社労士試験の受験資格は?高卒でも条件次第で受けられる

社会保険労務士試験では受験資格が指定されています。基本的に大卒以外は受けられないとイメージする方もいるでしょう。しかし実際は高卒でも、経歴次第では社労士試験を受けられます。

社労士試験を受けられる対象を知りたい方のために、詳細な条件をまとめました。高卒で受験可能な条件も示しています。こちらを参考に、該当の受験資格を調べましょう。

目次

社労士試験の受験資格について

社労士の受験資格は大きく3つの分野に分かれます。学歴と実務経験、そして資格合格です。一般的なのは大学や専門学校を卒業による受験資格の獲得です。社労士は社会的な意義のある仕事なので、一定の学力がないと仕事をまかせられません。

受験資格でもうひとつ注意すべきことがあります。受験可能であることを証明する書類です。どのような理由で試験を受けるにしても、受験資格に応じた証明書類が必要になります。申請時はこのような書類の添付を忘れないでください。

このように社労士試験では、受験資格に関する細かい規定があります。詳しくは社会保険労務士試験オフィシャルサイトで確かめてください。

学歴による受験資格

まずは学歴を理由とした受験資格を紹介します。一般的なのは大学や短期大学、専門学校などの卒業です。しかしなかには厚生労働大臣認定の特殊な学校の卒業で、社労士試験の資格を得る方もいます。

社労士試験では受験可能な条件に応じて、受験資格コードの番号が割り当てられているしくみです。ここでも資格コードに応じて、受験資格の詳細を見ていきましょう。また資格に応じた提出書類も必要なので、こちらもそれぞれ紹介します。

大学や短期大学などの卒業

学歴による社労士試験の資格取得では、大学や短期大学の卒業が一般的です。この条件は受験資格コード01にあたります。大学や短期大学の卒業は、社労士試験の受験資格としてはスタンダードでしょう。

ここで対象になるのは、学校教育法に基づく大学や短期大学、専門職大学(短期含む)、5年制高等専門学校です。提出書類は、次のいずれか1点の写しがあれば問題ありません。

  • 卒業証明書
  • 修了証明書
  • 卒業証書
  • 学位記

厳密には卒業証明書や修了証明書は原本でも可能です。しかし他資格受験の申請で求められる可能性や、思い出としての保存なども想定されます。以上を考えると、コピーを取って提出する方が望ましいでしょう。

大学などの学歴をもとにした受験なら、卒業を証明する書類があれば事足ります。

大学を卒業していなくても単位数次第で受験可能

大学を卒業していない状態でも、取得単位数次第で社労士試験を受けられます。これは受験資格コード02の条件です。

この条件に当てはまるには、短期大学を除く大学で62単位以上が原則です。さらに科目が一般教養と専門教育等に分かれている場合は、前者で36単位以上取らなければなりません。なおかつ全体で48単位以上の卒業要件を満たす必要があります。

必要書類は大学における成績証明書で、写しでも可能です。大学で一定の単位をもらっていれば、中退でも社労士試験に参加できるでしょう。

旧学校令による指定学校卒業

旧学校令で定められた指定学校を卒業した場合でも、社労士試験を受けられます。これは受験資格コード03にあたる条件です。

該当する条件は、以下のとおりになります。

  • 旧高等学校令による高等学校高等科
  • 旧大学令による大学予科
  • 旧専門学校令による専門学校

受験資格証明には、相応の学校でもらった以下の書類のうち、1種類が必要です。

  • 卒業証明書や修了証明書(写しでも可)
  • 卒業証書の写し

このようなルールがある背景は、現在と昔における学校教育関連の法律の違いです。旧高等学校令や旧大学令による卒業者が、まだ存命している場合があります。しかしここで挙げられる学校は、今でいう大学や専門学校などに相当する形です。

厚生労働大臣に指定学校卒業を認めてもらう

大学や短期大学、専門学校以外の卒業でも、社労士試験参加を認められる方がいます。受験資格コード04の条件です。

厚生労働大臣が認めた特殊な学校には、 さまざまな種類があります。保健師や助産師、看護師の学校やその養成所、幼稚園や小学校などの教員養成機関が代表例です。こうした学校での卒業または修了が、受験資格コード04に当てはまります。

