マンション管理士の試験内容・日程・合格基準など6つの重要ポイント
更新日:2020年2月20日
資格試験の受験を決める前に、まず試験概要や合格基準などさまざまなことを把握しておくことが大切です。試験までの日数を計算し、無駄のない効率的な勉強スケジュールを立てる必要があります。
もちろん、どのような試験科目が出題されるか?……の情報も正確に掴み、確実に合格できるように的を絞った勉強をすることも大切です。
マンション管理士の試験内容・日程・合格基準など6つの重要ポイントを頭に入れておいてくださいね。
マンション管理士試験の受験資格
マンション管理士は、「マンション管理組合のコンサルタント業務を行うプロ」として認められる国家資格です。国家資格と聞くと「受験するのはむずかしそう」と構えてしまう人もいますが、実はマンション管理士試験は「受験資格」がありません。
つまり、年齢・学歴・実務経験などに関係なく、誰でも受験することができるのです。マンション管理士の受験者は、平均46〜47歳と年齢層が高いのですが、年齢制限がないために、最高で77歳の受験者もいます。
国家資格は受験をするにあたり条件が厳しい感じがしますが、意外と門戸は開かれています。もちろん、マンション管理士試験は誰でも受験できるからといって簡単に合格できる試験ではありません。けれども「本人が決めさえすれば受験できる」という挑戦しやすさは、とても魅力的ですよね。
マンション管理士試験の試験科目・出題範囲
マンション管理士試験の試験科目や出題範囲はどのようなものがあるのでしょうか。
マンション管理士の試験範囲は、法令系・設備系・会計・管理実務系など実にはば広いのです。そのため、すべてを完璧に勉強しようというのは不可能。そして、単純に頭に詰め込めば合格できるというものでもなく、判断力や応用力も問われます。
過去の出題傾向から重要な分野を把握し、効率的に勉強しましょう。重要な出題範囲をご紹介します。
4つの試験科目・出題範囲
マンション管理士試験の出題範囲は、以下の4つに分かれます。
- マンション管理に関する法令及び実務に関すること……「法令系の出題」
- 管理組合の運営の円滑化に関すること……「会計・管理実務の出題」
- マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること……「設備系の出題」
- マンション管理適正化の推進に関する法律について……「マンション管理適正化法の出題」
それぞれどのような問題なのかご説明していきましょう。
法令系の出題とは?
マンションに係る基本的なルールを定めている「区分所有法」という法律や、マンションの管理に関するルールの見本「標準管理規約」を中心に出題されます。
また、民法・借地借家法・宅建業法・被災マンション法・不動産登記法などもあります。4つの中では、最も出題数の多い分野で「得点源となる」ので時間をかけてじっくりと理解を深める学習が大切です。
マンション管理の現場で実際に起きたことや、裁判所の判例などを取り上げた出題も多く見られます。そして、標準管理規約などを勉強する上では、区分所有法の知識が必要です。そこで、最初に区分所有法を把握してから標準管理規約と照らし合わせて勉強するほうが、理解も深まることでしょう。
会計・管理実務に関する問題とは?
マンション管理組合の運営、管理組合役員や理事会の役割、管理組合の苦情と対応や訴訟と判例、管理組合の会計などの知識が問われます。基本的には問題数も少なく、深追いして勉強する必要はないとされる分野です。
管理業務の分野は、区分所有法や標準管理規約と関連しているために、関連する場所は両方を照らし合わせながら学習するといいでしょう。
マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること
主に、マンション設備・維持保全・都市計画法・建築基準法・そのほかの設備系法令があります。また、住宅品質確保法、水道法、消防法ほか多くの法律も登場します。
出題範囲がはば広く、専門知識も求められ攻略も大変な分野といえるでしょう。最初にマンションの基本的な建築構造や設備についての知識をしっかりとおさえた上で、そこで使用する材料や仕組みへと理解を深めましょう。
過去問で繰り返し出題されている知識をきちんと自分のものにして、確実に得点できるようにしてください。そこをきちんとおさえていれば、あまり深追いはする必要はないでしょう。
マンション管理適正化の推進に関する法律について
マンション適正化法は、マンション管理士やマンション管理会社・管理業務主任者が守るべきルールを定めたものです。
用語の定義やマンション管理士についての知識などは、必ず出題されると思っていたほうがいいでしょう。過去に頻出された問題を確実に覚えれば、得点はかせげる分野です。法律用語は、暗記だけではなく自分の言葉で説明できるレベルまで理解を深めてください。
マンション管理士試験の合格基準点
マンション管理士試験は、例年50問出題されます。(出題分野に関しては「マンション管理士試験の試験科目・出題範囲」の項目をごらんください)
そして、合格点は「50点満点」ではありません。合格ラインとされる点数は毎年変わります。
年度 | 合格基準点 |
---|---|
令和5年 | 36点 |
令和4年 | 40点 |
令和3年 | 38点 |
令和2年 | 36点 |
令和元年 | 37点 |
試験の正否は、試験後に通信講座を持つスクールで解答速報をリリースしているので、合格発表前に自分の得点を確認することができます。当フォーサイトでも解答速報をリリースしています。試験後はぜひご利用ください。
なお、試験主催者側の合格発表は試験翌年の1月上旬に行われます。
マンション管理士試験の申し込みの流れ
- 試験の実施要項の官報発表:6月上旬頃
- 受験案内(申込書)の配布:8月上旬
全国のマンション管理行政担当窓口・一部書店・マンション管理センター本部(支部)で配布予定。または、マンション管理センターの公式ホームページからもダウンロード可能です。 - 受験申し込み:9月上旬〜10月上旬
受験案内(申込書)に必要事項を記入、写真を添付して受験手数料(9,400円)の支払い手続きを行います。早めに手続きを済ませましょう。 - 試験日:11月下旬
- 合格発表:翌年1月上旬
マンション管理センターの公式ホームページに受験番号が掲示されます。また、受験者には合否通知が送付されます。
詳細はこちらでもご確認ください。
公益財団法人「マンション管理センター」
マンション管理士試験の概要を知って挑戦しよう!
マンション管理士試験は、年に1回11月の末頃に行われます。試験の詳細が分かるのは6月ですが、試験の申し込みは8月からスタートするので忘れないようにしてくださいね。
申し込みをして受験料を支払うと「モチベーションが上がって受験勉強もより真剣になる」という人は多いものです。受験前に試験概要や手続きに関することをしっかり把握してくださいね。
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学びの楽しさをシェアしたい
【出身】東京都
【経歴】拓殖大学外国語学部卒。マンション管理士・管理業務主任者、行政書士、海事代理士、宅建等の資格を保有。
【趣味】旅行、ドライブ
【座右の銘】未来とは、今である。