宅地造成法等規制法とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

宅地造成法等規制法とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

宅地造成法等規制法とは
目次

宅地造成法等規制法とは

法令上の制限の学習対象は、宅地造成等規制法の他に・国土利用計画法・農地法・土地区画整理法など土地および建物の利用・取引に対する様々な制限に関する法令の実務的な知識です。

それでは、宅地造成等規制法を詳しくみていきましょう。

  1. まず、崖崩れや土砂の流出が生じやすい区域を規制区域と定め→規制区域の指定
  2. その区域内での宅地造成について→宅地造成の意義
  3. 許可制を採用しました。→許可の手続
  4. そして、許可の手続きを守らなかった者に対しては監督処分をするものとしました。→監督処分
  5. また許可を要しない工事等についても、安全への配慮から一定の場合届出を義務付け、これによって崖崩れ等が生じる恐れがないか十分に監視しうるようにしました。→規制区域内における工事等の届出制
  6. そして、さらに許可を受けた工事といえども、時の経過により災害発生の危険が生じる場合があります。 また、いくら届出をさせても、危険を生じた場合に何もしえないのでは届出をすること自体無意味になってしまいます。 そこで宅地の保全・改善命令をしうるものとしました。→宅地の保全義務・勧告・改善命令
宅地造成法等規制法とは

規制区域の指定

どんな場所を指定するのか?

宅地造成に伴い、災害が生ずる恐れが大きい市街地または市街地となろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事について規制を行う必要がある場所が指定されます。どんな場所でも指定できるわけではありません。

誰が指定するのか?

都道府県知事が指定します。

どのように指定がなされるのか?

  1. 都道府県知事は関係市町村(特別区の長を含む)の意見を聴いて指定します。
  2. 都道府県知事は、指定の際、その区域を公示するとともに、その旨を関係市町村長に通知しなければなりません。
  3. 指定は都道府県知事が公示することによってその効力を生じます。
どのように指定がなされるのか?

宅地造成の意義

  1. 宅地にするための土地の形質変更であることが必要です。

    つまり、宅地以外の土地から宅地や、宅地から宅地にするためのものを言います。

  2. 宅地造成の意義

  3. 宅地とは農地・採草放牧地・森林・公共施設(道路・公園・河川等)の用地以外の土地を言います。
  4. 下のいずれかの要件に該当する行為であることが必要です。

    a.切土…2mを超える崖を生じるもの

    切土

    b.盛土…1mを超える崖を生じるもの

    盛土

    c.切土と盛土…盛土が1m以下で、あわせて2mを超える崖を生じるもの

    切土と盛土

    d.上記以外で切土または盛土の面積が500m2を超えるもの

切土盛土の語呂合わせ

「にぎりを2丁、大盛1丁、もりきり2丁で500円ちょうだいします。」

に切を2超………………………切土 2m超の崖

大盛 1超………………………盛土 1m超の崖

盛切 2超で……………………盛切 2m超の崖

500円超だいします……………盛切面積が500m2

切土盛土の語呂合わせ

許可の手続き

切土盛土の語呂合わせ

変更の許可

宅地造成工事の許可を受けた者が、工事の計画を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければなりません。なお、軽微な変更については、遅滞なく都道府県知事に届けなければなりません。

許可不要

都市計画法の開発許可を受ければ、許可は不要となります。

造成主の読み方

ここで、造成主の読み方についておさらいしましょう。 これは、「ぞうせいしゅ」ではなく、「ぞうせいぬし」と読みます。 紛らわしいので、間違わないよう注意しましょう。

造成宅地防災区域

宅地造成工事規制区域に指定されていない土地で、必要があると認められた場合、造成宅地防災区域に指定されます。

造成宅地防災区域とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

規制区域内における工事等の届出制

許可制を補完する目的で届出制があります。擁壁が必要な基準や、届出期間はいつを起算点とするのかなど詳しくみていきましょう。

届出を要する場合 誰に届けるのか 届出期間
1.宅地造成工事規制区域指定の際、すでに工事中である場合 都道府県知事(指定都市または中核市の場合、その長) 指定があった日から21日以内
2.許可不要の工事で、高さ2mを超える擁壁または排水施設に関する工事 工事に着手する日の14日前まで
3.宅地以外の土地を宅地に転用した場合
※この場合、許可を要する場合は除きます。
転用した日から14日以内

監督処分

監督処分を行うには、予め聴聞が必要です。

監督処分

宅地の保全義務・勧告・改善命令

宅地の保全義務・勧告・改善命令

宅地造成等規制法に関する過去問

問題

宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。
  1. 宅地造成工事規制区域内において、宅地を宅地以外の土地にするために行われる切土であって、当該切土をする土地の面積が600m2で、かつ、高さ3mの崖を生ずることとなるものに関する工事については、都道府県知事の許可は必要ない。
  2. 都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができる。
  3. 土地の占有者又は所有者は、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、宅地造成工事規制区域の指定のために当該土地に立ち入って測量又は調査を行う場合、正当な理由がない限り、立入りを拒み、又は妨げてはならない。
  4. 宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の許可を受けた者は、国土交通省令で定める軽微な変更を除き、当該工事の計画を変更しようとするときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

解説

  1. 正 宅地を宅地以外の土地にするために行われる切土は宅地造成に該当しませんので、都道府県知事の許可は必要ありません(宅地造成等規制法第2条第2号)。
  2. 正 都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができます(同法第14条第1項)。
  3. 正 土地の占有者または所有者は、都道府県知事またはその命じた者もしくは委任した者が、宅地造成工事規制区域の指定のために当該土地に立ち入って測量または調査を行う場合、正当な理由がない限り、立入りを拒み、または妨げてはなりません(同法第4条第1項、第4条第5項)。
  4. 正 宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の許可を受けた者は、工事の計画を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければなりません。なお、国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません。

宅地造成等規制法に関するよくある質問

「宅地造成工事規制区域」と「造成宅地防災区域」とで、似たような用語で紛らわしく、違いがわかりません。 

試験対策上は、

①宅地造成工事規制区域は、造成宅地防災区域に指定できない

(⇒②宅地造成工事規制区域外は、造成宅地防災区域に指定できる)

③造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域に指定できない

(⇒④造成宅地防災区域外は、宅地造成工事規制区域に指定できる)

と考えれば、問題は解けます。

問題文の「区域以外」「区域内の土地以外」などは、受験生の迷いを誘う表現になっています。 こうした表現に惑わされないようにしましょう。

宅地の保全勧告について質問です。

保全義務、保全勧告、改善命令について、適用を受けるものは、宅地造成工事紀世区域内の宅地の所有者、管理者、占有者でよろしいでしょうか。保全命令のみ、造成主又は工事施工者も適用を受けるのでしょうか。

  • 保全義務・・・所有者、管理者、占有者
  • 保全勧告・・・所有者、管理者、占有者、造成主、工事施行者
  • 改善命令・・・所有者、管理者、占有者
  • 改良等の工事・・・所有者、管理者、占有者など

許可を受けた場合を除き工事に着手する14日前までに届け出をするというのは、この施工主は許可を受けずにいきなり排水施設の工事をすることを決めて届け出るということですか?

擁壁、排水施設の除去工事を行おうとする者は、工事着手の14日前までに届出が必要とされています。

問題文では、「宅地造成に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日まで」とされていますが、そもそもこのような工事を行う場合には、許可を受ける必要があること自体が誤りで、さらに工事に着手する日までではなく、14日前のため、この点でも誤りとなります。