必要書類は以下のいずれかです。

  • 卒業または修了証明書(写しでも可能)
  • 卒業証明書の写し

ただし証明書が外国語なら、全文和訳の書類も添えなければなりません。いずれにしても特殊な学校の卒業によって、社労士試験に参加する方も想定されます。

専門学校卒業

専門学校を卒業した場合は、社労士試験の受験資格要件がやや複雑です。受験資格コードは05にあたります。この資格コードで受験できるのは、以下の条件です。

  • 修業年限が2年以上
  • 1700時間か62単位以上の専門課程修了

提出書類は以下のいずれかで、どちらも原本と写しに対応しています。

  • 高度専門士または専門士称号の証明書
  • 専修学校修了者受験資格証明書

以上のうち2つ目は試験センター様式になっています。社労士試験の公式サイトからダウンロードをして、申請者が直接書き込む形です。専修学校などを卒業した方は、修業年限や専門課程修了の有無などから、社労士試験参加の可能性を考えてください。

各種学校等卒業

大学卒業でなくても、それに相当する学力を認められれば、学歴を理由に社労士試験へ参加できます。この条件は受験資格コード14です。

条件を満たすには、全国社会保険労務士会連合会の審査を受けなければなりません。学校教育法で決まった短期大学卒業以上に準じる学力を認められる必要があります。

提出書類は以下よりひとつで、すべて写しでも可能です。

  • 卒業または修了証明書
  • 成績または単位修得証明書
  • 修業年限や授業時間、科目数、必要単位数などがあるカリキュラムなど

大学や専門学校などを卒業しなくても、それに相当する学力を認められて、社労士試験に臨む方も想定されます。

実務経験で社労士の受験資格を得られる人もいる

最終学歴が高卒以下でも、実務経験次第で社労士試験に参加できます。たとえば労働社会保険諸法令で定められた機関で、従業員として一定期間働いていれば、受験資格を得る可能性があるのです。ここでは実務経験に基づいた受験資格の取得例を見ていきましょう。

労働社会保険諸法令の規定に基づく役員や従業者

労働社会保険諸法令に当てはまる業種があります。その法人で役員または従業員として同法令にあたる実務を通算3年以上していれば、社労士試験を受けられるのです。ただし役員や従業員でも、非常勤は対象外なので気をつけてください。こちらは受験資格コード08です。

この受験資格にあたる職業は、以下が代表例になります。

  • 健康保険組合
  • 労働保険事務組合

必要書類は、実務経験証明書かその写しです。試験センター様式なので、社労士試験の公式サイトからダウンロードし、本人が直接書き込む必要があります。健康保険や労働保険事務組合で一定期間以上にわたり指定業務をしたことがあれば、この条件から社労士試験の受験申請をしてください。

公共団体の公務員等

国や地方の公共団体に勤めている方は、行政事務相当の仕事を通算3年以上していれば、社労士試験に参加できます。これは受験資格コード09の条件です。

この資格コードに当てはまる職業は、以下のとおりになります。

  • 国か地方公共団体の公務員
  • 行政執行法人の役員か職員
  • 特定地方独立行政法人の役員か職員
  • 日本郵政公社の役員か職員

また特定役員か従業員となり、社会保険諸法令の事務を通算3年以上勤めていれば、同じく受験資格コード09で申請可能です。以上の従事期間は、社会保険庁職員として行政事務を担当した期間も含まれます。対象となる機関は以下のとおりです。

  • 全国健康保険協会
  • 日本年金機構

受験資格コード09による必要書類は、実務経験証明書かそのコピーです。社労士試験の公式サイトからダウンロードできます。コード09で申請を考えている方は、まず公式サイトから指定の書類を印刷しましょう。

社会保険労務士や弁護士の補助者

社労士や弁護士のアシスタントを通算3年以上していれば、それだけで社労士試験の受験資格を得られます。受験資格コード11の条件です。

該当するのは、以下の業務補助者をしていた方になります。

  • 社労士かその法人
  • 弁護士かその法人

こちらも受験資格の証明書類として、実務経験証明書かその写しが必要です。高卒でも関連法人でアシスタントをしていれば、社労士試験が見えてきます。心当たりがある方はこちらの条件から受験申請をしましょう。

