基本情報技術者試験が大きく変わる!試験概要を徹底解説

更新日:2023年3月28日

国家資格である「情報処理技術者試験」の一区分である基本情報技術者試験。

IT業界を目指す方、ITエンジニアを目指す方の入門的な資格として人気の資格ですが、2023年4月から試験方式や出題内容が大きく変更されます。

この記事では変更されるポイントなど新しい試験概要を徹底解説。さらに新試験に対応するための勉強法や、気を付けるポイントなどを紹介していきます。

目次

基本情報技術者試験とは?

基本情報技術者試験は、「情報処理技術者試験」という国家資格の中のひとつの区分になります。情報処理技術者試験には全部で12の区分が存在し、その中のひとつということになります。

同じ情報処理技術者試験の中にはITパスポートや応用情報技術者試験があり、それぞれ特徴が違ってきます。

まずは基本情報技術者試験の概要や、どのような資格なのかという点を簡単に解説していきましょう。

IT業界で働く方が目指す資格

基本情報技術者試験を目指す方の多くは、IT業界で働いている方、もしくは働きたいと思っている方、そしてITエンジニアの方など。単純にITを利用している方というよりは、より専門的にITを利用する業種の方が目指す資格となっています。

こうしたIT系の資格の中では、資格の名称に「基本」が就いていることからもわかる通り、いわゆる入門編的な資格。まずはこの基本情報技術者資格を取得してから、さらに上位の資格を目指すという流れになります。

では、受験者がすべてIT業界の方かというとそうではありません。近年では多くの一般企業も、DXなどを意識しています。つまり一般企業においても、この基本情報技術者試験に合格できる程度のIT知識は求められるようになっています。

今後も日本国内で働く以上、ITを活用していく知識、能力は必須となります。現状はIT業界の方が中心の資格ですが、将来的には多くの社会人の方が取得すべき資格となるかもしれません。

参考:基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違いを比較【どっちがおすすめ?】|CloudInt

基本情報技術者試験の受験資格

基本情報技術者試験には受験資格がありません。社会人の方はもちろん、将来IT関係の仕事を目指している学生の方が受験することも多く、非常に人気の高い資格試験となっています。

基本情報技術者試験の出題範囲

基本情報技術者試験の出題範囲はかなり幅広くなります。ITに関する基礎知識が問われる試験ですので、出題範囲はITに関する知識全般ということになるからです。

もちろん出題される問題は基本的な部分が中心となりますが、とはいえ勉強すべき範囲はかなり幅広くなりますので、効率的に学ぶ必要があります。

科目A試験
出題科目
内容
テクノロジ系 基礎理論/アルゴリズムとプログラミング/コンピュータ構成要素/システム構成要素/ソフトウェア/ハードウェア/ヒューマンインターフェイス/マルチメディア/データベース/ネットワーク/セキュリティ/システム開発技術/ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系 プロジェクトマネジメント/サービスマネジメント/システム監査
ストラテジ系 システム戦略/システム企画/経営戦略マネジメント/技術戦略マネジメント/ビジネスインダストリ/企業活動/法務
科目B試験
情報セキュリティ 情報セキュリティの確保に関すること
アルゴリズム
(擬似言語)
プログラミング全般に関すること/プログラムの処理の基本要素に関すること/データ構造及びアルゴリズムに関すること/プログラミングの諸分野への適用に関すること

2023年から大幅に変更される基本情報技術者試験

ITエンジニアを目指す方、IT業界で働きたい方にとっては、入門編ともいうべき基本情報技術者試験。この試験の実施概要が、2023年4月から大幅に変更されることが発表されました。

試験の出題内容から試験の実施方法、採点方法までといろいろなポイントが変更となり、これまでの試験とは少々イメージが変わってくる可能性もあります。

変更された内容により、どのような対策が必要になるかも気になるところですが、まずは変更されたポイントに関して紹介していきましょう。

年2回の試験が通年受験可能なCBT方式に

基本情報技術者試験に関しては、ここ数年で開催方法が2度変更されているため、混乱しないように過去の方式、2023年1月現在の方式、そして2023年4月以降の方式に分けて紹介しましょう。

