教育訓練給付金とは?申請方法までわかりやすく解説

更新日:2023年7月13日

PCを打つ女性

資格取得の際に利用できる給付金を「教育訓練給付金」といいます。

教育訓練給付金は、行政から支給されるものなので、条件や手続きが少々複雑で分かりにくい部分があります。

そこでこの記事では教育訓練給付金に関してわかりやすく解説。教育訓練給付金の支給条件や種類、さらに申請の方法などを解説していきたいと思います。

せっかく国が用意している教育訓練給付制度。これから資格取得を考えているという方は、ぜひ参考にして、上手に利用するのがおすすめです。

目次

教育訓練給付制度とは?

教育訓練給付制度は、1998年(平成10年)に創設された制度であり、雇用保険法の失業等給付のひとつとなる制度です。雇用の安定や失業後の再就職促進を目的としており、2014年(平成26年)に大幅に改正されました。

教育訓練給付制度の基本は、資格取得などのために受講した講座の受講料の一部を支給するというもの。

教育訓練給付金には3つの種類があり、それぞれ支給の条件や対象の講座に違いがあります。

教育訓練給付金の給付条件

教育訓練給付金の種類と、それぞれの給付条件など基本事項をチェックしていきましょう。

受講開始日 専門実践
教育訓練給付金
一般教育訓練給付金 特定
一般教育訓練給付金
雇用保険の
被保険者
被保険者期間が3年以上
当分の間は
被保険者期間2年間
当分の間は
被保険者期間1年間
雇用保険の
被保険者以外
被保険者期間が3年以上かつ被保険者ではなくなってから1年以内
初めての申請は
被保険者期間2年間
初めての申請は
被保険者期間1年間
その他の条件 ・受講開始時45歳未満
・通信&定時制を除く
特になし

教育訓練給付金は「専門実践教育訓練給付金」、「一般教育訓練給付金」、「特定一般教育訓練給付金」の3つに分けられます。

それぞれの特徴や違いは後述しますが、支給を受ける条件としては、雇用保険の被保険者期間が3年以上という点が挙げられます。

雇用保険の被保険者期間とは、正社員もしくは雇用保険に加入できた非正規社員であった期間のこと。簡単に言ってしまえば、前の会社に3年以上勤めていたということになります。

対象となる講座の受講開始日の時点で、まだ雇用保険の被保険者であっても教育訓練給付金の対象になりますし、すでに退職をして被保険者でなくなった方も、退職から1年以内であれば支給対象となります。

また、教育訓練給付金は、何度でも受給可能です。初めて教育訓練給付金の申請を行う場合は、雇用保険の被保険者期間が1~2年間あることが条件。2度目以降の申請の場合は、前回の支給から次の講座受講までの期間で、3年間以上の雇用保険被保険者期間が必要になります。

専門実践教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金とは、教育訓練給付金の対象となる資格講座や資格学校の中でも、より中長期的なキャリア形成に資する、専門的かつ実戦的な教育訓練が対象となります。

つまり、教育訓練給付金の対象となる講座の中で、一部の特別な講座のみが対象になるということ。

教育訓練給付金の中では唯一年齢制限があり、受講開始時点で45歳未満である必要があります。また、受講する講座は定時制や通信制は対象外。日中に通学する必要がある講座のみが対象となります。

専門実践教育訓練給付金は、1度だけではなく2度目以降も支給を受けることが可能。その場合、前回の支給後に3年以上雇用保険の被保険者であることが条件となります。

一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金は、もっともポピュラーな教育訓練給付金であり、多くの方が利用でき、かつ多くの資格講座などが対象になっています。

一般教育訓練給付金は、雇用の安定や再就職の促進が目的であり、指定の講座を受講し修了すると支給対象となります。

一般教育訓練給付金に関しても、2度目以降の需給が可能で、その条件は専門実践教育訓練給付金と同様に、前回支給以降、3年間以上の雇用保険の被保険者期間があることです。

特定一般教育訓練給付金

特定一般教育訓練給付金は、一般教育訓練給付金の中に含まれるもので、一般教育訓練給付金対象講座の中でも、特定の条件を満たしている講座が対象となります。

一般教育訓練給付金対象講座の中で、より速やかに再就職やキャリア形成が実現できる講座が対象となっており、具体的には独占業務を持つ資格や、名称独占資格が対象になりやすくなります。

