遺留分・遺言とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

遺留分・遺言
目次

遺留分とは

一定の相続人のために法律上必ず残さなければならないとされる遺産の一定の割合を言います。

本来、被相続人は自らの財産をどのように処分しようが自由です。

しかし、自分の死後における妻子の生活を犠牲にしてまで、財産を他人に贈与または遺贈しても構わないとは言えません。

そこで、遺留分という考え方が必要となります。

一定の相続人とは

配偶者・子・直系尊属を言います。

兄弟姉妹に遺留分はありません。

遺留分の割合

本来受けるはずであった相続財産に対する割合は、

  • 直系尊属のみが相続人の場合…相続財産の1/3
  • その他の場合…相続財産の1/2

となります。

遺留分とは

遺留分が侵害された場合

相続を開始しても、遺留分を害する被相続人の処分が当然に無効になるのではなく、有効です。

相続人が欲するならば、一定限度額で取り戻す権利を遺留分権利者が持つにすぎません。(遺留分減殺請求)

遺言とは

死んでいく人の意思を尊重して、遺言者の死後における財産処分を認める制度です。

後で諍(いさか)いになることを防ぐために、一定の方式に従わなければならないものとされています。

遺言をすることができる人

非制限行為能力者だけでなく、制限行為能力者も可能です。

制限行為能力者は以下のように一定の条件の下、遺言が可能です。

  • 未成年者…満15歳以上ならOK。法定代理人の同意不要。
  • 被保佐人・被補助人…単独で有効に遺言ができます。
  • 成年被後見人…本心に復したときに医師2人以上の立会の下で有効な遺言ができます。
遺言をすることができる人

遺言の効力

遺言者の死亡のときから有効となります。

遺言の撤回

いつでも撤回することができます。

遺留分・遺言に関するよくある質問

相続の遺言では、書面だけがOKでしょうか?電磁記録はOKですか?
電磁記録は認められていません。
Aが「相続財産全部をBに相続させる」旨の有効な遺言をして死亡した場合、BがAの配偶者でCがAの子であるときはCには相続財産の4分の1の遺留分があるのに対し、B及びCがAの兄弟であるときはCには遺留分がない。この場合BとCは遺留分がないのではないですか?

(Bが配偶者、Cが子の場合)

「Bに相続財産全部を相続させる」という遺言をしても、Aの子であるCには遺留分があります。その額は法定相続分(1/2)のさらに1/2ですから、結果として相続財産の1/4になります。

(B・Cが兄弟の場合)

兄弟には遺留分がありません。よって、「Bに相続財産全部を相続させる」という遺言があった場合、Cが遺留分を主張することはできません。

子どもがもらえる遺留分の計算方法を教えてください。
子どもは直系尊属には当たりませんので、摘出子=相続財産の1/2をもらう権利があります。したがって、計算式は、「相続分×1/2」となります。
この記事の監修者は
窪田義幸(くぼた よしゆき)

″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
フォーサイト公式Youtubeチャンネル「くぼたっけん」
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