保険料と税金とは?
更新日:2019年12月3日
保険料と税金とは
本人が、生命保険契約等の保険料または掛金を支払った場合は、支払った保険料の額に応じた一定の額を生命保険料控除として所得控除することができます。
生命保険料控除の種類は、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除があり、平成24年1月1日以降契約の場合は、新たに介護医療保険料控除が創設されました。
旧契約について
平成23年12月31日以前に契約(旧契約)した保険契約等に係る保険料は、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除の2種類があります。
一般の生命保険料控除対象契約とは
- 受取人が納税者本人か配偶者またはその他の親族(3親等内の血族または3親等内の姻族)が契約した保険
- 生命保険会社と契約した生命保険契約
- 損害保険会社と契約した医療保険、介護保険、所得補償保険の契約
- 簡易保険(民営化前)、JAなどの共済契約
個人年金保険料控除対象契約とは
- 適用要件を満たした契約に、「個人年金保険料税制適格特約」を付加した契約が対象になります。
- 年金の受取人は保険契約者または配偶者のいずれかで、受取人と被保険者は同一である必要があります。
- 保険料払込期間は10年以上(一時払契約は対象外)。
- 年金の種類が確定年金、有期年金の場合、年金支払日において被保険者の年齢が60歳以上で、かつ、年金支払期間は10年以上あること、終身年金の場合は年齢要件はありません。
- 個人年金保険料控除の対象とならない個人年金保険の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となります。
- 個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険は配当金を途中で受け取れませんので、対象となる保険料は正味払込保険料ではなく支払保険料となります。
生命保険料控除額
年間正味払込保険料 | 控除額 |
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25,000円以下 | 支払金額の全額 |
25,000円超 50,000円以下 | (正味払込保険料×1/2)+12,500円 |
50,000円超 100,000円以下 | (正味払込保険料×1/4)+25,000円 |
100,000円超 | 一律50,000円 |
15,000円以下 | 支払金額の全額 |
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15,000円超 40,000円以下 | (正味払込保険料×1/2)+7,500円 |
40,000円超 70,000円以下 | (正味払込保険料×1/4)+17,500円 |
70,000円超 | 一律35,000円 |
一般の生命保険と個人年金は、別枠で所得控除が適用されます。合算して受けられます。
年間正味払込保険料とは、1月1日から12月31日までに実際に支払った保険料から配当金を差し引いた保険料のことを指します(未納分は対象外)。
一時払契約の場合は、保険料を支払った年のみ適用されます。
前納払契約の場合は、年払契約と同様に当該年度分について毎年適用されます。自動振替貸付制度で支払った保険料も、控除の対象となります。
契約を復活した延納保険料を支払った場合は、実際に支払いが行われた年にまとめた控除の対象になります。
変額個人年金保険は、一般の生命保険料控除の対象となります。団体信用生命保険、保険期間が5年以内の貯蓄保険および財形保険は対象外です。少額短期保険業者の扱う保険料は対象外です。
生命保険料控除の改組とは
生命保険料控除が平成24年1月1日より以下のように改組されました。(新制度)
介護医療保険料控除の創設とは
介護(費用)保障または医療(費用)保障を内容とする主契約・特約に係る保険料等が、現行の一般生命保険料控除・個人年金保険料控除とは別枠で、介護医療保険料控除の対象となります。
対象となる保険料は、以下の要件を満たすことが必要です。
- 保険金などの受取人のすべてを自己または自己の配偶者や親族とすること
- 平成24年1月1日以降に締結した新契約(他の保険契約に付帯して締結した契約を含む)のうち、医療費等支払事由に基因して保険金等が支払われる一定のものをいいます。
各保険料控除の見直しとは
改組後の一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護保険料控除はともに所得税4万円、住民税2万8,000円が最高控除額となります。
新制度における各種保険料控除の控除額とは
年間正味払込保険料 | 控除額 |
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20,000円以下 | 支払金額の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払金額×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払金額×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
年間正味払込保険料 | 控除額 |
---|---|
12,000円以下 | 支払金額の全額 |
12,000円超 32,000円以下 | 支払金額×1/2+6,000円 |
32,000円超 56,000円以下 | 支払金額×1/4+14,000円 |
56,000円超 | 一律28,000円 |
改組制度の適用とは
新制度の対象となるのは、平成24年1月1日以後の契約(新契約)で、平成24年分以後の所得税、平成25年度分以後の住民税について適用されます。
なお、平成23年12月31日までの契約(旧契約)は、従前制度が適用されますが、平成24年1月1日以降に契約を更新した場合、その更新日以降に支払う保険料に係る生命保険料控除については、新契約と扱われます。
新契約と旧契約の両方の適用がある場合
合計の最高控除額は、所得税12万円、住民税7万円となります。
保険料と税金に関するよくある質問
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平成23年12月31日以前に契約された保険は旧制度の控除額5万円(年10万円超)が適用されるのではないのですか?
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生命保険料控除は、平成23年12月31日以前に契約されたものは旧の控除額5万円(年10万円超)が適用されます。
しかし、平成24年1月1日以降に契約を更新した場合、その更新日以降に支払う保険料に係る生命保険料控除については、新契約として扱われます。
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生命保険料控除は、被保険者が適用をうけることができるのでしょうか。
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生命保険料控除は、実際に支払いをしている人(一般的には契約者)が所得控除を受けることができます。必ずしも被保険者ではないことに注意が必要です。
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生命保険契約に付加された傷害特約の保険料は何の控除の対象となるのでしょうか。
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平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約に付加された傷害特約の保険料は、一般の生命保険料控除・介護医療保険料控除の対象ともになりません。
金山浩晃(かなやま ひろあき)
合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天