特定一般教育訓練給付金に関しても、2度目以降の需給が可能で、その条件はほかの教育訓練給付金と同様に、前回支給以降、3年間以上の雇用保険の被保険者期間があることです。

教育訓練給付金の給付額

教育訓練給付金には3つの種類があることを紹介しました。

続いて、それぞれの教育訓練給付金で、どの程度の給付金が支給されるかを解説していきましょう。

教育訓練給付制度の基本として、まず支給の対象となるのはその講座の受講料や学校への入学金など、対象講座に必要な金額のみとなります。交通費や別途自身で購入したテキスト代金などは対象とはなりませんのでご注意ください。

また、給付されるのは給付金額が4,000円以上となる場合のみ。給付額を計算して4,000円未満となる場合は支給されません。

この前提はすべての教育訓練給付金で共通ですので覚えておきましょう。

専門実践教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金は、入学金を含む受講料の50%が支給対象となり、最大年間40万円の支給が、最大3年間(最大支給額120万円)支給されます。

さらに対象講座修了後に、対象となる資格を取得し、かつその資格を活かす形で1年以内に雇用保険の被保険者となった場合(再就職した場合)、追加で20%の給付金が支給されます。

追加分も合わせれば給付金の最大支給額は168万円(年間最大56万円)になります。

支給は6ヶ月に1度。そのため6ヶ月に1度はハローワークに申請手続きをしに行く必要があります。

一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金は、入学金を含む受講料の20%が支給対象となり、最大10万円が支給されます。また、講座受講前にキャリアコンサルティングを受けている場合、そのコンサルティング費用に関しても、費用の20%かつ上限2万円の範囲で給付金が支給されます。

給付金の申請及び支給はすべて講座受講修了後。申請手続きはハローワークで行いますので、ハローワークに出向く必要があります。

特定一般教育訓練給付金

特定一般教育訓練給付金は、入学金を含む受講料の40%が支給対象となり、最大20万円が支給されます。

申請できる講座は限定されますが、支給される給付金は一般教育訓練給付金の2倍となります。

講座を受講する前にキャリアコンサルティングを受ける必要がありますので、特定一般教育訓練給付金の対象講座を受講する予定の方は、まずはハローワークに行ってキャリアコンサルティングを受けるようにしましょう。

教育訓練給付金の対象講座

ここまで3つの教育訓練給付金に関して解説してきましたが、問題はどの講座がどの教育訓練給付金に対応しているかという点です。

そこで各教育訓練給付金の対象となっている学校や資格、講座に関して簡単に説明しつつ、代表的な講座や資格を紹介していきましょう。

★専門実践教育訓練給付金対象講座
・看護師
・測量士
・歯科衛生士

専門実践教育訓練給付金の対象となるのは、通信制・定時制の講座ではないことが条件となります。日中に授業を受けるために通学しないと取得できないような資格が対象。

具体的には看護師や測量士、さらに歯科衛生士などが対象資格です。こうした資格取得のための学校で、厚生労働省の認可を受けている講座が対象講座となります。

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★特定一般教育訓練給付金対象講座
・大型自動車二種免許
・宅地建物取引士の養成課程
・社会保険労務士の養成課程

特定一般教育訓練給付金の対象講座の条件は、独占業務を持つ資格、名称独占資格、必置資格の養成課程、もしくは資格取得を目標とする講座で、一定以上のレベル(合格率:全国平均以上、受講者の資格受験率80%以上、就職率80%以上)の講座などです。

宅建士資格は独占業務を持つ必置資格、社労士も独占業務を持つ資格です。これらの対策講座で、上記のレベルをクリアできる講座が対象となります。

★一般教育訓練給付金対象講座
・中小企業診断士
・インテリアコーディネーター
・ファイナンシャル・プランニング技能士

一般教育訓練給付金の対象講座は多岐にわたります。宅建士講座や社労士講座でも、特定一般教育訓練給付金講座の条件を満たさない場合は、こちらの一般教育訓練給付金の対象となります。

給付金の申請方法

教育訓練給付金の特徴や対象講座、また給付金額に関して紹介してきました。続いては給付金の申請方法に関して解説していきましょう。

3種類の教育訓練給付金によって、それぞれ申請方法には違いがあります。いずれにせよ申請は各地のハローワークで行われるということは覚えておいてください。

また、自身が教育訓練給付金の対象者なのか、受講している講座が教育訓練給付金の対象となっているかなどもハローワークで確認できますので、どの教育訓練給付金を申請するにしても、事前に一度ハローワークで相談することをおすすめします。