試験日
旧試験
2023年4月以降
毎年上期と下期で実施
CBT方式で通年受験可能

元々基本情報技術者試験は年に2度、春期試験と秋期試験が実施されていました。試験の実施は年2回。いずれもいわゆるペーパーテストの形です。

この形式が変更されたのが2020年。この年から基本情報技術者試験にもCBT方式が導入されます。

CBT方式とは、PCなどを利用してス件から採点までを一括で行う方式。従来のぺーおアーテストとは違い、受験場所やタイミングを問わない試験です。そのため、受験日や受験場所を受験者が選択できる試験であり、近年いろいろな資格試験で導入されている方式となります。

2020年から採用されたCBT方式は、ある程度の受験可能期間が設けられ、その中で希望する試験日を選択するという方式。ちなみに2022年度下期の受験申し込み期間と受験可能期間を紹介しておきます。

試験
申し込み期間
受験可能期間
午前試験 2022年9月1日~11月17日 2022年10月1日~11月22日
午後試験 2022年9月1日~11月21日 2022年10月1日~11月22日

この方式が2023年度4月から変更され、通年受験可能なCBT方式となります。つまり申し込み期間や受験可能期間がなくなり、受験者が希望するタイミングで申し込み受験する形となります。

受験時代はより挑戦しやすくなるため、今後受験を考えている方にはメリットの大きい変更となるでしょう。

午前試験は「科目A試験」に

これまで基本情報技術者試験は「午前試験」と「午後試験」に分けて行われていましたが、この名称と内容が変更になります。

これまでの「午前試験」は「科目A試験」に名称を変更。出題範囲こそ変更はなくこれまで通りですが、試験時間と出題数が変更されます。

旧試験
2023年4月以降
名称 午前試験 科目A
出題範囲
テクノロジ系
マネジメント系
ストラデジ系
(出題範囲に大きな変更ナシ)
出題数 80問 60問
試験時間 150分 90分

出題数は20問減り、試験時間は60分短くなります。ここで意識しておきたいのがこの試験時間と出題数。

これまでの試験方式では、1問あたりの解答時間が112.5秒。つまり2分弱ありましたが、新方式の試験では90秒、1分半で1問解答していかなければいけません。

2023年1月時点では、まだ出題内容のレベルに関しては不明ですが、これまで通りの難易度の問題が出ると考えても、その回答時間がかなり短くなります。

これから受験を考えているという方は、解答スピードもある程度意識して受験対策をねる必要があるかもしれません。

午後試験は「科目B試験」に

「午後試験」は「科目B試験」と名称が変更になり、出題内容も大幅に変更されます。特に注意が必要なのはこの科目B試験でしょう。

旧試験
2023年4月以降
名称 午後試験 科目B
出題範囲 ・情報セキュリティ(必修)
・アルゴリズム(必修)
・ソフト・ハードウェア
(8項目から2問選択)
・ソフトウェア開発
(5つの言語から1つを選択)
・情報セキュリティ
・アルゴリズム(擬似言語)
出題数 出題は全部で11問
解答は5問
・情報セキュリティ 1問
・アルゴリズム 1問
・ソフト・ハードウェア 2問
・ソフトウェア開発 1問
・情報セキュリティ 4問
・アルゴリズム(擬似言語) 16問
試験時間 150分 100分

大きな変更点としては、プログラミング言語やソフト・ハードウェアの選択問題が廃止され、出題科目が2つに限定されること。科目が2つに限定されるとはいえ、出題範囲が狭くなるということではなく、この2つに統合されると考えた方が良いでしょう。

もうひとつの注目点は、出題数と解答時間です。これまでの午後試験では、解答すべき問題は5問でしたが、科目B試験では20問の問題に回答することになります。しかし試験時間は50分短くなるため、単純に1問あたりの解答時間が、30分から5分に短縮されるということになります。

