社労士の事務指定講習は受けないとダメ?通信指導や面接指導の中身を知ろう!

社労士の事務指定講習は受けないとダメ?通信指導や面接指導の中身を知ろう!

社労士の事務指定講習

社労士試験後には、登録希望の合格者を対象とした講習が実施されます。
「事務指定講習」といわれるこの講習について、インターネット上では「形だけ」「高すぎる」等の悪評を見かけることもありますが、実際に受講してみた感想としてはメリットとして感じられる点も多かったように思います。

このページでは、社労士の事務指定講習について、受講対象者と概要、メリット・デメリットについてご紹介することにしましょう。

目次

実務未経験からの社労士になるために、事務指定講習の受講は受けないとダメ!

社労士の開業登録の要件は、下記の通りです。
① 社労士試験合格
② 2年以上の実務経験 or 厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるもの
①はすべての開業志望者に共通の要件ですが、②はあらゆる形で満たすことが可能となっています。

その手段の一つとして、「事務指定講習の修了者」となることが挙げられます。
つまり、社労士の事務指定講習の受講対象は、「社労士試験合格者」のうち「2年以上の実務経験を満たしていない登録希望者」となります。

社労士の事務指定講習の中身とは?

社労士の事務指定講習の中身とは?

社労士の事務指定講習は、4ヵ月間の「通信指導」と4日間の「面接指導」の2過程によって行われます。
事務指定講習は「2年間の実務経験」を凝縮した内容となるわけですが、一体どのような内容となっているのでしょうか?気になる、社労士の事務指定講習の中身を覗いてみましょう。

社労士事務指定講習ステップ① 通信指導過程

例年2~5月にかけて実施される通信指導過程では、労働保険・社会保険の具体的な手続きについて、具体的な事例を元に実務を学びます。
それぞれのケースで、どのような申請・届出が必要で、どの様式にどう記入すれば良いかを、実際に手を動かしながら習得することになり、かなり実践的な内容です。

ボリュームとしてはかなりのものですが、これらはマイペースで適当にこなしていけば良いわけではなく、期限内に添削指導を受ける必要があるため、しっかりと計画的に取り組む必要があります。
「どうせ形だけだろう」と高を括っていると、大変なことになるはずです。

社労士事務指定講習ステップ② 面接指導過程

無事に通信指導過程の各課題を修了すると、次は4日間の面接指導過程が待っています。
面接指導過程は例年7~9月にかけて、全国各地で行われており、ご自身の都合に合わせて会場や日程を選択できます。

面接指導過程では、科目ごとに各都道府県社労士会から支部長や副支部長クラスが講師を務め、実際の事例を元にテキストの解説が行われます。
「面接指導」の名目ではありますが、一人ひとり面接が行われるわけではなく、集合授業に出席する形です。

私が参加した時には、受講生が指名されて答えることはありませんでしたが、このあたりは講師によるかもしれません。
4日間、全科目に出席すれば、晴れて事務指定講習修了です。

社労士の事務指定講習の受講料や面接指導の会場は?

社労士の事務指定講習の受講料や面接指導の会場は?

とにかく「高い!」ことで有名(?)な事務指定講習の受講料は、「75,600円(税込)」です。
登録を予定されている方にとっては、登録・入会関連の支出に先立ち、なかなか大きな出費と感じられるかもしれません。
私自身、実際に事務指定講習を受講する前は高額な受講料が気になりましたが、実際に修了してみて、講習内容を振り返れば妥当な額であるように思えています。

面接指導の会場は、例年、東京、愛知、大阪、福岡の4都市です。
東京のみ、7月中旬と8月中旬にそれぞれ実施がありますが、その他の都市では1つの日程のみの設定です。
私は8月に東京で受講しましたが、ちょうどお盆で休暇を取りやすい時期ということもあり、受講生は関東近郊のみならず、意外にも全国各地から集まっていた印象です。

社労士の事務指定講習を受講するメリット

社労士の事務指定講習を受講するメリット

冒頭でも触れたとおり、何かとネガティブな評判が目立つ社労士の事務指定講習ですが、実務未経験の立場から受講してみて、得られるものも多かった様に感じられます。
ここでは、社労士の事務指定講習を受講して「これはメリットだ!」と思えた点を3つ、ご紹介します。

登録に必要な「2年間の実務経験」が免除される

私は試験合格後すぐの開業を目標にしていたので、4ヵ月+4日間の事務指定講習で「2年間の実務経験」を満たせることは重要なポイントでした。

仮に社労士試験合格後、2年間どこかで実務経験を積まなければならないとしたら、開業へのハードルはぐんと高いものになっていたでしょう。
開業を志しているにもかかわらず、まずは仕事探しから始まります。
すぐに仕事が決まるとは限りませんし、決まったとしても不慣れな環境で仕事を始めなければなりません。
また、採用されてからすぐ、登録に必要な実務経験として認められる業務に携われるわけではありませんから、3年以上の勤務は必須でしょう。

このように、登録の要件を満たすためだけに「2年間の実務経験」を得ようとすれば、おそらく大きな苦労と時間を要すことになるはずです。

実務家の体験談をたっぷり吸収できる

事務指定講習の通信指導過程では実際の様式の記入の仕方を、そして面接指導過程では実務家の生の話から実務を学ぶことができます。
実務未経験者にとっては初めてのことばかりで、どれも新鮮な学びとなることは間違いありません。

とりわけ実務家の体験談では、「こんなこともあるのか!」「こういう備えが必要なのか!」と気が付かされることが多く、1科目3時間の講義もあっという間に終わります。
業界の最前線にいる先輩方の話は、たとえ些細な事例でも参考になることばかりです。

同期合格の仲間と出会える

面接指導過程の会場では、席が近くになった同士の交流が様々なところで見受けられます。
皆さん同じ時期に社労士試験合格に向けて努力を積み重ね、合格を勝ち取った方ばかりなので、年齢や性別は異なっても、初対面でも打ち解けやすく、自然と「同期」「仲間」といった意識が芽生えてくるものです。

実際、事務指定講習の面接指導過程で出会った方々とは、開業後の今もつながりがあります。
たった一人で業界に足を踏み入れる実務未経験の開業社労士にとって、同期合格の仲間は唯一心を許せる存在といえるでしょう。

事務指定講習は「連続4日間の面接指導」と「高額な受講料」がネック

事務指定講習は「連続4日間の面接指導」と「高額な受講料」がネック

実務未経験者にとっては意外にもメリットの多い事務指定講習ですが、やはり「決められた日程で行われる面接指導過程に参加しなければならない」「受講料が高額であること」をデメリットと捉えることもできます。
特に面接指導については、日程に合わせて4日間連続で仕事を休めるかどうかがネックになる方も少なくありません。
社会人が休みを取りやすいお盆時期にも日程がありますが、開催地が東京限定のため、地方在住者には辛いところでしょう。

とはいえ、実務未経験から登録を目指すなら、事務指定講習の修了はどうしても避けて通れない道です。
デメリットも上手くクリアして、対応していきましょう!

社労士の事務指定講習について、対象者や概要、メリット・デメリットをご紹介しました。
「事務指定講習さえ修了すれば怖いものなし」というわけにはいきませんが、登録要件を満たすことができ、実務に関わる基本的な知識を習得でき、しかも仲間との出会いもあります。

せっかく取り組むのであれば、メリットに注目して前向きに頑張っていきたいものですね。
社労士の事務指定講習の詳細は、下記よりご確認いただけます。

参考:全国社会保険労務士会連合会「事務指定講習」