宅建士の就職先は?資格が活かせる業界や有利になる理由まで解説
更新日:2024年11月28日
宅建(宅地建物取引士)の資格を持っていると、どんな業界に就職できるでしょうか?一番メジャーなのは不動産業界で、その他には建設業界、小売業界、保険業界などの就職が考えられます。また宅建士だけが行える独占業務があることから、一般企業への就職にも有利に働くと考えられます。ただ覚えておきたいのは、宅建の資格試験に合格してもすぐに宅建士として名乗れるわけではないということ。
宅建士として登録申請を行い、宅地建物取引証の交付を受ける必要があります。また、独立開業という選択肢もあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、それらを理解して就職または独立開業について考えるといいでしょう。
- 宅建の資格を持っていると、不動産業界のほか、さまざまな業界での就職の可能性が広がります。
- 宅建を持つ方にとって、最も人気でメジャーな就職先は不動産業界です。
- 宅建の資格は、不動産業界以外への就職にも有利に働くと考えられます。
- 宅建の資格試験に合格してもすぐに宅建士として名乗れるわけではありません。
- 宅建の資格を取ったら、独立して開業するという選択肢も出てきます。
フォーサイト窪田義幸のご紹介
″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします。そのために全力で指導します。
宅建に合格すると人生が変わります。合格まで一緒に頑張りましょう!
宅建の資格が活かせる就職先とは?
宅建の資格を持っていると、どんなところに就職できるでしょうか?宅建の資格を持っていると、不動産業界のほか、さまざまな業界での可能性が広がります。
①不動産業界
宅建の有資格者が活躍できる一番の業界は、不動産業界です。不動産業界の企業は、常勤従業員のうち、5人に1人以上は宅建士でなければならないからです。もしその企業で、宅建を持っている従業員が退職したり異動したりしたら、新たに宅建の資格を持っている人を補充する必要があります。
そのような事情があることから、不動産企業はできるだけ多く宅建士を雇っておきたいもの。つまり、それだけ宅建の資格を持っている人の需要があるのです。
②金融業界
不動産業界以外でも宅建の資格を持っていると活躍できる場があります。その一つが、金融業界です。銀行などの金融企業では、住宅ローンの取扱いを行い、その不動産を担保にして融資を行うことが多くあります。そのため、不動産に関する専門知識を持った人物が求められるのです。
宅建士は不動産のスペシャリストであり、不動産を担保にした融資などを行う場面で活躍できるもの。最近では、金融業界の求人広告でも宅建士の資格保持者を歓迎するケースが増えています。
③建設業界
建設業界でも宅建士の活躍の場が広がっています。特に大手建設会社では、自社で建築を行い、物権が完成した後は販売事業も行うことがあります。マンションの販売を行うには宅建業の免許が必要となるため、宅建を持っている人物が優遇されやすいのです。
建設会社がマンションの建設から販売までを一貫して行いたいときに、宅建士が持つ不動産の知識が役立つことになります。
④小売業
少し意外に感じられるかもしれませんが、小売業でも宅建の資格を持っている人が活躍できる業界です。それは、小売業がいいビジネスを行っていくためには、店舗の立地や物件の条件がとっても重要だから。人通りが多い場所に店舗を構えて、さらに物件の賃貸条件などがよければ、賃料をおさえながら売上をのばしやすくなります。そこで、宅建士の資格を持った人物が小売業でも重宝されるのです。
⑤保険業界
保険業界でも宅建士の知識が有効です。保険には損害保険と生命保険があり、損害保険は火災保険や地震保険など、どちらも不動産を対象とするもの。そのため、宅建士のように不動産の知識を持っていると活躍の場が広がるのです。
また生命保険に関する仕事であっても、最近は保険の販売だけではなく、住宅ローンに関するものや不動産投資についてなど、フィナンシャルプランナーとしての役割を求められることも増えています。そのため、宅建士の資格を持っていると、その知識を有効に活かせるのです。
⑥独立開業
宅建の資格を持っていれば、独立開業という夢も実現できます。自分で事務所を構えて、自分が社長として経営することができます。ただし、宅建士として独立開業して事務所を開設するためには、宅建の資格のほかに、宅地建物取引業免許を取得しなければなりません。宅地建物取引業免許の申請手続きには、事務所の開設が必須で、自宅の一部を事務所としても問題はありません。
ただ独立開業には、数百万円程度の費用がかかると言われており、さらに軌道に乗るまでは仕事が思うように来ないことも考えらえます。そのようなリスクがあることを理解しておきましょう。
宅建を取得した女性におすすめの就職先
女性が宅建資格を取得することで、さまざまな職種における活躍の場が広がります。代表的な職種として、宅建士は不動産取引の専門知識を活かし、契約や重要事項説明を担当できます。
また、宅建事務は契約書作成や物件管理などの業務を通じて、事務スキルを活かせる点が魅力です。 不動産営業では、顧客とのコミュニケーション力を発揮しながら、柔軟な働き方ができる企業も多く、女性にも適した職種といえるでしょう。
さらに、宅建の知識を活かして働けるローンアドバイザーの仕事では、宅建知識にプラスして金融分野のスキルを身につけることができます。
これらの職種において、女性ならではの多様なスキルや視点を活かしながら不動産業界で活躍できるでしょう。
関連記事:
女性は宅建士の仕事に向いている理由や平均年収についてはこちら
不動産業界への就職は宅建が必須?