これまでの午後試験では、出題される問題の文章量が非常に長く、その出題内容を読み取る力が重要でしたが、科目B試験では問題文が短縮されるようです。

実際に「情報処理推進機構」のHPで公開されているサンプル問題を見ても、比較的文章量の少ない問題ばかりとなっています。

問題文が短くなること自体は、受験者にとってのメリットでもありますが、とはいえ解答時間が大幅に短縮されるのも事実。短い時間の中で焦らずしっかりと解答を導き出す能力が求められるようになります。

採点は絶対評価からIRT方式に

最後に採点方式にも触れておきましょう。これまでは絶対評価で100点満点中60点を取得すれば合格でしたが、今後の試験ではIRT方式が採用されます。

一般的な試験の採点は、設問ごとに配点があり、その配点を基準に合計点を求めるというものです。

これに対しIRT方式は「項目応答理論」とも呼ばれ、事前に設問ごとに配点が決まっていません。どのように採点するかというと、各設問に対し受験生がどの程度解答できたかということを参考に、得点が決められていくというもの。

分かりやすくいってしまえば、試験結果が出てから配点が決まるという方式です。仮に受験者全員が正解した問題に関しては、配点が非常に低くなります。反対に解答できた受験者が少なかった問題ほど配点は高くなります。

こういった形で採点が行われますので、仮に2人の受験者が、同じだけの問題数を正解できたとしても、正解できた問題によって得点が変わることになるわけです。

採点のイメージとしては絶対評価よりも相対評価に近い採点方法となり、対策自体はこれまで以上に難しくなる可能性があります。

いずれにせよ、より難易度の高い問題を溶けた方ほど高得点を取れる試験ということになるでしょう。

基本情報技術者試験を受けるなら

2023年4月より、新たない試験内容、試験方式、採点方式が導入される基本情報技術者試験。これからこの資格試験に挑戦する方には、通信講座の受講をおすすめします。

通信講座の受講をおすすめする理由は大きく分けて2つ。ひとつは「短期間でも合格を目指すため」、もうひとつは「新試験方式に対応するため」です。

基本情報技術者試験は独学でも合格を目指せる試験です。資格試験の中では、難易度はそこまで高い試験ではありません。だからこそ「短期間での合格」が重要になります。

基本情報技術者試験は、持っている知識を証明するための資格であり、「この資格を持っていないとできない業務がある」というタイプの資格ではありません。重要なのは資格を取得してからその資格をどう生かすかということ。つまり資格取得自体に長い時間をかけるのは得策ではないということになります。

もうひとつのポイントである新試験への対応。個人でもネットなどでいろいろな情報は入手できますが、試験方式が変わったことは理解できても、変わった試験方式に合わせて、どのような対策をすればいいかまではなかなか分かりにくいところ。

通信講座には基本情報技術者試験の専門家である講師があり、その講師陣やスタッフが、新方式の試験に対応するためベストな勉強方法やカリキュラムを検討しています。

特に初学者の方では気づかないような点も、いわゆるプロの講師陣であれば分かるもの。まだハッキリと分からない部分もある新方式に対して、より効率的に学ぶには通信講座を利用するのがおすすめということになります。

通信講座でどの程度の効果があるのか、また通信講座と同様に専門講師がいる予備校ではなく通信講座をおすすめする理由はなどの疑問にお答えしていきましょう。

試験合格に必要な勉強時間

まずは基本情報技術者試験の難易度を確認しておきましょう。基本情報技術者試験に初学者が独学で合格するために必要な勉強時間は150~200時間と言われています。

一般的な社会人がこれだけの勉強時間を確保しようとなると、2~3ヶ月程度は必要でしょう。

通信講座を利用した場合、独学と同様のペースで勉強をすすめた場合でも、120時間程度の勉強時間で合格可能と言われています。勉強期間にすればおよそ1ヶ月半。これだけ勉強効率が違うということになります。

もちろんどの通信講座を利用するかで勉強時間も変わってきますが、しっかりとしたカリキュラムを組み、さらに分かりやすいテキストがある通信講座であれば、120時間以内の勉強時間での合格も十分目指せるでしょう。

