住宅ローンの種類とは?

更新日:2019年9月27日

住宅ローンの種類
目次

住宅ローンの種類とは

住宅ローンには、公的融資の住宅金融支援機構(フラット35)、財形住宅融資、民間融資等の種類があります。

それぞれの主な業務や、特徴をみていきましょう。

住宅支援機構:フラット35

支援機構の主な業務

民間金融機関と提携して、住宅ローンを提供することが主な業務となります。

これは、証券化支援業務となります。

その他に、住宅融資保険業務、住宅情報の提供業務、民間では対応が困難な分野の融資業務、返済中の債権の管理業務などがあります。

フラット35の特徴(買取型)

一番の特徴は、超長期固定金利ということにあります。

最長で35年となります。

また、他の特徴としては、低金利であること、借換えが可能であるということ、保証料と繰上返済手数料が0円であること、保証人は不要であることなどが挙げられます。

証券化の仕組み(買取型)

民間金融機関が個人に融資した際に発生する住宅ローン債権を機構が買い取って信託銀行等に信託し、それを担保とする債権を発行することで長期の資金調達を行います。

融資窓口と利用者に直接融資をするのは民間金融機関です。

フラット35・証券化の仕組みのイメージ図は下記の通りです。

住宅支援機構:フラット35

※「MBS」とは

モーゲージ証券の略です。モーゲージ証券とは、住宅ローン等の不動産担保ローンを証券化したもので、不動産の価値を担保として、ローンの元利返済金によって分配金の支払いと元本の償還が行われている金融商品のことを言います。

利用可能者

利用は以下の条件を満たす者のみとなります。

  1. 申込時に年齢が70歳未満であること(親子リレー返済利用の場合は、70歳以上でも申込可能)
  2. 日本国籍または永住許可を受けている外国人、特別永住者
  3. 年収に占めるすべての借り入れの年間合計返済額(フラット35を含む)の割合(=総返済負担率)が以下の基準を満たしていること

    年収 400万円未満 400万円以上
    基準 30%以下 35%以下

資金使途

申込者本人または親族の居住用住宅の建設・購入または中古住宅購入資金として利用するか、借換えとしての利用が可能です。

融資対象住宅

  • 床面積要件:

    ・一戸建て住宅等

    ……70㎡以上 上限なし

    ・共同住宅(マンションなど)

    ……30㎡以上 上限なし

  • 機構が定めた技術基準に適合する住宅
  • 敷地面積の要件はありません
  • 住宅の建設費または購入価額(土地取得費がある場合はその費用を含みます)が、消費税を含めて1億円以下の住宅であることが必要です

融資額

100万円以上8,000万円以下(1万円単位)で、建設費または購入価額の10割以内(非住宅部分の工事費を除く)。

利用者の年収および取得住宅の建築費等により決定されます。

返済期間

15年以上で、かつ、次の1または2のいずれか短い年数(1年単位)が上限となります。

  1. 「80歳」-「申込時の年齢(1歳未満切り上げ)」
  2. 35年

金利

  • 全期間固定金利
  • 返済期間20年以下と返済期間21年以上、融資率(9割以下・9割超)に応じて、適用金利が異なります(保証型を除きます)。
  • 取り扱い金融機関により適用金利は異なり、申込時点ではなく、融資実行時点の金利が適用されます。

返済方法

元利均等返済もしくは元金均等払いの毎月払い(ボーナス払い併用可)

担保

借入対象となる住宅およびその敷地に、住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定する必要があります。

