保険契約の成立とは

保険契約の成立とは
目次

保険契約の成立とは

保険契約は、保険会社が作成した約款や、しおりなどを契約者に交付し、成立します。契約の際は決められた書類等が必要となり、保険料の支払い日との関係により、保険の開始日が決まります。

約款とは

保険会社と契約者との間で取り交わす契約の内容およびお互いの権利・義務を規定したもので、保険種類ごとに作成されています。

契約のしおりとは

保険の仕組み、特約、保障内容、告知義務、責任開始日、保険料の払込関連、保険料の払込みが困難になった場合、保険金の請求など、約款の中から特に重要な部分をまとめたもので、契約の際には、必ず事前に渡さなければならないことになっています。

重要事項説明書とは

保険会社は、契約者に契約内容について誤解を招かない、不利益をもたらさないなど契約者を保護するために、契約者への契約内容に関する情報提供が義務付けられています。

したがって、保険会社は、契約者と契約を行う前に、保険商品の内容説明や商品の持つリスクなどの重要事項について説明をする必要があります。

なお、重要事項説明書には、「約款」「契約のしおり」以外に、これらをさらに平易にした「契約概要」「注意喚起情報」があります。

意向確認書とは

契約者が加入しようとしている保険商品が、契約者の意向に合致しているものかどうか契約をする前に確認するための書面で、契約者等の署名・押印の上、回収します。

注意喚起情報とは

保険会社が顧客に対して告知義務等のいわゆる不利益情報について、注意喚起(警告)すべき情報が記載されています。

責任開始日とは

責任開始日(期)とは、保険会社が契約上の責任(保険金や給付金の支払い等)を負う義務が開始する事実上の契約日で、保険会社による契約引き受けの承諾を前提に、「申込み」、「診査または告知」、「第1回保険料の払込み」のすべてが完了した日までさかのぼって保険金等の支払責任が開始することになります。

責任開始日から契約の満了・消滅日までを保険期間と呼びます。

責任開始日とは

告知義務とは

保険は、誰でも無条件に加入できるものではありません。契約希望者の健康状態や生活環境を保険会社が把握した上で、加入させるかどうかを判断します。

その健康状態や生活環境の把握を行うための契約者の申告を「告知」といい、これは義務とされています。

契約の選択とは

契約の選択は、保険会社が行います。保険会社は、保険に加入したいという人からの情報により、その契約を承諾するかどうかを検討します。

その基準となるのは、以下の3つの危険です。

危険負担とは

  1. 身体的危険確認
    被保険者の健康状態・病歴・身体障害状態等をチェックします。
  2. 環境的危険確認
    被保険者の現在の職業や仕事の内容、趣味等をチェックします。
  3. 道徳的危険確認
    生命保険を悪用し、保険金や給付金を不正に得ようとしていないかをチェックします。

上記の3つの危険から判断して、一定の危険の範囲内にある人に対して基準の保険料で契約する場合を「標準体契約」、一定の範囲を超えていますが「保険料の割増」や「保険金の削減」「免責期間」など条件をつけて契約する場合を「特別条件付契約」といいます。

逆に、危険の度合いが通常より低い場合の契約を「優良体契約」「健康体契約」といいます。

告知義務制度と契約の解除とは

告知義務とは

保険契約者または被保険者は、自分の職業・病歴・通院歴・手術経験等で、保険会社が告知を求めたもの(告知事実)について、保険会社に事実を告知する義務を負っています。真実を伝えなかった場合は、告知義務違反となります。

告知義務違反が判明すると、保険会社は保険契約を解除することができたり、保険金や給付金を支払わない場合があります。また、契約が解除された場合、既払込保険料は返還されません。

告知義務違反と契約解除権とは

告知義務違反があった場合、保険会社はその契約を解除することができます。ただし、次の場合、保険会社は契約を解除できません。

  1. 契約締結時に、保険会社が告知義務違反の事実を知り、または過失により知らなかった場合
  2. 保険募集人等が、契約者または被保険者が事実の告知をすることを妨げたとき
    これを「告知妨害」といいます。
  3. 保険募集人が、契約者または被保険者に対して不実告知をすることを進めたとき
    これを「不告知教唆」といいます。
  4. 契約日等から2年を超えて契約が有効に継続しているとき
    これを「解除権の消滅」といいます。従来の商法と同様、改正後の保険法でも「5年」と規定されていますが、生命保険会社の約款では一般に「2年」とされています。
  5. 保険会社が解除の原因を知ってから1カ月以内に解除しなかった場合
    これを「解除権の消滅」といいます。

上記の2、3については保険募集人による当該行為が無く、契約者または被保険者に告知義務違反が認められる場合には解除の対象となります。

契約日から2年を超えた場合でも契約解除される場合

契約日から2年を経過した後に保険金等を請求する場合でも、告知義務違反の要因となる保険事故が2年以内に発生していた場合(告知義務違反の要因となる疾病が2年以内に発症していた場合)には、保険契約は解除されます。

契約が解除されても保険金等が支払われる場合

契約が解除される時点ですでに保険事故が発生している場合、保険事故の原因と告知義務違反の内容との間にまったくの因果関係がなければ保険金や給付金は支払われます。

契約解除における解約返戻金の支払い

告知義務違反により契約が解除された場合、既払込保険料は返還されませんが、解約返戻金がある場合は払い戻されます。

契約後に告知義務が必要となる場合

保険会社にとっての保険金支払リスクが増大する場合、保険契約全体の健全性を維持するために保険会社は危険選択を行う必要があります。

したがって、契約後、以下のように保障額が増額する場合や契約を再度引き受ける場合には、必ず告知または診査が必要となり、告知義務違反があった場合には解除または変更前の契約内容に戻されることになります。

<例>

  • 保険金額を中途増額するとき
  • 保険契約(特約)を中途付加するとき
  • 契約転換するとき
  • 払済保険や延長(定期)保険を復旧するとき
  • 失効後に復活するとき

保険契約の成立に関するよくある質問

既払込保険料相当額と積立金相当額というのは同じように思えるのですが、この2つの違いは何か教えてください。

おおまかに説明すると、支払った保険料の一部としてあるのが積立金額、支払った保険料の総額を既払込保険料と言います。

試験対策としては、「呼び方が違う」という認識でよいでしょう。