基本情報技術者試験の過去問がない!試験対策はどうすればいいのか?

更新日:2023年7月5日

過去問集とノートと鉛筆と消しゴム

基本情報技術者試験は、過去問対策が非常に有効な試験として知られていました。

しかし、近年試験概要の変更が繰り返されており、現在基本情報技術者試験は、過去問が存在しない試験となっています。過去問が存在しないということは出題傾向などの把握も難しいということ。

なぜ過去問が存在しないのか、過去問が存在しない現状で、どのような対策が有効か。基本情報技術者試験の最新の対策に関して紹介していきます。

目次

かつては過去問対策が最善策だった

基本情報技術者試験対策と言えば過去問対策。そういわれるほどかつての基本情報技術者試験では過去問対策が重視されていました。

2019年度試験までの基本情報技術者試験の出題傾向を見ると、過去問がそのまま出題されている、過去問と非常に似た問題が出題されているといったケースが、ほかの資格試験と比較しても非常に多いのが分かります。

どんな資格試験においても、過去問対策は有効な試験対策ではありましたが、その中でも基本情報技術者試験は特に過去問対策が有効で、試験対策の勉強としては過去問を解くのが最善策とも言われていました。

しかし2020年以降、話が少々変わってきます。試験の出題傾向や出題範囲、出題される問題などの変更が繰り返され、かつてのように過去問対策が最善策とは言えないような状況になっています。

まずは、基本情報技術者試験の科目別に過去問対策が有効なのかどうかを紹介していきましょう。

科目Aはまだある程度活用可能

基本情報技術者試験の試験内容は年々変化しています。そんな中でも比較的かつての試験と大きく変わらないのが科目Aの試験です。

基本情報技術者試験の科目Aでは、ITに関する基礎的な知識が問われる出題が多く、この点においては長く変わっていません。そのため出題傾向も大きく変わってはおらず、過去問対策がある程度有効であると考えることができます。

ただし過去問対策といっても古すぎる過去問はあまり推奨できません。ITに関する状況は年々進化しており、10年前と現在では同じである部分と変わってきた部分があります。

科目Aの試験対策として過去問を活用する場合は、できるだけ最近出題された過去問を利用するようにしましょう。

科目Bの過去問はない

過去問対策と考えた場合、大きな問題があるのが科目Bの試験です。科目Bの試験に関しては、何度も出題傾向、出題内容が改正されているため、過去問対策が通用しにくい科目ということができます。

さらに2023年4月からは出題内容が大幅に変更され、2022年度までの試験とは違った形の出題が行われています。

とはいえ過去問が存在しないというのは言い過ぎと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、文字通り過去問は存在していません。

というのも、基本情報技術者試験にCBT方式が採用され始めた2020年以降、基本情報技術者試験の過去問は、公式HPでも非公開となりました。つまり、2023年4月以降に実施される、新方式の科目Bの試験に関しては、過去問が一切存在しないということになります。

過去問対策をするといっても、その過去問が存在しない科目Bに関しては、過去問対策は不可能に近いといっていいでしょう。

基本情報技術者試験の過去問がない理由

基本情報技術者試験の過去問で、一般に公開されているには2019年度の試験問題までです。2020年度以降の問題は公開されていません。

とはいえ、2019年度までの過去問があれば、その過去問で対策をと考えたいところですが、そう上手くもいかない理由があります。

まずは、近年実施された基本情報技術者試験の試験内容の変更をまとめていきましょう。

年度 変更内容
2011年・秋試験 午後試験(現科目B)の表計算の問題にマクロの内容が加えられる
2014年・春試験 (午前・午後試験ともに)情報セキュリティ分野からの出題が増える 午後試験で情報セキュリティ分野が必須問題となる
2019年・秋試験 午後試験のプログラミング言語からCOBOLが廃止となる
2020年・春試験 プログラミング言語にPythonが追加される
2020年・秋試験 CBT方式導入
2023年・春以降 CBT方式を本格導入
午前試験が科目A、午後試験が科目Bとなる
試験時間や出題数、出題内容が変更される