団体信用生命保険

別途、特約料を支払うことにより団体信用生命保険に加入することができます。

火災保険

返済終了までの間、対象の住宅に火災保険を付けなくてはいけません。

融資手数料

取り扱い金融機関により異なります。

保証人・保証料・繰上返済手数料

必要ありません。

繰上返済

一部繰上返済は100万円以上(インターネットでの申し込み「住・My Note」ならば10万円以上)から可能

その他のフラット35

フラット35リフォーム一体型

中古住宅の購入と併せてリフォーム工事を行う場合に、中古住宅の購入資金とリフォーム工事の資金を併せて借入れることができます。

ダブルフラット

フラット35を2つ組み合わせて利用することができます。

<組み合わせ例>

  • フラット20+フラット35
  • フラット35+フラット35
  • フラット20+フラット20

※フラット20:フラット35のうち15年以上20年以下の借入期間のものをいいます。

財形住宅融資:財形持家融資制度

財形住宅融資の特徴

5年間固定金利制の公的融資(5年ごとの見直しがあります)。当初、5年間の利率は、借入申込受理日の利率を適用します。

財形住宅融資の融資内容

分類と種類

転貸融資 直接融資
融資実施団体 勤労者退職金共済機構 住宅金融支援機構 共済組合等

おもな利用可能者

  • 財形貯蓄を1年以上継続して、借入申込日において50万円以上の財形貯蓄があること
  • 税込年収に対する年間返済額の割合が一定基準に適合していること
  • 借入申込日において70歳未満で完済時年齢が80歳までの者
  • 事業主から負担軽減措置(事業主が勤労者に融資資金を転貸するにつき、借入金相当額の1%相当額以上の額を支給するというような利子補給金を支給することで勤労者の返済負担を軽減するための措置)を受けられること(転貸融資の場合)

融資限度額

融資限度額は、以下の条件のいずれか一番低い金額となります。

  • 財形貯蓄残高の10倍以内
  • 4,000万円
  • 住宅の新築、購入または改良に必要な費用の90%

返済期間

5年以上35年以内(1年単位)です。

適用金利

  • 5年固定金利(5年ごとに適用金利が見直されます)
  • 借入申込時の金利が適用されます。
財形住宅融資:財形持家融資制度

民間融資

民間融資には、銀行等や農協(JA)、生命保険会社、ノンバンクなどの種類があります。

民間融資の特色

  • 対象物件に対する規制が少ないです。

    →特に、築年数に関しての規制がほとんどありませんので、中古物件の取得では、公的融資より格段に利用しやすくなっています。

  • 収入基準が比較的緩やかです。

    →一般的には、すべてのローンを併せて年間返済額が年収の35%から40%以内なら融資を受けられます。その反面、勤続年数等の条件があります。

  • 返済終了時の年齢制限が設けられています。
  • 融資実行日の金利が適用されます。

    →公的融資では申込日の金利が適用されます。

  • 団体信用生命保険に加入できることが条件になっています。

    →保険料は適用金利に含まれています。保険金額はローン残債額と同額です。

  • 借換えでも利用できます。
  • 保証会社へのローン保証料が必要です(不要の金融機関もあります)。

融資限度額

上限が1億円までと公的融資よりも高額です。

金利のタイプ

金利は以下の4種類のタイプがあります。

  1. 変動金利型
  2. キャップローン金利上限付変動金利型
  3. 固定期間選択型金利型
  4. 固定金利型

利用可能者

借入時の年齢が20歳以上65歳以下(金融機関によって異なります)。

返済期間

金融機関により異なります。

返済方法

元利均等毎月返済やボーナス払い併用可、親子リレーローンなどがあります。

住宅ローンの種類に関するよくある質問

現在提案書を作成しています。住宅ローンの種類の中では、どの種類を利用するのが妥当でしょうか。
どれを選んだら得点が高くなる、という採点基準はありませんので、ご相談者が最終的に元利合計の金額が少なくなり、かつ、住宅取得以外のライフイベントも実行できる住宅ローンを選択すればよいと思います。
MBSとは何の略語ですか?
モーゲージ証券の略です。モーゲージ証券とは、住宅ローン等の不動産担保ローンを証券化したもので、不動産の価値を担保として、ローンの元利返済金によって分配金の支払いと元本の償還が行われている金融商品のことを言います。
住宅ローンを借りる際、保証料は必要ですか?
フラット35では保証料不要です。民間のローンでは、必要なところと、不要なところがあります。
この記事の監修者は
金山浩晃(かなやま ひろあき)

合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天

FPコラム一覧へ戻る