簿記について

簿記について

日商簿記1級の覚えておくべき「仕訳内容」!出題傾向とは?

日商簿記1級試験では、おおよそ300の仕訳を身につければ合格できると言われています。今回は、日商簿記1級受験を考えている方に向けて、覚えておくべき日商簿記1級の「基本仕訳」「用仕訳問題集の選び方」「試験の出題傾向」「新たに加わる会計学について」「独学で合格できるか」などについて、分かりやすく解説していきます。

仕訳を制する者は簿記を制す!

日商簿記1級の基本的な仕訳一覧

日商簿記1級を学ぶ上では、「圧縮記帳」・「減損会計」・「連結会計」など各項目の基本仕訳をマスターし、問題文を読んだだけで仕訳が出てくるようにすることが重要です。

なお、基本的な仕訳には以下のものがあります。

重要度の高い仕訳一覧

  • 有価証券
  • 貸倒引当金
  • 有形固定資産
  • リース会計
  • 減損会計
  • 資産除去債務
  • 退職給付会計
  • 社債
  • 純資産会計
  • 外貨換算会計
  • 税効果会計
  • 現金預金
  • 連結会計

仕訳問題集の選び方

仕訳に特化した問題集を利用すると効率的に進めることができます。その場合、頻出率を「A(非常によく出る)、B(よく出る)、C(出る)」という風にランク付けしてあるものを選ぶようにしましょう。A→B→Cの順に進めることで、ポイントを押さえた学習が可能になります。

仕訳はスキマ時間を使って覚えよう!

仕訳は通勤時間、休憩時間、電車の待ち時間などのスキマ時間を使って勉強しましょう。最近は仕訳に特化した問題集や、テキストの巻末に「切り離して使える仕訳カード」がついているものもあるため、毎日持ち歩き、何度も見返すことで自分の力になっていきます。

どうしてもわからない取引は仕訳を暗記する

日商簿記1級は、2・3級のように、「仕訳のパターンを暗記するだけでは合格できない」と言われています。しかし、どうしても理解できないものについては、取引のパターンを見て、仕訳を覚えてしまいましょう。その分、基本的な問題をしっかり解けるようにしておけば、点数を確実に稼ぐことができます。

日商簿記1級の出題傾向とは

日商簿記1級の合格率は10%前後となっています。また、試験範囲も膨大で、難易度の高い試験です。出題傾向としては、日商簿記2級の知識を掘り下げたものが多く、その一方で、見たこともないような問題も出題されています。ここでは、日商簿記1級の出題傾向を探っていきましょう。

基礎的な知識で点数を稼ぐ

「見たこともない難問」は受験生のほとんどが解けないため、あまり気にすることはありません。それよりも、日商簿記2級の試験範囲をしっかりと理解し、基礎的な問題で点数を稼ぐことが合格のポイントです。

日商簿記1級の出題傾向

日商簿記1級の試験では、試験科目が「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」の4科目に増えます。テキストも簿記2級では「商業簿記」「工業簿記」の2冊でしたが、1級では8~10冊に増え、その圧倒的なボリュームに驚く受験生も多いようです。

商業簿記

出題傾向としては実務を意識したものが増え、基礎的な知識に加えて、応用力を求める傾向が強くなっています。特に商業簿記では、あいまいな知識のままでは得点に繋げることが難しい状況です。そのため、一つの会計処理でもその基本をしっかりと理解し、深く掘り下げて理解するようにしましょう。

会計学

ここ数年、過去問とよく似た問題が出題される傾向が続いています。標準的な問題が多く、難易度もそれほど高くありません。そのため、過去問演習を中心に進めていき、会計学を学習していく上で基本となる専門用語も理解しておきましょう。

工業簿記

日商簿記2級と出題範囲はほぼ変わりはないものの、これまで以上にしっかりと理解しておくことが必要です。勘定記入は工業簿記の基本となるため、特に念入りに学習しておきましょう。また、工業簿記は問題文が長いため、問題演習を繰り返すことで、全体を的確に読みこなす力を身につけておきましょう。

原価計算

原価計算では管理会計の計算問題が出題されるため、基本をしっかりとマスターし、問題文全体を的確に読みこなす力を生かしていきましょう。また、見たことのない問題が出題されることがありますが、問題文中の[資料]の(注)を参考に解答が可能なケースも多いです。そのため、より注意して問題文を読むようにしましょう。

新たに加わる会計学とは?

日商簿記1級の試験から、新たに「会計学」という科目が加わります。この「会計学」で学ぶことは、大規模な株式会社の応用的な会計です。さまざまな会計処理や、財務諸表の作成に関する背景や理論を学習していきます。

日商簿記1級の過去問(会計学)を見てみよう

日商簿記1級の試験科目と配点は以下のようになっています。

試験科目 配点
商業簿記 25点
会計学 25点
工業簿記 25点
原価計算 25点

日商簿記1級の合格基準は、全体で70%以上である必要があります。そのため、1科目でも10点未満の科目があった場合、40%未満の科目が出てしまうため、点数の合計が70点以上でも不合格になります。そのため、苦手な科目を作らないよう、バランスよく学習をしておきましょう。

なお、会計学は2~4問の小問形式(穴埋問題もしくは正誤問題)で、そのうち1問が理論問題となっています。

独学で合格できる? 合格率は?

