社労士模試はメリットだらけ!正しい活用方法についても解説
更新日:2023年7月13日
社労士試験は難関資格試験の1つとして知られています。
独学で合格を目指すには800~1,000時間ほどの勉強時間が必要であり、社会人の方が働きながら合格を目指す場合、少なくとも1年かそれ以上の勉強期間が必要です。
そんな難関試験だからこそ活用したいのが模試です。
模試を有効活用することで勉強効率は高まり、より短期間での合格を目指せるでしょう。
この記事では模試を活用することのメリットや、正しい活用方法など、せっかく受験する模試を最大限活用できる方法を紹介していきます。
- 模試を受験することで、その時点で自分の学力がどの程度なのかを確認することができます。
- 模試を経験することで本番当日の時間の使い方や、本番当日の緊張感に近いものを体験することができ、本番当日も落ち着いて受験することができるようになります。
- 模試を受験するおすすめのタイミングは、1度目は社労士試験の出題範囲全体を1周終わらせたタイミング、2度目は全体の勉強が2周以上修了したタイミングです。
- 社労士模試の受験は、会場受験と自宅受験の2パターンがあります。
- いくつも模試を受験してしまうのはマイナスになりかねませんので注意してください。
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社労士試験の模試を受ける理由やメリットを解説
社労士試験は難関試験のひとつです。そのため多くの予備校や通信講座が模試を実施しています。模試の実施のタイミングはそれぞれですので、1年中どこかの模試を受験可能と考えてもらっても差支えないでしょう。
これだけいろいろな所で実施される社労士試験の模試。この模試を受験する理由やメリットを解説していきましょう。
勉強の進行状況を正確に見極めることができる
社労士試験対策の勉強は長期間にわたります。一般的なサラリーマンの方の場合、最低でも1年。多くの方は1年以上社労士試験の勉強を続けることになります。
社労士試験の勉強のように、長期間にわたる勉強をする場合、気を付けたいのがモチベーションの低下です。いつ終わるとも分からない勉強をただ続けるのは、なかなか難しいもの。
そこで模試の受験がおすすめとなります。
模試を受験することで、その時点で自分の学力がどの程度なのかを確認することができます。
模試の採点は単に正解・不正解を判別するだけではありません。勉強する科目や分野ごとの採点も行われ、どの分野がどの程度理解できているかなども判断することができます。
こうした第三者による判断は勉強に対するモチベーションアップに役立ちます。成績が悪い分野はさらに勉強すべきと気づけますし、高得点を取れた分野があれば自信にもつながります。
模試の結果を踏まえ、その後の勉強スケジュールを組みなおすなどもできますので、より社労士試験合格へ近づけると考えられます。
自分の弱点を見つけることができる
上の項目とも被る部分がありますが、模試を受験しその結果を見ることで、自分自身の弱点を把握することができます。
社労士試験の出題範囲は非常に幅広く、すべての分野を平均的に勉強をしようとすると時間がいくらあっても足りません。
社労士試験の勉強を効率化するためにも、自分の弱点分野を把握するのは重要なこと。弱点と分かっている分野は模試の後集中的に勉強すれば、弱点の克服も可能です。
社労士試験において、弱点分野をなくすというのは合格へ近づく重要なポイント。そんな弱点を教えてくれるのが模試の大きな役割となります。
本番の試験の予行練習ができる
模試には2つの受験スタイルがあります。受験スタイルに関しては後に詳しく説明しますが、そのうちの1つが会場で受験するタイプの模試です。
会場に出向き、周囲に同じ模試に挑むライバルがいる中で受験するというのは、本番の社労士模試の予行練習とも言い換えることができます。
多くの社労士模試は、本番の試験と同様の範囲を、同様の時間割で受験するようになっています。こういった模試を経験することで本番当日の時間の使い方や、本番当日の緊張感に近いものを体験することができ、本番当日も落ち着いて受験することができるようになります。
社労士試験の模試はいつ受験すべきか?
