簿記2級「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」の難易度の違いは？

日商簿記・全経簿記・全商簿記の違いとは？

簿記2級には、「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」という3種類の試験があります。下の表で、それぞれの試験の大まかな違いを見ていきましょう。簿記2級「日商簿記・全経簿記・全商簿記」比較<figure class="table"><table><tbody><tr><td>&nbsp;</td><td>日商簿記2級</td><td>全経簿記2級</td><td>全商簿記2級</td></tr><tr><td>主催団体</td><td>日本商工会議所</td><td>全国経理教育協会</td><td>全国商業高等学校協会</td></tr><tr><td>合格率</td><td>10％～30%</td><td>商業簿記：35％～60% 工業簿記：80％～90%</td><td>約60%</td></tr><tr><td>難易度</td><td>高</td><td>中</td><td>低</td></tr><tr><td>向いているタイプ&nbsp;</td><td>社会人</td><td>経理専門学校の生徒</td><td>商業高校の生徒</td></tr></tbody></table></figure>

簿記検定は種類によって難易度が違う

「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」は、同じ2級でも難易度・試験範囲が違うため注意が必要です。例えば、「日商簿記2級」は「全経・全商簿記1級」と同じレベルとなります。こちらも分かりやすく表で確認していきましょう。試験範囲と難易度<figure class="table"><table><tbody><tr><td>日商簿記</td><td>全経簿記</td><td>全商簿記</td></tr><tr><td>1級</td><td>上級</td><td>&nbsp;</td></tr><tr><td>2級</td><td>1級</td><td>1級</td></tr><tr><td>3級</td><td>2級</td><td>2級</td></tr><tr><td>簿記初級</td><td>3級</td><td>3級</td></tr><tr><td>&nbsp;</td><td>基礎簿記会計</td><td>&nbsp;</td></tr></tbody></table></figure>

簿記2級には「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」の3種類がある

日商簿記は、日本商工会議所が行っている試験です。「1級・2級・3級・初級」があり、簿記検定の中でも一番受験者が多く、社会的評価の高い試験として知られています。そのため、世間一般的にも「簿記検定＝日商簿記」というイメージが強く、市販のテキストや通信講座のほとんどは、日商簿記を対象としたものになっています。<a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="https://www.foresight.jp/boki/column/boki2-work/">➡仕事に有利な理由はこちら</a>なお、難易度は「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」の中で最も高く、2級の合格率は10％～30%です。<figure class="table"><table><tbody><tr><td>試験日</td><td>【1級】 年2回（6月第2日曜日・11月第3日曜日） 【2級,3級】 年3回（2月第4日曜日・6月第2日曜日・11月第3日曜日） 【初級】 ネット受験</td></tr><tr><td>試験内容</td><td>【1級】 商業簿記・会計学（90分）、工業簿記・原価計算（90分）途中休憩あり 【2級】 商業簿記・工業簿記（120分） 【3級】 商業簿記（120分） 【初級】 簿記の基本用語や複式簿記の仕組み（40分）</td></tr><tr><td>出題形式</td><td>記述式</td></tr><tr><td>試験費用（税込）</td><td>【1級】 7,710円 【2級】 4,630円 【3級】 2,800円 【初級】 2,160円</td></tr><tr><td>合格基準</td><td>【1級】 70%以上、ただし1科目ごとの得点は40%以上 【2、3、初級】 70%以上</td></tr><tr><td>試験会場</td><td>【1～3級】 全国各地の商工会議所が指定する会場 【初級】 インターネット受験（商工会議所ネット試験施行機関）</td></tr><tr><td>合格発表日</td><td>試験後約1ヶ月後 （各商工会議所によって発表時期が異なります）</td></tr><tr><td>受験資格</td><td>年齢・性別・学歴・国籍に関係なく、誰でも受験可能 ※何級からでも受験可能 ※各級の同日受験も可能</td></tr><tr><td>申込方法</td><td>申込受付日程、申込方法（窓口・インターネット・郵送）などは商工会議所によって異なります。試験日の約2ヶ月前には、受験希望地の商工会議所問い合わせましょう。 <a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="http://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class2">「日本商工会議所HP」</a></td></tr></tbody></table></figure>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; &nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; &nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; &nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;

「日商簿記」はどんな試験なの？

全経簿記上級の難易度とは？

全経簿記上級の難易度は「高」、合格率は約20%となっています。試験レベルは「日商簿記1級」と同じ程度です。合格者には、日商簿記1級と同じく「税理士試験の受験資格」が与えられます。日商簿記1級よりも合格率が高いこともあり、「税理士試験の受験資格がほしい」という方の受験が目立ちます。勉強時間は人それぞれですが、全経1級レベルの知識がある人で500時間～700時間程度といわれています。

全経簿記1級の難易度とは？

全経簿記1級の難易度は「高」、合格率は約50%となっています。試験レベルは「日商簿記2級」と同じ程度です。大企業の経理・財務担当者や、製造業の経理・管理者レベルの能力が身につきます。勉強時間はこちらも個人差がありますが、2級レベルの知識がある人で250～350時間程度といわれています。

