宅建の試験科目は?科目別攻略法や目標点、効率的な勉強方法を伝授!
更新日:2024年8月15日
宅建士試験は権利関係や宅建業法、法令上の制限、税・その他の4分野から50問が出題されます。4科目均等に出題されるわけではなく、出題数には偏りがあります。そのため、優先順位をつけて学習することが合格へのポイントです。
そこで、本記事では各科目の出題数や攻略方法、効率的な勉強方法を具体的に解説します。合格率が高まる5問免除についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 宅建士試験の出題科目は、権利関係や宅建業法、法令上の制限、税・その他の4科目です。
- 勉強順は権利関係、宅建業法、法令上の制限、税・その他がおすすめです。
- 5問免除の対象者は、宅建業に従事していて宅建業従業者証明書を持っており、登録講習を修了した方です。
- 宅建士試験の合格率は例年15%程度です。
- 宅建試験は全50問で構成され、各科目ごとに出題数が異なります。
- 権利関係は特に民法の範囲が広く、事例問題の多さが特徴です
- 5宅建業法は出題数が最も多く、試験合格を左右する科目です
- 法令上の制限の特徴は、専門用語や数値の暗記が必要な点です
- 税・その他は、宅建試験において効率的に得点を狙える科目です
- 「5問免除」は最後の5問が免除され、合格ラインも5点低く設定されます
- 科目ごとの重要度を理解し、メリハリをつけた学習計画を立てることが大切です
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宅建の試験科目とは?
宅建試験は、以下の科目と出題数で構成されています。
試験科目 | 出題数 | 問題番号(出題順) |
---|---|---|
権利関係 | 14問 | 問1〜14 |
法令上の制限 | 8問 | 問15〜22 |
税・その他 | 3問 | 問23〜25 | 宅建業法 | 20問 | 問26〜45 |
免除科目 (税・その他) |
5問 | 問46〜50
※宅建業の従事者で登録講習修了者は免除 |
宅建試験は全50問で構成され、各科目ごとに出題数が異なります。登録講習を修了した受験者は、最後の5問が免除されます。特に「権利関係」と「宅建業法」は出題数が多く、学習のなかでも重点的に取り組みたいところです。
また、試験は2時間で行われ、四肢択一式のマークシート方式です。四肢択一式ではありますが、全ての問題において「~で正しいものはどれか?」のような単純な正誤をというものばかりではありません。正しいものの組合せや個数を選ぶ形式もあります。
なお、最新の宅建試験の情報については以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
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宅建試験の科目別攻略方法!
宅建試験は科目ごとに出題数が異なるため、優先順位を決めるのが攻略のポイントです。推奨したい勉強順は、権利関係、宅建業法、法令上の制限、税・その他となります。これは出題数と難易度によるものです。
また、各科目の勉強時間にも目安があります。科目ごとの攻略方法と勉強時間を確認していきましょう。
【科目別攻略法】権利関係
権利関係は、宅建試験のなかでも出題数が多い科目です。この科目では民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法などの法律に基づく問題が出題されます。特に民法の範囲が広く、事例問題の多さが特徴です。
事例問題では具体的な状況を理解し、法律を適用する力が求められます。この科目は他の受験者と差がつきやすいため、得点力をつけることが重要です。
目標点としては、14問中10問以上の正解を目指しましょう。8問以上正解すれば合格ラインに達する可能性が高いですが、余裕を持って10問を目標に設定するのが理想です。
権利関係で高得点を狙うためには、テキストや動画教材を活用して基本的な法律の概念を理解することから始めましょう。特に民法は範囲が広いため、体系的に学ぶことが重要です。
次に過去問や問題集を繰り返し解いてください。問題文を読み解く力を養うため、事例問題に慣れることが大切です。問題文で示された事例を図に描いて整理すると理解が深まります。
さらに、単に暗記するのではなく、条文の趣旨や理由の理解を意識して応用力を身につけていきましょう。
総勉強時間が300時間の場合、権利関係には90時間程度(総勉強時間の3割程度)を割り当てるのが理想です。初めて学習する場合は、さらに多くの時間を確保することを検討してください。
