カードと消費生活とは?

カードと消費生活とは
目次

カードと消費生活とは

現代では、様々なカードが出回っており、私たちの生活に必要不可欠なものとなっています。

加えて、インターネットでの商品購入や諸契約の活発化により、カードの利用機会は増加する一方です。

その反面、カードの使い過ぎによるトラブルも年々増えています。

したがって、カードを利用する上でも当然に自己責任・自己管理が求められます。

カードを利用する上でのメリット

会員(利用者)のメリット

手持ちの現金がなくても、商品を購入することができます。

また、1回払いの場合、支払いが最大70日間猶予されます。分割払いの場合は、支払能力に応じて定額返済が可能となります。

加盟店のメリット

販売機会の損失を防ぎます。

また、客単価の向上につながります。

そして、カード情報を活用した販売戦略が可能となります。

顧客の固定化にもつながります。

カード会社の利点

加盟店から手数料を受け取ることができます。

また、分割払いの場合、会員から手数料・利息を受け取ることができます。

カードを利用する上でのメリット

クレジットカード

クレジットカードには多くの種類があります。

なお、クレジットカードはクレジットカード会員の所有物ではなく、クレジットカード会社から貸与されたものです。

種類 特徴
銀行系
カード
銀行および銀行の子会社が発行するカード。最もオーソドックスなカードであり、世界中で使える可能性が最も高いカードです。 DC、JCB、UC、VISAジャパンなど
T&E
カード
旅行や娯楽に特化した独自のサービスが特徴のカード。Travel&Entertainmentの略です。最近はステータスを強調する戦略をとっています。 アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブなど
信販系
カード
信販会社が発行するカード。国内での認知度が高いカードです。 NICOS、オリコ、ジャックス、ライフなど
流通系
カード
スーパーやデパートなど流通系の企業が発行するカード。顧客の固定化に重点をおいているため、割引やポイントサービスなどの付加価値が充実しています。 OMC、セゾン、Iカード、VIEWカードなど
業態別
カード
中小小売団体系、石油会社系等の業種別で設けているカード。最近は銀行系・信販系カードと提携するケースが増えています。 日専連(日本専門店会連盟)・日商連(中小小売団体)、出光クレジット(石油系)、ソニーファイナンス(メーカー系)など

支払方法と手数料

1回払い、分割払い、ボーナス(1回)払い、リボルビング払いから選択します。

原則として、1回払いは手数料無料です。

一方、1回払い以外は手数料が必要となります。

しかし、最近は利用者を優遇するため、2回払いまで手数料無料としたり、ボーナス一括払いの場合には手数料無料とするカードもあります。

リボルビング払いとアドオン方式

リボルビング払いは、毎月の返済額を一定の額に設定し、一定の範囲内であらかじめ設定した金額を分割して支払う返済方法をいいます。

利用額の枠はあるものの、枠内での使い過ぎが認識しにくいという欠点があります。

アドオン方式は、元金に対して貸付期間と所定の年利率を乗じて利息を計算し、元金と利息の総額を返済回数で割って毎月の返済額を決定します。

そのため、実際に支払う金利は表示されている金利よりもかなり高くなります。

信用情報機関

信用情報機関とは、ローンやクレジットなどの信用取引に関する契約内容や返済・支払状況・利用残高などの客観的取引事実を表す情報のことを言います。

信用取引とは、現金を使わずに買い物をしたり、ローンを利用して物を購入する取引のことです。

そして、この信用情報を管理しているのが信用情報機関で、信用情報機関は、会員会社であるクレジット会社やローン会社から登録された信用情報を一元管理し、会員会社からの照会に応じて信用情報を提供する事業を通じて消費者と会員会社との信用取引を支援しています。

信用情報機関は、会員会社の業種に応じて複数あります。

信用情報機関

個人に関する信用情報機関の種類

個人に関する信用情報機関には以下の種類があります。

  • 全国銀行個人信用情報センター
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)

利用者に関して

条件を満たす会員と認められた企業は、利用することができます。本人は自己の信用情報を確認することができます。

登録内容に関して

<各機関の会員から登録される情報>

  • 本人識別情報(氏名・性別・住所等)
  • 取引情報(契約種類・契約日・契約金額・支払記録・残高等)
  • 事故情報(延滞・代位弁済・保証履行等)

<各機関が独自に収集する情報>

  • 官報情報(破産宣告・失踪宣告)
  • 参考情報(本人申告情報・苦情処理中情報)