労働組合の専従役員など

労働組合役員として特定業務に通算3年以上専従していれば、社労士試験に参加できます。こちらは受験資格コード12の条件です。

専従役員とは企業との雇用関係を残しながら、組合業務に専念している人物です。この場合、本来の労働者としての職務には従事していません。労働組合では会社の従業員から役員が決まります。選ばれた人物は従業員としての籍を残したまま、組合業務に専念しているのです。

また会社その他の法人において、労務担当役員を通算3年以上勤めていた方も、受験資格コード12で社労士試験に参加できます。この場合は非法人である社団や財団も対象内です。ただしここでは、労働組合を除きます。

受験資格コード12による必要書類は、実務経験証明書かその写しです。該当する方はこの条件から社労士試験へ申請しましょう。

労働組合職員または個人事業主の従業者

労働組合の職員や個人事業主の従事者として、労働社会保険諸法令で決まった事務を通算3年以上していれば、社労士の受験資格を得られます。受験資格コードは13です。

対象となるのは以下の機関における従業者になります。

  • 労働組合
  • 法人または個人事業主

こちらも実務経験証明書かその写しが必要です。労働組合や個人事業主のアシスタントとして、労働社会保険諸法令に基づく業務をしたことがあれば、この条件から申請できるかもしれません。

特定試験合格による受験資格取得

学歴や特定実務経験がなくても、特定試験合格によって受験資格をもらえる方がいます。厚生労働大臣が認めた国家試験に加え、司法試験の予備試験などへの合格で、社労士の受験資格を得る方もいるのです。ここでは特定試験合格によって社労士試験や参加できるケースを見ていきましょう。

厚生労働大臣が認めた国家試験

厚生労働大臣が認めた国家試験に合格すれば、社労士試験に参加できます。このような国家試験は社労士以外にもさまざまです。受験資格コードとしては、06にあたります。

司法書士試験、情報処理技術者試験、中小企業診断士試験などが該当例です。必要書類としては、資格の合格証明書か合格証書の写しがあれば大丈夫です。このうち合格証明書は原本でも出せますが、不合格後の再受験の可能性も考えると写しが望ましいでしょう。

厚生労働大臣認定の国家試験リストを調べ、合格歴があるものが見つかれば、受験資格コード06での受験申請が可能です。

司法試験予備試験などの合格

司法試験には予備試験がありますが、ここに合格するだけで社労士試験に参加できます。こちらは受験資格コード07です。

このコードでは他にも、以下の試験合格者が対象になります。

  • 旧法規程による司法試験第一次
  • 旧司法試験の第一次または高等試験予備試験

受験資格を証明するには、以下の書類のうち1点が必要です。

  • 合格証明書(写しでも可能)
  • 合格証書の写し

司法試験の予備試験に受かっていれば、社労士としての予備知識が備わっている可能性があります。当てはまる方はぜひチャレンジしてみましょう。

行政書士試験の合格

行政書士試験の資格を持っていれば、社労士試験にも臨めます。受験資格コード10の条件です。

証明には以下の書類のいずれかが必要で、すべて写しでも出せます。

  • 合格証明書
  • 合格証書
  • 行政書士証票
  • 行政書士会員証

行政書士は年齢や学歴、国籍を問わず、誰でも受験可能です。資格取得によって、社労士とのダブルライセンスのチャンスまで見えてきます。当てはまる方は試してみませんか。

最終学歴別に社労士試験の受験資格を満たすポイントを紹介

社労士試験を考える方は、大卒とは限らないでしょう。高卒でも実務経験などから受験できる可能性があるからです。ここでは学歴に応じて受験資格を満たすポイントをまとめました。

大卒でなくても受験できることがある

社労士試験を受けるには大学や短期大学などを卒業してからが一般的です。しかし実際はこのような学歴がなくても、社労士試験に臨める方がいます。

大卒は社労士の全受験資格のなかでスタンダードなイメージでしょう。しかし中卒や高卒でも、実務経験や国家試験合格などで受験できる方もいます。

たとえば高卒でも特定期間の実務経験で、社労士試験の資格を得られます。行政書士のように誰でも受けられる国家試験に合格すれば、社労士試験へのチャレンジが可能です。このように社労士試験に臨めるのは、大卒とは限りません。

短大・高専・大学卒の場合

学歴だけで社労士試験の参加資格を得られるのは、4年制大学の卒業者が一般的です。しかし実際は短期大学や5年制の高等専門学校卒業によっても、社労士試験への参加資格を得られます。いずれにしても学部や学科などは問われません。

