社労士試験「安衛法」勉強法!過去問攻略で選択式2問、択一式3問を得点源に

社労士試験「安衛法」勉強法!過去問攻略で選択式2問、択一式3問を得点源に

社労士試験科目「安衛法」とは?
目次

社労士試験科目「安衛法」とは?

社労士の試験科目のひとつである「安衛法」とは、労働安全衛生法のこと。

労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成を目的に、1972年に制定された比較的新しい法律です。安衛法の内容がかつて労働基準法に盛り込まれていた名残を受け、社労士試験では労働基準法の一部に安衛法の出題がみられます。

社労士試験における安衛法分野は、労働安全衛生法と施行令、規則、通達等で構成されます。前述の通り、労働基準法の一部として出題されているものの、科目自体の出題範囲としては意外にも幅広く、覚えるべきポイントは多岐に渡るのが特徴です。

社労士試験で「安衛法」はどう狙われる?

社労士試験で「安衛法」はどう狙われる?

社労士試験で確実に得点につなげるためには、安衛法分野からの出題のされ方を正しく捉えることが肝心です。

冒頭で触れましたが、社労士試験における安衛法の出題数は、他科目と比べれば多くありません。しかしながら、安衛法自体は思いのほかボリュームのある科目であるため、他科目との兼ね合いから相対的にどの程度の対策が必要なのか、安衛法の出題傾向を踏まえた上で検討する必要があります。

社労士試験での「安衛法」出題は、選択式2問・択一式3問

社労士試験での安衛法の出題は、労働基準法との抱き合わせ形式で見られ、得点の内訳は例年下記の通りです。

  • 選択式(1科目5点) 労働基準法(3点)+ 安衛法(2点)
  • 択一式(1科目10点) 労働基準法(7点)+ 安衛法(3点)

資格試験対策のポイントは、「出題の多寡に応じた取り組みを実践する」ことにあります。社労士試験全体の配点が選択式で40点、択一式で70点であることを鑑みれば、安衛法からの出題のウエイトは大きくありません。

よって、注力度合については他の主要科目への取り組みと並列で考えるのではなく、出題数に応じて考えるのが得策です。

「安衛法」は労基法のおまけ?いいえ、侮ってはいけません

このように、安衛法からの出題は労働基準法の一部と見てとることができ、ともすれば「労基法のおまけ」「あまり対策しなくても良い科目」と考えられがちです。しかしながら、選択式では5点中2点分が安衛法からの出題であることから、合格を目指す上で失点は禁物です。

特に、労働基準法の選択式では毎年1点分が難問傾向にあり、合格基準である5点中3点正答を目指す上では、安衛法での確実な得点が重要になってきます。

よって、安衛法を侮ることなく、時間を確保して対策を講じることが合否を分けるポイントとなることは言うまでもありません。

社労士試験「安衛法」勉強法

社労士試験「安衛法」勉強法

安衛法は、労働基準法や社会保険関連科目とは異なり、一般労働者にとってあまりなじみのあるテーマではなく、苦手意識を抱きやすい科目と言えます。とはいえ、選択式での出題状況から、社労士試験合格を目指す上でのカギを握る科目として認識すべきことは、すでに解説してきた通りです。

安衛法で失点しないための勉強法を、前向きに考えていきましょう。他科目同様、原則は「出題傾向に沿った取り組み」を中心に着手することが肝心です。

社労士試験「安衛法」 勉強法のカギは「基礎の徹底」

社労士試験における安衛法の出題傾向を分析すると、例年、奇問難問の類はあまり見られず、気を衒わない基本的事項からの出題が目立つ点に特徴があることが分かります。よって、頻出の特定テーマについて深掘りする必要はなく、テキストの重要語句を中心に全範囲まんべんなく主要キーワードを習得する取り組みが効果的です。

ちなみに、ここ数年、労働基準法・安衛法では合格基準の引き下げ(救済)が見られないため、受験生は原則的な合格基準点である「選択式5点中3点以上」「択一式10点中4点以上」のラインを目指すことになります。

