管理業務主任者試験の難易度は?合格率や合格点、必要な勉強時間まで分かりやすく解説

更新日:2024年3月15日

管理業務主任者試験の難易度は?合格率や合格点、必要な勉強時間まで分かりやすく解説

マンションの管理業務を行う上で、取得必須となる資格が管理業務主任者資格です。

管理業務主任者資格は国家資格であり、取得には国家試験に合格する必要があります。

この管理業務主任者試験の難易度に関しては、「易しい」「難しい」といろいろな意見がありますが、実際にはどうなのか。この点を合格率や合格ラインなどの数字を交えて分かりやすく解説していきます。

目次

管理業務主任者試験とは

管理業務主任者試験は、管理業者側の立場からマンション管理に携わるための国家資格で、2001年からスタートしました。試験は年に1回、12月の第一日曜日に実施され、年齢、性別、学歴等に関係なく、誰でも受験できます。

区分所有法、民法、マンション管理適正化法、標準管理規約、建築基準法の主要6科目から、マークシートによる四肢択一式で50問出題されます。なお、マンション管理士試験合格者は、「マンション管理適正化法」に関する5問が免除されます。

関連記事:管理業務主任者の試験内容についてはこちら

管理業務主任者試験の難易度

管理業務主任者試験の難易度に関して、易しい試験であるという意見もあれば、難しい試験だという意見もあり、実際の難易度が分かりにくい試験となっています。

実際に管理業務主任者試験がどの程度の難易度なのかを、数字や試験方式、さらに受験者のレベルなどの視点から分かりやすく解説していきましょう。

合格率から見る難易度

まずは過去10年間の合格率の推移を確認していきます。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2013年度 18,852名 4,241名 22.5%
2014年度 17,444名 3,671名 21.0%
2015年度 17,021名 4,053名 23.6%
2016年度 16,952名 3,816名 22.5%
2017年度 16,950名 3,679名 21.7%
2018年度 16,249名 3,531名 21.7%
2019年度 15,591名 3,617名 23.2%
2020年度 15,667名 3,739名 23.9%
2021年度 16,538名 3,203名 19.4%
2022年度 16,217名 3,065名 18.9%
近10年合計 167,481名 36,615名 21.9%

参考:一般社団法人 マンション管理業協会「管理業務主任者 試験」

過去10年間の平均合格率は21.9%です。例年20%前後の合格率で推移しており、2021年度以降やや難易度が高くなりつつあるという傾向が見えます。

単純に合格率20%前後の試験ということは、資格試験の中ではそこまで難易度が高い試験とは言えないレベルといえます。

「合格率」という観点から見れば、管理業務主任者の試験は比較的易しい試験と考えてよいでしょう。

合格点や採点方式から見る難易度

続いて管理業務主任者試験の合格基準点に関して紹介していきます。まずは過去10年間の合格基準点を紹介します。

年度 合格点 必要正答率
2013年度 32点 64%
2014年度 35点 70%
2015年度 34点 68%
2016年度 35点 70%
2017年度 36点 72%
2018年度 33点 66%
2019年度 34点 68%
2020年度 37点 74%
2021年度 35点 70%
2022年度 36点 72%
近10年合計 34.7点 69.4%

参考:一般社団法人 マンション管理業協会「管理業務主任者 試験」

過去10年の合格基準点は64~74%の間で推移。平均すると69.4%で、約7割が合格ラインと考えられます。

このデータで分かるのは、管理業務主任者試験は合格基準点が固定されていない「相対評価」の試験であるという点です。

相対評価の試験は、事前に合格基準点が決められておらず、おおよその合格者数が決められている試験。全受験者の採点終了後、成績上位者から合格していき、ある程度想定しているラインまでが合格となります。

相対評価の試験は、事前に合格基準点がハッキリしていないため、勉強をしている段階では明確な目標が存在しないことになります。もちろん過去のデータを見れば、およそ7割程度の正答率で合格できる可能性が高くなりますが、確実に合格できるというわけではありません。

合格率の項でも触れましたが、2021年度以降、合格率が下がっています。合格基準点のデータを見ても、2020年度以降は合格基準点も70%以上が続いており、近年管理業務主任者試験の合格難易度は高くなっていると言えるでしょう。

