外国債券とは?|わかりやすくFP解説

外国債券とは?
目次

外国債券とは

債権の発行体、発行通貨、発行場所のいずれかが海外である債権を外国債券(外債)といいます。

発行体、発行通貨、発行場所のすべてが日本以外である必要はなく、いずれか1つでも外国である場合には外国債券となることに注意が必要です。このうち、外国もしくは国内の発行体が外貨建てで発行する債券を外貨建て債券といいます。

外国債券を売買するためには、証券会社等に外国証券取引口座を開設する必要があります。

外国債券とは

外国債券の特徴とは

外国債券のメリットとデメリットをおさえておきましょう。

外国債券のメリットとは

2020年1月時点では海外が高利回りですので、外国債券の利回りは高い傾向にあります。為替差益による収入が見込めます。

外国債券のデメリットとは

情報量が少ないので、個人で情報収集をする必要があります。為替差損による損失を被る可能性があります。カントリーリスクも考慮しなければいけません。

外国債券の税金とは

利息について

外国で課税される前の利息に対して20%(所得税15%、住民税5%、別途復興特別所得税0.315%)の申告分離課税となります。

ただし、国内で課税されるときに、外国で課税された金額は控除されます。したがって、外国での税金と国内での税金を合わせて、収益の20%(所得税15%、住民税5%、別途復興特別所得税0.315%)となります。

なお、世界銀行(国際復興開発銀行)、アジア開発銀行、米州開発銀行、アフリカ開発銀行などの国際機関が日本国内で発行する円建て外債の利息は、利子所得として総合課税されます。

償還差益とは

利付債、割引債を問わず、譲渡所得として20%の申告分離課税となります。外国の割引債の発行時には源泉徴収は行われません。

売買益とは

利付債の売買益は譲渡所得として20%の申告分離課税となります。

ゼロクーポン債とは

割引債のことですが、文字通りクーポン(毎年支払われる利息)がゼロの債券です。利息がゼロであれば債券として成り立ちませんから、額面より安く発行されます。

ストリップス債とは

利付債券の元本部分と利札(クーポン)部分を切り離してそれぞれを割引債として売買する債券です。元本部分・利札部分ともに支払い期限日になれば、支払いを受けることができますから、それ自体が価値を持つ証券となり、売買の対象となります。

これらの債券の売却益は譲渡所得として総合課税されます。譲渡所得の課税対象額は次のように計算します。

  • 所有期間5年以下…課税対象額=譲渡益-50万円
  • 所有期間5年以下…課税対象額=譲渡益-50万円

外国債券の種類とは

サムライ債とは

外国法人が日本国内で円建てで発行する債券です。サムライ債の利息は、総合課税となる国際機関発行の円建て外債を除き、20%(所得税15%、住民税5%、別途復興特別所得税0.315%)源泉分離課税され、マル優制度を利用できます。

ショウグン債とは

外国法人が日本国内で外貨建てで発行する債券です。ショウグン債の利息はマル優制度を利用できません。

ユーロ円債とは

海外市場で発行された円建て債券です。

ソブリン債とは

各国の政府や政府機関、または国際機関によって発行または保証されている債券の総称で、一般的にはそれらのうち格付の高い外国債を指します。

デュアルカレンシー債とは

払込み・利払いを円で、償還を外貨で行う債券です。

リバースデュアルカレンシー債とは

払込み・償還を円で、利払いを外貨で行う債券です。

日経平均連動コーラブル債とは

期限前償還の権利を債券発行者が有する債券です。利払日直前の参照日に日経平均株価が所定の水準以上であれば額面金額で期限前償還されます。償還までに日経平均株価が所定の水準を超えない場合には、日経平均株価の水準に応じた金額で償還されます。

ノックイン製日経平均連動債とは

償還期限までに日経平均株価が所定の水準(ノックイン)以上ならば額面で償還され、一度でもノックイン以下になると日経平均株価の水準に応じた金額で償還されます。

外国債券に関するよくある質問

ポートフォリオとアセットアロケーションについての質問です。

ポートフォリオ運用は、自動車会社、医薬品メーカーなどの個別銘柄に投資をすることで、アセットアロケーションとは、日本債券(日本の自動車会社など)や外国債券(外国の自動車会社など)、金などの資産クラスで運用するということであっていますか?

また、アセットアロケーションをもとに、ポートフォリオ運用をするということですか?

ポートフォリオとアセットアロケーションについてお答えいたします。アセットアロケーションとは資産を振り分けることです。

例えば、1000万円の資金があったら、500万円は国内株式、300万円は海外株式、200万円は海外債券に分けるという感じです。

ポートフォリオは、アセットアローケーションで分けられた資金で個別に何を買うかということです。

例えば、500万円の国内株式の中で、○○自動車会社に200万円、△不動産に200万円、□製薬会社に100万円。

200万円の海外債券では、米ドル債券に100万円分、豪ドル債券に100万円。海外株式も同様です。

外貨建てMMFは外貨預金の税金に該当するのか、外国債券の税金に該当するのか、外国株式の税金のどれでしょうか。

外貨建てMMFは、公社債投信等と同様の扱いとなりますが、分類としては「外国投資信託」に分類されます。

安全運用と積極運用資金は具体的にどう見分けて考えた方が良いでしょうか?

安全運用による資産運用は、主に元本割れするリスクを抑えた、ローリスク・ローリターンの金融商品による資産運用方法をいいます。

具体的には、普通預金や定期預金、債券(国債・地方債など)を中心とした投資信託等をイメージしてください。

これらはいずれも元本割れする危険性は低いのですが、運用(利)率も低い(普通預金ならば0.01%~0.1%、投資信託でも1~2%程度)です。

これに対して積極運用資金は、元本割れする危険性があっても、高い収益を得るチャンスにかけた資産運用方法をいいます。具体的には、株や外国債券等をイメージしてください。

これらは元本割れする危険性も高いのですが、運用(利)率も高く、利回りが高い(年間利回りで5~10%にもなる)ことから、積極運用といわれます。

これらの見分け方は、具体的な基準はありませんが、元本が保証されているまたは元本割れするリスクが低いかどうか、一般的な金融商品と比べて運用率が高いか低いか、(国債や地方債は、国や自治体が元本や利回りを保証しているため安全といわれます)などで判断するのが一般的です。

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