出題数の少ない「安衛法」は過去問を主軸とした勉強法で効率良く

安衛法の出題傾向は、過去問から把握するのが得策です。テキスト読みばかりを行っていれば、どうしても自分の興味関心や苦手と感じる分野ばかりに注意が向きがちになります。しかしながら、過去問演習から実際に出題されたことのある事項を正しく知ることで、効率の良い学習が実現します。

例えば、「機械等に関する規制」は理解が難しく、受験生はつい時間を費やしがちです。ところが、過去の傾向から言えば機械関連からの出題はさほど多くなく、それよりも「安全衛生管理体制」「労働者の危険又は健康障害を防止するための措置」「健康の保持増進のための措置」のテーマの方がよく問われることは過去問に取り組むと一目瞭然です。

このように、過去問を中心とした対策は、独りよがりになりがちな取り組みを正しい方向へと軌道修正する役割を担ってくれるのです。

社労士試験「安衛法」を過去問で確認

それでは、社労士試験における安衛法からの出題を、過去問から確認しましょう。ここでは一例として、選択式と択一式を一問ずつ取り上げておきます。

■ 選択式(2017年度 労基)

3 労働安全衛生法第28条の2では、いわゆるリスクアセスメントの実施について、「 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する[ D ]( 第57条第1項の政令で定める物及び第57条の2第1項に規定する通知対象物による[ D ]を除く。)を調査し、その結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。」と定めている。

4 労働安全衛生法第65条の3は、いわゆる労働衛生の3管理の一つである作業管理について、「 事業者は、労働者の[ E ]に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。」と定めている

解答

[D] 危険性又は有害性等

[E] 健康

ごく基本的な事項を確認しておくことで、十分対応できる問題であることが分かります。合格基準点となる3点のうち、安衛法の2点を確実に確保しておくことで、ぐんと合格に近づくことができるはずです。

■ 択一式(2018年度 労基第8問)

派遣労働者の安全衛生の確保に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)派遣元事業者は、派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて、総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医を選任し、衛生委員会の設置をしなければならない。

(B)派遣労働者に関する労働安全衛生法第66条第2項に基づく有害業務従事者に対する健康診断(以下本肢において「特殊健康診断」という。)の結果の記録の保存は、派遣先事業者が行わなければならないが、派遣元事業者は、派遣労働者について、労働者派遣法第45条第11項の規定に基づき派遣先事業者から送付を受けた当該記録の写しを保存しなければならず、また、当該記録の写しに基づき、派遣労働者に対して特殊健康診断の結果を通知しなければならない。

(C)派遣労働者に対する労働安全衛生法第59条第1項の規定に基づく雇入れ時の安全衛生教育は、派遣先事業者に実施義務が課せられており、派遣労働者を就業させるに際して実施すべきものとされている。

(D)派遣就業のために派遣され就業している労働者に関する機械、器具その他の設備による危険や原材料、ガス、蒸気、粉じん等による健康障害を防止するための措置は、派遣先事業者が講じなければならず、当該派遣中の労働者は当該派遣元の事業者に使用されないものとみなされる。

(E)派遣元事業者は、派遣労働者が労働災害に被災したことを把握した場合、派遣先事業者から送付された所轄労働基準監督署長に提出した労働者死傷病報告の写しを踏まえて労働者死傷病報告を作成し、派遣元の事業場を所轄する労働基準監督署長に提出しなければならない。

誤りの肢:C

雇入れ時の安全衛生教育の実施の義務は「派遣元事業者のみ」に課せられています。

派遣労働者関連は、近年顕著に法改正が進んでいることから、特に注意すべきテーマの一つと言えます。しかしながら、出題自体はごく基本的な知識で正答できる内容であり、やはり「基礎徹底」の重要性を伺うことができます。

まとめ

  1. 社労士試験における安衛法は労働基準法の一部として出題されるため、出題数は少ないものの、選択式の配点からみれば合否に大きな影響を与える科目とも言えます
  2. 安衛法対策の基本は「基礎の徹底」と「傾向対策」にあり、効率良く進めるためには過去問を活用するのが効果的です