社労士試験を受験するのであれば、受験前に社労士模試を受験するのがおすすめです。ではどのタイミングで社労士模試を受験するのがいいのか。この点について解説していきましょう。
具体的なスケジュールも紹介しますが、社労士試験の勉強の進行具合には個人差があります。ここで紹介する具体例はあくまでも参考程度に考えていただければと思います。
最終的には勉強の進み具合を考え、自分にとって最適なタイミングで社労士模試を受験するようにしましょう。
おすすめのタイミングは2つ
理想だけで言ってしまえば、社労士試験の勉強を始めてから、実際に社労士試験を受験するまでに2度模試を受験するのがおすすめです。
その2度の受験タイミングですが、1度目は社労士試験の出題範囲全体を1周終わらせたタイミングです。
社労士試験のように難易度の高い試験は、出題範囲を一度勉強して終わりというわけにはいきません。最低でも2周、できれば3周ほど勉強してようやく合格が見えてくるレベルの難易度です。
まず1周目の勉強が終わったタイミングで受験するのがおすすめです。
もうひとつのタイミングは、全体の勉強が2周以上修了したタイミング。具体的には社労士試験本番の1~2ヶ月ほど前になります。
試験の1~2ヶ月前は、行われる社労士模試も多く、このタイミングで受験する方が多いことが分かるかと思います。
試験直前ではなく、あえて1~2ヶ月前としているのは、この模試の結果を見て、弱点があった場合、最後の追い込みでこの弱点分野を徹底的に強化したいから。
模試は受けて終わりではなく、その結果を見て後の勉強に活かすのがポイント。その余裕を考えて模試の受験タイミングを考えましょう。
具体的なスケジュールを紹介
では実際にカレンダーを用いて、社労士試験対策の勉強の流れをチェックしていきましょう。その中に模試を受験するタイミングとして効果的なタイミングも含めて紹介します。
イメージは1年間の勉強で社労士試験合格を目指すイメージです。もちろん社労士試験初挑戦の方も対象ですが、残念ながら社労士試験で不合格になってしまった方の、翌年の過ごし方と考えていただいても問題ありません。
もちろんこれはあくまでもイメージですので参考程度に考えてください。
期間 | 勉強内容 |
---|---|
9月~翌年2月 | 【試験範囲1周目の勉強】 ・試験範囲全体をしっかり学ぶ |
2月下旬 | 1度目の模試受験 |
3月~7月 | 【試験範囲2周目の勉強】 ・模試の結果を踏まえ、弱点に重きを置いてスケジュールを組む ・過去問対策も含めて理解度をアップしていく |
7月下旬 | 2度目の模試受験 |
8月 | 【本番直前の追い込み】 ・模試の結果から弱点を徹底的に学ぶ ・過去問を中心に学んでいく |
8月下旬 | 本番試験 |
社労士試験は例年8月の後半に実施されます。勉強スタートは社労士試験直後の9月とします。
まずは9~翌年2月までの半年間で、社労士試験の出題範囲全体をしっかり学んでいきます。そして半年後になる2月の下旬辺りに1度目の模試に挑戦しましょう。
3月からの勉強は、社労士試験の出題範囲の2周目の勉強になります。この2周目の勉強をする際、1度目の模試の結果から自身の弱点と判定された分野を重視して学ぶのがおすすめ。反対に得意分野と判定された部分は、少々勉強時間を削ってもいいでしょう。
社労士試験の勉強も2周目ですので、1周目よりも早く全体を学べるかと思います。2周目が完了したら、7月下旬までに2度目の模試に挑戦しましょう。
2度目の模試の後は、模試の結果弱点と判定された弱点分野の補強を中心に学びます。もちろん過去問対策なども採り入れ、とにかく苦手分野が残らないように準備しましょう。
模試の種類は2パターン
社労士模試の受験は2つのパターンがあります。それが会場受験と自宅受験です。
会場受験は上でも少し触れたとおり、会場に出向き受験する方式。一般的な模試受験と考えていただいて問題ありません。
もうひとつが自宅受験です。
自宅に模試の問題が送られてきて、自宅で自分で時間をはかって受験する方式です。
それぞれのメリットとデメリットを紹介しましょう。
会場受験のメリットとデメリット
会場で模試を受験するメリットに関しては、上でも紹介した通り、本番の社労士試験の予行練習になるという点です。本番当日の時間の使い方などの参考にもなるでしょう。
一方デメリットとしては、開催日が決まっているため、自分のタイミングで受験できないという点が挙げられます。また受験したい模試があっても、仕事の都合や家庭の事情などで受験ができないというケースもあります。
模試を受験できるとしても、そもそも模試の会場が遠く、模試を受験するだけで1日かかりということもあるかもしれません。社労士試験に向けて特に休日は1日も無駄にできないという方にとって、模試で1日が潰れてしまうのはデメリットでありリスクでしかありません。