登録機関に関して

各機関や情報により異なりますが、取引情報については最長5年となっています。

デビットカード・電子マネー

デビットカード

現金の代わりにキャッシュカードで代金の支払いができるサービスです。

「デビット」とは、経済用語で「即時決済」を意味します。

デビットカードの特徴は、利用代金が即座に預金口座より引き落とされます。

使い過ぎの心配がなく、時間外や他金融機関から引き出す際の手数料を支払わなくて済みます。

ただし、与信機能はついていないので、キャッシングサービスは受けられません。

電子マネー

金額データをカードに記憶させ、その範囲内で使用できるカードです。

多機能版プリペイドカードといえるものですので、暗証番号やサインが不要です。

スピーディな決済処理が可能で、1枚に何回でも金額を補充することができます。

この機能をリローダブル機能と言います。

カードの比較

クレジットカード デビットカード 電子マネー
決済時期 後払い 即時払い 前払い
利用単価による
マーケット
1万円前後以上 1,000円~1万円前後 ~数千円前後
利用上限額 利用限度額の範囲 預金残高の範囲内 チャージ限度額(3万円程度)
利用可能時間 24時間 銀行のシステム稼働時間内 24時間
安全性 サインで本人確認・カード再発行可能 暗証番号で本人確認カード再発行可能 再発行不可
利用時の本人確認 サイン・暗唱番号 暗証番号 不要
メリット・デメリット 返済の自己管理が重要 預金残高の範囲内での利用となるため、預金残高以上に使いすぎる心配がない 紛失した場合、他人に使われる可能性が大きい

カード利用の注意点

カードはその利便性から、つい使いすぎてしまう恐れがあります。

返済が滞った場合、遅延損害金の支払いだけでなく、カードの利用自体を止められてしまうこともあります。

各自の支払能力をよく考え、無理のない範囲で利用することが大切です。

使い過ぎを防止するための対策としては、

  • 無計画な衝動買いをしない
  • 無理なく返済できるよう、利用限度額を決めておく
  • 月々の支払額を把握するため、明細書を確認・保管する
    万一、返済が困難・不能になった場合には、下記の期間へ早めに相談しましょう。
  • (財)日本クレジットカウンセリング協会
  • 弁護士会
  • 国・地方自治体等の消費者相談機関(消費者相談室・消費生活センター)等

カードローン・キャッシング

簡単に借りられる便利さから、借りている自覚や抵抗感が少なく、使いすぎてしまいがちです。しかし、簡単に借りられるということは、反面それだけ金利が高いということを忘れてはいけません。

カードローンは、毎月一定額の返済です。

キャッシングは、翌月1回払いです。なお、金利はカードローンの方が低いです。

サイン

カードの裏側には必ずサインをしておきます。本人を証明するもので、紛失・盗難などで不正使用を防止する役割があるからです。

カードが不正使用されてもサインが無ければ損害額が補償されないので忘れずに記しておくことが必要です。

暗証番号

カードに関わる犯罪でもっとも多いのは、盗んだり、拾ったりしたカードでのキャッシングです。

そのうち犯人が暗証番号を以前より知っていたり、簡単に推測し得たりしたケースが大半を占めています。

はじめから他人に推測されやすい番号は避けるようにするべきです。

カード犯罪

特に最近はネットワーク上でカード情報が盗まれるケースや、「スキミング」といわれる犯罪が増えており、手元にカードがあるのに被害に遭うケースが増えています。

スキミングとは、加盟店の端末機からカード情報を写し取る手口のことを言います。

盗難時等の対処

まずはカード会社に連絡をします。必ず緊急連絡先を控えておくようにしましょう。

警察に「紛失届」「盗難届」を出します。

警察で証明書をもらわないと、本人が被害者であることを立証できず、カード盗難保険がおりない場合があります。

カード盗難保険とは、一般的に、届出日から前60日の紛失・盗難によるカード被害に対して、一定額までまたは全額を補償する保険です。

キャッシングはほとんど対象外です。

偽造・盗難キャッシュカードによる被害の補填ルールとしては、平成17年10月に金融機関に被害補償を義務付ける預金者保護法が成立し、偽造・盗難キャッシュカードによる被害の補填ルールが発表されました。

キャッシュカードの盗難による被害について、預金者の過失の重大さによって金融機関の補填割合が異なります。

カードと消費生活に関するよくある質問

信用情報機関には、過去の取引などの情報が載るのですか?

はい、信用情報機関には過去の取引や事故情報についても登録されます。

アドオン方式とはどのようなものをいいますか?

アドオン方式とは、元金に対して貸付期間と所定の年利率を乗じて利息を計算し、元金と利息の総額を返済回数で割って毎月の返済額を決定する返済方式です。

リボルビング払いとはどのようなものをいいますか?

リボルビング払いとは、毎月の返済額を一定の額に設定する返済方法です。

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