社労士の試験勉強のスケジュール管理や過去問対策、順番、ノート作りを解説!

社労士の試験勉強のスケジュール管理や過去問対策、順番、ノート作りを解説!

社労士受験生の中には、勉強法に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?社労士試験合格を目指す上では、効率良く学習を進められる勉強法に取り組むことが一番の近道です。

まずは何から取り組むべきか、どんな勉強法を実践したら良いのか、本ページでご紹介する内容を参考に、「合格につながる社労士試験勉強法」を考えていきましょう。

目次

社労士を目指す勉強法の最初に行う「スケジュール立案」

社労士を目指す勉強法の最初に行う「スケジュール立案」

社労士試験への挑戦を思い立ったら、勉強法の第一歩として「学習計画」を検討します。

社労士に限らずどんな資格対策にも共通して言えることですが、決められた試験日に向けて対策を進めていかなければなりません。そのため、長期的な観点での計画に沿った取り組みが不可欠です。

とはいえ、社会人受験生が大半を占める社労士試験の勉強法では、あまりきっちりとした計画に縛られるのは得策とは言えず、ある程度柔軟性を持たせた見通しを持つ方が上手くいく傾向にあります。

社労士試験の勉強法の土台となる学習計画について、各時期のざっくりとしたテーマを確認しましょう。

社労士試験のスケジュールは「1年計画」が基本

社労士試験における勉強時間は一般的に、1000時間程度とされています。そのため、勉強のスケジュールは、原則「1年計画」で進めましょう。

資格対策の中には“短期合格”を謳うものもありますが、社労士試験の膨大な範囲と出題レベルに対応するためには、ある程度長期に渡り、腰を据えてじっくりと勉強法に取り組んでいく必要があります。

すでに社労士試験の受験歴がありひと通りの基本知識を習得済みの方、もしくは実務経験者で出題範囲となる法律の知識を有している方であっても油断は禁物です。試験当日、思わぬ知識の穴に泣かないためにも、十分に時間をかけて万全な対策を積み重ねましょう。

1年間、正しい計画に沿って社労士試験のための勉強法を実践することで、初学者や実務未経験者でも、無理なく合格を目指すことができます。

9月~10月 教材選びと各科目の概要理解

9月、10月といえば、まだまだ今年度試験の余韻に浸っている受験生がほとんどです。しかしながら、翌年の試験日までにはすでに1年を切っています。学習時間を十分確保するために、開始時期は今年度本試験後、早いに越したことはありません。

社労士試験に向けた勉強法は「教材選び」からです。各社のサンプル教材や今年度本試験の解答速報・講評などを実際に自分の目で確認、比較し、「これなら」と思える教材を探し出しましょう。

また、10月頃には社労士試験の各科目の概要を把握しておくと、今後のインプットがスムーズに進みます。フォーサイトの社労士講座では、マンガ「社会保険労務士 真中進」や「入門編」テキストを用いて、社労士に関係する法律の全体像や概要を理解するところから無理なく学習をスタートできます。

11月~4月 インプット期

各出題範囲の概要が理解できたら、さっそくそれぞれの法律について細かな知識をインプットしていきます。

社労士試験の勉強法では、労働関係法として5科目、社会保険関係法として3科目の主要法令を学び、さらには一般常識として主要科目の関係法令に関わる知識を習得していく必要があります。テキストを十分に読み込み、講師による講義を活用しながら理解を深めていきます。
加えて、合間に単元ごとに過去問演習を挟むことで、社労士試験で問われるポイントや問われ方を把握できるとともに、習熟度を高めることができます。

インプット期であっても受け身の対策に終始せず、問題演習などのアウトプット作業を適度に取り入れることで、社労士試験合格に向けた効果的な勉強法を実践しましょう。

5月~6月 アウトプット期

試験科目をひと通り学習したら、問題演習をこなして社労士試験合格に不可欠な応用力、解答力の習得を心がけましょう。社労士試験の出題には明確な傾向があるため、過去問のほか、予想問題集や資格予備校の模擬試験を活用し、あらゆる角度から傾向対策に取り組むのが得策です。