全経簿記2級の難易度とは？

全経簿記2級の難易度は「中」、合格率は約60%となっています。試験レベルは「日商簿記3級」と同じ程度です。中規模株式会社の経理・財務、製造業の経理担当者レベルの能力が身につきます。上級、1・２級と比べて試験範囲が狭いため、勉強時間は100～120時間程度といわれています。<figure class="table"><table><tbody><tr><td>試験日</td><td>【1～3級・基礎】 年4回（2・5・7・11月の日曜日） 【上級】 年2回（2・7月の日曜日）</td></tr><tr><td>試験内容</td><td>【上級】 商業簿記／会計学：1時間30分 工業簿記／原価計算：1時間30分 【1級】 商業簿記・会計学：1時間30分 原価計算・工業簿記：1時間30分 【2級】 商業簿記：1時間30分 工業簿記：1時間30分 【3級】 商業簿記：1時間30分 【基礎簿記会計】 1時間30分</td></tr><tr><td>出題形式</td><td>筆記試験</td></tr><tr><td>試験費用（税込）</td><td>【上級】 7,500円 【1級】 商業簿記・会計学：2,200円 原価計算・工業簿記：2,200円 【2級】 商業簿記：1,700円 工業簿記：1,700円 【3級】 商業簿記：1,400円 【基礎簿記会計】 1,200円</td></tr><tr><td>合格基準</td><td>【1～3級・基礎】 1科目100点を満点とし、全科目得点70点以上で合格 【上級】 各科目の得点が40点以上、全4科目の合計得点が280点以上で合格</td></tr><tr><td>試験会場</td><td>同協会が指定した全国各地の専門学校</td></tr><tr><td>合格発表日</td><td>【1～3級・基礎】 試験日から1週間以内にインターネット上のマイページで閲覧可 【上級】 試験日から2ヶ月以内にインターネット上のマイページで閲覧可</td></tr><tr><td>受験資格</td><td><ul><li>年齢・性別・学歴・国籍などに関係なく、誰でも受験可能</li><li>何級からでも受験可能</li></ul></td></tr><tr><td>申込方法</td><td>協会HPから申し込み <a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="http://www.zenkei.or.jp/">「全国経理教育協会HP」</a></td></tr></tbody></table></figure>

全経簿記は、全国経理教育協会が行っている試験です。「上級、1級・2級・3級、基礎簿記会計」があり、主に経理専門学校の生徒が受験する試験として知られています。また、一般の方の受験も可能です。

「全経簿記」はどんな試験なの？

全商簿記1級の難易度は？


全商簿記1級の難易度は「高」、合格率は「会計」が約40%、「原価計算」が約45%となっています。試験レベルは「日商簿記2級」と同じ程度です。出題傾向として、「会計」では株式会社の会計処理を中心に、会計法規や企業の業績測定などに関する問題が出題され、「原価計算」では製造業で用いられる簿記で、製品の製造に要した金額（原価）の計算手続きに関する問題が出題されています。

全商簿記2級の難易度は？

全商簿記2級の難易度は「中」、合格率は約60%となっています。試験レベルは「日商簿記3級」と同じ程度です。出題傾向として、商品売買業を営む個人企業の発展的な会計処理と、株式会社の基本的な会計処理についての問題が出題されています。

全商簿記は履歴書に書ける？

全商簿記の資格は、日商簿記や全経簿記と同じく、履歴書に書くことができます。しかしながら、世間一般的に学生が受ける簿記試験という印象が強いため、就職・転職活動に生かしたい方は、社会的評価の高い日商簿記のほうが有利と言えるでしょう。<figure class="table"><table><tbody><tr><td>試験日</td><td>年2回（1・6月の日曜日）</td></tr><tr><td>試験内容</td><td>【1級】 会計：1時間30分 原価計算：1時間30分 【2級、3級】 商業簿記：1時間30分</td></tr><tr><td>出題形式</td><td>筆記試験</td></tr><tr><td>試験費用（税込）</td><td>【1級】 会計：1,300円 原価計算：1,300円 【2級、3級】 各1,300円</td></tr><tr><td>合格基準&nbsp;</td><td>100点満点とし70点以上で合格</td></tr><tr><td>試験会場</td><td>同協会が指定した全国各地の試験場校</td></tr><tr><td>合格発表日</td><td>試験当日試験場校において日時・場所を発表</td></tr><tr><td>受験資格</td><td><ul><li>年齢・性別・学歴・国籍などに関係なく、誰でも受験可能</li><li>何級からでも受験可能</li></ul></td></tr><tr><td>申込方法</td><td>高校生：在籍校で受験票により申し込み 一般：指定された最寄りの試験校で受験申込書を入手し申し込み 詳しくは「全国商業高等学校協会」HPから <a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="http://www.zensho.or.jp/puf/examination/bookkeeping.html">「全国商業高等学校協会」</a></td></tr></tbody></table></figure>

全商簿記は、全国商業高等学校協会が行っている簿記検定です。「1級・2級・3級」があり、主に商業高校の生徒が受験します。一般の方も受けることができますが、実際はほとんどが学生となっています。

「全商簿記」はどんな試験なの？

今回は、簿記2級の3種類の試験（日商簿記、全経簿記、全商簿記）に注目し、難易度や試験範囲の違い、必要な勉強時間などについてご紹介しました。各試験のメリット・デメリットを把握した上で、就職・転職に生かしたいのであれば「日商簿記」、税理士・公認会計士を目指す場合は「全経簿記（上級）」など、将来的に有利な資格を選ぶようにしましょう。

まとめ


<figure class="image"><img style="aspect-ratio:660/300;" src="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads/boki2-type/main-1739111394222-817092846.jpg" alt="パソコンの前でスマホ見てる人" srcset="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads/thumbnail_main-1739111394216-766465417.jpg 245w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads/small_main-1739111394216-554605221.jpg 500w," sizes="100vw" width="660" height="300"></figure>簿記2級の受験を検討する際、「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」という3種類の試験が出てきて、「一体、何がどう違うの？」「どの試験を受ければいいの？」と、戸惑った方も多いのではないでしょうか。今回は簿記2級における3種類の試験にスポットを当て、試験内容やレベルの違い、難易度、勉強時間について紹介していきます。

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