マンション管理士の法定講習と更新!〜必要性・受講内容・費用など4つのポイント〜
更新日:2019年3月14日
マンション管理士は、試験に合格して無事に資格を取得しても、必ず5年ごとに更新しなければなりません。そのためには「法定講習」を受講する必要があります。
更新を忘れてしまったり放置してしまったりすると、マンション管理士の登録を取り消されてしまうこともあります。せっかく一生懸命勉強をして、難しい試験に合格し手に入れた資格を失わないためにも「法定講習」の必要性や受講内容などの基礎知識をしっかりとおさえておきましょう。
マンション管理士の登録・更新・法定講習について
マンション管理士は国家資格であるものの、1度合格して登録したらその後も継続して資格を保有し続けられるわけではありません。
マンション管理士は、5年ごとに、国土交通大臣の登録を受けた者が行う講習を受講しなければないため、ここでは合格後の登録手続き、更新、法定講習などの基礎知識をご紹介していきましょう。
マンション管理士の登録について
「マンション管理士」の名称を使って仕事や業務を行う場合は、マンション管理士試験に合格した後、指定登録期間(マンション管理センター)へ申請して、マンション管理士登録簿への登録を受ける必要があります。
登録に必要な書類を揃え、「特定記録郵便」で管理センターに送り、郵便振替用紙で登録手数料を支払います。
登録方法の詳細は、マンション管理センターの「マンション管理士登録案内」(PDF)をご覧ください。(http://www.mankan.org/reg.html)
➡試験についてはこちらマンション管理士の更新と法定講習について
マンション管理士は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律第41条」に基づき、5年ごとに「法定講習」を受け更新をしなければなりません。講習は、国土交通大臣の登録を受けた「登録講習機関」である公益財団法人マンション管理センターが実施します。
受講するのは、マンション管理士として登録をしている人に限るためご注意ください。講習を修了すれば、講習終了時に「修了証」を交付してもらえます。
マンション管理士の法定講習の内容は?
マンション管理士の法定講習は、以下のような内容になります。
マンションの管理に関する法令及び実務に関する科目
マンション管理適正化法に関する科目は除かれます。
イ.区分所有法その他マンションの管理に関する法令の概要及び最近の改正内容の解説
ロ.マンション標準管理規約及びマンション標準管理委託契約書の概要及び最近の改正内容の解説
ハ.マンションの管理に関する実務の概要及び最近の実務動向の解説
講習時間:2時間
管理組合の運営の円滑化に関する科目
管理組合の運営の円滑化のための方策及び最近の紛争事例等の解説
講習時間:1.5時間
マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関する科目
イ.マンションの建物及び附属施設の構造及び設備の概要
ロ.長期修繕計画の作成方法及び大規模修繕計画の実施方法の概要及び最近の実務動向の解説
講習時間:2時間
マンション管理適正化法に関する科目
マンションの管理の適正化の推進に関する法律の章及び節ごとの概要並びに最近の改正内容等の解説など
講習時間:0.5時間
講習は大学教授や弁護士などが行います。
マンション管理士の法定講習の費用・場所・申し込み方法
マンション管理士の法定講習の基礎情報をご紹介しましょう。
法定講習の日にちと場所
法定講習は、WEB方式は12月中旬から翌年2月上旬まで、教室方式は1月下旬及び2月上旬に実施されます(令和5年度の場合)。
原則的にはWEB方式となりますが、WEB方式の視聴環境が整っていない場合、教室方式で受講することもできます。教室講習は、札幌・仙台・さいたま・池袋・新宿・立川・横浜・名古屋・大阪・神戸・広島・福岡及び那覇で受講することができます(令和5年度の場合)。マンション管理士の法定講習については、公益財団法人マンション管理センターのホームページで確認することができます。
(https://www.mankan.org/kosyu.html)
法定講習にかかる費用と申し込み方法
法定講習の受講料は、16,600円(税込/2024年現在)です。11月下旬ごろに受講案内書・受講申込書をマンション管理センターが配布します。なお、受講申込書はホームページからダウンロードすることも可能です。
指定の方法で、受講料を納付し受講申し込み書類を「特定記録郵便」でマンション管理センター宛に送ります。
マンション管理士の法定講習の必要性
法定講習を受けることによって、「マンション管理士」を名乗って仕事をし続けることができます。しかし、法定講習の必要性はそれだけではありません。
マンション管理士の法定講習はなぜ必要なのか?
マンションなどの不動産業界の状況は日々変化していきます。5年もあればマンションや住民の事情も変化するでしょう。
マンション管理士もその変化に疎いままではいられません。新しい状況の変化・把握や、関連法規改正に対するフォローとともに、受験時の知識が衰えていないか再確認するためにも必要なのです。
そのほかにも
- マンション管理士の法律知識のレベルを上げ管理組合とのトラブルを未然に防ぐ
- 訴訟の判例を実例で学ぶ
- 建物や整備の被災状況の実例とともに防災意識の向上を目指す
などの目的もあります。
マンション管理士を更新しないとどうなるのか?
5年ごとの更新(法定講習を受講すること)は、マンション管理士の登録をしている人の義務となります。決められた法定講習を受けない場合、国土交通大臣によりマンション管理士の登録を取り消されたり、期間限定でマンション管理士の名称の使用停止を命じられたりすることもあります。
なお、登録を取り消されてしまうと、取り消しの日から2年間は登録ができなくなってしまうため注意が必要です。入院や長期の出張などやむを得ない理由で法定講習を受講できなかった場合は、次の講習を受講するようにしてください。
法定講習を受講する時期
「マンション管理士として登録を受けた日の5年後の応答日の属する年度末」までに受講しなければなりません。
例として、令和2年4月から令和3年3月の間に登録を受けた方は、令和7年度中に実施される法定講習を受講しなければなりません。この5年サイクルを覚えておきましょう。
マンション管理士の講習で確実に更新を!
マンション管理士の試験に合格したものの、登録をしなければ「マンション管理士」と名乗って仕事をすることはできません。そして、マンション管理士として登録をした人は5年に1度、更新をするために法定講習を受講する必要があることを認識しておきましょう。
また、受講要項も頭に入れておき、受講手続きやスケジュール調整などを忘れないようにしましょう。
➡仕事内容についてはこちら北川えり子(きたがわ えりこ)
学びの楽しさをシェアしたい
【出身】東京都
【経歴】拓殖大学外国語学部卒。マンション管理士・管理業務主任者、行政書士、海事代理士、宅建等の資格を保有。
【趣味】旅行、ドライブ
【座右の銘】未来とは、今である。