社労士の「年金」を攻略するための年金アドバイザー勉強法!受験のメリットや難易度!

社労士の「年金」を攻略するための年金アドバイザー勉強法!受験のメリットや難易度!

年金アドバイザー試験と社労士試験には関連性があります。

年金アドバイザー試験を受験する方は、2つの試験の関連性を知っておくことで、受験する級を適切に選択でき、社労士試験に向けた勉強の流れが明確になるなどのメリットがあります。

年金アドバイザー試験と社労士試験には、どんな関連性があるのでしょうか。細かく見ていきましょう。

目次

年金アドバイザーと社労士試験の関係

年金アドバイザー試験では、出題範囲のほとんどを、国民年金法と厚生年金保険法の知識が占めます。
一方、社労士試験の出題科目は、以下のようになっています。

科目名 配点
選択式 拓一式
労働基準法 3 7
労働安全衛生法 2 3
労働者災害補償保険法 5 7
雇用保険法 5 7
労働保険徴収法 0 6
労務管理その他の労働に
関する一般常識
5 5
健康保険法 5 10
国民年金法 5 10
厚生年金保険法 5 10
社会保険に関する一般常識 5 5
合計 40点 70点
110点

社労士試験の全体110点中、国民年金法・厚生年金保険法の年金科目2科目だけで、30点の配点があります。率にすると、全体の27%を年金科目の配点が占めていることになります。

このように、年金アドバイザー試験と社労士試験は、出題科目が重複しています。ただ、2つの試験で問われる知識の質には、少し違いがあります。

年金アドバイザーとは

銀行などの金融機関において、窓口業務や渉外業務に従事する方を、メインの受験者層として想定した試験です。金融機関にお勤めでない方であっても、年金についての知識を問われる場面が増えてきています。

年金アドバイザー資格の取得を通して、年金についての知識や実践力を鍛えることができます。難易度の高い順に、2~4級までの設定があります。なお、1級は存在しません。

年金アドバイザーとは?どんな資格?2級・3級・4級の違いは?

年金アドバイザーと社労士の難易度の違い

年金アドバイザー試験と社労士試験の受験者数や合格者数、合格率を比較すると、以下のようになります。

年金アドバイザー
受験者数 合格者数 合格率
2級 1,638名 432名 26.37%
3級 7,425名 2,644名 35.61%
4級 1,540名 907名 60.07%

※2・4級は2018年3月、3級は2018年10月の試験結果

社労士
受験者数 合格者数 合格率
38,427名 2,413名 6.28%

※2018年8月の試験結果

年金アドバイザー試験の各級に比べて、社労士試験のほうが圧倒的に受験者数が多く、合格率も低いことが分かります。

ただ、合格率だけで2つの試験の難易度を比べることはできません。社労士試験は年金アドバイザー試験よりも、試験範囲がかなり広くなっています。

そこで、試験範囲が重複している年金科目だけを比較すると、以下のような傾向があります。

社労士(年金科目)
試験範囲 広い
内容の深さ 比較的浅い
年金アドバイザー
試験範囲 狭い
内容の深さ 比較的深い

年金科目だけを比較すると、社労士試験のほうが、「広く浅く」出題される傾向があります。

社労士を目指す人が年金アドバイザーを受験するメリット

年金アドバイザー試験の試験範囲である国民年金法と厚生年金保険法は、社労士試験の配点の約3割を占めます。したがって、年金アドバイザー資格取得のための勉強は、社労士試験の年金科目の学習にも役立ちます。

ただし、年金アドバイザー試験と社労士試験では、問われる知識の種類が少し異なります。年金アドバイザー試験では、年金相談の実務に役立つ知識が中心に出題されるのに対し、社労士試験は年金制度全体への理解が求められます。問われる知識の広さや深さで言うと、年金アドバイザー試験は、「狭く深く」、社労士試験は「広く浅く」という感じです。

