公的年金の受給とは?

公的年金の受給
目次

公的年金の受給とは

65歳以上になると、公的年金の老齢給付として受給権が得られます。

公的年金の老齢給付は原則として偶数月の15日に過去2カ月分が支給されます。このように公的年金は後払いの性質を持ちます。

年金の請求先

年金は受給権が発生すると自動的に支給されるものではありません。

原則、受給者本人が支給を受けるための請求手続きを行う必要があります。

加入制度 年金請求先
第1号被保険者期間のみ 住所地の市町村役場
国民年金のみで第3号被保険者期間を有する人 住所地を管轄する年金事務所
複数の制度に加入し、最後が第2号被保険者の人 最後に勤めた事務所を管轄する年金事務所
第2号被保険者期間を有し、最後が第1号または第3号被保険者の人 住所地を管轄する年金事務所

年金支給停止制度とは

本人からの申出により、年金を受け取らないという選択ができます。

その場合でも、またいつでも将来に向かって年金の受け取りを再開することができます。

年金時効特例法とは

平成19年7月6日から年金時効特例法が施行されました。

この法令の施行以前は、年金記録が訂正された結果、年金が増額した場合でも、時効消滅により直近5年間分の年金に限り支給されていました。

しかし、年金時効特例法により、年金記録の訂正により増額した金額について時効により消滅した分を含めて、本人または遺族に全額支給されることになりました。

<対象者>

  • 年金記録の訂正により年金額が増えた人
  • 年金記録の訂正により年金の受給資格が確認され、新たに年金を受給できることになった人
  • 上記の2つに該当する人が亡くなっている場合はその遺族

厚生年金特例法とは

平成19年12月19日に厚生年金特例法が施行されました。

この法令の施行以前は、厚生年金保険料が天引きされていても、事業主が保険料の納付や厚生年金の資格を届け出ておらず、2年の時効が経過した場合は、納付記録が年金に反映されていませんでした。

施工後は、厚生年金保険料の給与天引きがあったことが年金記録確認第三者委員会等で認定されたときは、年金記録が改定され年金額に反映されることとなりました。

ねんきん定期便とは

「ねんきん定期便」とは、国民年金または厚生年金保険に加入している被保険者ひとりひとりに対して、日本年金機構から毎年1回、送付対象者の誕生月(1月生まれの者には誕生月の前月)にハガキもしくは封書で送付(「電子版ねんきん定期便」もあり、パソコンなどで確認可能)されます。

なお、記載されている内容に誤り等があった場合は、年金加入記録回答票にその旨を記入して、日本年金機構に記録の調査を申し出ることができます。

ねんきん定期便はがきイメージ

通知内容

通知内容は、通知時の年齢により異なりますが、大まかには以下の通りです。

  • これまでの年金加入期間
  • これまでの加入実績に応じた年金額
  • 年金加入履歴
  • 標準報酬月額の月別状況
  • 国民年金保険料の納付状況

公的年金の受給に関するよくある質問

年金を貰うにはどのような手続きが必要ですか?事前の手続きが必要ですか?

年金は、支給開始年齢に到達する3か月前に基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所および年金加入記録をあらかじめ印字した「年金請求書(事前送付用)」及び年金の請求手続きのご案内を機構からご本人あてに送付されてきます。

その年金請求書をもって、近くの年金事務所へ行き、必要書類を記載・提出することで、年金を受給することができます。

また、年金の受給権発生日は支給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)となります。そのため、請求書の提出は支給開始年齢になってからです。支給開始年齢になる前に提出した場合は、受付されませんのでご注意ください。

繰下げを選択していた場合で、もし年金を貰わずに死亡してしまった場合はどうなりますか?
繰下げ待機中に亡くなられた場合で、遺族の方からの未支給請求が可能な場合は、65歳の本来請求で年金決定されたうえで未支給年金として支払われます。
年金の計算式で用いられている「マクロ経済スライド」とは何ですか?

マクロ経済スライドとは、平成16年の年金制度改正で導入されたもので、賃金や物価の改定率を調整して緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みです。将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう、最終的な負担(保険料)の水準を定め、その中で保険料等の収入と年金給付等の支出の均衡が保たれるよう、時間をかけて緩やかに年金の給付水準を調整することになりました。

具体的には、賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整します。

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