マンション管理士の仕事内容は?将来性はある?

マンション管理士の仕事内容・魅力・メリットとは?

国家資格試験には、難関資格と呼ばれるものがいくつかあります。司法試験や医師試験なども難関資格ですが、一般的に例年の合格率が10%を切るような試験は難関資格と考えていいでしょう。

そんな難関資格の一つがマンション管理士です。例年の合格率は9%前後。しかしその難易度のわりに業務内容や将来性、魅力などが伝わりにくい資格でもあります。

この記事ではマンション管理士の仕事内容ややりがい、そして将来性などをまとめて行きたいと思います。

目次

マンション管理士とは?

マンション管理士と聞いても、多くの方は「マンションの管理人」や、「マンションの仮業務を行う会社で役立つ資格」というイメージを持つのではないでしょうか?

マンション管理士の仕事はこのどちらでもありません。マンションの管理会社は、そのマンションの維持・管理を業務とする会社。日常の管理業務はもちろん、貯水槽やエレベーターなどの定期点検から、数年に一度の改修工事などの計画を立て実行します。

このマンション管理会社から派遣されるのがいわゆる「マンションの管理人」です。決まった曜日のみ派遣されるケースや、常駐のケースがあるかと思います。

マンション管理士とは、立場から言えばマンションの管理会社・管理人とは反対の立場を取る資格者となります。主な業務はそのマンションの住民で結成される管理組合の側に立つ資格者となります。

まずはマンション管理士の基本的な部分から解説していきましょう。

国家試験に合格した方だけが名乗れる

マンション管理士は国家資格となりますので、指定の国家試験に合格しなければいけません。この国家試験が難関試験と言われており、簡単に名乗れるものではありません。

マンション管理士は「名称独占資格」です。名称独占資格とは、その資格を持つ者以外、「マンション管理士」を名乗れないということ。資格を持っていない人が自身の運営する事務所の看板に掲げたり、名刺に印刷したりすると罰せられますので、「マンション管理士」を名乗る方は基本的にこの国家試験に合格している方と考えて間違いありません。

マンション管理組合のコンサルタント

マンション管理士の仕事内容を、一言でざっくりと説明するのであれば、そのマンションの管理組合におけるコンサルタントといったところでしょう。

管理組合の中で問題となっている点を解決したり、そもそもの運営に携わったり、管理組合の会計管理を行ったりと、住民の立場に寄り添うのがマンション管理士の仕事となります。

マンションの住民に寄り添い、管理組合のコンサルタントをすることで、マンション管理士が何を目指すかといえば、そのマンションの価値を高い状態で維持することです。これは、いわゆるマンションの管理会社と同じ目標ということになります。

マンション管理士は、マンションの価値を高く維持するために、マンションの管理組合、つまり住民の立場に立って、マンション管理会社の管理方針をチェックしたり、場合によっては訂正したりする仕事ということになります。

マンションの管理人とは、目標は同じでもまったく別の業務を行う仕事ですので、はっきり分けて覚えておきましょう。

独占業務も設置義務もなし

難易度の高い国家資格となると気になるのが、マンション管理士に与えられた権利でしょう。多くの国家資格では「独占業務」というものがあります。これはその資格を持っている人間にしかできない業務です。

宅地建物取引士の独占業務は「不動産取引における重要事項説明など」ですし、司法書士の独占業務は「登記もしくは供託に関する手続きの代行など」ということになります。こうした独占業務があるため、資格を取得した場合にほかの資格者に邪魔されない仕事が確保されることになります。

しかしマンション管理士にはこの独占業務はありません。つまりマンション管理士の仕事は、内容によってはほかの資格を持つ者、もしくは資格を持っていない者でも代行できる業務ということになります。

また、マンション管理士には設置義務もありません。不動産取引を業務とする会社は、従業員の5人に1人は宅地建物取引士の資格を持つ者を置かなければいけません。また通関業務にあたり会社は、その量に見合った人数の通関士資格保有者を設置する義務が定められています。

設置義務も独占業務もないマンション管理士ですが、それでもなお人気の資格であることは間違いありません。これはその業務内容が大きく影響しているのが理由です。

マンション管理士は、マンションの住民の味方となる資格です。マンションの管理会社が、そのマンションへの入居者を募集する際、「このマンションにはマンション管理士がついています」とアピールすれば、購入する入居者はそれだけで安心感が違うということになります。

