年金アドバイザー3級に合格するための「勉強方法」と「勉強時間」、スケジュールは?
更新日:2019年1月10日
年金アドバイザー試験の中で最も受験者数が多く、他の資格との関連性も強いのが年金アドバイザー3級です。
3級合格に向けて、試験日までのスケジュールはどのように立てればいいでしょうか。また、勉強する際にはどのようなことがポイントになるでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
年金アドバイザー3級の試験当日までのスケジュール
年金アドバイザー3級試験に合格するために、試験当日までのスケジュールを学習の最初の段階で立てておく必要があります。一般に、資格試験において不合格となってしまう最大の原因は、スケジュールの見通しが甘く、試験当日までに試験範囲の勉強を終えられないというものです。
したがって、学習の最初の段階でしっかりとスケジュールを立て、試験当日までに試験範囲の勉強を終えておくことで、合格率を一気に上げることができます。
では、年金アドバイザー3級試験に合格するには、どのようなスケジュールを立てればいいのでしょうか。
年金アドバイザー3級の勉強時間は約1か月
年金アドバイザー3級試験に合格するための標準学習時間は30時間です。したがって、1日1時間のペースで勉強を続ければ、1か月の学習で合格ラインに達することができます。
30時間の内訳ですが、
- 基礎知識を頭に入れる
――― 12時間 - 過去問演習等で頭に入れた知識で問題を解く
――― 18時間
となっています。
イメージとしては、最初の2週間で基礎知識をしっかりと頭に入れて、残りの2週間で過去問演習をみっちりと行うというものです。
合格に向けた勉強スケジュール
年金アドバイザー3級試験で出題される問題の95%は、過去問と同じ問題または過去問を微修正しただけの類題です。したがって、過去問演習を効果的に行うことが、合格には欠かせません。
しかし、年金の基礎知識が何もない段階で過去問演習を行っても、知識が頭の中で整理されず、効果的な学習を行うことができません。
そこで、学習の最初の段階では、基礎知識をしっかりと頭に入れる必要があります。そして、頭に入れた基礎知識を使って、過去問演習を行います。さらに、過去問演習の際につまずいた問題があれば、解説を読むのに加え、基礎知識を学んだテキストの記載に戻って復習を行います。
つまり、合格に向けた勉強スケジュールは、
- 知識を頭に入れる
- 頭に入れた知識を使って問題を解く
- 問題演習の際につまずいた問題の関連知識を、テキストの記載に戻って復習する
という3段階に分かれることになります。
年金アドバイザー3級に合格するための必要な知識のレベル
年金アドバイザー3級合格に求められる知識レベルは、4級合格に必要な知識レベルと比べると、大きな開きがあります。4級では求められない細かいところまで、しっかりと理解していることが求められます。
しかし、学習の最初の段階から、細かい知識まで全て理解しようとすると、学習がなかなか進まないばかりか、年金の全体像を見失ってしまいます。
では、4級合格に必要な知識レベルで、3級の学習の下地としての年金の全体像が把握できるかというと、そうではありません。
つまり、年金アドバイザー3級試験の学習を進めるうえで、年金アドバイザー4級合格相当の知識だけでは、学習の下地としては不十分ということになります。
年金アドバイザー3級の勉強方法
年金アドバイザー4級合格相当の知識だけでは、3級合格に必要な知識を学習する際の下地としては不十分です。だとすると、どのように学習を進めていけば、無理なく年金アドバイザー3級合格レベルにたどり着くことができるのでしょうか。
学習の各段階に分けて、詳しく見ていきましょう。
基本事項の徹底理解
年金アドバイザー3級合格には、4級では求められていなかった細かな知識を正確に理解する必要があります。しかし、学習の最初の段階から細かな論点まで全て正確に理解しようとすると、試験当日までに学習が終わらないということになりかねません。
そこで、年金の最も基礎的な事項についてしっかりと理解を固めたうえで、応用知識を徐々に学んでいく必要があります。
年金の最も基礎的な事項とは、
- 被保険者資格の取得
- 保険料の支払い
- 受給権の発生
- 裁定請求
という、年金の支給を受けるまでの流れの大枠です。
この大枠をしっかりと理解したうえで、各論点の細かい部分について徐々に理解していく必要があります。
過去問で基本を固める
年金の基本的な事項を一通り頭に入れたら、頭に入れた知識を使って、過去問演習を行います。
年金アドバイザー3級の問題は、
- 基本知識
- 技能・応用
の2つに分かれます。
1.の基本知識に関しては、問題を解くなかで、知識がしっかりと定着しているか確認しながら解き進めることが重要です。抜けている知識があれば、その都度、テキストの記載に戻りましょう。
2.の技能・応用を苦手とされる方が多くいらっしゃいますが、年金の基礎的な知識が欠けているケースがほとんどです。技能・応用の問題を解くために、何か特別な知識が必要なわけではありません。
ただ、技能・応用問題に特有の処理手順というものがございます。過去問演習においては、技能・応用問題に特有の処理手順を身に着ける必要があります。自身に欠けているものが、基礎知識なのか処理手順なのか、しっかりと見極めることが重要です。
年金アドバイザー3級の問題集を解く際のポイント
年金アドバイザー3級試験の過去問題集を解き進めるにあたって、どのように学習すれば効率的でしょうか。