また、知識に自信のない受験生の場合、この時期にもアウトプット対策にシフトできないケースを散見しますがこれはNGです。社労士試験の勉強法では、単なる「知識」を本試験に通用する「実戦力」に変化させるため、演習への取り組みは不可欠です。

そのため、問題演習を通して、抜けていた知識の習得や弱点の発見に努めましょう。正答できなかった問題については、テキストに立ち返って復習します。特に、正答率の高い問題でのミスは確実に克服しておきます。

7月~8月 総まとめ期

例年8月下旬の試験本番に向け、7月から8月にかけては直前の総まとめ期です。下記の取り組みを通して、個々に必要な苦手の克服や得点力の強化を目指します。

  • 過去問や予想問題集の演習、模試の受験
  • 問題演習や模試の復習
  • 混同しやすい分野の横断学習
  • 短期セミナーや直前対策の受講(法改正、一般常識、年金など)
焦りや不安に悩まされがちな直前期の試験対策では、日々「どれだけの学習量をこなせたか」にばかり意識が向いてしまい、結果的に“こなすだけ”の対策に終始する例は少なくありません。こなすだけの学習では、必要な知識の習得は困難です。

問題演習やテーマ別の直前対策の受講の都度、必ず復習し、主体的に知識を自分のものにしていくよう努めましょう。

社労士の勉強法の要は「過去問」

社労士の勉強法の要は「過去問」

出題に顕著な傾向が見られる社労士試験の勉強法を考える上では、「過去問」の有効活用に目を向けることが肝心です。社労士試験では過去の出題の焼き直しが多く見られるため、過去問を中心とした対策によって効率良く出題ポイントを抽出することが可能です。

とはいえ、「知識を習得したら、力試しにただ解くだけ」では、過去問から最大限に学ぶことはできません。現状の知識量や得手不得手の確認のために、または社労士試験の勉強法の方向性を定める羅針盤として、日々の試験対策の中で積極的に過去問に取り組み、過去問を自分のものにしていきましょう。

社労士勉強法では、常に過去問を活用するとベスト

社労士試験の過去問は、学習当初からこまめに対策に取り入れましょう。具体的には、各単元の学習のまとめに該当分野の過去問演習に取り組み、例年の試験で学習した分野のどこが出題されているのか、習得した知識が本試験でどのように問われているかを確認します。

社労士受験生の中には、過去問を“ひと通りの知識を習得したら取り組むもの”と位置付けている方、もしくは「十分な知識がないと、過去問に取り組む気持ちになれない」という方も少なくありません。ところが、こうした考え方では過去問の着手が遅れ、結果的に過去問対策が不十分なまま試験本番を迎えることになります。

前述の「インプット期」「アウトプット期」の括りにとらわれず、過去問は常に手元に置いて活用するのが、効率の良い社労士勉強法です。

理想的な社労士勉強法における過去問2種の使い分け

社労士の過去問には「分野別」と「年度別」の異なる2つのタイプがあります。社労士試験に向けた勉強法に取り組む上では、これらの効果的な使い分けを意識しましょう。

分野別過去問題集 年度別過去問題集
年度を問わず、分野別に実際の出題が掲載された一問一答形式の問題集。インプット期における各単元の学習時からこまめに活用し、日常的な試験対策に役立てましょう。 各年度の本試験が収録された問題集。アウトプット期から総まとめ期に取り組むことで、時間配分の検討や本試験の事前練習に活用できます。

社労士勉強法のキモとなる「順番」

社労士勉強法のキモとなる「順番」

社労士試験の勉強法では、学習の「順番」によって学習効率を高めることができます。受験生の中には、「取り組みやすい科目から勉強するのが良い」「まずは苦手科目から先に対策するとスムーズ」など、独自の学習順序で社労士試験の勉強法を実践する方がいます。

すでにひと通りの範囲を学習したことのある受験生であれば、それでも良いかもしれません。しかしながら、初めて社労士試験に挑戦する方、社労士試験の各科目を体系的に学びたい方は、ここでご紹介する順番で社労士試験の勉強法に取り組んでみてください。