そのため、多くのマンション管理会社、不動産開発業者などがマンション管理士を求めており、また従業員にこの資格の取得を推奨しているのが現状です。

マンション管理士の仕事内容

マンション管理士はマンションの管理組合のコンサルタントです。と、言われてもその具体的な業務がイメージできないという方も多いかと思います。そこで、具体的にマンション管理士はどのような仕事をするのかを、細かく分けて説明していきましょう。

もちろんここで紹介する仕事内容は、基本的なものです。物件によってはさらに細かい業務、複雑な業務を任されることがありますのでご注意ください。

マンション管理組合の運営および助言

まずはなんといってもマンションの管理組合への助言が大きな仕事となります。マンションの管理組合は、そのマンションに物件を所有するすべての方が参加する組合です。そしてその中で代表者や運営参加者が選出され、マンションンに関するさまざまなことを検討、決定していきます。

マンションの管理組合を運営する方は、そのマンションの住民の方であり、いろいろな職業の方が集まる組合です。マンションなどの建築構造に詳しいわけでもありませんし、マンション管理の専門知識を持っているわけでもありません。

こういった組合に、専門知識を持つコンサルタントがいないと、すべての決定すべき事項に関してはマンションの管理会社の言いなりとなってしまいます。何しろ専門知識がないので反論ができないのでこれはいたし方ありません。

その結果マンションの維持管理に問題が発生した場合にも、対応のしようがありません。こうした自体が発生しないために存在するのがマンション管理士ということになります。

マンション管理士は基本的にコンサルタントの立場であることが多く、管理組合から疑問点や不明点が出た場合に、第三者として的確な解説やアドバイスを行います。

また、管理組合の事情によっては、マンション管理士が管理組合の運営に加わりケースもあります。大規模なマンションの場合、管理組合が法人化されているケースもありますが、こうしたケースではマンション管理士とコンサルティング契約を結んだり、外部役員として招へいするケースが多いようです。

マンションの大規模修繕の内容精査や業者選び

マンションの管理組合の運営の中でも、非常に大きな比重を占めるのが「大規模修繕に関するもの」です。マンションの価値を高いまま維持管理するには、定期的な大規模修繕が不可欠です。そのためマンション入居者(物件所有者)は毎月維持管理費として積み立てを行っています。

大規模修繕にはいろいろなケースが考えられます。外壁工事や外壁の塗り直し、エレベーターの交換や貯水槽の清掃・交換なども大規模修繕といえるでしょう。

こういった大規模修繕は、基本的にマンション管理会社が計画を立て、提案を行います。その提案に疑問や問題がなければ、管理組合が承認し、修繕工事が実施されるのが一般的な流れです。

ここで問題となるのが、「その大規模修繕が必要かどうか」、「必要としてその業者で問題ないのか」、「業者も問題ないとして費用面は適切か」という部分です。しかし先に紹介した通り、マンションの管理組合員はそのマンションの住民です。こうした大規模修繕工事の専門家でも、マンション管理の専門家でもありません。

いきなり計画書を提示されて、それが正しい計画なのかどうかを判断するのは非常に難しいところです。そこで力になるのがマンション管理士です。マンション管理士はこうした問題の専門家であり、計画をみることでその計画が妥当なものであるかどうかの判断ができます。

問題がある場合はどのような問題があるのか、その解決にはどのような方法があるのかを管理組合に助言します。あとは管理組合で話し合い、マンション管理会社に返答を行ううことで、多額の費用が必要となる大規模修繕を、的確に無駄なく行うことができるようになります。

さらにケースによっては、マンション管理会社の提案した大規模修繕に計画に対し、対案を提示することもあります。こうした場合はマンション管理士が工事業者などを探し、見積もりを取るなどの業務が発生するケースもあるでしょう。

マンション管理士は管理組合の意思を聞き、その実現のために持っている知識を活用するということになります。

マンション管理組合の会計管理

マンションの管理組合には予算があります。管理組合自体の予算は組合費ということになりますが、大規模修繕のための積立金などの管理も管理組合の業務になります。

管理組合のサイズ、マンションのサイズによっては、この予算も非常に大きいものとなり、信頼できる者が管理をすることが求められます。この信頼できる者がマンション管理士というケースは少なくありません。