合格率の数字からは、比較的合格しやすい試験という印象が見えるのに対して、「合格基準点」のデータからはなかなか難易度の高い試験という結果が見て取れます。

受験者のレベルが高く難易度も高い

管理業務主任者試験は、受験者のレベルが高い試験であると言われています。

管理業務主任者の資格が必要になるのは、マンション管理などを請け負う不動産管理業界で働く方。資格を取得するための知識自体は、広く不動産業界で活用できますが、資格を活用した業務を行うとなると、不動産管理業界に限られます。

そのため受験者の多くは、不動産管理業界で働き、資格取得が必要となる方が多くなっております。そのため、試験に対する準備も万全に整えている方が中心となるでしょう。

また、試験の出題範囲が非常に似通っている、マンション管理士試験とダブルで受験する方が多いのも特徴の一つ。両方の資格の対策をしている受験者が多いということは、それだけ受験者のレベルが高いことになります。

同じ合格率20%でも、受験者のレベルが高い20%と受験者のレベルが低い20%では大きく意味合いは変わります。管理業務主任者試験は、合格率の数字以上に難易度の高い試験であると言えるでしょう。

管理業務主任者試験の勉強時間

管理業務主任者試験合格までに必要な勉強時間は、およそ300時間です。マンション管理士試験の勉強時間の目安が500時間と言われていますから、管理業務主任者試験の方が比較的合格を目指しやすいでしょう。

しかしながら、合格までの300時間を確保するためには、1日3時間勉強したとして100日かかります。そしてもちろん、300時間勉強すれば誰でも合格できるかと言えば、必ずしもそうとは限りません。

よって、いかに効率良く、必要な知識を習得できるかが重要になります。

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関連性のある資格や人気の資格との難易度比較

管理業務主任者試験は、見た目の数字以上に難易度の高い試験であることがお分かりいただけたでしょう。

さらに詳しく管理業務主任者試験の難易度をイメージできるように、関連性の高い資格や、人気の高い資格とその難易度を比較していきましょう。

マンション管理士試験と比較

管理業務主任者の資格は、マンションを管理する側が持つべき資格です。マンション管理を行う不動産管理会社では、一定数の管理業務主任者を置かなければいけないという設置義務があります。

一方のマンション管理士は、マンションの住民側である管理組合の運営に関する資格。管理業務主任者の資格とは対をなす資格となります。

対をなす資格とはいえ、持っているべき知識は共通する部分が多いのが事実。マンションの構造や大規模修繕に関する知識などは、どちらの資格でも必要とされる知識であり、出題範囲も共通する部分が非常に多くなります。

そんなマンション管理士試験の2022年度の合格率は11.5%。管理業務主任者試験の合格率が19.4%となっています。

管理業務主任者は受験者レベルが高いと書きましたが、出題範囲が近く、ダブル受験をする方も多いマンション管理士試験の受験者レベルも同等に高いと考えられます。

受験者レベルが同等である以上、単純に合格率が低いマンション管理士試験の方が難易度は高いといえるでしょう。

関連記事:マンション管理士試験の難易度についてはこちら

宅地建物取引士試験と比較

宅地建物取引士(以下:宅建士)の資格は、不動産取引の現場において重要事項説明を行うという独占業務を持っています。そのため広く不動産業界の方が取得を推奨される資格であり、例年の受験者数は20万人以上にもなる人気資格です。

そんな宅建士試験の2022年度の合格率は17.0%。管理業務主任者試験の2022年度試験の合格率が18.9%ですから、単純に合格率だけを見れば宅建士試験の方が難易度は高いことになります。

しかしここで考えたいのが受験者のレベルです。宅建士試験は不動産取引を行う業界で広く活用できる資格であり、雇用先から取得を推奨される、取得を命じられる試験でもあります。

受験者の中にはしっかりと試験対策ができていない受験者も多く、受験者レベルが高いとはいえません。

また出題される問題のレベルにも差があり、試験問題の難易度は管理業務主任者試験の方が高いため、総合すると管理業務主任者試験の方が難易度は高いといえるでしょう。

関連記事:宅建士試験の難易度についてはこちら

行政書士試験と比較

行政書士資格は受験資格ナシで受験できる士業資格のひとつ。業務上必要であれば、戸籍や住民票を請求する権限を持つ、いわゆる「八士業」のひとつでもあります。

八士業の資格の中では難易度の低い資格とも言われており、非常に人気の高い資格試験です。そんな行政書士試験の2022年度の合格率は12.1%。管理業務主任者試験の合格率よりも低い数字になっています。