社労士
出題内容 年金制度全体に対する理解
試験範囲 広い
内容の深さ 比較的浅い
年金アドバイザー
出題内容 年金相談の実務に役立つ知識
試験範囲 狭い
内容の深さ 比較的深い

このように、2つの試験で問われる知識の種類が異なります。しかし、年金アドバイザー3級合格相当の知識は、社労士試験の年金科目を学習するうえで、重要な下地となります。したがって、年金アドバイザ―3級試験の合格をステップとして、社労士試験に臨むというプランを立てることが可能です。

ステップ

年金アドバイザーは何級を受けるべきか

年金アドバイザー資格をどのように活かしたいかによって、受けるべき級は異なります。
試験実施団体である銀行業務検定協会の公式HPには、各級の目的が以下のように記載されています。

各級の目的
2級 年金専担者等を対象に、年金・公的保険に関する顧客相談や内部研修・指導に応じるための実践的・専門的知識について、その習得程度を測定します
3級 渉外・窓口の担当者等を対象に、顧客からの年金相談に応じるための基本的知識と実践的応用力について、その習得程度を測定します
4級 渉外・窓口の担当者等を対象に、年金に関する最も基礎的な知識について、その習得程度を測定します

これらはあくまでも、金融機関にお勤めの方向けに書かれたものです。金融機関にお勤めの方は、ご自身の役割に応じて、受験する級が異なってきます。

では、金融機関にお勤めでない一般の方は、何級を受けるべきでしょうか。各級の問題レベルや出題形式は以下のようになっています。

年金アドバイザー2級
受験者数 1,638名
合格率 26.37%
出題レベル 中程度(3級と同等か少し上)
試験形式 全て記述式
備考 用語や数値の正確な暗記が必要
年金アドバイザー3級
受験者数 7,425名
合格率 35.61%
出題レベル 中程度
試験形式 5答択一式
備考 事例問題あり
年金アドバイザー4級
受験者数 1,540名
合格率 60.07%
出題レベル 低い
試験形式 3答択一式
備考 最も基礎的な事項が問われる

ご自身がどの程度のレベルの年金知識を要求されるかによって、受験すべき級が異なってきます。

級別でみる年金アドバイザーの受験がおすすめな人

年金アドバイザーには2~4級がありますが、年金アドバイザー資格をどのように活かしたいかによって、受けるべき級は異なります。各級について、金融機関にお勤めの方のケースと、金融機関にお勤めではない一般の方のケースに分けて、どんな方が受験をしたほうがいいか、見ていきましょう。

社労士やFPの資格保有者におすすめな年金アドバイザー2級

金融機関にお勤めの方で、年金・公的保険に関する顧客相談や内部研修・指導といった業務に従事される方は、2級の取得が昇進や昇給の条件とされています。つまり、金融機関の中でも、年金に詳しい他の従業員からの質問にも適切に回答できるレベルの年金知識を求められる方は、2級を取得しておいた方が良いと言えます。

金融機関にお勤めでない一般の方で、すでに社労士やFPなどの関連資格をお持ちの方は、2級の受験がおすすめです。年金相談業務に、より深い専門性をもって従事することが可能になります。

2級の受験をおすすめしたい方
金融機関にお勤めの方 業務上、高度な年金知識の取得を求められる方
一般の方 すでに、社労士やFPなどの関連資格をお持ちの方

社労士を受験予定の方におすすめな年金アドバイザー3級

金融機関にお勤めの方で、窓口業務や渉外業務に従事される方には、3級の取得が必須とされるケースが多いです。窓口業務や渉外業務に従事するにあたって、最低限必要な知識が3級で問われます。

金融機関にお勤めでない一般の方で、社労士試験を受験する予定のある方には、3級の受験がおすすめです。年金アドバイザー3級合格相当の知識は、社労士試験の年金科目の学習の下地を作るうえで、最適なレベルとなっています。

3級の受験をおすすめしたい方
金融機関にお勤めの方 窓口業務や渉外業務に従事するうえで、最低限の年金知識を付けたい方
一般の方 社労士試験の受験を予定していて、年金科目の学習の下地を作りたい方