管理組合の持つ予算を把握し、何にどの程度の予算を活用すべきかのアドバイスはもちろん、直接その予算を管理するのもマンション管理士としての仕事となります。

修繕積立金に関しては、マンション管理会社の提案する長期修繕計画などをチェックし、適切に集められているかどうかもチェック。管理会社が考え修繕計画に対して積立金が不足することがないよう、修繕工事の内容や予算について冷静に判断するのも重要な仕事となります。

ここでもマンションの維持管理に関するいろいろな知識が必要となり、その知識を身に着けている必要があるため、マンション管理士の資格試験は難関試験と呼ばれるほど難しくなっているのです。

管理規約の作成やチェック

管理組合は多くの人が参加する団体です。そのためルール作りは必須であり、どのマンションの管理組合にも管理規約が存在しています。簡単に言ってしまえば、そのマンションで住み暮らす際のルールです。ペットを飼っていい、飼ってはいけない、小鳥はOKなどもこの管理規約に含まれます。

管理規約は基本的には入居前には決定しており、住民(所有者)はこの規約を守ることが求められます。しかし、時間の経過とともにこの規約が改定されるケースも珍しくありません。こうした規約の改定は、管理組合で話し合いが行われますが、そこで出た結果を規約として落とし込む場合、マンション管理士が助言を行うこともあります。

もちろん助言にとどまらず、買い手との話し合いの時点で参加し、第三者的な観点から意見を述べる場合も少なくありません。

この規約はマンションに住み暮らす方にとって、不利益が発生したり、有利不利が発生してはいけません。冷静な目で判断し助言することが求められます。

管理委託契約に関するチェックや助言

マンションの住民(管理組合)は、マンション管理会社と、「管理委託契約」を結んでいます。この契約を結ぶことで、マンションに管理人が常駐したり、大規模修繕工事を管理会社が計画立案することになります。

この管理委託契約は、管理組合と管理会社の間で結ばれるものです。管理業務に不満がある、修繕工事の計画が不可解などといった問題があれば、当然別の管理会社に契約を切り替えることも可能です。

ここでもマンション管理士の存在が大きく影響します。まずは管理会社との管理業務委託契約の内容に問題がないか、契約内容をしっかりと精査します。疑問点があれば管理組合に提言。問題がある個所を伝え、その内容で契約した結果、どういう自体が起きる可能性があるかなどを伝えます。

委託契約自体は管理組合と管理会社が結ぶものであり、マンション管理士が結ぶものではありません。行うのはあくまでも契約内容の精査と助言ということになります。

もし管理会社を変更する場合も同様です。新たな会社との契約書に問題がないかをチェックし、管理組合に伝えるのが仕事ということになります。

この契約内容に関しては、マンション管理士はしっかりと把握し、契約通りに管理業務が行われているかどうか監督する仕事も請け負うことが一般的です。

住民トラブルの解決

マンション管理士としての仕事で、比較的その数が多く、また神経を使う必要があるのが住民トラブルの解決です。マンションは多くの人が住む共同住宅のため、場合によっては住民同士でトラブルが発生します。

ほとんどのトラブルは当人同士の話し合いなどで解決しますが、解決しない場合は管理組合に、それでも揉めるようであれば、その管理組合のコンサルティングをしているマンション管理士のところまで話が届きます。

マンション管理士まで届くようなトラブルは、それだけ解決が難しい案件でもあり、揉めている両者の間に入り朝廷のようなことを行う必要があります。

マンショントラブルで多いのは、騒音トラブルや喫煙トラブル。喫煙に関しては、ベランダで喫煙する方が増え、周囲の部屋の洗濯物に臭いが移るなどのトラブルが増えているようです。

また、共用部分におけるトラブルも少なくありません。ゴミ集積所の使い方や駐輪場の問題、エレベーターの使い方や廊下を汚す人がいるなど、多くのケースがありますので、それぞれのケースで、住民すべてに不利益が生じないように、公平な目でジャッジする必要があります。

マンション管理士として働く魅力

マンション管理士の資格を取得するのは難しく、資格を目指すにはある程度の時間を確保する必要があります。それだけの時間を使ってでも、マンション管理士という資格は取得を目指すほどの魅力がある資格なのでしょうか?