宅建を持つことで活躍できる業界についてご紹介しましたが、最も人気でメジャーな就職先はやはり不動産業界です。不動産企業は、常勤従業員のうち5人に1人は宅建士でなければならないという規定があることをご紹介しました。
それは、宅建士には3つの独占業務が規定されているから。その独占業務は「契約締結前の重要事項の説明」「重要事項説明書面への記名押印」「契約内容書面への記名押印」です。
不動産は高額になる物件であることから、不正が起きないように契約や取り引きを進めなければなりません。そこで、宅建の資格を持った人物が、重要事項説明書の内容をきちんと説明して、契約者が理解した上で取り引きをすすめることが義務付けられているのです。
ただ、同じ不動産企業であっても、部署によっては宅建士の資格が必ずしも必要とはなりません。例えば、営業職なら重要事項説明という仕事はありますが、契約を取るまでは営業スキルの方が重要視されるでしょう。そのため、入社してから宅建の資格を取る人もいます。
ただ、時間が十分にある学生時代のうちに宅建を取得しておくと、不動産業界への就職や転職で有利になるでしょう。
未経験でも宅建を取得したら就職できる?
宅建試験は、実務経験の有無に関係なく、誰でも受験することが可能です。
また、試験合格後に宅建士として働くためには、「資格登録」と「宅地建物取引士証」の交付が必要です。 資格登録には実務経験が求められますが、未経験の場合でも「登録実務講習」を受講することで実務経験とみなされ、宅建士として登録ができます。
宅建資格は不動産業界での就職活動において有利に働くケースが多く、特に未経験者にとっては専門知識とスキルを証明する手段となり、採用担当者からの信頼を得やすくなります。
このように、未経験でも宅建を取得することで不動産業界でのキャリアを広げられるでしょう。
宅建の資格は一般企業にも有利?
宅建の資格は、不動産業界以外への就職にも有利に働くと考えられます。それは、宅建士は宅建士だけが行える独占業務があることが理由。重要事項の説明といったことは、宅建士の資格を持った人にだけ独占的に認められた業務です。
また、不動産に関する知識を持っていることは、小売業や飲食業、建設業など、さまざまな業界でも役立つと考えられます。宅建の資格試験には、民法や税法なども出題されることから、宅建の有資格者はそのような法律についても一定の知識があると考えられます。
それに宅建は合格率が低い難関の資格であることから、そんな資格を持っているということは、それだけ勉強熱心で目標達成に向けて頑張っていける人と評価されることも期待できるでしょう。
関連記事:
宅建の試験概要や仕事内容についてはこちら
宅建士の仕事が向いている人は?
