簿記2級の精算表とは?精算表の問題・解き方を分かりやすく解説!

更新日:2019年3月26日

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日商簿記2級の試験では、第3問に「精算表や財務諸表の作成問題」が出題されます。最近は、財務諸表を作成する問題の出題率が増えていますが、精算表の問題も定期的に出題されています。

ここでは、日商簿記3級でも出題された精算表を中心に分析・解説していきます。このページで基礎をしっかりと理解して、問題演習を繰り返し、確実に得点できるようにしておきましょう。

目次

簿記2級、精算表とは?

精算表とは、一言でいえば「決算作業を一つにまとめた表」のことを指し、決算整理前残高試算表から、損益計算書と貸借対照表とを作成する過程を示した一覧表です。

なお、「日商簿記2級」試験では、第3問で「精算表の作成問題」又は「財務諸表の作成問題」が出題されています。精算表の作成方法は基本的に日商簿記3級と同じですので、過去問演習を繰り返すことで、早く正確な表を作成できるようにしておきましょう。

簿記2級、精算表を作成するときのポイント

精算表を作成するときのポイントも、日商簿記3級で勉強した内容とほぼ同じです。ただ、株式会社を想定したものとなるので、注意が必要です。ここで、3級の精算表をおさらいしてみましょう。

精算表作成の手順

1.決算整理事項の仕訳

決算整理事項の仕訳を修正記入欄に記入します。(A)

2.貸借対照表または損益計算書への記入

試算表欄に記入された金額に、修正記入欄の金額を加減して、その計算結果を貸借対照表又は損益計算書に記入します。この計算の際に、次の事項に注意しましょう。

  • 借方同士または貸方同士加算します。(B)
  • 貸借がのものは減算します。(C)

3.損益計算書および貸借対照表の借方・貸方の計算

損益計算書および貸借対照表の借方貸方の金額をそれぞれ合計します。その際に生じた差額については、当期純利益(または当期純損失)として、合計金額の少ない方に記入します。なお、当期純利益になるのか、当期純損失になるのかは、次の基準で判断しましょう。(D)

  • 損益計算書の借方欄に差額金額を記入した場合
    当期純利益となります。
  • 損益計算書の貸方欄に差額金額を記入した場合
    当期純損失となります。

修正記入欄のもととなる仕訳を表すと、以下のようになります。

  1. 借:仕入 1,500 / 貸:繰越商品 1,500
  2. 借:繰越商品 1,000 / 貸:仕入 1,000
  3. 借:貸倒引当金繰入 150 / 貸:貸倒引当金 150
  4. 借:原価償却費 400 / 貸:減価償却累計額 400
精算表1
勘定科目 試算表 修正記入(A) 損益計算書 貸借対照表
借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方
現金 9,000 9,000
売掛金 3,000 3,000
繰越商品 1,500 1,000 1,500 1,000(C)
備品 8,000 8,000
買掛金 2,000 2,000
借入金 4,000 4,000
貸倒引当金 50 150 200(B)
減価償却累計額 400 400 800
資本金 10,000 10,000
売上 10,000 10,000
受取利息 1,000 1,000
仕入 4,500 1,500 1,000 5,000
給料 1,450 1,450
27,450 27,450
貸倒引当金繰入 150 150
減価償却費 400 400
当期純利益 4,000(D) 4,000
3,050 3,050 11,000 11,000 21,000 21,000

簿記2級、精算表の解き方のコツを教えて!?

精算表の作成問題では、最後の当期純利益の数字が合わなくても、部分点がもらえます。全問解答ではなく、部分点で稼ぐことを意識しましょう。

部分点を稼ぐコツは「修正記入欄だけを縦に埋めていく」のではなく、「修正記入→損益計算書→貸借対照表」の順で横一列に埋めていくことです。問題演習のときも、「修正記入→損益計算書→貸借対照表」の順で横に埋めるようにしましょう。

➡勉強のスケジュールについてはこちら

簿記2級、精算表の問題をチェック!

簿記2級、精算表の過去問を見てみよう

それでは、日商簿記2級の精算表の過去問をチェックしてみましょう。

試験範囲の大改訂が行われた日商簿記検定2級では、以下のような問題が出題されています(著作権の問題があり、少し内容を変更しています)。

精算表の問題は、問題文にボリュームがあるため問題演習を繰り返すことで、出てくる勘定科目に慣れておくことが大切です。

次の決算整理事項等にもとづいて、答案用紙の精算表を完成しなさい。なお、会計期間は4月1日から翌年3月31日までの1年間である。

決算整理事項等

  1. 保有株式に対する配当金領収証¥10,000を受け取っていたが、未処理であった。
  2. 当座預金の銀行残高証明書の金額は¥7,250,000であり、当社の帳簿残高と不一致であったため、その原因を調査したところ、次の事実が判明した。
    (1) 買掛金の支払いのために¥200,000の小切手を仕入れ先に振り出していたが、仕入れ先ではこの小切手代金の取り立てを決算日現在行っていなかった。
    (2) 広告宣伝費の支払いのため決算日直前に小切手¥450,000を作成し、振出し処理を行っていたが、業者への小切手の引き渡しが行われずに、金庫に保管されていた。
    (3) 銀行に取り立て依頼し、当座預金口座に入金済みの約束手形¥300,000について、当社では三木町であった。
  3. 受取手形及び売掛金の期末残高に対して3%の貸倒れを見積もり、差額補充法により貸倒引当金を設定する。
  4. 総品の期末棚卸高は次のとおりである。なお、売上原価は「仕入」の行で計算し、棚卸減耗損と商品評価損は、独立の科目として表示する。

続く・・・

(フォーサイト『簿記2級 問題集』より)

日商簿記2級、精算表の出題傾向をチェック!

「日商簿記2級」試験で出題される精算表は、株式会社を想定したものとなります。つまり、日商簿記3級では「精算表1」のように、勘定科目の「資本金」までを貸借対照表に書き、勘定科目の「売上」からは損益計算書に書いていました。

しかし、日商簿記2級からは下の「精算表2」のように、勘定科目「繰越利益剰余金」までが、貸借対照表の勘定科目になります。重要なポイントなので、間違えないように注意しましょう。

日商簿記2級の精算表2
勘定科目 試算表 修正記入 損益計算書 貸借対照表
借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方 借方 貸方
資本金 9,000,000 9,000,000
利益準備金 843,750 843,750
繰越利益余剰金 250,000 250,000
売上 22,046,000 22,046,000
受取手数料 86,250 28,000 58,250

日商簿記2級試験(第3問)、「精算表の作成問題」と「財務諸表の作成問題」どちらが出る?

「日商簿記2級」試験の第3問には、精算表や財務諸表の作成問題が出題されます。そして最近の傾向としては、財務諸表を作成する問題の出題率が増えています。

とはいえ、精算表の問題も定期的に出題されているので、直近の過去問を中心に問題演習を繰り返し、しっかりと得点できるように力をつけておきましょう。

まとめ

今回は、日商簿記3級でも出題された精算表に注目し「精算表を作成するときのポイント」「精算表の過去問チェック」「出題傾向の分析」などについて解説しました。

精算表の問題は、問題文にボリュームがあるため、最初は戸惑ってしまう受験生も多いようですが対策として、問題演習を繰り返し、出題パターンや出てくる勘定科目に慣れておくことで、試験でも落ち着いて解答ができるようになります。

日商簿記2級は、テキストを読むだけでは知識はつきませんので、問題演習と過去問演習に力を入れ、しっかりと身につけていきましょう。

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