マンション管理士の資格を取得することの魅力についていくつか紹介していきましょう。

収入アップが目指せる

マンション管理士に資格は取得が難しい資格です。それだけ取得している方の人数も少なく、特に不動産管理業者などでは、資格を取得することで収入のアップ、資格手当の支給が望めます。

また、マンション管理士の資格を取得することで、部署移動となり、収入が上がるケースも珍しくありません。

マンション管理士の資格を持つ方が収入アップを望めるのは、不動産管理業者だけではありません。マンション開発を手がけるデベロッパーや、自社でマンション安どの不動産を売買する業者などでも優遇されるケースが多いようです。

また、マンション管理士の資格が取得できるということは、その分野において専門家としての知識を持っているということになります。この知識を生かせる業界は多く、収入面では魅力のある資格といえるでしょう。

転職で有利に

マンション管理士を求めている会社は、不動産業界を中心に数多く存在します。最初に少し説明した通り、マンション管理業者などは、マンション管理士がいることで顧客からの信頼度が高まるため、より多くのマンション管理士を求めています。

今の仕事から転職を考えている方などは、マンション管理士の資格を持っていることで、より条件のいい転職先が見つかるでしょう。

もうひとつマンション管理士の魅力は、高齢の方の需要が高いことです。マンション管理士の仕事は多岐にわたりますが、管理組合など人と会い、話し合うような業務が中心です。こうした仕事には人生経験が大きくものをいうため、恒例の方のほうが好まれる傾向にあります。

例えば住民間のトラブルがあったとしましょう。双方なかなか納得できないという状況で、自分より年齢の若いマンション管理士に、理路整然と語られるよりも、自分より高齢の方に、情を持って説得されるほうが納得しやすいでしょう。

こういった面でも、特に人生経験豊富なマンション管理士は需要も高く、魅力のある仕事ということもできるでしょう。

ほかの資格とあわせもつことで独立開業も

マンション管理士の仕事は、マンションの管理組合のコンサルティング業務です。この資格を持って独立開業するのはやや難しいといえます。独立開業した場合、どのようにマンションの管理組合から仕事をもらうのか。そう考えると独立の難しさを想像できるでしょう。

しかしほかの資格も併せ持っているとどうでしょう。例えば行政書士、司法書士など士業の資格を持つことで独立開業はしやすくなります。

またマンション管理士以外の仕事も可能ですし、ほかの資格も持っているということは、マンション管理士としても信頼を得やすいことになり、マンション管理士の仕事も受けやすくなるでしょう。

ほかの資格を取得するという条件は付きますが、将来的な独立開業も目指するというのもマンション管理士の魅力の一つになります。

マンション管理士のやりがい

マンション管理士の資格としての魅力を紹介しましたが、では、マンション管理士の仕事としての魅力、つまりやりがいはどの程度のものがあるでしょう。

仕事をするにおいてやりがいというのは非常に重要であり、いくら高収入の仕事でも、やりがいを感じない仕事は長続きしません。

マンション管理士の仕事をすることで感じる魅力・やりがいに関してまとめていきましょう。

住民たちに頼りにされる存在に

仕事のやりがいを感じないという時は、「何のために仕事をしているのか分からない」、「誰かのためになっているのか実感できない」時です。そう考えるとマンション管理士の仕事は、非常にやりがいを感じる仕事ということができます。

マンション管理士の顧客は、マンションの管理組合です。その管理組合に対して行う業務は、すべて住民のために行う仕事となります。

住民たちは自分たちで解決するのがこんななんな問題に直面した時にマンション管理士を頼りにします。その要望に応え、さまざまな問題を解決していくことで、住民から信頼される存在になるということです。

多くの仕事が実際にに誰かのためになっているのかどうか実感しにくいという中で、直接顧客とふれあい、実際に顧客から信頼され、頼られるマンション管理士の仕事は、非常にやりがいを感じる仕事といえるでしょう。

直接問題を解決でき達成感を感じる

マンション管理士の仕事の中でも、住民間のトラブル解消や、大規模修繕工事に関するチェック、管理規約の精査などの仕事は、非常に難しい仕事になります。

自分の判断が直接住民たちの暮らしやすさに直結したり、マンションという大きな建造物の価値を維持管理するということにつながるため、非常に責任の大きい仕事といえます。

こうした責任の大きな仕事は、直面すると大変ですが、しっかりと対応し正しく解決できた時は、それだけ大きな達成感を味わえる仕事でもあります。達成感の大きな仕事はそれだけでやりがいがある仕事とも表現でき、マンション管理士は多くの場面でこのやりがいを感じることができる仕事ということができます。