自宅受験のメリットとデメリット
自宅に社労士模試の問題用紙が届き、自分で時間を管理して挑戦する自宅受験。
メリットは自分が受験したいタイミングで挑戦できるという点です。社労士試験の勉強の進行速度には個人差があります。自分なりのペースで勉強を進め、受験したいタイミングになったタイミングで、近所で受験できる模試がないというケースも考えられます。
自宅受験でしたら、こうしたタイミングのロスはありません。
反対にデメリットは、本番とは環境が違うという点。受験するのは慣れ親しんだ自宅ですから、本番の予行演習とはならず、社労士試験本番当日に独特の緊張感から力を出し切れないなどの危険性があります。
模試を活用する場合に注意すべきポイント
社労士試験対策として、模試を活用する場合、模試の使い方として注意すべきポイントを紹介しておきましょう。やるべきこととやるべきではないことを紹介しますので覚えておきましょう。
模試を受験しすぎるのはマイナス
模試を受験することは、社労士試験対策としては有効な方法です。とはいえいくつも模試を受験してしまうのはマイナスになりかねませんので注意してください。
社労士試験の模試は、模試といっても長時間の試験となります。場合によっては1日がかりの試験となります。社労士試験を目指す以上、特に勉強に集中できる休日は貴重なもの。その貴重な休日をいたずらに消費することになってしまいます。
また、模試の受験回数が多いと、自分の弱点がハッキリでせず、反対に見失ってしまう可能性もあります。模試を受験する大きな目的のひとつが自身の弱点把握ですので、これでは本末転倒ということになります。
模試の受験は年に1~2度がベストでしょう。3回以上は受けすぎと考えてください。
受験しただけにならないようにする
繰り返しになりますが、模試を受験する大きな理由は自身の弱点を把握することです。そのためには模試の復習も重要になります。模試の結果が出たら、模試で不正解だった問題を中心にしっかりと復習しましょう。
復習しないのであれば、模試を受験する意味はほとんどありません。せっかく受験した模試を有効活用できるようにしましょう。
結果よりも内容に注目
模試を受験すれば結果が出ます。中にはこの結果に気持ちが大きく左右されてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
確かに結果はそれなりに重要ではありますが、その結果は所詮模試の結果でしかありません。本番の社労士試験の結果とはまったく関係ないものですので、そこまで気にする必要はありません。
模試によっては、社労士試験本番以上に難易度の高い模試もあります。結果よりも内容を重視しましょう。
模試の結果が思わしいものでなければ、本番までに実力をつければいいだけです。それよりもどんな問題で間違えたのか、記憶違いなのかうっかりミスだったのかなど、内容をしっかりチェックしていきましょう。
模試受験時のポイント
では、今度は模試を受験している間に意識しておくべきことを紹介していきましょう。よくスポーツの場で言われる言葉ですが、「本番は練習のように、練習は本番のように」という言葉は社労士試験・模試にも当てはまります。模試は社労士試験における「練習」ですが、受験する際は本番を受験する気持ちでしっかり取り組みましょう。
解ける問題から解いていく
社労士模試を受験する際の大前提は、まず解ける問題からどんどん解いていくことです。これは本番の社労士試験でも同様ですが、最初から難問につかまり、いたずらに時間を消費してしまうと、後半解ける問題を解く時間が無くなってしまう可能性があります。
問題を一読して、回答できる問題は解答、パッと答えが浮かばなかった問題は飛ばしてドンドン進めていきましょう。
分からない問題に時間をかけすぎない
問題を一読して即解答できないものの、少し悩めば解答が出る問題もあるかと思います。こうした問題に対し、ある程度時間をかけることは必要です。ただし時間のかけすぎはおすすめできません。
一旦考えて、それでも答えが出ないようなら飛ばして次の問題にいきましょう。できれば問題用紙「あとで考えれば解ける問題」として印をつけておくといいでしょう。
問題全体を読み、即答できる問題を解答したあとは、この問題に印がついている「少し考えれば解ける」問題に挑みましょう。
必ず見直しの時間を確保する
社労士試験本番でも、模試でもおすすめしたいのが「見直しの時間の確保」です。特に模試の場合は、必ずこの見直しの時間を確保してください。時間は5分でも10分でも、自分で解答した問題を一度読み直す時間があれば問題ありません。
模試は合格点を取ることが大目標ではありません。あくまでも自分の得手不得手を判別するためのものです。そのために、うっかりミスやマークミスはできるだけしないのがベスト。
解ける問題を確実に解けているか確認する時間を確保しておきましょう。