自己啓発として年金知識を付けたい方におすすめな年金アドバイザー4級

金融機関にお勤めの方には、4級を飛ばして3級から受験することを推奨されるパターンが多いです。そのため、4級の受験者数は、年間で3級の受験者数の10分の1程度と少なくなっています。
確かに、3級合格の下地を作るうえで、4級の取得が無駄になるわけではありませんが、4級と3級では、求められる知識レベルに大きな開きがあることにご注意いただく必要があります。

金融機関にお勤めでない方ですと、自己啓発の一環として年金知識を付けたい方に、4級の受験がおすすめです。4級合格を足掛かりに、年金への興味が増し、3級や社労士試験やFP試験に挑戦される方もいらっしゃいます。

4級の受験をおすすめしたい方
金融機関にお勤めの方 3級合格の下地を作りたい方
一般の方 自己啓発の一環として、年金知識を付けたい方

社労士試験を攻略するための年金アドバイザーの勉強方法

2~4級の各級で、難易度も出題傾向も異なります。そのため、合格に必要な勉強法も、級によって異なります。
各級に合格するうえで、どのような勉強法が有効か、見ていきましょう。

年金アドバイザー2級の勉強で社労士試験を攻略するポイント

年金アドバイザー資格の中で最も難易度が高く、合格率も低いのが2級試験です。2級は、3級に合格した方が受験者層の多くを占めるため、受験者全体のレベルは3級よりも高くなっています。それにも関わらず、2級の合格率は3級よりも低くなっています。

しかし、2級で出題される知識のレベルは、3級より少し高い程度です。では、なぜ2級の難易度が高いかと言うと、出題形式が大きく異なるからです。3級では5答択一式で出題されますが、2級は全ての問題が記述式です。

問われる知識のレベルが変わらない以上、社労士試験の年金科目を攻略する下地を作るうえでは、2級と3級の学習効果は変わらないと言えます

むしろ、社労士試験合格を最終目標に置くのであれば、2級の学習は不要と言えます。なぜなら、記述式問題への対応力を付けるのに、余分な時間がかかってしまうからです。社労士試験には記述式問題は出題されません。

年金アドバイザー3級の勉強で社労士試験を攻略するポイント

3級試験で問われる知識レベルは、2級とそれほど変わりません。

年金アドバイザー3級を高得点(おおむね80点程度)で合格する力があれば、社労士試験の年金科目の学習の下地としては十分です。

確かに、年金アドバイザー試験と社労士試験の出題傾向は異なります。年金アドバイザー試験では年金相談実務に活かせる実務的な知識を「深く」問う問題が多く出題されるのに対し、社労士試験では年金制度全般に関して「広く」知識を持っているかが問われます。

しかし、年金アドバイザー3級試験の学習においても、年金制度全般に関する、ある程度広い知識を身に着けることが可能です。年金制度全般について広く知っていないと、年金アドバイザー3級試験で8割以上の高得点を取ることはできません。

年金アドバイザー4級の勉強で社労士試験を攻略するポイント

4級では、年金の最も基礎的な知識についての理解が問われます。

年金制度全般について、「ざっくりと」知っているだけで高得点が取れてしまうため、年金アドバイザー4級で9割以上の超高得点を取れる力があったとしても、それだけでは社労士試験の年金科目の学習の下地としては不十分です。

4級で問われるレベルは、3級で問われるレベルと比較しても、かなりの開きがあります。したがって、4級の勉強をするのは、社労士試験の合格を目指すのであれば、ただの遠回りとなってしまうリスクが高いです。

まとめ

社労士試験において、年金科目の配点は全体の27%を占めます。問われる知識の種類に少し違いはあるものの、年金アドバイザー試験と社労士試験には、強い関連性があります。

年金アドバイザー試験には2~4級がありますが、社労士試験に最も強い関連性があるのが年金アドバイザー3級です。年金アドバイザー3級合格相当の知識があれば、社労士試験の年金科目の学習の下地としては十分と言えます。