ただし学校の種類によって卒業要件が異なる点に注意しましょう。たとえば大学在学中なら卒業必須条件としての62単位以上をもらっていることが条件です。このときは学位取得に必要な一般教養科目履修完了でも問題ありません。以上の条件を満たしていれば、大学中退でも受験資格を得られます。

一方で短大や高専は卒業しない限り、受験資格を得られません。卒業を目指しながら、社労士の受験を考えましょう。

専門学校卒業の場合

専門学校卒業の場合、社労士試験に参加できるきっかけがやや複雑です。卒業時期によって受験資格の証明が異なります。

たとえば平成7年以降に専門学校卒業なら、専門士か高度専門士の学位で受験資格を証明できます。平成6年以前なら、それだけでは不十分で、以下の3つの要件も必要です。

  • 2年以上の修業年限
  • 総授業時間数1700時間か62単位以上
  • 専修学校の専門課程修了

以上から専門学校出身者は、卒業時期に合わせて要件を確かめましょう。

高卒の場合

最終学歴が高卒の場合は、実務経験か特定試験合格がないと社労士試験を受けられません。学歴要件での受験資格は大学や短期大学、専門学校などで、3年制の高校は含まれていないからです。

たとえば実務経験の場合は、特定の仕事に対する通算3年以上の従事が原則です。厚生労働大臣が認めた国家試験では、行政書士や情報技術管理者などが該当します。いずれにしても高卒以下なら、社労士試験受験のきっかけを学歴以外で見出さなければなりません。

中卒の場合

中卒は社労士試験を受けるまでが難しいでしょう。受験資格としての学歴要件に入っていないからです。

さらに中卒は実務経験の獲得も厳しいでしょう。学歴の低さによって指定機関に採用されないケースがあるからです。国家試験でも、高卒以上でないと受けられないことがあります。

以上から中卒になると、高校以上の高等教育を受けることが望ましいでしょう。

高卒でも社労士の受験資格を得られるおすすめの方法

もし社労士試験が定める学歴要件を満たしていないなら、別の方法を考えましょう。代表例が行政書士の資格取得です。さらに通信制の短期大学入学や、通算3年以上の特定従事経験の獲得も考えられます。それぞれの詳細を見ていきましょう。

行政書士の資格取得

行政書士の資格を得れば、社労士試験にもチャレンジできます。行政書士試験なら受験資格が定まっておらず、誰でも受けられます。高卒でもこの試験に合格するだけで、社労士試験にも挑めるのです。

合格率相場は、行政書士試験が社労士より高いといえます。2021年度の数字では、行政書士が11.18%なのに対し、社労士は7.9%でした。学習の習慣をつける意味でも、行政書士試験を受ける意義があります。

引用元: 最近10年間における行政書士試験結果の推移

引用元: 第53回社会保険労務士試験の合格者発表


通信制の短期大学に入学

通信制の短期大学で高等教育を受けることも選択肢です。通信制でも大卒なら、社労士を目指せます。

通信制特有のメリットにも注目してください。まずは働きながら通いやすいことです。加えて通常の大学より、学費が安いところもあります。通信制でも通学機会はありますが、そのときは大抵の開講日が土曜日や日曜日です。以上から通信制大学に通いながら、社労士受験の対策もできるでしょう。

3年間の実務経験

通算3年以上の特定実務経験もおすすめです。なるべく短期間で社労士の資格を得たい方は、こちらが選択肢になるでしょう。通信制大学に通うお金の余裕がない方にも向いています。給料を得ながら必要な実務経験を積めれば、社会的なやりがいも見出せるでしょう。

特におすすめなのが、社労士または弁護士事務所への就職です。こちらで士業者のアシスタントとして通算3年以上働けば、社労士試験に参加できます。法律の予備知識も備わるため、合理的でしょう。

社労士の受験資格に関する注意点

社労士の受験資格の確認時には、さまざまな注意点があります。たとえば実務経験で受験資格を得ようとしている場合は、自身の仕事が要件対象であるかに気をつけてください。また必要に応じて、社労士試験センターの事前確認も使いましょう。受験資格でわからない点をはっきりさせるためです。