では、それぞれの申請方法をチェックしていきましょう。

専門実践教育訓練給付金の申請手順

専門実践教育訓練給付金の申請は、講座受講前に申請を行い、さらに6ヶ月に1度ハローワークで申請手続きを行う必要があります。申請手順を紹介していきましょう。

  1. ハローワークで受給資格の有無及び受講予定講座が支給要件を満たしているか確認
  2. ハローワークで「キャリア・コンサルタント」を受講及びジョブカード作成
  3. 受講開始日の1ヶ月前までに申請手続きを行う
  4. 講座受講中も6ヶ月ごとにハローワークに通い支給申請を行う
  5. 受講修了後、ハローワークにて支給手続きを行う
  6. 受講終了後、被保険者となったら1ヶ月以内にハローワークで追加支給申請を行う
③で必要な書類
必要書類 入手方法
教育訓練給付金及び
教育訓練支援給付金受給資格確認表
ハローワーク等で配布
ジョブカード ②で作成したもの
本人・住所確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど
マイナンバー確認書類 マイナンバーカード・通知カードなど
身元確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど
写真(2枚) タテ30mm×ヨコ24mm
6ヶ月以内に撮影したもの
払い渡し希望金融機関の
通帳かキャッシュカード
対応金融機関のもの

④で必要な書類
必要書類 入手方法
教育訓練給付金の受給資格者証 ③の手続き後にハローワークから発行
教育訓練給付金支給申請書 受講している機関が発行
受講証明書 受講している機関が発行
領収証 受講している機関が発行
返還金明細書 受講している機関が発行

⑤で必要な書類
必要書類 入手方法
教育訓練給付金の受給資格者証 ③の手続き後にハローワークから発行
教育訓練給付金支給申請書 受講している機関が発行
受講証明書 受講している機関が発行
領収証 受講している機関が発行
返還金明細書 受講している機関が発行

まずは講座受講前にハローワークに出向き、自身が受給対象者か、受講を希望している講座が専門実践教育訓練給付金の対象となっているかなどを確認します。さらにハローワークでキャリアコンサルティングを受講し、ジョブカードを作成しましょう。

ジョブカードができたら、講座を受講する1ヶ月前までにハローワークで専門実践教育訓練給付金の申請手続きを行います。

講座受講中は6ヶ月に1度ハローワークに出向き、都度申請手続きを行います。専門実践教育訓練給付金は6ヶ月に1度給付金が支給されますので、そのための申請となります。

講座受講終了後、ハローワークで最後の支給申請手続きを行います。また、講座受講終了後、被保険者となった(再就職が決まった)タイミングでハローワークに出向きましょう。

専門実績教育訓練給付金を利用して講座を受講した結果、取得した資格を活かして再就職が決まった方などの場合、20%の追加給付の対象となります。

これが専門実践教育訓練給付金の手続きの基本となりますが、詳細はハローワークの担当者にしっかり質問しましょう。わかりやすく説明してくれるはずです。

特定一般教育訓練給付金

特定一般教育訓練給付金を希望する場合も、講座受講前にハローワークに出向く必要があります。その流れを確認しておきましょう。

  1. ハローワークで受給資格の有無及び受講予定講座が支給要件を満たしているか確認
  2. ハローワークで「キャリア・コンサルタント」を受講及びジョブカード作成
  3. 受講開始日の1ヶ月前までに申請手続きを行う
  4. 講座の受講を修了する
  5. ハローワークにて支給手続きを行う
③で必要な書類
必要書類 入手方法
教育訓練給付金及び
教育訓練支援給付金受給資格確認表
ハローワーク等で配布
ジョブカード ②で作成したもの
本人・住所確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど
マイナンバー確認書類 マイナンバーカード・通知カードなど
身元確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど
写真(2枚) タテ30mm×ヨコ24mm
6ヶ月以内に撮影したもの
払い渡し希望金融機関の 通帳かキャッシュカード 対応金融機関のもの

⑤で必要な書類
必要書類 入手方法
教育訓練給付金の受給資格者証 ③の手続き後にハローワークから発行
教育訓練給付金支給申請書 受講している機関が発行
教育訓練修了証明書 受講している機関が発行
領収証 受講している機関が発行
返還金明細書 受講している機関が発行
本人・住所確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど
マイナンバー確認書類 マイナンバーカード・通知カードなど