予備校への通学は効率が悪くなる可能性も

資格試験の勉強方法には、独学、通信講座に加え予備校に通学するという方法もあります。ここであえて予備校をおすすめしない理由は、予備校では効率的に学べない可能性があるからです。

予備校で授業を受けて合格を目指すこと自体は、通信講座同様に非常に効率のいい勉強方法です。この点では何の問題もありませんが、大きな問題が「通学しなければいけない」という点です。

通学をするということはその通学にかかる時間が必要となります。通学に片道30分かかるとして往復で1時間。講義が20回あれば、20時間の通学時間が必要となります。

単純な勉強時間で考えれば、予備校に通学する場合も通信講座同様、120時間程度の勉強時間で合格が可能でしょう。しかし予備校の場合はここに20時間の通学時間が加わることになります。

資格試験の中でも難易度が高く、1,000時間の勉強時間が必要な試験などの場合、こうした通学時間も誤差の範囲と考えることができますが、150~200時間で合格できるような試験の場合、この通学時間のせいで勉強期間が非常に長くなってしまうことになります。

また、そもそもの問題として、資格試験対策を行っている予備校は、人口の多い都市部に集中しているという点も挙げられます。近隣にこうした予備校がない地方部の方は、そもそも予備校に通うという選択肢がないということに。

これが基本情報技術者対策において予備校をあえて推奨しない理由です。同じ専門講師の講義を受講するのであれば、通学時間不要、日本全国どこでも受講可能な通信講座がおすすめということになります。

通信講座はフォーサイトがおすすめ

基本情報技術者試験の対策講座を開講している通信講座は数多くあり、度の口座を選ぶべきか悩んでしまう方も多いでしょう。

この記事でおすすめするのがフォーサイトの通信講座です。その理由に関していくつか紹介していきましょう。

試験概要変更にいち早く対応

フォーサイトの通信講座は長く基本情報技術者試験の対策講座を開講しており、テキストや問題集も分かりやすいオリジナルのものを採用しています。

何よりおすすめのポイントが、新方式の試験に対応している点。試験方式の変更発表とともにいち早くその対策を考え、新方式の試験に対応したテキストやカリキュラムを作成しています。

こうした素早い対応が可能なのも、基本情報技術者試験に精通した講師陣やスタッフ陣が揃っているからこそ。すでに新試験対応の問題集もあり、安心して勉強を進めることができるでしょう。

スキマ時間も無駄にしないeラーニング教材が充実

もうひとつおすすめのポイントがeラーニング教材の充実です。eラーニングとはスマホやタブレットを利用した勉強方法のこと。フォーサイトではこのeラーニング専用の教材を揃えて提供しています。

前述の通り、社会人の方にとって大きな問題となるのが勉強時間の確保。そんな方におすすめしたいのが、毎日のスキマ時間を勉強時間に変えるeラーニングです。

食後のちょっとした時間、毎日の通勤電車の中など、スキマ時間は比較的多いもの。この時間を勉強時間に変えることができれば、より短期間での合格を目指せるでしょう。

まとめ

基本情報技術者試験は、IT業界を目指す方、ITエンジニアを目指す方がぜひ取得しておきたい入門編的な資格です。

この基本情報技術者試験が、2023年4月から大幅に変更されます。変更点は出題内容、試験方式、試験時間、採点方法など多岐にわたり、これまでの試験とは違った対策が必要となるでしょう。

対策の変更はもちろん独学でも不可能ではありませんが、より確実な対策、より効率的な勉強を望むのであれば通信講座の受講がおすすめとなります。

通信講座の中では、新方式の試験に早速対応したテキストやカリキュラムを用意しているフォーサイトがおすすめ。さらに充実のeラーニング教材で、より効率的に、より短期間での合格が目指せるでしょう。

この記事の監修者は
對馬敬広(つしま たかひろ)

圧倒的成長、ここからスタート!
【出身】青森県
【経歴】弘前大学理工学部卒。基本情報技術者、甲種危険物取扱者等の資格を保有。
【趣味】料理、筋トレ
【座右の銘】不撓不屈
フォーサイト講師ブログ

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