社労士(社会保険労務士)の資格手当で給料アップ!相場は?年収は?などお金の話を考察
更新日:2019年12月3日
資格を活かして働く社員に対し、「資格手当」を支給する企業は珍しくありません。
とりわけ、「勤務」の登録区分があり、その会社の労働・社会保険関連事務に特化した働き方ができる社労士業では、勤務社労士に資格手当が出ることがほとんどです。
これから社労士試験合格を目指す皆さんの中にも、現状、人事部や総務部に勤務していて、勤務社労士へのステップアップを狙っている方は多いのではないでしょうか?
社労士資格を取得できれば、社内におけるキャリア構築の観点ではもちろん、収入面でも資格手当という「+α」が期待できます。
社労士の資格手当の額は、実際のところ、会社によって様々です。
このページでは、社労士の資格手当の相場を知り、勤務社労士の年収を総合的に理解しましょう。
勤務社労士になるなら「資格手当」に注目
さて、冒頭でも触れましたが、勤務社労士になるメリットのひとつに「資格手当」があります。
勤務社労士の場合、会社の事務に従事するための必要経費として、社労士の登録費用や年会費を会社負担としてもらえる場合は多いですが、それに加えて資格手当が支給されるのです。
当然のことながら、開業の場合には登録関係諸費用は全て自身で負担することになりますし、毎月一定額の収入が期待できるとは限りません。
そういった意味で勤務社労士という働き方であれば、従事できる業務の幅は限られるものの(所属する勤務先の事務のみ)、コストをかけず、むしろ安定した収入を得ながら社労士業に携わることができます。
社労士の資格手当の相場は「5,000~30,000円」
ひと口に「社労士の資格手当」といっても、その額は会社によって異なります。
具体的な額については会社の給与規程でご確認いただくことになりますが、概ね「5,000~30,000円」のラインが社労士の資格手当の相場と言えそうです。
また、資格手当にもランクを設け、担当業務や業績に応じて異なる額を支給する会社もあるようです。
例えば、主に手続き事務に従事する社員と、補助的に携わる社員とでは、社労士資格を活かした働き方の程度に差が生じます。
このような場合、資格に対する手当の額が異なることがあります。
社労士の資格手当はなぜ魅力?
社労士の資格手当については、「苦労して合格する難関国家資格なのに、思ったより高額ではないんだな」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、たとえ月5,000円の資格手当だとしても、基本給に毎月一定額の上乗せがつくことは、年収を考える上では大きな魅力となります。
通常、コンスタントに「現在の基本給+α」を得ようとするなら、昇給を狙う、労働時間を増やす等の工夫が必要です。
しかしながら、社労士の資格手当を受ける場合、昇給を待たずに、しかも今の労働時間数のままで、「+α」の支給を受けられます。
しかも、社労士資格は一度取得すれば更新の必要はなく、社内で勤務社労士として働く限り、ずっと資格手当が支給されます。
このように、あらゆる観点で考えれば、小さいようでも実は大きなメリットとなるのが、社労士の資格手当なのです。
ちなみに、勤務社労士の年収相場は?
一般企業に勤務する社労士の年収相場は、概ね「450~500万円」と言われています。
年収としては一般的な会社員と同等か、少し高いかといった印象ですが、社労士としての専門性を活かしながらやりがいある仕事に従事できる、継続的に資格手当が支給されるという点が、勤務社労士という働き方の魅力です。
士業というと独立開業型の資格も少なくありませんが、社労士なら、収入面や仕事面でのリスクを回避しながら実務に携わることができます。
もちろん、勤務しながら社労士業界で実務経験を積み、研修を受け、人脈を築き上げ、その後に開業を実現させることも夢ではありません。
加えて、社労士開業資金を勤務社労士の収入で確保していく方法にもつながりますから、開業以前に勤務を経るメリットは決して小さなものではないでしょう。
社労士で資格手当をもらう働き方とは?
ところで、まったくの異業種から社労士を目指す皆さんであれば、社労士の資格手当について、
「実務未経験でも手当が支給されるのか?」
「新人もベテランも額に差はないのか?」
などの疑問がいくつか生じるでしょう。
確かに、せっかく合格率一桁の難関を突破しても、いざ就転職した後、社労士の資格手当がもらえないとなれば、期待外れです。
ここでは、社労士の資格手当が支給される働き方について、考えてみましょう。
「社労士の有資格者」というだけで資格手当が期待できる
社労士の資格手当の支給に関わる規定は会社によって異なりますが、大半の会社で、人事労務に携わる部課に配属されれば関連業務に従事する者とみなされ、資格手当の支給が開始します。
ただし、資格手当を受ける条件として、「特定の業務(主に専門的な知識が求められる仕事)に携わっていること」を掲げている現場もありますから、事前に十分確認する必要があります。
ただし、次項にて後述する通り、関連部署に所属していなければ資格手当は支給されませんのでご注意ください。
転職しなくても、社労士の資格手当をもらえるかも
勤務社労士となるためには、当然、労働・社会保険関連業務に従事できる部課に所属していなければなりません。
資格手当についても、社労士業務と何ら関係のない仕事に従事している場合、たとえ社労士資格を有していても支給されません。
それでは、現状社労士業とは関係のない職場にいる場合、勤務社労士となるためには転職しなくてはならないのかと言えば、必ずしもそうとは限らないでしょう。
もちろん、転職も選択肢のひとつではありますが、転職せずとも社内の配置転換で人事部や総務部に配属されれば、勤務登録が可能になる可能性は大いにあります。
社労士資格を取得できたタイミングで、上長に相談されてみると良いでしょう。
従業員が複数人いれば、必ず労働・社会保険関係手続きが発生します。社労士の活躍の場はどんな職場にもありますから、晴れて有資格者となった後には、ご自身の専門性を積極的にアピールしていきましょう。
スキルアアップ次第で社労士の資格手当増も
社労士の資格手当の支給額は一定額の場合が大半ですが、一部企業では経験に応じた増額を見込むことができるようです。
事前に社内規程を確認し、勤務先の資格手当に関わるルールを把握しておきましょう。
もちろん、資格手当の額はあくまで新人もベテランも同一だったとしても、経験やスキルは基本給に反映されます。
能力や努力を正当に評価してもらうためには、勤務社労士として社内で前向きにスキルアップを図っていく姿勢が重要です。
まとめ
- 多くの企業で勤務社労士に資格手当が支給され、その額は概ね「5,000~30,000円」となっています
- 社労士の資格手当は、月々の額としてはさほど高額とは言えませんが、昇給や労働時間増を目指さなくても、毎月の給与に一定額の上乗せが期待できる点に魅力があります
- 社労士の資格手当は、資格を有しているだけで自動的に支給されるわけではなく、労働・社会保険関連事務を取り扱う部課に配属されて初めて受け取ることができます
小野賢一(おの けんいち)
「そうだったのか!」という驚きや嬉しさを積み重ねましょう
【出身】北海道
【経歴】横浜国立大学大学院国際社会科学府修了。社会保険労務士、日商簿記2級等の資格を保有
【趣味】楽器演奏
【受験歴】2022年社労士試験初回受験、合格
【講師歴】2023年よりフォーサイト社労士講座講師スタート
【座右の銘】昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう
●フォーサイト公式講師X 小野賢一@社労士専任講師