不動産に興味がある人
宅建士の仕事は、不動産を取り扱うのが基本。だから、住宅のことや建物、ビルなどのことに興味がある人に向いています。普段から「家探しが好きで、よく間取り図を見ている」「不動産広告を見るのが好き」といった方は、ぜひ不動産業界で働きたいと思うでしょう。
そして不動産業界で活躍するのなら宅建の資格は取っておいた方が断然有利です。リフォームやリノベーションなどに興味がある方ももちろん、宅建士の仕事がおすすめです。
慎重かつ冷静に仕事が進められる人
宅建士が関わる不動産は、とても高額なもの。数百万円から数千万円、もっと高ければ億単位の物件も扱います。そのため、宅建士としての仕事は大きな責任がかかってきます。
万が一、契約書類に不備があってはいけませんし、きちんと任された仕事をこなして、金額に動じることなく冷静に仕事をこなせなければなりません。そのため、慎重かつ冷静に仕事を進められる能力が求められます。
人と積極的にコミュニケーション取れる人
宅建士として働く場合、重要事項の説明だけを行うわけではありません。不動産業界なら、家探しを行っている人に最適な物件を案内したり、実地調査に動向したりすることもあり得ます。
そのような場面で大切なのが、お客さんにわかりやすく説明したり、お客さんが言っていることに耳を傾けて意図を把握したり、コミュニケーションを円滑に進められる力です。コミュニケーション能力は業界や業種を問わず幅広い仕事で求められるスキルですが、宅建士にとっても必要な能力です。
向上心がある人
宅建士として不動産業界で仕事するなら、営業として働くケースが多いかもしれません。そんな営業職では、売上目標が設定されて、その目標達成に向かって仕事することが求められます。
目標に到達できるように日々の業務に頑張って取り組み、常に向上心がある人は、さらに不動産業界で活躍の場を広げられるかもしれません。
宅建士として就職するまでの流れ
宅建士として就職するとき、宅建の資格試験に合格してもすぐに宅建士として名乗れるわけではありません。まず宅建の資格に合格したら、宅建士として登録申請を行い、宅地建物取引証の交付を受ける必要があります。
資格登録申請に必要なもの
- 登録申請書
- 誓約書
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
- 住民票
- 合格証書(コピー)
- 顔写真
- 登録資格があることを証明する書類
これらの書類に加えて、資格登録手数料(37,000円)がかかります。また宅建士としての実務経験が2年未満の場合は、宅建士登録実務講習を受ける必要があり、20,000円ほどの受講費用がかかります。
宅地建物取引士証の交付に必要なもの
- 宅地取引士証交付申請書
- 都道府県からの登録完了通知
- 顔写真
宅地建物取引証の申請手数料は4,500円です。ただし、宅建試験合格から1年以上が経過している場合は、法定講習を受ける必要があり受講費用として12,000円がかかります。
宅地建物取引士証を受けたら、その後は5年に1度の更新を行わなければなりません。更新時には法定講習を受けて、講習受講費用12,000円と交付手数料4,500円がかかります。更新を行わないと期限で満了となり、免許は自動的に失効してしまうため注意が必要です。
宅建資格を就職活動で活かすコツは?
宅建の資格に合格したら、その資格を持っていることをぜひ就職活動や転職活動でアピールしたいもの。では具体的にどんな風に宅建についてアピールしたらいいでしょうか?
宅建の資格取得に至るまでの動機を伝える
まず自己PRの中で、なぜ宅建の資格を取得しようと思ったのか、その動機について盛り込みましょう。宅建を取得していることよりも、なぜ宅建の取得に興味を持ったのか、取得の過程を伝えることが重要です。
どんな目的で、どんな考えで宅建の資格取得を目指したのかしっかり伝えることができれば、応募先の企業との考え方の合致もしやすく、さらに目的に対する向上心といった部分も評価されやすくなるでしょう。
宅建の資格取得のために行ったことを伝える
動機の次は、資格取得のために行ってきた具体的なことも伝えるように心がけましょう。宅建の合格に向けて1年間の勉強スケジュールを立てたことや、勉強時間をどのように捻出して効率的に勉強してきたかといったことを伝えれば、そのための努力した姿勢を評価してもらえるでしょう。
また苦手分野を克服できたのなら、そのための対策や方法も盛り込むといいでしょう。そのような取り組みについて具体的に伝えることで、目標達成に向けた計画力や目標を達成する力について、きっと評価されるはずです。
宅建の資格を生かして今後どうしたいかを伝える
最後は、取得した宅建の資格をどのように活かしていきたいかを伝えましょう。どんな業界のどんな仕事に就いて、宅建士としての能力を活かしていきたいのか、将来のビジョンについて明らかにするといいでしょう。
応募する企業でしかできないことがあれば、それも伝えて、自分の宅建のスキルと掛け合わせて実現していける旨をぜひアピールしましょう。
宅建で独立して開業したい場合は?