何より申請時は、受験資格を証明する書類を忘れないでください。このような注意点を、以下で解説します。

単純実務は対象外になる

社労士試験の実務経験で対象となっている機関でも、職務によっては対象外になります。たとえば単純事務では、社労士の受験資格を満たす実務経験にあたりません。単純事務とは、自己判断をしなくてもよい業務です。給与振込や給与計算のように、誰でもできるようなことは単純事務にあたります。

一方で申請書作成のように、自己判断で業務を遂行できる立場なら、特定実務経験の対象内です。しかしこの場合でもアルバイトやパートタイマーだと、業務内容や勤務時間によって判断が分かれるでしょう。

社労士試験を見据えて実務経験を積むなら、就職先だけでなく業務内容も慎重に確かめてください。

事前確認を済ませること

社労士試験センターでは、出願資格を満たしているかを審査してくれる事前確認サービスがあります。これから社労士試験を目指しているなら、ぜひ利用しましょう。学歴や実務経験による受験資格取得は、判断が分かれることがあるからです。

特に勤務経験による出願資格は、自己判断がしづらいケースもあるでしょう。たとえば受験資格コード08の場合です。健康保険組合か労働保険事務組合で通算3年以上働いているとしましょう。この場合は本人の主な業務が、労働社会保険諸法令にあたる実務かどうかで、判断が分かれます。

受験資格に定められた指定機関に勤めているだけでは、社労士試験に参加できない場合があります。以上から受験できる可能性を知るために、社労士試験センターへの相談も考えられるのです。

事前確認は申請者本人しかできない

社労士試験の受験資格について、事前確認は出願予定の本人しかできません。代理人を社労士試験センターに向かわせても、受けつけてくれないので注意です。

事前確認自体にも申請が必要です。本人の個人情報に限らず、会社の住所なども正確に記入しなければいけません。以上から事前確認に必要な手続きや、必須申請項目などをあらかじめ確かめましょう。

審査結果の回答は電話で知らせてもらえます。通知を受けるのは平日の9時30分~12時、13時~17時30分のいずれかです。対象の時間帯において、いつでも応対できるようにしましょう。

資格を確認する方法

社労士試験ではさまざまな受験資格が決まっていますが、どれかひとつを満たせば充分です。ただし該当の受験資格によって、提出するべき書類も変わります。出願予定の受験資格に応じて、要件や提出書類を慎重に確かめましょう。

とくに実務経験による受験資格が複雑なので注意です。自身が勤務していた場所だけでなく、具体的にどのような仕事をしていたかが重要です。実務経験による受験資格では、勤務先と業務内容がワンセットになっています。以上から自身の経歴が受験資格から外れていないかを、慎重に確かめてください。

受験資格の証明書を忘れないこと

社労士試験の出願で何より大切なのは、受験資格の証明書です。資格コードに応じて、提出書類も変わります。忘れたり間違えたりしないように気をつけてください。

たとえば学歴による受験資格取得の場合、卒業か成績証明書などの写しが代表例です。実務経験をもとに試験に申し込む場合は、その経験を証明する書類が必要になります。この場合は社労士試験の公式サイトからダウンロードできるので、印刷した用紙へ必要事項を直接書き込みましょう。

いずれにしても社労士試験の受験には、受ける資格を証明する書類が欠かせません。

社労士試験には一部問題の免除資格もある

社労士試験における申請時の受験資格によっては、一部問題を免除してもらえるケースがあります。主な免除資格を挙げたうえで、申請方法を紹介するので、ぜひ確かめてください。ここでは試験免除のアドバンテージを知るうえで重要な、免除加算点も解説します。

主な免除資格

社会保険労務士オフィシャルサイトでは、主な免許資格として以下を紹介しています。

  • 国または地方の公共団体公務員として、通算10年以上にわたり労働社会保険法令で決まっている事務を経験
  • 厚生労働大臣指定団体の役員か従業者として、通算15年以上の労働社会保険法令事務を経験
  • 社会保険労務士かその法人のアシスタントとして、通算15年以上の労働保険法令事務を経験。なおかつ全国社会保険労務士連合会の免除指定講習をクリア
  • 日本年金機構の役員か従業員として、通算15年以上の社会保険諸法令の事務を経験。日本年金機構設立時に役員か職員であった人物は、社会保険庁職員として同法令事務の従事期間もカウントできる
  • 全国健康保険協会の役員か従業者として、通算15年以上の社会保険諸法令の事務を経験。全国健康保険協会設立時に役員か職員であれば、社会保険庁職員として同法令事務の従事期間もカウントできる