2019年時点で、午後試験(現・科目B)では、複数のプログラミング言語の問題が出題され、その中から2つの言語を選択して解答する選択問題が存在していました。そして、そのプログラミング言語の中からCOBOLが廃止され、Pythonが加わったのが2019年です。

しかし翌2020年の秋試験からCBT方式が導入されます。これは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、秋試験の実施が難しくなったことから急遽導入されたもので、CBT方式ながらこれまでと同様の出題傾向が見られました。

2023年度試験からは、本格的にCBT方式が導入され、それに合わせて試験の呼称も変更、さらにその出題内容、出題傾向や、試験時間、問題数なども変更されています。

特に科目Bにおいてはプログラミング言語の選択問題が廃止されるなど、大幅な変更が発表されています。試験全体を見れば出題傾向に大きな変更はないとも言われていますが、出題される問題が大幅に変更される以上、どのような問題が出題されるかを予想するのは簡単ではありません。

出題傾向に関しても、出題される問題の変更によりどのような傾向になるのか、この点はある程度時間が立たなければ見えてこないかもしれません。特に基本情報技術者試験に初挑戦する初学者の方にはかなり難しい問題です。

出題傾向が見えない試験に合格するのはなかなか難しいこと。よほど基本情報技術者試験に精通した方でないと、こうした出題傾向の予想などは難しいかと思われます。

令和2年度(2020年度)試験以降の過去問は非公開

2020年の基本情報技術者試験は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、それまで行っていた会場に受験者を集めて実施する試験が中止になっています。それに代わって導入されたのがCBT方式の試験です。

そしてこのCBT方式導入をきっかけに、基本情報技術者試験の過去問は非公開となり、以降過去問対策が難しくなっています。

CBT方式の導入がきっかけ

なぜCBT方式の導入で過去問が非公開になるのか。それはCBT方式の特徴と言えるかもしれません。

CBT方式の試験では、試験問題が多数準備されます。仮に1つの試験で出題されるのが100問だった場合、数百問の問題が作成されるといわれています。

CBT方式は、PCで受験する試験方式。受験日や受験場所などは受験希望者が自ら指定し決めますので、ほぼ毎日のように日本のどこかで基本情報技術者試験が行われているということになります。

この基本情報技術者試験で出題された問題(過去問)を公開してしまうと、公開した問題は二度と出題できなくなります。とはいえ、出題する問題を作成するにも限度がありますので、試験問題は公開せず、数百問ある問題から、ほかの受験者と難易度に差が出ないように調整しつつ、ランダムに出題される形になります。

つまり、同じ日、同じ時間に、同じ試験会場で受験している2人がいたとしても、その2人が解いている問題は違う問題という形になるということ。

こうした試験方式では、過去問としてかつて出題した問題を公開できないということになります。

2023年度試験からは科目Bの内容が大幅変更

2023年度試験における出題内容、出題傾向の変更で大きく変わるのが科目Bの試験です。出題の変更内容に関してはほかに詳しく解説している記事がありますので、そちらの記事を参考にしていただき、この記事では深く触れません。

基本情報技術者試験が大きく変わる!試験概要を徹底解説

試験の出題内容が大幅に変更されたため、現状存在している最新の過去問、2019年度試験の午後試験の問題を解いても、現状の科目Bの試験にはあまり関係ないということになってしまいます。

基本情報技術者試験対策で過去問が有効な理由

基本情報技術者試験においてはかつては過去問対策が非常に有効でした。これは基本情報技術者試験に限らず、資格試験においてはある程度共通しているポイントです。

基本情報技術者試験においても、ほかの資格試験においても、過去問対策が有効である理由を解説していきましょう。

出題される問題の難易度レベルが分かる

過去問は文字通り、過去に出題された問題です。この過去問を解くことで、基本情報技術者試験で出題される問題の難易度を知ることができます。

全体の問題の難易度が理解できれば、どの程度勉強すれば試験に合格できるかが想像できるようになります。

また、過去問を解けるようになれば、基本情報技術者試験にむけて自信を付けることにもなります。

もちろん演習問題に挑戦するという事であれば、テキストの例題でも問題集でも代用は可能です。しかし、実際の試験の難易度と同じ難易度の問題が解けるというのは大きな自信になるでしょう。

