保留地とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

保留地とは
目次

保留地とは

土地区画整理法における手続きの過程で発生する、換地として定めず施行者が保有している土地のことを言います。

保留地の目的

  • 民間施行の場合
    1. 事業の費用に充てるため
    2. 定款で定める目的のため
  • 公的施行の場合

    事業の施行に充てるため
    ただし、施行前の宅地の価額<施行後の宅地の価額となる場合に限ります。

保留地の権利帰属

換地処分の公告の翌日に施行者のものになります。

保留地の登記

  1. 換地処分の公告後になされます。
  2. それ以前に保留地とされることはありません。
保留地とは

保留地に関する過去問

問題

土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知してする。
  2. 施行地区内の宅地について存する地役権は、土地区画整理事業の施行により行使する利益がなくなった場合を除き、換地処分があった旨の公告があった日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存する。
  3. 換地計画において定められた保留地は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、施行者が取得する。
  4. 土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、すべて市町村に帰属する。

平成27年度宅地建物取引士資格試験 問20

解説

  1. 正しい。
    仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、仮換地の位置および地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知して行います(土地区画整理法第98条第5項)。
  2. 正しい。
    施行地区内の宅地について存する地役権は、土地区画整理事業の施行により行使する利益がなくなった場合を除いて、換地処分があった旨の公告があった日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存します。
  3. 正しい。
    換地計画において定められた保留地は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、施行者が取得します(同法第104条第11項)。
  4. 誤り。
    土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合においては、その公共施設は、換地処分の公告があった日の翌日において、原則として、その公共施設の所在する市町村が管理します(同法第106条第1項)。

    そして、土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の施行により生じた公共施設の土地は、換地処分の公告があった日の翌日において、原則として、その公共施設を管理すべきものに帰属します(同法第105条第3項)。

    よって、たとえば国が公共施設を管理することがありますので、すべて市町村に帰属するわけではありません。

保留地に関する過去問

保留地に関するよくある質問

保留地の目的の「定款で定める目的」とはどういう事でしょうか?

あくまでも一例ですが、例えば資材置き場として土地を利用したい場合に、民間の場合、定款で定めていれば保留地を定めることができます。

換地計画で保留地を定める場合、個人施行者は審議会の同意は不要ですが、公的施行の場合は同意が必要なのはなぜですか?なんとなく逆のような気がするのですが。

保留地は施行者が定めますが、施行者が個人の場合は、土地区画整理審議会の同意は不要です。

これは、土地区画整理審議会は、施行者が都道府県・市町村・国土交通大臣などの場合に、税金の無駄使いを防ぐために置かれる第三者機関であるからです。よって、施行者が個人の場合には同意は不要とされています。

換地を定めない宅地とは、保留地のことでしょうか? それとも所有者などが、換地を拒否しているような宅地のことでしょうか?

保留地であったり、土地の価値が上がり、割り当てられる際に少ない面積になったりしますので、その際の「減歩」の部分を差します。