帰責事由とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

帰責事由とは?
帰責事由とは、「責めに帰すべき事由」という字の通り、責められるべき理由や落ち度、過失のことを言います。英語では、「cause attributable to someone」と表記します。
「cause」とは、「~の原因となる」という意味です。「attributable to」とは、「~に起因する」という意味です。「someone」は「誰か」という意味です。
帰責事由 事例別にみる危険負担
危険負担とは、例えば不動産屋さんと谷さんが家の売買契約をした場合、どちらか一方の落ち度により、家が無くなってしまった場合、もう片方の債務はどうなるのかという問題を指します。
契約成立前
契約無効となります。
契約成立後
①不動産屋さん(債務者)の責めに帰すべき事由による場合
債務不履行に基づく損害賠償・解除
②谷さん(債権者)の責めに帰すべき事由による場合
谷さん(債権者)が危険を負担
③両者の責めに帰すべき事由による場合
谷さん(債権者)が危険を負担
※ただし、停止条件付の契約においては、条件の成否が未定の間に目的物が全部滅失した場合には、例外的に売主が危険を負担します。

債務不履行の損害賠償要件事実
債務不履行に対して債権者が取ることができる手段は、次の3つがあります。
- 強制執行を申し立てる
- 損害賠償を請求する
- 契約を解除する
「3.契約を解除する」については、民法の改正が行われ、債務者の帰責事由が不要となりました。では、宅建に出題される可能性のある「2.損害賠償を請求する」についての要件事実をみていきましょう。
- 債務が有効に成立していて、弁済期にあるにも関わらず、債務の本旨に従った給付をしないこと
- それが債務者の責に帰すべき事由(故意・過失・または信義則上これと同視すべき事由)によること
- 損害が発生していること
以上の3つの要件事実が必要となります。その中でも「1.債務が有効に成立していて、弁済期にあるにも関わらず、債務の本旨にしたがった給付をしないこと」の具体的内容をみていきましょう。
履行遅滞
履行が遅れることを言います。履行遅滞の場合、いつから遅れたと判断するのかが重要です。
確定期限債務の場合
期限到来時=8/12から履行遅滞となります。
不確定期限債務
期限到来を知ったとき=父の死亡を知ったときから履行遅滞となります。
期限の定めのない債務
請求されたとき=貸した側が「返して」と言ってきたときから履行遅滞となります。

表見代理の帰責事由について、「100万円の範囲で頼んだのに、200万円も使ってしまった」場合の「代理権の範囲を超えた場合」が該当します。
これは、このような行為をする代理人を選んだ本人が悪いと考え、本人に帰責事由があるとされます。
引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合、買主は、履行の追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約の解除をすることができます。改正前の瑕疵担保責任と異なり、買主が不適合を知っていたかどうか(善意・悪意)は要件ではありません。ただし、その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、追完請求・代金減額請求をすることができません。また、損害賠償は、売主に帰責事由がないときは請求できません。
この場合、代理権が消滅します。はじめから成年被後見人になることが予想されるような人を代理人に選任すれば本人に帰責事由が認められますが、そうでない場合、表見代理は成立しません。
