法令上の制限とは?おすすめの勉強法!

法令上の制限とは?おすすめの勉強法!

宅建士試験の試験科目徹底研究(3)法令上の制限
目次

法令上の制限とは?

土地に関する利用を制限する

宅建士試験における法令上の制限とは、土地の利用に関する制限のことです。土地を購入しても、所有者が自由にその土地を使用できるわけではありません。例えば、家を建てるのにも階数の制限や、広さの制限があります。そういった制限を規定している各種法律のことを、総称して法令上の制限と言います。

各種法律には、以下のようなものがあります。

  • 都市計画法
  • 建築基準法
  • 国土利用計画法
  • 農地法
  • 土地区画整理法
  • 宅地造成規制法

上記に挙げた法律は、どれも馴染みがないかもしれません。その上、細かい数字を暗記しなくてはならないため、難しいと感じる人も多いでしょう。

しかし、どの法律も深くは出題されません。暗記で対応できる問題ばかりです。まずは、それぞれの法律がどんなことを規制する法律なのか、という大きなイメージをつかみ、それから暗記に取りかかりましょう。

なお、問題は例年8問前後出題されます。そのため、暗記することができれば、得点源になる科目であると言えます。

都市計画法とは?

自由な建築を制限する

都市計画法とは、都市計画を決定し、またその決定手続き等を決めることで都市の健全な発展と秩序ある整備を図る法律です。その法律の目的は、第1条に書かれているので、読んでみましょう。

もし、都市計画法が無ければ、土地を持っている人がそれぞれ好きなように建築物を造ってしまい、インフラの整備や安全がおろそかになってしまいます。そのため、都市計画法では一定規模の建築物はその建築を許可制にする、用途地域を定めてその範囲内に建築できる建物を一定のものに限るなどの制限をしています。

出題例

試験では、以下のような形で都市計画法の問題が出題されます。

準都市計画区域内において、工場の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行なおうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。(平成29年 問17)

上記試験問題からも分かる通り、数字を聞く問題が頻出となっています。そのため、難易度は高くなく、暗記で対応することができます。また、「覚えていれば解ける」程度の問題であるため、しっかり覚えておきましょう。

なお、都市計画法は例年2問前後出題されます。

建築基準法とは?

建築物敷地や構造のルール

建築基準法とは、建築物の敷地、構造、設備、用途に関する基準を定めた法律です。都市計画法と似ていますが、都市計画法は、「どこに」「どんな」建築物を建てられるかということを規制しているものの、建築基準法は建物そのものについてを規制しています。

具体的には、容積率や建ぺい率等を定めており、都市計画法と合わせて学習すると良いでしょう。例えば、都市計画法の第一種低層住居専用地域には、高さ10m又は12mまでの建築物しか原則として建てられない(建築基準法)、というように、セットで覚えることでより理解しやすくなります。

出題例

試験では、以下のような形で建築基準法の問題が出題されます。

第二種中高層住居専用地域内では、原則として、ホテル又は旅館を建築することができる。(平成29年 問19)

なお、建築基準法は例年2問出題されてます。都市計画法に比べると、具体的な例が出てくるため勉強はしやすいと言えます。

国土利用計画法とは?

大きな土地の取引ルール

国土利用計画法とは、その名の通り土地の利用のルールを定めた法律です。例えば、土地の取引をする場合に、都道府県知事に届出をすることなどを定めています。ただし、どんな場合でも届出が必要というわけではなく、一定規模以上の大きな土地に関する売買等の取引にのみ限っています。

出題例

試験では、以下のような形で国土利用計画法の問題が出題されます。

国土利用計画法によれば、市街化区域内の3,000㎡の土地を贈与により取得した者は、2週間以内に、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市にあっては、当該指定都市の長)に届け出なければならない。(平成29年 問22)

なお、国土利用計画法は例年1問出題されるか、その他の法令上の制限として、他の法律と組み合わされて出題される程度となっています。

また、届出が必要な取引にあたるかは、要件を覚えて判断する必要があります。そのため、はじめに届出が必要な取引かどうかを判断し、必要な取引であっても一定規模に満たない土地(届出不要)にあたるかどうかを判断します。

国土利用計画法の難易度自体は低く、ひねった問題は出ないため、過去問をマスターしておきましょう。

農地法とは?