そのため、問題集の演習問題などと併せて過去問対策をすることで、より勉強効率は高くなると考えられます。

試験全体の出題傾向が見える

過去問を一問解くだけではなかなか見えてこないものの、過去問全体を解くことで見えてくるのが、基本情報技術者試験の出題傾向です。試験全般において重視されているポイント、繰り返し問われる知識、特に難問が出題されやすい分野など、その試験の出題傾向を知ることは試験対策において重要なポイントです。

過去問を一通り解き、単純に正解不正解をチェックするだけではなく、どんな内容が出題されているのか、どんな分野が重視されているのかなど、出題傾向を意識しながら対策をすると、合格にまた近づけるでしょう。

科目Aの対策ではある程度活用できる可能性も

基本情報技術者試験に関しては、2020年度試験以降の過去問が公開されていません。また、2019年以前の試験とは変更されている点も多く、すでに公開されている過去問で対策をしても大きな効果は望めないかもしれません。

とはいえ、前半で解説した通り、科目Aの対策に関しては、ある程度過去問対策が通用する可能性があります。科目Aの試験対策をする場合、過去問対策を採り入れるのは悪くないと思われます。

ただし、科目Aの過去問対策で注意しておきたいポイントもあります。それが問題を解くスピードの部分です。

2022年度試験まで、科目Aの試験は150分で80問だったのに対し、2023年度以降は90分で60問を解く形に変更されています。わずかではありますが、1問にかけられる時間が減少しており、これまで以上に解答スピードを高める必要があります。

理想は80分で60問を解き終わり、残り10分はマークミスがないかなど見直しの時間に充てること。そう考えると80問の過去問を100分程度で解答できないといけない計算になります。

科目Aの対策に過去問を活用する場合は、解答スピードも意識して取り組むのがおすすめとなります。

過去問はHPからダウンロードできる

基本情報技術者試験対策として過去問を活用したいという方は、「独立行政法人 情報処理推進機構」のHPを確認してみましょう。2023年6月現在確認できるだけで、2009年度以降の過去問がダウンロード可能となっています。

上記の通り基本情報技術者試験に関しては2019年度試験の過去問までしか手に入りませんが、誰でも無料でダウンロード可能です。

過去問がないからこそフォーサイトがおすすめ

基本情報技術者試験には過去問対策が重要でした。しかし2023年6月現在、これ以降受験するにあたって参考になる過去問は存在していません。過去問が存在していないということは、最新の基本情報技術者試験の出題傾向などをつかむのは難しいということになります。

基本情報技術者試験はそこまで難易度の高い試験ではありません。実際に独学で合格したという方も多く、これから独学での取得を考えているという方も多いでしょう。

しかし新方式になってどのような出題傾向か分からない試験に独学で挑むのはかなり難しいかと思います。もちろん何度か受験するつもりというのであればいいのですが、基本情報技術者試験の難易度を考えると、できれば一度の受験で結果を出したいところ。

そこでこれから受験を考えている方におすすめしたいのが通信講座・フォーサイトの基本情報技術者試験対策講座です。

まず、なぜ予備校に通学するのではなく通信講座をおすすめするかと言えば、やはり基本情報技術者試験の難易度がポイントになります。

基本情報技術者試験に合格するために必要な勉強時間は独学でも150~200時間程度。通信講座や予備校を利用すればさらに短くなるでしょう。しかし、予備校に通学するということは通学時間が必要になります。

仮に1時間の授業を受けるために往復1時間の通学時間が必要となれば、1時間分の勉強をするのに2時間必要という計算になります。もっと難易度の高い試験で予備校に通学するのであれば、通学時間も誤差の範囲と考えることができますが、基本情報技術者試験の難易度の場合、誤差の範囲とは言えないほど通学時間の占める割合は大きくなってしまいます。