もちろん達成感ややりがいだけではなく、それに見合った報酬があるのも魅力のひとつ。自分の力で大きな問題を解決し、それに見合った報酬を受け取ることができるマンション管理士は、非常に魅力的な仕事といえるでしょう。

マンションという大きな財産を守ることができる

マンションという建造物は、それを所有している企業にとって大きな財産です。数億円以上という開発費を投じて建設され、大きな事故や災害がない限り数十年単位で残り続ける建造物です。このマンションを適切に維持管理するというのは、それだけでやりがいを感じる仕事といえるでしょう。

また、マンションの住民にとっても、大きな財産であることは変わりません。多くの方が家(マンション)を買うというのは、人生で何度もない大きな買い物です。マンションの住民にとって、自分の所有する物件は、その方の持つ財産の中でも最大のものとなり、それだけ思い入れのある財産でもあります。

マンション管理士は、マンションを所有している企業、所有している住民にとっての大きな財産んを、適切に維持管理するという責任があるわけです。

もちろん実際に維持管理、修繕工事や点検を行うのはマンションの管理会社です。しかし、その計画が適切なものかどうかを診断するのはマンション管理士の仕事。マンション管理士の判断が間違えば、多くの方の財産に影響を与えることになるわけです。

降格と非常に責任が重い仕事に聞こえるかもしれませんが、それだけやりがいがある仕事であるのも間違いない事実でしょう。

業務が多岐にわたるため様々な経験が積める

ここまでマンション管理士の仕事を、充実感や達成感、そして責任感という点で魅力的でやりがいがある仕事と見てきました。マンション管理士の仕事の魅力という点では他にも注目すべきポイントがあります。

それはマンション管理士の業務範囲の広さです。マンション管理士は、建物の構造計算のような専門知識から、会計管理、トラブル解決と、その業務が多岐にわたることで知られています。

こうしたさまざまな経験を積むことで、後の人生に大きく役立つといえるでしょう。マンション管理士の資格の魅力として、高齢者が好まれると書きましたが、マンション管理士として働く若い世代にとっては、この経験こそが大きな魅力となります。

さまざまな業務を経験する中で、自分に合った業務、好きな業務などを見極めることができ、後の人生でどのような仕事をしていくのかを決めることにも役立つかもしれません。

本格的にマンションという建物の魅力を感じるのであれば、マンション開発や管理に仕事を目指すのもいいでしょう。管理組合にさまざまな助言をすることが自分に合っていると感じれば、マンションの管理組合に限らず、いろいろな部分でコンサルティングを行うような仕事が合っているのかもしれません。

後の人生においても貴重な経験ができるという点でも、マンション管理士の仕事は魅力的といえるでしょう。

マンション管理士の将来性

マンション管理士の資格を取ること、仕事に就くことは非常に魅力的でやりがいのある仕事であることはお分かりいただけたかと思います。

しかし、資格取得を目指す以上、気になるのはこれからのことです。せっかく苦労して資格を取得したのに、将来的に仕事がなくなる、収入アップが望めないなど、将来性がない資格では意味がありません。

先に結論を書いてしまうと、マンション管理士は将来性のある資格・仕事であることはまちがいありません。そう言い切るだけの理由をいくつかご紹介しておきましょう。

顧客が安定している

ある特定の業種や仕事の将来性がないと判断される材料のひとつとして、「顧客がいない」という点が挙げられます。どれだけ頑張って仕事をしても、それを求める顧客がいなければ、収入にはなりませんし、仕事として成り立ちません。

顧客の安定感は仕事の将来性において非常に重要なポイントです。その点マンション管理士の将来性は明るいといえるでしょう。

マンション管理士にとっての顧客は、マンションの管理組合です。マンションの管理組合ということは、マンション物件を持つすべての入居者ということになります。

顧客が企業の場合、その企業の業績が悪化した場合、倒産や廃業といった危険性があります。また、顧客の企業の業界全体が廃れていけば、それに合わせて自身の仕事も廃れていくことになります。マンションの所有者は基本的に企業ではありません。企業ではないということは倒産も開業もありません。この点の安定感は間違いありません。

また、決して国土が広いとは言えない日本において、マンションがなくなることは考えにくいところ。国土の大部分が山地など平野以外であり、限られた平野に人が集まる日本では、マンションが多少減ることはあってもなくなることは考えにくいところ。