労働関係編

労働分野の学習は、下記の順番で取り組むのがお勧めです。

  1. 労働基準法
  2. 労働安全衛生法
  3. 労働者災害補償保険法
  4. 雇用保険法
  5. 労働保険徴収法
  6. 労働一般
まずは労基法で労働関連法令の基礎を学び、安衛法で職場のルール、労災・雇用保険法で労働者の権利補償や救済、そして徴収法で労災・雇用の保険料徴収について、といったイメージで順序立てて理解していくのが社労士試験の効率の良い勉強法といえます。加えて、一般常識では、労働関連主要5科目の関連法を幅広く習得するため、学習の最後に取り組むのが良いでしょう。

フォーサイトをはじめとする各資格予備校でも、社労士試験の学習の順番はここでご紹介した通りとなっています。

社会保険関係編

社会保険関係法令の主要科目は、「健康保険法」「国民年金法」「厚生年金保険法」の3つです。こちらについては、歴史の古い健康保険から理解を深め、年金制度のベースとなる国民年金、さらには発展的に生まれた厚生年金保険へと順を追って学び進めておくことが、効率の良い社労士試験の勉強法です。

労働関係法令同様、社会保険関係法令についても、資格予備校では下記の順序での対策が王道です。

  1. 健康保険法
  2. 国民年金法
  3. 厚生年金保険法
労働・社会保険いずれについても、各法令の成立の背景や概要を理解すれば、効果的な学習の順番は必然的に決まります。王道の学習順には、確かに王道たる所以があるのです。

社労士勉強法で気を付けるべき「ノート作り」

社労士勉強法で気を付けるべき「ノート作り」

学生時代に「ノート作りが得意だった」という方も、社労士試験対策のノート作りではいくつか注意すべきポイントがあります。大前提として、資格対策のノート作りでは「見た目の美しさ」にこだわるのは得策ではありません。

イラストなどの装飾や色を用いてきれいにまとめられたノートは、完成したときの達成感は得られるものの、作成にかかる時間や学習効率を考慮すると、必ずしも必要な作業とは言えません。

社労士試験対策では、どんなノート作りを心がけるべきなのでしょうか?

社労士試験対策用の「ノート」は1冊完結で

社労士試験対策のノートは「1冊」にまとめるようにするのが得策です。いくら社労士試験の範囲が膨大だからといって、ノートが複数冊になってしまえば、復習の際に効率良く活用できなかったり、試験当日に持ち運びしにくかったりと、色々と不都合が生じます。

社労士受験生の中には、各科目丁寧にノートをまとめていて、手元にテキストが2冊あるかのような(?)方も珍しくありません。しかしながら、こうしたまとめ方では前述の通り、試験対策としては非効率である場合がほとんどです。

それでは、社労士試験の幅広い試験範囲をいかにして1冊のノートにまとめることができるのでしょうか?学習効率を高めるノート作りのカギは、「テキストの活用」にあります。

「テキスト書込み」で社労士試験対策用ノートは不要に

社労士試験対策では、「必要なポイントを直接ノートに書き込むことで、オリジナルのテキスト兼ノートを完成させる」という方法が効率的です。テキストとは別にノートを作るとなれば、どうしても盛り込むポイントが膨らみがちです。そうなると、肝心な試験対策とは別に、ノート作りの“作業”に時間を要することになってしまいます。

この点、テキストに要点を書き込むことで、該当部分に本当に必要なポイントのみを追記でき、結果的に学習効率をぐんと高めることができます。

フォーサイトでは、テキスト内に空白やノートスペースを設けることで、受験生のテキスト兼ノート作りがしやすいよう配慮しています。

まとめ

社労士試験の勉強法では、適切なスケジュールに沿って、過去問を主軸とした対策を積み重ねていくことが重要です。独学で社労士試験に挑戦する方の場合、勉強法が自己流になりやすく、結果的に試験対策としては不十分となる事例が少なくありません。

そういった意味では、通信や通学など対策講座のカリキュラムに沿って学習を進める方法が安心といえます。また、社労士試験対策に効率良く取り組むためには、ノート作りの“作業”が目的化しないよう、注意する必要があります。

ノートはあくまで記憶を定着させるためのツールのひとつであり、それを美しく仕上げることが重要ではないことを忘れないでください。