相続人・相続分とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説
更新日:2019年7月30日
相続人とは
相続人とは、被相続人の死亡を原因として、被相続人の財産や負債を受け継ぐ権利を持った人のことを言います。民法で定められた相続人を法定相続人と言います。
相続人の範囲
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配偶者
一方の配偶者(夫もしくは妻)がいれば常に相続人となります。
・このとき内縁の妻は含まれません。
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子ども
次に子どもが相続人となります。
・このとき養子・胎児・非摘出児も含まれます。
・子どもが死んでいた場合、その子ども(孫)が相続人となります。
これを代襲相続と言います。代襲相続は、子どもが相続放棄をしたときには生じません。
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直系尊属
子どもがいないときは、直系尊属(親・祖父母)が相続人となります。
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兄弟姉妹
子ども・直系尊属がいないときは、兄弟姉妹が相続人となります。
被相続人と相続人のどちらが先に死亡したかわからない時は、同時に死亡したものとされ、相続の問題は生じません。
これを同時死亡の推定と言います。
相続人の順位
相続人の順位は下の図のとおりとなります。
相続分とは
相続分とは、複数の相続人がいる場合に相続人がもらうことのできる財産の割合を言います。
相続分には法定相続分と、指定相続分があります。
法定相続分
民法で定められた相続分を、法定相続分と言います。
法定相続分は以下の通りです。
同順位に複数の相続人がいる場合は、その頭数で除して均等に分けます。
相続人が配偶者のみの場合
配偶者が全て相続します。
相続人が配偶者と子どもの場合
配偶者:1/2 子ども:1/2 となります。
相続人が配偶者と直系尊属の場合
配偶者:2/3 直系尊属:1/3となります。
相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合
配偶者:3/4 兄弟姉妹:1/4となります。
指定相続分
被相続人が遺言で指定した相続分を指定相続分と言います。
指定相続分がある場合は、法定相続分より優先されます。
相続人・相続分に関するよくある質問
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「Xは6,000万円相当の土地及び建物を遺産として残して死亡した。Xには妻Aがあり、Aとの間に子B・Cがいる。そして、Bにはその妻との間に子Dがいるが、Bは相続放棄している。またXには非嫡出子Eがいる。この場合、民法の規定に基づく法定相続分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか?」という問題で、子供CとEが相続するにあたり、Eは片親が違う兄弟なのに、相続分が同じなのはなぜですか?
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半血兄弟の法定相続分は、全血兄弟の1/2になります。(これは、被相続人(故人)に子供や配偶者そして両親や祖父母などの相続人がおらず、被相続人の兄弟姉妹だけが相続人になる場合です。)この問題の場合、被相続人の兄弟姉妹以外にも相続人がいますので、1/2とはなりません。
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義父は、直系尊属にならないみたいですが、義父も直系尊属と同様の相続権があるんでしょうか?
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相続は「血縁関係のある親族」又は「配偶者」に限定されています。義父は「血縁関係のある親族」とは認定されないため、相続人にはなれません。
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配偶者と兄弟姉妹の場合と直系尊属と兄弟姉妹の場合を別と考え、直系尊属と兄弟姉妹のみが出てきた時は、財産分与は直系尊属が全部と覚えておけばよろしいでしょうか?
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第2順位の直系尊属が存在すると第3順位の兄弟姉妹は相続人になりません。第2順位で確定することになります。たとえば、同様に配偶者と子どもが相続人となるパターンでも、配偶者がいなければ子どもだけで分けることになります。
窪田義幸(くぼた よしゆき)
″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
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