行政書士試験「商法・会社法」のおすすめの勉強法!

行政書士試験「商法・会社法」のおすすめの勉強法!

行政書士試験の中でも、商法・会社法は難問とされています。なぜ難問なのかと言うと、出題範囲が広く、条文が細かいからです。なお、内容はちょうど民法と行政法の間くらいのイメージとなります。また、手続き的な規定も多いため、勉強が面倒に感じてしまうという側面もあります。

さらに、毎年5問しか出題されないため、過去問の蓄積が乏しく対策が練りづらいのも商法・会社法を難しくしている要因です。そして、出題範囲が広いので、過去問だけやっていれば確実に点が取れるという科目ではありません。

しかしながら、商法・会社法で点が取れれば、それだけ総合点の底上げができるので、完全に捨て科目にしてしまうわけにもいきません。そこで、最小限の労力で最大限の効果を得ることを意識した勉強が重要になります。

目次

商法・会社法とは、どんな科目?

条文数が多く、難しい科目

商法・会社法の出題数:5問
商法・会社法の配点:20点

難易度は非常に高い科目となります。出題範囲が膨大のため、「20点のためにどれだけ勉強すればいいんだ!」という気持ちになる受験生も多いのではないでしょうか。条文も手続規定が多くて読みにくく、覚えづらいでしょう。この辺りは行政法と似ているものの、行政法は過去問の蓄積があるため、問題演習に困ることはありません。

商法は商取引全般に関する、私人間のルールを定めた法律です。会社法は、法人の設立や組織、運営などについて定めた法律で、商法の特別法という位置づけになります。

特別法の方がより細かい規定が多く、会社法も例外ではありません。そして、他の条文を引用していることが多いので、条文を読み込むこと自体も簡単ではありません。しかし、出題のメインは会社法からであるため、会社法自体を捨てるわけにはいきません。

また、近年では商法の問題は1問程度しか出題されなくなってきています。商法は条文そのものが出題されることが多いので、覚えている条文が出たら運が良いと考える程度で勉強するのが良いでしょう。

問題①:商法

”1.商人とは、自己の計算において商行為をすることを業とする者をいう。

2.店舗によって物品を販売することを業とする者は、商行為を行うことを業としない者であっても、商人とみなされる。

3.商人の行為は、その営業のためにするものとみなされ、全て商行為となる。

4.商法は一定の行為を掲げて商行為を明らかにしているが、これらの行為は全て営業としてするときに限り商行為となる。

5.商行為とは、商人が営業としてする行為または営業のためにする行為のいずれかに当たり、商人でない者の行為は、商行為となることはない。”

上記は、平成29年度の商法の問題となり、この1問のみが出題されました。上記の問題文では、1~4で条文をストレートに聞いています。商法の問題は、ざっと見ただけではどこが間違っているのかわからないようなひっかけ問題を出してくるので、正確な暗記が必要です。

問題②:会社法

1.株式会社の定款には、当該株式会社の目的、商号、本店の所在地、資本金の額、設立時発行株式の数、ならびに発起人の氏名または名称および住所を記載または記録しなければならない。

2.金銭以外の財産を出資する場合には、株式会社の定款において、その者の氏名または名称、当該財産およびその価額、ならびにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数を記載または記録しなければ、その効力を生じない。

3.発起人は、その引き受けた設立時発行株式について、その出資に係る金銭の全額を払い込み、またはその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付した時に、設立時発行株式の株主となる。

4.設立時募集株式の引受人がその引き受けた設立時募集株式に係る出資を履行していない場合には、株主は、訴えの方法により当該株式会社の設立の取消しを請求することができる。

5.発起設立または募集設立のいずれの手続においても、設立時取締役の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。”

上記は、平成29年度の会社法の問題となり、頻出である設立についての問題です。多くの人にとって馴染みの無い話のため、イメージしながら勉強するのが難しいでしょう。

商法・会社法の勉強方法

最小の労力で最大限の効果を意識する

商法・会社法の勉強で大事になるのは、割り切ることです。20点すべてを捨てるのは惜しいものの、満点を狙っていては時間がいくらあっても足りません。

点数として目指すのは、3問12点です。内訳としては、商法で1問、会社法で2問の計3問を目指しましょう。ちなみに、商法は1問しか出題されないこともあるので、「ダメならダメで仕方ない」くらいの気持ちで構いません。

出題範囲は広いものの、全てから満遍なく出題される訳ではありません。商法にも、会社法にも頻出のテーマはあります。また、過去問を繰り返していくと、「この問題前にも見たな」と感じることもあるため、そういった問題だけに絞ってしっかりと理解を深めましょう。

商法は点が取りやすい?

出題されやすい箇所だけを勉強する

商法は「総則」、「商人」、「商行為」が頻出のテーマとなるため、過去問でしっかり理解しておきましょう。特に、条文に書かれていることをそのまま聞いてくる問題が多いので、出る条文をしっかり押さえることが重要です。

なお、頻出の箇所を理解できていれば、それ以上に深く勉強をする必要はありません。まずは過去問を解いてみて、良く出る問題の条文をしっかり頭に入れておきましょう。また、条文そのものを聞く問題は、ちょっとした違いでひっかける問題でもあります。何となく覚える程度だと違いが見抜けないため、しっかり暗記することが重要になります。

上記の点は、過去問を解いていくことで実感することができるでしょう。

商法のここで点を取る!過去問活用術

「出るところだけ勉強する」ためには、どこが出るかを掴まなくてはなりません。そのためには、過去問を徹底活用しましょう。

過去問によっては、重要度や頻出度が明記されているものもあります。それを活用して、重要度が高い条文、頻出の条文をチェックしましょう。もし、そういった目印が無ければ実際に過去問を解いてみて、自分で判断しても構いません。

ここで大事になるのは、ただ問題を覚えるのではなく、条文を理解して覚えることです。条文そのものを聞いてくる問題に対応するため、きっちりと覚える必要があります。そのため、過去問が解けることではなく、条文を覚えることを大事にしてください。

会社法で良く出る問題は?

ターゲットを絞って深く理解する

会社法にも頻出テーマがあり、以下の通りとなっています。

  • 機関設計
  • 取締役会
  • 設立
  • 株式
  • 株主総会

上記はどれも細かい規定が多く、中でも機関設定は特に難問が多くなっています。会社法の条文は、それ自体が長くて難解である上に他の条文を引用していることが多いため非常に読みにくく、条文そのものを理解するのは困難を極めます。

そのため、「取締役会」、「設立」、「株式」、「株主総会」についての過去問を徹底的に攻略することが得点への近道と言えます。

会社法の過去問演習

平成29年度の試験には、会社法は4問出題されています。

内容は、

  • 株式会社の設立
  • 株式
  • 取締役(の報酬)
  • 株主

についてです。

これらのうち、取締役の報酬についての問題は監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社についての理解も必要な難問でした。しかし、その他の設立や株式、株主については条文を理解していれば解ける問題であったため、得点源にできるところでした。

また、会社法は条文そのものが難しいため、問題を解きながら覚えた方が理解しやすいでしょう。問題になって初めて、「こういうことだったのか」と分かることも多くなります。そして、過去問を活用して、上記の頻出分野についてしっかり暗記と理解をしましょう。

まとめ

商法・会社法は点の取りにくい科目ですが、満点を狙わず3問12点を狙って効率良く勉強するのが得策であると言えます。試験では基本的な問題が繰り返し出題されたりするため、過去問で頻出問題をマスターしておくことが得点への近道になります。

そのため、他の教材には手を出さず、過去問を徹底活用しましょう。