社労士模試活用法Q&A
これから社労士試験を目指す方、すでに社労士試験を目指しており、模試を受験するかどうか悩んでいる方などが、感じるであろう疑問点に関して、Q&A方式で解答していきたいと思います。
模試の結果が悪いと落ち込んでしまうので受験するか迷っている
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A.模試で重要なのは結果ではなく内容。ぜひ受験しましょう。
模試といっても試験ですから、その結果で気持ちが左右されてしまうという方は一定数いらっしゃるかと思います。とはいえ模試は模試です。模試の結果が良かろうが悪かろうが、本番の社労士試験の結果とはまったく関係はありません。
万が一模試で望む結果、点数が取れていなくても全く問題ありません。そこで得点の低さに落ち込むのではなく、なぜ得点が低かったのか、どの分野の得点が低かったのかなど試験の内容に注目しましょう。
模試で何点取ろうと、最終的には本番の社労士試験で合格点を取れば問題ありません。
時間の確保が難しく模試が受けられない
-
仕事の都合や家族の予定などにより、週末に行われる社労士模試の受験が難しいという方もいらっしゃるでしょう。
こういう方は自宅受験で模試に挑戦しましょう。自宅で挑戦する場合は、時間の管理などをしっかり行い、できるだけ本番同様に受験するのがおすすめ。
自宅受験であれば、自分の好きなタイミングで模試を受験できますのでおすすめです。
会場受験を一度は受けた方がいいのか?
-
受験するのがベターですが、マストではありません。
会場受験の模試で社労士試験本番の雰囲気を体感するというのは非常に貴重な体験です。受験可能な方は一度は受験しておくといいでしょう。
とはいえ、会場受験の模試を受験できなかったからと言って、本番の社労士試験で失敗するというわけではありません。自宅受験の模試でしっかり自分の弱点を把握し、その対策を行っていけば、社労士試験本番でも十分結果を残すことは可能です。
フォーサイトの社労士模試がおすすめ
社労士模試の受験に悩んでいる方には、通信講座のフォーサイトが実施する社労士模試の受験がおすすめです。
フォーサイトの社労士模試は2タイプ。比較的基礎的な出題が中心となる「基礎レベル模試」と、本番同様の難易度となる「本番レベル模試」の2つです。
上で紹介した模試を受験する2つのタイミングで、この2つの模試を受験するのがおすすめ。
社労士試験の試験範囲全体を1周終わらせたタイミングで「基礎レベル模試」を受験。基礎レベルですが、それでも自身の弱点となる分野は見えるはずです。
社労士試験の出題範囲を2周以上終わらせたら本番レベル模試に挑戦しましょう。この本番レベル模試の結果から、自身の弱点があればその弱点を徹底補強。社労士試験本番までに万全となるようにしましょう。
また、この2つの模試に加え、社労士試験の直前に開講される直前講座の受講がセットになっているセットもありますので、特に初学者の方にはこちらのセットがおすすめとなります。
フォーサイト 社労士通信講座まとめ
社労士試験は数ある資格試験の中でも、難関試験に位置づけられる試験です。合格するためには長い勉強期間が必要となります。
そんな難関試験に合格するためには、弱点科目をなくすことが重要。その弱点を知ることができるのが社労士模試の受験ということになります。
社労士模試はいろいろな予備校や通信講座が実施しています。この模試を有効活用して社労士試験に確実に合格できるように準備をしましょう。
模試の使い方は、自身の弱点把握が最重要ポイント。そのため模試は受験して結果を見て終わりではなく、なぜその得点になったのか、どの分野の問題でミスをしたのか、どの分野で得点が取れたのかなど、その内容をチェックするのが重要です。
模試には会場受験タイプと自宅受験タイプがあります。それぞれメリットとデメリットがありますので、自身の都合に合わせて選択するといいでしょう。
おすすめはフォーサイトの自宅受験模試。レベルの違う2つの模試や、社労士試験直前講座がセットになっているものもありますので、模試を最大限有効に活用できるでしょう。
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小野賢一(おの けんいち)
「そうだったのか!」という驚きや嬉しさを積み重ねましょう
【出身】北海道
【経歴】横浜国立大学大学院国際社会科学府修了。社会保険労務士、日商簿記2級等の資格を保有
【趣味】楽器演奏
【受験歴】2022年社労士試験初回受験、合格
【講師歴】2023年よりフォーサイト社労士講座講師スタート
【座右の銘】昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう
●フォーサイト公式講師X 小野賢一@社労士専任講師