行政書士の業務は民法を中心に幅広い法律知識が必要な資格であり、試験範囲も広大です。

試験の出題範囲なども考慮すると、行政書士試験の方が難易度は高いといえるでしょう。

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管理業務主任者試験に合格するポイント

管理業務主任者試験に関して、易しい試験という意見があるのは事実です。しかし実際の試験の難易度を見ると、そこまで易しい試験であるとはいえません。管理業務主任者試験が易しいというのは、マンション管理士や行政書士試験と比較すると易しい、つまり「比較的易しい」というのが正解でしょう。

ある程度難易度が高く、しっかりと試験の準備をしておかないと合格は難しい管理業務主任者試験。ではこの試験の難易度を下げるためにできることはあるのでしょうか?難易度を下げるための具体的な方法を紹介していきます。

受験科目の一部免除を活用する

管理業務主任者試験には、一部受験科目の免除制度があります。

科目免除を受ける条件は、マンション管理士試験に合格していること。マンション管理士試験合格者は管理業務主任者試験の中の、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること」から出題される5問の受験が免除されます。

一部科目免除を受けた場合、試験時間は10分短縮され1時間50分に、また採点の際は免除された5問は正解扱いとして、残る45問の結果と合わせて採点されます。分かりやすく言えば、一部科目免除を受けた方は、無条件で5問正解した状態となるのです。

効率的に学ぶ

管理業務主任者試験の難易度を下げるとっても、一部科目免除の制度を利用する以外に、難易度を下げる方法はありません。また、その一部科目免除制度を利用するにしても、管理業務主任者試験よりも難易度の高いマンション管理士試験に合格する必要があります。そのため、あまり現実的な方法とは言えません。

実質的に管理業務主任者試験の難易度を下げるとなると、それだけより多くの知識を身に付けるしかありません。

より多くの知識を身に付けることは、効率的に学ぶ必要があると言えます。管理業務主任者試験に挑むためには、効率的に学び、試験範囲に関する知識をしっかりと身に付けましょう。

管理業務主任者試験を目指すならフォーサイトがおすすめ

管理業務主任者試験は独学でも十分合格を目指すことは可能です。

とはいえ、独学で目指すにはハードルの高い試験であることは間違いありません。さらに近年の傾向として難易度が徐々に上がっていること、合格するためにはハイレベルな受験者の中で上位の成績を残さないといけないことなどを考えると、かなり難易度は高いといえます。

難易度が高い試験であると考えると、より効率的に学ぶ必要がありますが、独学ではそれにも限界があります。

そこでおすすめしたいのが通信講座の受講。さらにその通信講座の中でもフォーサイトの講座受講です。

フォーサイトの通信講座を利用すれば、独学で挑む場合と比較して勉強効率は飛躍的に上がり、合格率も高くなるはず。

なぜフォーサイトをおすすめするのか、その理由を紹介していきましょう。

フォーサイト受講生の合格率

フォーサイトの講座を紹介する前に、なぜ通信講座の受講がおすすめなのかを簡単に解説していきましょう。

管理業務主任者試験に合格するために必要な勉強時間は、独学の場合約500時間、予備校や通信講座を利用すると約300時間と言われています。仮に予備校に通学した場合を考えると、この300時間に加え、予備校に通学する通学時間が必要になります。

仮に予備校までの通学時間が片道30分。予備校の講義が30回あった場合、通学時間だけで30時間が必要となります。

より難易度の高い難関資格で、予備校に通学しても勉強時間が1,000時間を超えるような資格試験の場合、この通学時間の30時間は誤差の範囲とも言えます。しかし、勉強時間300時間の管理業務主任者試験における30時間は誤差の範囲では収まりません。

その点通信講座には通学時間が必要ありません。独学と同様に、自宅でマイペースに学べますので、通学時間のロスが発生しないのです。これが通信講座をおすすめする大きな理由です。

では、そんな通信講座からフォーサイトをおすすめする理由として、まずはフォーサイト受講生の合格率を確認しておきましょう。

2022年度管理業務主任者試験の合格率
全国平均 18.9%
フォーサイト受講生 67.6%

フォーサイト受講生の合格率は全国平均の3倍以上。およそ7割の受講生の方が合格しており、この数字だけでもフォーサイトの講座のレベルの高さがお分かりいただけるかと思います。

