管理業務主任者試験とは?

管理業務主任者試験の難易度はどれくらい?

マンションの「管理業務主任者」と聞くと、マンションの管理員を思い浮かべる人もいます。また、マンション管理士と混同する人もいるようです。

管理業務主任者は国家資格で、マンション管理会社はこの管理業務主任者の資格を取得している人を事務所に設置しなければならないことが決められています。

マンション管理士と同様に、マンション管理のプロである管理業務主任者。どのような違いがあり、どのような仕事内容なのかなど詳しくみていきましょう。

目次

管理業務主任者とは、どんな人?


管理業務主任者とは、マンションの管理会社に所属し業者の立場からマンション管理に関する仕事を行う人です。マンションの管理会社は事務所ごとに30管理組合に1人以上、専任の管理業務主任者を置かなければならないという規定があります。

管理業務主任者は、マンションの区分所有者で構成されているマンション管理組合に対し、以下の業務を行います。

  1. 管理事務の報告
  2. 管理委託業務に関する重要事項の説明
  3. 管理受託契約にかかる契約書への記名
  4. 設備や組合運営に関するマネージメント

このうち、2と3は管理業務主任者しかできない独占業務です。管理業務主任者の試験に合格した後、登録をして主任者証の交付を受ければ業務に従事できます。

管理業務主任者はどんな仕事?

管理業務主任者は、具体的にどのような仕事をするのでしょうか。マンション管理に関するプロとはいってもマンション管理組合サイドの立場で仕事をするマンション管理士とは立ち位置が異なります。

管理業務主任者は管理会社側のスタッフとして仕事を行う人です。詳しくご説明しましょう。

理事会・総会の運営サポート

マンション管理組合は定期的に理事会や総会を行います。自分たちが住んでいるマンションの快適さや安全性を守るために理事会などは欠かせません。

しかしながらマンションの区分所有者のほとんどは、マンション管理や理事会・総会の運営に関しての知識を持っていません。そこで管理会社のスタッフである管理業務主任者がサポートを行うのです。

具体的には

  • 理事会や総会をいつ・どこで行うのかなどのスケジュール調整
  • 理事会や総会の場所の設営や区分所有者への通達
  • 議案書の作成
  • 実際に、理事会・総会に出席して司会進行

などを行うのが仕事です。

管理組合や業者との折衝

管理業務主任者は、ときとして企業の営業マンのような役割も担います。お客さんである管理組合の人々との折衝ごとはもちろんですがほかにも以下のような人々と折衝することもあるのです。

  • マンションや施設の修理修繕
  • トラブル解決などを行ってくれる協力業者との折衝や指示
  • 自治会など地域住民との折衝
  • 官公庁との折衝

などがあげられます。そのため、管理業務主任者の求人では折衝業務や営業職の経験がある人を求めている管理会社も多いようです。

管理員のマネージメント

マンションの「管理員(管理人)」のマネージメントも管理業務主任者の仕事になります。マンションの管理員は退職後の60代以上の男性やそのご家族が業務を行っていることが多いです。そのため年上の人に対する丁寧な接し方や時としては毅然とした接し方などを身に付ける必要があります。

マンションの規模によっても異なりますが

  • 管理員としての業務の管理
  • 日報や報告書の確認
  • 清掃を含む業務の指示
  • マンションの区分所有者に対する対応

など、管理員のチェックやマネージメント業務を行います。

事務処理

管理業務主任者は管理会社のスタッフなので、事務処理業務も多くなります。

たとえば

  • 工事や修理修繕など、各種見積もりの取り寄せや精査
  • 会計や設備修繕プランの立案
  • 管理組合活動記録の作成管理規約や活動方針、運営方針などの素案の 作成や改定

ほか細かい事務仕事もこなさなければなりません。

管理業務主任者はエクセルやワード、メールのやり取りなど基本的なパソコンスキルは必須でしょう。また基礎的なビジネス文書作成スキルも必要になります。

緊急時の対応とトラブルの仲裁

基本的に、マンションの管理会社は「マンションの運営を預かり管理する」のが仕事です。そのために緊急時に管理会社が対応したり区分所有者同士・区分所有者と業者間でのトラブル仲裁をしたりなどは義務ではありません。

しかしながら、マンションは多くの人が集まって暮らしている集合体なので緊急の対応やトラブル仲裁などは「関係ありません!」と避けられないのが現状です。

マンションによっても異なりますが室内の設備に不備が生じた、エレベーターが故障した、台風で共有部分に被害が生じたなどのトラブルに管理会社としてはスムーズに対応しなければならないことも多々あるでしょう。

また、ゴミ捨て場や駐車場のマナー違反、騒音など住民同士のトラブルはマンションにはつきものです。大きな揉めごとに発展しないよう管理会社が解決に導かなければならないこともあります。

➡マンション管理士の仕事について詳しくはこちら

管理業務主任者の魅力やメリット


管理業務主任者の仕事内容を見ると「なんだか大変そう」と思う人もいるでしょう。しかしながら、実はこの資格は魅力やメリットも多いのです。どのようなことがあるのかご紹介しましょう。

管理業務主任者の魅力とは

管理会社に勤務する管理業務主任者の業務内容ははば広いものです。その反面、現場で管理組合・住民・出入業者ほか、さまざまな立場の人と接することになります。そのため苦労はあるものの人生のあらゆる場面で要求される対人力・コミュニケーション力を鍛えることができることが魅力です。

また、民法や区分所有法などの法令の知識や会計の知識などを理解し、それらを人に伝える能力を鍛えることができます。

管理業務主任者は、いろいろな場面で自分の裁量で仕事をさばいていくので責任も多い分、やりがいを感じられるのも魅力でしょう。

管理業務主任者のメリットとは

管理業務主任者として働くことのメリットはいろいろなことが挙げられます。

魅力の項目で挙げたように、

  • 法令・会計ほかはば広い知識が身に付く
  • コミュニケーション能力や折衝能力が身につく

は、将来的にほかの仕事に就いたり独立したりしても役立つスキルです。

さらに、管理業務主任者としてマンション管理に携わるという仕事内容は全国どこに行ってもそれほど大きく変わりません。そのため管理会社で経験を積んだ人は転職しやすいのもメリットです。不動産や建設会社を親会社に持つマンション管理会社に転職すれば管理するマンションも多いためにスケールアップした仕事を任せられることも期待できるでしょう。

10人に1人がマンションに暮らしているといわれている今、マンション管理組合の数も多く管理会社に管理業務を任せるところも多くなっています。そのため、管理業務主任者資格を持つ人材へのニーズも高まると期待されているのです。

マンション運営のプロ、管理業務主任者の資格をとろう

管理業務主任者は建築設備のメンテナンス・会計事務・マンション組合運営・さまざまな立場の人々とのコミュニケーションの構築・事務処理などいろいろな業務を行います。そして、折衝能力や的確に物事を処理する能力など、スキルが必要とされる立場です。

管理業務主任者はマンション運営のプロとしての経験を身に付ければ、同業他社への転職も有利になるのが魅力でしょう。大きな企業を母体とする管理会社も多く、安定した職場を見つけやすいのも魅力です。管理会社系の職場に勤めるのであれば、管理業務主任者の資格はぜひ取得しましょう。

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