触れてみることができます。わかりやすいか、勉強しやすいかが体験できます。
②無料でeラーニングを体験できます。
これにより、スマホさえあれば、いつでも、どこでも学習できることが体験できます。