充実の教材で効率的に学べる

フォーサイトの講座でおすすめしたいのが2つあるバリューセット。このバリューセットには充実の教材が揃っています。

フォーサイトで学ぶ際の専用テキストは、視覚的にも理解しやすいフルカラーテキスト。表や図解なども効果的に記載されており、初学者の方でもすんなり勉強に入れるテキストになっています。

またおすすめしたいのがeラーニング教材の「ManaBun」。スマホやタブレットなどを利用して学ぶeラーニングは、社会人や主婦(または主夫)の方など、忙しい方に最適な勉強方法といえます。

例えば毎日の通勤電車の中や、洗濯が終わるのを待つ時間など、ちょっとしたスキマ時間を勉強時間に変えられるeラーニング。フォーサイトのManaBunは単純に講義動画をスマホで観られるだけではありません。

スマホの小さな画面でも見やすいように、eラーニング専用の動画になっており、しかもほとんどが短時間の動画になっています。通勤電車に乗っている時間や、家事のスキマ時間は短時間であることがほとんど。そんなスキマ時間を有効活用できる教材になっています。

さらにeラーニング教材には講義動画だけではなく、デジタルテキストや演習問題、さらに音声データなどいろいろな教材が揃っています。場所を選ばず、自分の好きなタイミングで必要な教材を活用できます。

マンション管理士とのダブル取得も目指せる

フォーサイトの管理業務主任者対策講座のバリューセットは、マンション管理士の教材もセットになっているため、管理業務主任者とマンション管理士を同時に狙えるようになっています。

この2つの資格は勉強する範囲が非常に似通っており、両方取得を目指すのであればまとめて勉強するのが非常に効率的。管理業務主任者を目指す方の中には、その後マンション管理士も目指したいという方も多いかと思います。そんな方にはこのバリューセットがおすすめです。

関連記事:マンション管理士の試験内容についてはこちら

全額返金保証制度も

フォーサイトの管理業務主任者講座の、バリューセット2には、マンション管理士試験対策講座とともに、全額返金保証制度もついています。

全額返金保証制度とは、ある一定の条件をクリアしたものの、管理業務主任者試験で不合格になってしまった場合、講座の受講料全額が返金されるというもの。反対に言えば、管理業務主任者講座である程度条件をクリアしている方は、ほぼ合格できるという自信の表れともいえます。

管理業務主任者試験を目指すには、ある程度集中した期間勉強が必要です。この勉強期間の間、何かしら不安に思う部分があると勉強効率にも悪影響を及ぼします。これだけ勉強して、もし不合格だったら…、などという不安要素も頭によぎるかもしれません。

そんなときにもこの返金保証制度があれば、少なくとも返金は受けられると金銭面の不安はなくなります。

詳細なクリア条件などはフォーサイトの講座ページで確認できますので、ぜひ確認しておきましょう。

まとめ

管理業務主任者試験の過去10年の平均合格率は21.9%となっています。例年おおむね20%前後で推移しています。単純に資格試験の合格率が20%というのは、そこまで難易度が高い試験というイメージには映りません。

しかし、管理業務主任者試験は相対評価を採用していたり、受験者のレベルが高い試験であったりすることを考えると、20%という合格率ほど簡単な試験ではないことが分かります。

ほかの資格試験と比較して圧倒的に難関試験であるわけではありませんが、誰でも簡単に合格できるほど簡単な試験ではありません。合格を目指すためには、しっかりとした準備・対策が必要です。

管理業務主任者試験の難易度を下げるには、一部科目免除を受ける方法があります。この科目免除の条件はかなり厳しいので、科目免除を目指すよりも、試験対策をしっかり効率的に行うのがおすすめです。

効率的に学ぶのであれば、独学よりも通信講座、さらにその通信講座の中でもフォーサイトの講座がおすすめです。

フォーサイトの管理業務主任者対策講座には、分かりやすいテキストだけではなく、豊富なeラーニング教材がそろっています。さらに、マンション管理士対策講座も付随しているセットがあります。

フォーサイトの講座を利用して、しっかり効率よく学び、確実に合格できるだけの実力を身に付けましょう。

この記事の監修者は
北川えり子(きたがわ えりこ)

学びの楽しさをシェアしたい
【出身】東京都
【経歴】拓殖大学外国語学部卒。マンション管理士・管理業務主任者、行政書士、海事代理士、宅建等の資格を保有。
【趣味】旅行、ドライブ
【座右の銘】未来とは、今である。

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