日商簿記1級の合格率は?

日商簿記1級試験の過去10回の合格率は、以下のようになっています。

試験回 受験者数 合格者数 合格率
第150回(2018.11.18) 9,852人 680人 9.0%
第149回(2018.6.10) 9,429人 1,007人 13.4%
第147回(2017.11.19) 10,675人 487人 5.9%
第146回(2017.6.11) 9,064人 626人 8.8%
第144回(2016.11.20) 11,062人 783人 9.3%
第143回(2016.6.12) 9,845人 846人 10.9%
第141回(2015.11.15) 11,791人 873人 9.6%
第140回(2015.6.14) 10,361人 716人 8.8%
第138回(2014.11.16) 12,882人 877人 8.8%
第137回(2014.6.8) 11,095人 847人 9.7%

出典:「日本商工会議所」

上の表を見ると、日商簿記1級の合格率は10%前後となっています。また、簿記3級の合格率が40~50%、2級の合格率が20~30%であることと比べると、難易度が圧倒的に高いことが分かります。特にここ最近の1級は、平成28年度から段階的に行われた試験範囲の改定の影響で、合格率が10%を切る回が増えています。

日商簿記1級は独学で合格できる?

日商簿記1級では、試験範囲が2級の約5倍以上に広まり、出題内容も複雑になります。問われる知識は基本的なものが多いですが、応用力を求める問題が増えるため、難易度も2級と比較して高くなっています。この難易度を階段に例えて「3級は3階、2級は10階、1級100階」と考える受験生もいるようです。

また、勉強方法も2級までは過去問演習中心で対応できたものの、1級からはしっかりとした理解が必要になってくるため、独学での学習は厳しくなるでしょう。

とはいえ、通学講座や通信講座は費用がかかるため、一度書店で市販のテキストに目を通してみて、内容として難しいようであれば通学講座や通信講座を検討すると良いでしょう。

その際は、通学講座であれば無料体験講義を、通信講座であれば無料サンプルや資料を2~3社から取り寄せて、慎重に比較検討することをおすすめします。

まとめ

今回は日商簿記1級受験を考えている方を対象に、覚えておくべき「日商簿記1級の基本仕訳」「日商簿記1級、仕訳問題集の選び方」「日商簿記1級試験の出題傾向」「新たに加わる会計学とは?」「日商簿記1級は独学で合格できる?」などについてご紹介しました。

日商簿記1級は、試験範囲が膨大なうえに、極めて高度な簿記の知識が求められる試験です。頻出する仕訳と計算をマスターすることで、難関といわれる日商簿記1級合格を目指しましょう。

簿記試験に合格するには圧倒的合格率・スピード合格・低価格のフォーサイト 詳しくはこちら

こちらの記事もオススメ

簿記2級「返品調整引当金」の仕訳と処理をわかりやすく解説! 簿記2級は、本当に仕事(就職・転職)に有利ですか? 簿記2級の合格に必要な勉強時間(学習時間)はどのくらい? 簿記1級、2級、3級、初級の違いとは? 日商簿記2級の「本支店会計」の仕訳と処理をわかりやすく解説! 工業簿記を学べる簿記2級とは? 簿記3級とはどんな資格なの? 勘定連絡図をわかりやすく解説!簿記2級(工業簿記) 簿記3級の試算表とは?解き方をわかりやすく解説! 簿記2級の資格取得のメリットは?就職や転職で役立つ? 簿記2級の「圧縮記帳」とは?仕組み・仕訳をわかりやすく解説! 簿記2級の過去問・出題傾向を徹底分析!効果的な勉強方法は? 簿記2級の試験概要!簿記2級の合格率や難易度、勉強時間は? 簿記2級試験に初心者が3か月で「一発合格」するための正しい勉強方法 高校生は簿記2級,3級の「全経・日商」どちらを受ける? 簿記2・3級の受験者を悩ませる「損益勘定」とは?  「簿記2級」取得後、私の年収はどのくらいになる? 簿記合格者に人気の資格「中小企業診断士」とは?ダブルライセンスのメリットは? 【必読!】簿記資格は未経験でも転職に有利?求人情報から徹底分析! 簿記2級試験は、初心者でも「独学」で一発合格できる? 簿記2級の財務諸表とは?問題・作成方法・出題傾向をわかりやすく解説 簿記2級「伝票会計・仕訳日計表」の書き方を分かりやすく解説! 日商簿記・全商簿記・全経簿記の違いを教えて!就職にはどの試験が役立つ? 簿記2級と建設業経理士のダブルライセンスのメリットは? 日商簿記2級「標準原価計算」とは?直接原価計算の違いは? 簿記2級の「精算表」とは?清算表の問題・解き方を分かりやすく解説! 簿記2級「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」の難易度の違いは? 日商簿記1級の覚えておくべき「仕訳内容」!出題傾向とは? 簿記検定試験の魅力を知ろう 簿記試験の受験について詳しくご説明 他の資格と難易度を比較してみよう 他の資格と良さを比較してみよう 簿記検定の合格率・難易度は?