不動産鑑定評価基準とは？｜わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

正常価格

正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格を言います。<figure class="image"><img style="aspect-ratio:700/400;" src="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/real-estate-appraisal-standard/main2-1738812188349-903417908.jpg" alt="不動産鑑定評価基準とは？" srcset="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/thumbnail_main2-1738812188338-479648321.jpg 245w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/small_main2-1738812188338-916084543.jpg 500w," sizes="100vw" width="700" height="400"></figure>

鑑定評価方式

では、ここで不動産鑑定評価基準の詳しい解説をしていきたいと思います。不動産鑑定評価の手法には、次の３つがあります。<ul style="list-style-type:disc;"><li>原価法</li><li>取引事例比較法</li><li>収益還元法</li></ul>覚え方は、以下の図を参考にしてください。

原価法

<figure class="image"><img style="aspect-ratio:700/160;" src="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/real-estate-appraisal-standard/main3-1738812188351-498601247.jpg" alt="不動産鑑定評価基準とは？" srcset="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/thumbnail_main3-1738812188344-246569431.jpg 245w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/small_main3-1738812188344-539105065.jpg 500w," sizes="100vw" width="700" height="160"></figure><ol style="list-style-type:decimal;"><li>再調達原価とは価格時点において、その不動産を新たに造ったら、いくらかかるかという価格です。造成地等の再調達原価は、実際にいくら費用を費やしたかではなく、造成業者の適正な利益を加えた、標準的な建設費によります。</li><li>減価修正とは、傷んだり古くなったりした分の価格です。更地の鑑定評価の場合にも減価修正しなければならない場合があります。例）土壌汚染</li><li>適用… (a)建物・造成地・埋立地等の鑑定評価に用いられる。 (b)既成市街地の土地には、適用困難。→再調達原価を求めることができないため</li><li>この手法による試算価格を積算価格といいます。</li></ol>

取引事例比較法

鑑定評価の対象不動産に類似している不動産の取引事例を多数集めて、これらの取引事例を評価対象不動産と比べて、試算価格を求める方式です。<figure class="image"><img style="aspect-ratio:700/215;" src="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/real-estate-appraisal-standard/main4-1738812188352-666977191.jpg" alt="不動産鑑定評価基準とは？" srcset="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/thumbnail_main4-1738812188346-493490139.jpg 245w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/small_main4-1738812188346-587806464.jpg 500w," sizes="100vw" width="700" height="215"></figure><ol style="list-style-type:decimal;"><li>収集する取引の事例 a.<a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="https://www.foresight.jp/takken/column/speculative-transaction/">投機的取引</a>であると認められる事例など、適性を欠くものを適用してはいけません。b.評価対象不動産の近くにあり（近隣地域）、あるいは離れていても、近隣地域と類似した特性を持っている地域にあることc.土地の形状や日照等、個々の土地の条件（個別的要因）の比較が可能なことd.取引事情が特殊ではないこと。例）転勤のために売り急いだ場合など ただし、その特殊な事情を直すことができれば採用しても良いとされています。（事情補正）e.できるだけ新しい事例であること。ただし、多少古くても、取引時から価格時点までの価格変動を修正できるのであれば、採用して良いとされています。（時点修正）</li><li>事情補正について a.減額補正………………営業上の場所的制限等特殊な使用方法を前提として土地が取引されたときに適用されます。取引価格に売買代金の割賦払いによる金利相当額、離作料などの土地の評価以外のものが含まれて取引されたときに適用されます。b.減額補正…………………相続・転勤等により売り急いで土地が取引されたときに適用されます。c.減額又は増額補正……知人・親戚間等人的関係による恩恵的な土地の取引がなされたときに適用されます。</li><li>適用……………………不動産取引のきわめて乏しい地域における不動産、取引されることのきわめて少ない不動産（神社・仏閣等）、公共公益の不動産（学校・公園等）のような特殊なものについては適用が困難。 この手法による試算価格を比準価格といいます。 &nbsp;<figure class="image"><img style="aspect-ratio:700/400;" src="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/real-estate-appraisal-standard/main5-1738812188357-200163590.jpg" alt="不動産鑑定評価基準とは？" srcset="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/thumbnail_main5-1738812188353-731916837.jpg 245w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/small_main5-1738812188354-212139744.jpg 500w," sizes="100vw" width="700" height="400"></figure></li></ol>

収益還元法

鑑定評価の対象不動産を賃貸した場合、いくら賃料が取れるかを求め、そこから逆算して、これだけの賃料が取れるなら、その不動産の価格はこれぐらいであろうというようにして、評価対象不動産額の試算価格を求める手法による試算価格を収益価格と言います。<figure class="image"><img style="aspect-ratio:700/194;" src="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/real-estate-appraisal-standard/main6-1738812188463-789754448.jpg" alt="不動産鑑定評価基準とは？" srcset="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/thumbnail_main6-1738812188429-637635858.jpg 245w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/small_main6-1738812188429-939368620.jpg 500w," sizes="100vw" width="700" height="194"></figure>収益は不動産の経済価値の本質を形成するものであるから、学校・公園等のような公共公益目的に供されている非収益目的の不動産以外のもの全てに、この手法が活用されなければなりません。つまり、自用の不動産と言えども、賃貸を想定することにより、この手法が適用されるべきなのです。

3方式の関係

<ol style="list-style-type:decimal;"><li>鑑定評価の手法の適用に当たっては、複数の鑑定評価の手法を適用すべきとされています。</li><li>対象不動産の種類、所在地の実情、資料の信頼性などにより複数の鑑定評価の手法の適用が困難な場合においてもその考え方をできるだけ参酌するように努めるべきとされています。</li><li>市場における土地の取引価格の上昇が著しいときは、収益還元法を積極的に活用すべきとされています。</li></ol>

不動産の価格には、不動産自体の個性や取引当事者間の個別的事情が強く反映するため、一般の商品と異なり、適正な価格が求めづらいものとなります。そこで、不動産を鑑定し、適正な金額を求めるための基準が必要となり、それを不動産鑑定評価基準と呼びます。不動産鑑定評価基準は、地価公示法と交互に隔年で出題される論点ですので、是非押さえておきたいポイントです。

不動産鑑定評価基準とは

不動産の価格はその不動産の効用が最高度に発揮される可能性に富む使用（＝最有効使用）を前提として設定されています。最有効使用とは、実際の環境・状況・社会情勢の下、客観的に見て、良識と通常の使用能力を持つ人による 合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものとされています。<figure class="image"><img style="aspect-ratio:700/400;" src="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/real-estate-appraisal-standard/main7-1738812188475-936519298.jpg" alt="不動産鑑定評価基準とは？" srcset="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/thumbnail_main7-1738812188465-343133742.jpg 245w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/small_main7-1738812188465-951533488.jpg 500w," sizes="100vw" width="700" height="400"></figure>

最有効使用の原則

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窪田義幸（くぼた よしゆき）

″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします【出身】愛知県&nbsp; 【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。&nbsp; 【趣味】神社仏閣巡り&nbsp; 【受験歴】1999年宅建試験受験、合格&nbsp; 【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート&nbsp; 【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)&nbsp; 【座右の銘】雨垂れ石を穿つ

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