マンション管理士の顧客であるマンション所有者が減ることは想像しがたく、この点で将来的にも仕事が減ることはないと考えられるでしょう。

ライフスタイルの変化で需要拡大も

日本におけるライフスタイルの変化も、マンション管理士の将来性を保証してくれる項目といえます。

近年も引き続き日本では年に人口が集中するという問題があります。地方の活性化という点では危惧するべき問題ですが、ことマンション管理士の仕事としては明るい情報とも言えます。

都市部は人口が増加傾向ですが、もちろん土地面積が増えることはありません。つまり新たなマンションが建てられ、そこに多くの方が集まるという流れで安定しています。特に都市部においてはマンション管理士は求められている仕事といえるでしょう。

また、都市部への人口集中により、ライフスタイルの変化も見られます。これまでは自分で家を買い、そこで一生を過ごすのが一般的でしたが、近年では家を持たずに賃貸住宅で暮らすことを選ぶ方も増えています。

背景には人口集中以外にも、少家族化ということも考えられるでしょう。少家族どころか、単身者も増えており、賃貸マンションでの生活を選ぶ方も少なくありません。また、高齢となった方が、自身の家を売却し都心部のマンションで暮らすケースも増えています。都市部の便利さや、都市部に出たお子さんやお孫さんの近くで晩年を暮らしたいという方が増えているからでしょう。

このように日本の都市部への人口集中、少子高齢化という問題は、マンション管理士の仕事という面では非常に明るい話題であり、今後もマンション管理士を求める声が小さくなることはなさそうです。

ニーズに合わせた専門知識が必要

マンション管理士という資格、その仕事の将来性は明るいと考えていいでしょう。とはいえ注意すべき点もあります。それが専門分野の知識を身に着ける必要があるということです。

ライフスタイルの変化に合わせて、さまざまなマンションが誕生する可能性があります。現状でも楽器可の防音マンションや、ペット可のマンションなど、いろいろなマンションがあり、これからはその種類も細分化される可能性があります。

こうした特徴のあるマンションを管理するには、その分野に関する専門知識が求められます。マンション管理士も、ただ資格を取得すればそれでいいということではなく、いろいろな分野に関する専門知識に興味を持ち、勉強していく必要があります。

もうひとつの問題がマンションの構造知識、修繕に関する知識をアップデートしていく必要があるということです。2021年現在、特に東京都内や大阪府などの大都市では、築年数の長いマンションが増えています。

こうした大都市部のマンションは、いわゆる高度成長期からバブル景気の時代に建てられたものが多くあります。こういった物件は2021年の時点で築年数が30~50年ほどになっています。

古い建物ほど修繕の重要性は高く、しかも古い建築物ですので、建物の構造に関する深い知識が問われます。同時に修繕の工法などは年々進化していきますので、これらの構造知識や修繕方法などの情報は常にアップデートし、どのような物件にも対応できるようにしておく必要があります。

AIには代用が難しい業務である

マンション管理士の将来性という点で、無視できないのがAIなどのIT技術です。仕事の将来性を考える際、IT技術で代用できる仕事はどんどんIT技術に置き換えられていくと言われています。では、マンション管理士の仕事はどうでしょう?

確かに大規模修繕工事の計画や、修繕工事の費用などを精査するという仕事は、これからAI技術が進化すれば、置き換えられるかもしれません。

しかし、管理組合のコンサルティングという点ではどうでしょう?特に管理組合から相談を受ける、助言をするという業務はAIでは代用しにくいのではないでしょうか。

人と向き合い、相手の意見を聞き、相手の立場に寄り添うことで解決できるような業務は、やはり体温のある人間だからこそできる仕事であり、IT技術でどうこうという仕事ではありません。

この点でもやはりマンション管理しの将来性は高く、今から目指すのがおすすめの資格といえるでしょう。

まとめ

マンション管理士は、国家試験に合格することで就ける国家資格であり、その合格率は例年9%程度と、難関試験に分類される資格になります。

主な業務はマンションの管理組合のコンサルティング業務。管理組合が分からないこと、疑問に思うことにしっかりと助言するのが仕事になります。

マンション管理士の仕事はその範囲が非常に広く、いろいろな経験ができる仕事でもあり、多くの専門知識が必要な仕事でもあります。マンション管理士を求める企業は多く、資格取得が収入アップや将来の安定性につながる可能性が高いといわれています。

マンション管理士の仕事は将来性もあり、今こそ取得を目指したい資格の一つといえるでしょう。