また予備校への通学は、仕事の事情で授業に参加できないケースがあったり、そもそも通学できる範囲に予備校がなかったりと、ある程度学ぶ方の状況を選ぶ勉強法になってしまいます。

その点自宅でマイペースで進められる通信講座は、ある意味独学と非常に似た環境で勉強ができ、さらに独学よりも効率的に学べる勉強法といえます。

基本情報技術者試験の対策であれば、通信講座がベストといえるでしょう。

ではその通信講座の中で、なぜフォーサイトがおすすめなのか。この点を解説していきましょう。

フォーサイトの基本情報技術者試験講座には精度の高い問題集がある

基本情報技術者試験対策の難しい点は、過去問がなく最新の試験ではどのような出題傾向かを把握しづらい点でしょう。この点はフォーサイトに任せれば問題ありません。

フォーサイトには基本情報技術者試験に精通した専門講師がいます。また、これまで基本情報技術者試験対策に携わってきたスタッフもいます。長年基本情報技術者試験対策を考えてきたスタッフや講師は、出題形式や出題傾向が変わったとしても、そもそもどんな能力をチェックする試験かという所を理解しています。

つまり、出題傾向が変わろうが試験の形式が変わろうが、どのような問題が出題されるのか、想定した演習問題を作成することも難しくないということ。

過去問がないことで信頼できる演習問題がないというのが独学で大きなポイントとなりますが、フォーサイトのオリジナルテキスト、問題集はこうした不安を解消できるものになっています。

フォーサイトならスマホでも演習問題にチャレンジ可能

フォーサイトをおすすめするもう一つのポイントがeラーニング教材の充実です。フォーサイトではいつでも手元にあるスマホなどを利用して勉強ができるeラーニング教材が豊富にそろっています。

一般的に外出先でも時間を見つけて勉強しようとすると、重たいテキストや問題集、ノートなどを持ち歩く必要があります。しかし特に女性の方にとって、こうしたテキストなどを持ち歩くには非常に大きな負担となります。

しかしフォーサイトのeラーニング教材は、スマホで簡単に閲覧可能ですので、余計な荷物を持ち歩く必要がありません。

フォーサイトのeラーニング教材は、スマホでいつでもどこでも勉強ができるように工夫されています。講義動画は1本15分程度の短時間動画が中心。これであれば、出勤の電車の中でも視聴可能でしょう。また、講義の音声データもあるので、映像を見るのが難しい満員電車でも、音だけで学習可能です。

さらにスマホで手軽に挑戦できる演習問題もあり、毎日のちょっとしたスキマ時間を勉強時間に変え、より効率的に勉強を進められるでしょう。

まとめ

基本情報技術者試験は、かつて過去問対策が非常に有効な試験でした。過去問とほぼ同じ問題が出題される、非常に似た問題が出題されるという事も多く、過去問対策で出題傾向をつかむことが最重要視されていた試験でした。

しかし、近年試験概要の変更が繰り返され、2020年度試験以降はCBT方式の導入もあり過去問が公開されなくなってしまいました。

2023年度試験からは特に科目Bの試験で大幅な変更があり、現状では過去問がない状態で新しい試験方式に対応することが求められています。

過去問対策という有効な勉強法ができなくなり、また新方式の試験に関する出題傾向もみえないまま試験に挑戦するのはかなり難しいこと。かつての基本情報技術者試験であれば独学でも十分挑戦できましたが、2023年以降しばらくは独学での挑戦は難しくなったといえます。

そんな状況で基本情報技術者試験を目指すのであれば、独学にはこだわらず通信講座の利用がおすすめ。通学の必要がなく、自宅でマイペースに学べる通信講座は、基本情報技術者試験に対する勉強法としては非常に有効な勉強法といえます。

そんな通信講座の中では、基本情報技術者試験に精通したスタッフが多くいるフォーサイトの通信講座がおすすめ。過去問がなくなった中でも、信頼できる演習問題、出題が予想される問題などがそろっており、これまで通り高い確率で合格を目指せるでしょう。

また、フォーサイトはeラーニングにも注力。毎日のスキマ時間を有効活用し、より効率的に学ぶことができます。

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