宅建の資格を取ったら、独立して開業するという選択肢も出てきます。独立開業するメリットは、企業に所属する会社員ではなくなるため、自分のペースで自分の好きなやり方で自由に仕事できることです。
働く時間も、働く場所も自分で自由に決められるから、子育てや介護などと仕事を両立しやすく、ライフワークバランスが取りやすいといえます。また独立開業して成功できれば、会社員として働くよりも大きな収入を得られる可能性があります。
一方で、宅建士として独立開業しても失敗するケースもあります。それは、特に開業直後は仕事が少なく、安定的に収入を得られない可能性が高いことが考えられます。
さらに事務所を賃貸すれば家賃がかかり、赤字になるかもしれません。自分で営業して仕事を取ってくるということがいかに大変なことか、きっと実感できるでしょう。不動産は扱う金額が大きい分だけ、個人の宅建士よりも大手の不動産会社に依頼されやすいものです。
宅建士としての実績を着実に積み上げていくことで、信頼が増していくため、開業したばかりの頃は特に仕事を得るのに苦労する可能性があることを覚えておきましょう。
関連記事:
独立ができる資格の開業手順と初期資金についてはこちら/a>
宅建試験に合格するためのポイント
宅建士としての就職先についてご紹介してきましたが、まずは宅建の資格試験に合格しなければ話は始まりません。宅建士の資格合格に必要な勉強時間は200~500時間と言われています。勉強するときのポイントとしては、自分に合ったテキストを使って勉強すること。
宅建は人気の資格のため、市販されている参考書も数多くあります。その中から、自分にあったテキストを選んで勉強していくことが大事です。また、宅建試験には法律の知識も欠かせないもので、法律については暗記を中心に考えがちです。しかし、覚えた知識を定着させるには、暗記するインプットのほかに、問題集などを解いてアウトプットさせることも必要です。ぜひインプットとアウトプットをバランスよく取り入れましょう。
さらに、宅建試験の合格ラインは70%程度です。満点を狙うのではなく合格ラインを確実に超えられるように意識して勉強するといいでしょう。
関連記事:
宅建の合格率や難易度についてはこちら
宅建の勉強方法についてはこちら
宅建の最短合格なら通信講座がベスト
宅建は独学でも合格を目指せる資格ですが、おすすめは通信講座の利用です。合格するために効率的に作られた教材が用意されているので、独学で勉強するよりも、ずっと効率よく勉強しやすくなります。
また、通信講座なら自分のペースで効率的に学習できることも魅力。
時間や場所を選ばず、利用可能な瞬間を学習に充てることができます。仕事しながら、家事をしながらでも、宅建の合格を目指していけるでしょう。
そして、通信講座は経済的にもとってもお得。
スクールに通う場合は授業料が必要ですし交通費だってかかりますが、通信講座では受講料が割安に設定されています。
さらに、サポート体制があるから、わからないところが出てきてもすぐに正しい答えを得ることができます。
限られた時間で確実に合格に近づくなら、通信講座の利用を考えてみましょう。
フォーサイトの宅建通信講座の特徴
通信講座で宅建の合格を目指すなら、「フォーサイト」がおすすめです。
フォーサイトでは、たったの3ヶ月で宅建士試験に合格した方もいます。
その秘密は、合格を最優先に考えた教材開発を行っているから。試験内容を十分に網羅して、フルカラーで重要な情報は色分けされ、理解を促進する多くのイラストもあるフォーサイトのテキストは、利用者の満足度が90%以上。わかりやすく要点がまとめられているから、試験に頻出する分野を効率よくポイントをおさえて勉強できるのです。
また、万が一不合格だった場合は受講費用が全額返金されることも、フォーサイトの特徴。
それだけ合格に自信がある証拠であるのと、経済的な負担についてもストレスを感じにくくなるはずです。
1分で完了!
宅建の資格を取得して憧れの業界に就職しよう
宅建の資格を持っていると、不動産業界をはじめ、金融業界、建設業界、小売業界などさまざまな業界で活躍できます。また宅建を取得したことで、資格取得に向かって計画的に物事を進められる力を評価され、一般企業への就職活動でも有利に働くことも考えられます。
さまざまな分野で活躍の場を広げたり、キャリアアップにつながったりする宅建。ぜひ合格を目指していきませんか?
窪田義幸(くぼた よしゆき)
″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
●フォーサイト公式Youtubeチャンネル「くぼたっけん」
●フォーサイト講師ブログ