他にも免除資格があり、それによって受けなくてよい科目も変わります。詳しくは社労士試験公式サイトにおける「試験科目の一部免除資格者一覧」を確かめてください。当てはまる資格があれば、免除申請の準備をしましょう。

免除資格の申請方法

免除資格の申請は、本来の社労士試験の申し込みとセットで済ませましょう。受験資格と免除資格を、同一内容の実務経験で申請するときは、1部の該当証明書を出すだけで充分です。

免除申請の結果は、受験票とは別で自宅に送られてきます。申請の結果、免除を受けられなかった場合でも、受験資格があれば試験への申請自体は有効です。受験申請の取り消しや手数料の返金はできません。

以上から免除申請に失敗した場合、社労士試験ではすべての問題を解く必要があります。

免除加算点も要チェック

社労士試験で一部科目免除を受ければ、免除加算点をもらえます。算出方法は以下のとおりです。

免除科目の配点 計算方法
選択式 総合得点に対する合格基準点÷40点×免除科目の満点
択一式 総合得点に対する合格基準点÷70点×免除科目の満点

ここでの40点は選択式試験全体の満点であり、70点は択一式全体の満点です。以上に基づいて、免除加算点が該当者に割り当てられます。

社労士の受験資格から向いている人を考える

社労士の受験資格を満たしていても、仕事に対する適性がなければ苦労をするでしょう。申請を考えている受験資格から、自分が社労士に向いている可能性を考えてみませんか。受験資格から自分の強みを知れば、資格取得後のキャリアメイクに役立つからです。

ここでは社労士の受験資格をベースに、その職業に向いている人間像を解説します。

実務経験で受験資格を得た人はコツコツ仕事をこなせる可能性

社労士に向いているタイプに、コツコツ仕事をこなせる人物が挙げられます。この職業では、帳簿作成や手続き代行のような地道かつ、労力の大きな作業が待っているからです。

実務経験で受験資格を得る人は、地道な作業に慣れている可能性があります。公務員や特定組織の役員などとして勤めた経験が、社労士としても生きてくるでしょう。一定の社会経験があれば、手続き代行のような地道な作業もスムーズに進められるかもしれません。

実務経験者はコミュニケーション能力にも注目

社労士はコミュニケーション能力も重要です。労務管理や保険などをめぐり、企業にアドバイスをしたり、手続きに関する打ち合わせをしたりするからです。

実務経験でコミュニケーション能力を育てた方は、社労士としての強みになるでしょう。たとえば社労士には、労働現場のコンプライアンスを守る役目がある。コンプライアンスを守らない人がいるために、被害を受ける方が出るかもしれません。事態回避のためにも知識だけでなく、大事なことをスムーズに伝えるテクニックが重要です。

実務経験で顧客や依頼者などから信頼された方もいるでしょう。その強みは社労士の仕事にも役立ちそうです。

学歴の高い人は知識を高めるのがうまい可能性

学歴の高い方は、知識を高める能力に自信を持ってください。社労士ではさまざまな専門知識を求められるからです。社労士試験の合格後も、そこで問われなかった問題に対処すべき場面もあるでしょう。以上から資格取得後も、常に知識を仕入れることを忘れてはいけません。

以上を考えると学歴の高い人は、問題解決に強い社労士になれる可能性があります。知識を得る習慣が身についているからです。わからないことを調べたり、その場の問題に適切な対処法を見出したりするのがうまい方も考えられます。社労士として必要な法改正の知識や、社会情勢の変化にも対応できるでしょう。

学歴のある方は、社労士としても努力熱心な可能性があります。

まとめ

社労士試験にはさまざまな受験資格があります。3つの分野に分かれており、学歴や実務経験、他の資格試験合格によって試験に参加できる可能性があります。受験資格としての主流は大卒ですが、高卒や中卒でも他の条件次第で社労士試験を受けられるでしょう。

ここで大切なのは、自分が当てはまる受験資格の確認です。特に実務経験で申請する場合は、勤務先だけでなく、それまでの業務内容と従事期間まで考えなければなりません。

社労士になりたくても、受験資格が自分の状況に合わなければ、試験さえ受けられないのです。試験勉強に向けた学習の前に、自身が受験できる可能性を確かめてください。