農地を農地として守る法律

農地法は、農地を農地以外の用途に変更することを規制し、農地と農業を守る法律です。農地は、農地以外の用途に使うことが原則としてできません。農地以外の用途で利用するには、届け出や許可が必要になります。

出題例

試験では、以下のような形で農地法の問題が出題されます。

市街化調整区域内の4ヘクタールを超える農地について、これを転用するために所有権を取得する場合、農林水産大臣の許可を受ける必要がある。(平成29年 問15)

問題文に記載されている「転用」とは、農地を農地以外の用途で使用することです。この問題を見ると、「広さ」「転用」「農林水産大臣」「許可」という、複数の判断ポイントが出てくるものの、難易度はさほど高くありません。

出題内容も毎年、ほぼ決まった内容となるため、上記のようにポイントを暗記していれば十分対応が可能な箇所となります。例年1問程度出題されます。

なお、農地法は例年1問程度出題されてます。

土地区画整理法とは?

公共施設やインフラ整備のために土地の収用を行なう

公共工事や、インフラ整備のために土地の収用を行なうことがあります。土地区画整理法では、その事業を従事できる者や換地等について定めています。

出題例

試験では、以下のような形で土地区画整理法の問題が出題されます。

組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、7人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。(平成29年 問21)

上記の問題は、土地区画整理事業を行なうことができる、土地区画整理組合についての問題です。土地区画整理法では、この事業の施行者(組合など)と、換地、仮換地が主に出題されます。

出題範囲が概ね限られているため、過去問を学習することで対策は可能です。問題自体は例年1問ほどしか出題されないものの、難易度は低めのためここで1点取っておきたい科目となります。

宅地造成等規制法とは?

防災のためのルール

宅地造成規制法は、宅地造成により崖崩れや土砂が流出して災害が起こることなどを規制する法律です。なお、建築基準法よりも、より強いルールを定めた法律となります。

宅地造成工事規制区域に指定された区域内で、一定規模以上の切土、盛土をする場合は予め都道府県知事の許可が必要です。

出題例

試験では、以下のような形で宅地造成等規制法の問題が出題されます。

都道府県知事は、一定の場合には都道府県(指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)の規則で、宅地造成工事規制区域内において行なわれる宅地造成に関する工事の技術的基準を強化することができる。(平成29年 問20)

宅地造成等規制法の問題は、例年1問程度出題されます。基本的に他の制限法令と同じく暗記科目となるものの、問題の難易度は高めになっています。頻出の切土・盛土は押さえておきたい問題ですが、それ以外の細かい点が出題されたら出来なくても問題ありません。

法令上の制限の勉強法

出題数が多い科目を優先する

法令上の制限は、例年8問前後出題されます。そのうち、都市計画法と建築基準法が4問程度を占めています。この2つの法律は、互いに関連させて理解する事が望ましい科目でもあるため、都市計画法と建築基準法を中心に勉強しましょう。

なお、勉強方法は暗記が中心となります。条文の数字や要件がそのまま出題されるため、正確な暗記が欠かせません。しかしながら、丸暗記をするよりは「3つの要件」「例外」など、今何を覚えようとしているのかを俯瞰しながら暗記していきましょう。

また、過去問を利用して問われるポイントをつかむことも重要です。良く出る数字、よく聞かれる要件は必ずチェックして覚えるようにしましょう。

まとめ

法令上の制限は、あまり身近な法律でない上に暗記科目のため、苦手意識を持ってしまう人も少なくはありません。勉強のコツは、「どんな」「何のための」法律なのかをイメージしながらテキストを読むことです。そうすることで、「なるほど」と思うこともあるはずです。

そして、コツコツと暗記した人は点が取れる科目となるため、時間をかけて取り組む価値はあるでしょう。