特定一般教育訓練給付金の申請も講座受講前に行います。ハローワークで作成したジョブ・カードなど、必要書類を用意して、講座受講1ヶ月前までに申請手続きを行いましょう。

専門実践教育訓練給付金とは違い、特定一般教育訓練給付金は、受講終了後一括支給となります。講座受講中にハローワークに行く必要はありません。

受講終了後は1ヶ月以内にハローワークで支給手続きを行いましょう。

一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金を申請する場合、講座受講前にハローワークに行く必要はありません。ただし、キャリアコンサルティングを受けたい方は事前にハローワークに出向き受けておきましょう。

申請手続きは以下の2工程。ポイントは、講座を受講する際の申し込み時でしょう。一般教育訓練給付金の対象講座を開講している機関は、一般教育訓練給付金を申請する場合とそうではない場合で、申し込み方法や書類を分けています。

受講申請の際、しっかり教育訓練給付金の申請を行うことを伝えて申し込むようにしましょう。

  1. 講座の受講を修了する
  2. ハローワークにて支給手続きを行う
②で必要な書類
必要書類 入手方法
教育訓練給付金支給申請書 ハローワーク等で配布
教育訓練修了証明書 受講している機関が発行
本人・住所確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど
マイナンバー確認書類 マイナンバーカード・通知カードなど
身元確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど
領収証 受講している機関が発行
払い渡し希望金融機関の
通帳かキャッシュカード
対応金融機関のもの
返還金明細書 受講している機関が発行

一般教育訓練給付金に関しては、講座の受講を修了した際、講座を開講している機関から申請に必要な書類が渡されます。その書類を始め申請に必要な書類を用意してハローワークで支給手続きを行いましょう。

教育訓練給付制度Q&A

教育訓練給付制度に関していろいろと解説してきました。これから資格取得などで、教育訓練給付制度を利用しようと考えている方が、疑問に持つであろうポイントに関して、Q&A方式で解答していきたいと思います。

Q.教育訓練給付金とは?

再就職の促進や雇用の安定を目的とした国の制度です。

条件を満たした方が、厚生労働大臣が認可している講座を受講した場合、その受講費用の一部を国が負担してくれるという制度になります。

支給を受ける条件は、雇用保険の被保険者であった期間が原則3年以上あり、在職中もしくは離職後1年以内に講座を受講する方となります。

教育訓練給付制度には3つの種類があり、それぞれ対象講座が定められています。度の口座がどの教育訓練給付金に該当するか、確認したという方はハローワークなどで確認するのがおすすめです。

Q.退職予定があっても給付金は受け取れますか?

受け取ることが可能です。

教育訓練給付制度は、雇用の安定や再就職の促進などを目的とした制度です。当然職にある方も離職している方も支給対象となります。

ただし、教育訓練給付を受給するには、雇用保険の被保険者期間に定めがあります。また、雇用保険の被保険者であった時から、講座を受講するまでの期間にも定めがあります。こうした条件をクリアしないと受給対象とはなりませんのでご注意ください。

Q.一般教育訓練給付金の上限金額は?

一般教育訓練給付金の上限金額は、受講費用の20%かつ最大10万円までです。

受講費用に含まれるのは入学金や講座受講料金のみ。講座受講に付随して自発的に購入した参考書代や、模擬試験の受験料、予備校などへの通学交通費などは教育訓練給付の支給対象ではありません。

気になる方は、事前にどこまでが支給対象かなど、ハローワークの窓口で確認しておきましょう。

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まとめ

教育訓練給付金とは、資格取得のために受講する講座の受講料などの一部を、国が負担してくれる制度です。

支給を受けるためには、雇用保険の被保険者期間や、雇用保険の被保険者であった時期から講座受講までの期間などに定めがあります。

教育訓練給付金には3つの種類があり、それぞれ対象となる講座に違いがあります。自身が受講を希望する講座がどの教育訓練給付金の対象となっているかを確認して申請する必要があります。

教育訓練給付金の申請などは、すべてハローワークの窓口で行い、原則的に本人以外では申請できません。上手に時間を作って窓口に出向きましょう。

再就職を目指す、非正規雇用から正規雇用を目指すなど、より上を目指したいという方は、この教育訓練給付制度を活用して、資格取得を目指しましょう。

また、補助金、助成金については以下でも詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。

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