単純に前から解き進めるのが効率的なのでしょうか。それとも、テーマを絞って解くのが効率的なのでしょうか。
過去問演習を通して達成したい目標ごとに分けて、細かく見ていきましょう。
苦手なテーマを克服する
基礎知識を学ぶ段階で、苦手なテーマがすでに明確になっている際は、テーマ別に過去問演習を行うことが効果的です。たとえば、老齢厚生年金の額の計算というテーマが苦手なのであれば、そのテーマに沿った問題をひたすら解き続けます。
そのように苦手なテーマに絞って問題を解き続けることで、基礎知識が定着するとともに、問題を解くために必要な処理手順を身に着けることができます。
時間配分の感覚や知らない知識が問われた際の対処法を身に着ける
時間配分の感覚や、知らない知識が問われた際の対処法を身に着けることも、過去問演習の重要な目的の1つです。
これらを身に着けるうえでは、テーマを絞って問題を解くのではなく、1年分の過去問を最初から最後まで通しで解く必要があります。そのため、テーマ別の演習を行う際には、1年分については絶対に手を付けずに置いておかねければなりません。既に解いたことのある問題が混ざっていると、時間配分の感覚を身に着ける練習にならないうえに、知らない知識が問われた際のシミュレーションもできないからです。
時間配分の感覚を身に着けるには、1つの選択肢の正誤を判断するのにかかる時間をストップウォッチで計るのが効果的です。また、知らない知識が問われた際には、それが知らない知識であることを見抜き、判断を保留する技術が必要です。他の選択肢の知識があれば、消去法で正解を出すことも可能だからです。
時事問題は直前期にさらっと流す
年金は、法改正に伴って、頻繁に制度が変更されます。法改正に伴う制度変更は、「時事問題」のような形で、毎回1肢程度の出題があります。
したがって、制度変更からの出題はほとんどないと言えます。そもそも、年金の学習においては、制度変更を反映したテキストを用いるのが一般的ですので、自分の学んだ事項が変更事項であることを自覚しないままに、変更事項を学んでいることが多いです。したがって、年金アドバイザー試験においては、時事問題対策のような、変更事項に特化した対策を行う必要はほとんどないと言えます。行うとしても、直前期にさらっと流す程度の学習をすれば十分です。
年金アドバイザーの勉強に必要なもの
年金アドバイザー3級試験に合格するうえで、どんなグッズを揃える必要があるでしょうか。
知識を頭に入れる参考書は、どのようなものがいいでしょうか。また、頭に入れた知識を使って問題を解くには、どのような問題集を使えばいいでしょうか。
独学のケースと、通信講座を利用するケースに分けて、細かく見ていきましょう。
参考書と問題集
独学の際は、参考書と問題集を自分でそろえる必要があります。
年金アドバイザー3級試験に出題される問題の95%は、過去問で出題されたのと全く同じ問題か、過去問を微修正しただけの類題です。したがって、過去問演習を行うための過去問題集は必須です。公式問題集として、『問題解説集』が出版されていますので、必ず購入するにようにしましょう。
ただ、年金の基礎知識のないまま過去問演習を行っても、学習効果は期待できません。引き出しのないタンスに乱雑に洋服をしまっても、必要なときにすぐに取り出せないのと同じです。基礎知識がないまま問題演習を行っても、知識が頭の中に整理されず、必要なときに思い出せません。
したがって、基礎知識を身に着けるための参考書も必要です。公式参考書として、『公式テキスト』が出版されていますので、必ず購入するようにしましょう。
通信講座もおすすめ
いくら素晴らしい参考書を使って勉強しても、独学では年金アドバイザー3級試験に合格するのに必要な知識に絞って、効率的に学習するのは難しいです。特に年金は、重要な事項とそうでない事項の区別がつきにくいのが特徴です。
そのため、独学では合格レベルに達するまでにかなりの時間を要してしまいます。
したがって、通信講座を受講し、試験合格に必要な知識に絞って効率的に学習するのも1つの手です。
通信講座を利用するのであれば、年金アドバイザー3級試験合格に特化したオリジナルテキストを使って講義を行う講座がおすすめです。
担当講師がカリキュラムの作成から、教材の執筆、講義までを一貫して行っています。初学者でも効率的に無理なく学習を進められるよう、基礎的な事項から学習を始め、徐々に応用知識を身に着けられるカリキュラムとなっています。
教材は、年金アドバイザー3級試験合格に特化したオリジナルテキストです。フルカラーで見やすいうえに、図表や具体例を豊富に用い、イメージを膨らませやすくなっています。オリジナルテキストを使った講義は、重要度に応じメリハリをつけ、学習効果が高いものに仕上がっています。
まとめ
応用知識の理解まで求められる年金アドバイザー3級試験に合格するには、過去問演習を効果的に行う必要があります。
過去問演習を効果的に行うためには、年金の基礎的な知識につき、制度の全体像と関連付けながら定着させる必要があります。
ただ、そのような高度なインプットを行うのは、独学ではなかなか難しいのが実情です。したがって、通信講座を利用するのが、短期間で合格を勝ち取るための確実な勉強方法です。
二神大貴(ふたがみ だいき)
最短経路で合格へと導きます
【出身】大阪府出身
【経歴】東京大学法学部卒業。社会保険労務士資格(2017年合格)、社会保険労務士登録(2018年)、年金アドバイザー3級
【趣味】お笑い、子どもへの読み聞かせ
【座右の銘】冬は必ず春となる
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