権利関係の勉強方法については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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【科目別攻略法】宅建業法
宅建業法は、出題数が最も多く試験合格を左右する科目です。この科目は全50問中20問が出題されて配点が高いため、取りこぼしを防ぎたいところです。
宅建業法の特徴として重要事項の説明や37条書面など、実務に直結する内容が多く含まれています。実際の不動産取引における法的知識や手続きへの理解が求められます。
目標点としては、20問中18問以上の正解を目指しましょう。宅建業法は年度ごとの出題内容にばらつきが少ないため、比較的得点しやすい科目といえます。満点を目指す意気込みで取り組むと他の科目での失点をカバーできるでしょう。
勉強方法としては、テキストや動画教材を用いて基本的な知識を体系的に勉強していきましょう。宅建業法は過去問からの出題が多いため、過去問を繰り返し解くことが非常に効果的です。
ただし、過去問を解く際は単に答えを覚えるのではなく、出題の意図や背景を理解しましょう。また、問題を解きながら知識を定着させるため、問題集を活用した学習も有効です。さらに、法律の改正が頻繁に行われるため、最新の法改正情報を常にチェックする必要があります。
必要な勉強時間としては、総勉強時間が300時間の場合、宅建業法には120時間程度(総勉強時間の4割程度)を割り当てるのが理想です。
【科目別攻略法】法令上の制限
法令上の制限では、都市計画法や建築基準法など、不動産取引に関わる様々な法律が出題されます。全50問中8問が出題され、合格を目指すなら6問以上の正解を目標にしましょう。
この科目の特徴は、専門用語や数値の暗記が必要な点です。一見難しく感じるかもしれませんが、効率的な学習方法を身につければ、十分に得点源となります。
まずは出題頻度の高い都市計画法と建築基準法を中心に学習を進めるのがおすすめです。この2つの法律で4問程度出題されるため、ここをしっかり押さえることが重要です。
勉強方法としては、条文や数値を単純に暗記するだけでなく、その背景にある意味や目的を理解することが大切です。たとえば、なぜその制限が設けられているのか、どのような場合に適用されるのかを考えながら学習すると、記憶として定着しやすくなります。
必要な勉強時間は総勉強時間300時間の場合、50時間程度(総勉強時間の2割弱程度)を目安としましょう。ただし、この時間配分は個人の理解度や得意不得意によって調整が必要です。苦手意識がある方は、早めに学習を始めて勉強時間を確保していきましょう。
【科目別攻略法】税・その他
税・その他は、宅建試験において効率的に得点を狙える科目です。一般受験では8問ですが、免除制度を利用するとわずか3問の出題となります。しかし、いずれにおいても、この科目の重要性は決して軽視できません。
税・その他の特徴は、不動産に関する税金、他の科目に含まれない法律や統計が出題される点です。目標点としては、8問中5〜6問、免除制度を利用する際は3問中2問以上の正解を目指しましょう。
この科目は、他の科目で失点した分をカバーできる場合があります。そのため、確実に得点できるよう準備することが大切です。
勉強方法の核となるのは、過去問を活用した暗記学習です。特に税金に関しては「課税主体」「課税標準」「課税客体」といった専門用語を正確に理解し、記憶することが重要です。
また、地価公示法や不動産鑑定評価基準などの頻出テーマも押さえておきましょう。統計問題は毎年1問出題されるので、最新の統計データにも目を通してください。
必要な勉強時間は、総勉強時間300時間の場合、約40時間程度(総勉強時間の1割強程度)が目安です。他の科目と比べると少ない時間ですが、その分集中して取り組むことが大切です。
年度によって出題内容が変わることもあるので、過去問だけでなく、最新の情報にも注意を払いましょう。
なお、税法の勉強方法については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
宅建試験の5問免除について
宅建試験には「5問免除」という制度があります。宅建業に従事している方を対象とした制度です。この制度を利用すると、試験の最後の5問(46〜50問目)が免除され、その分合格ラインも5点低く設定されます。
たとえば、一般受験者の合格点が34点の場合、5問免除を利用する受験者は45問中29問以上の正解で合格となります。この制度の利用は試験勉強の負担を軽減し、合格率を上げるために非常に有効です。
5問免除を受けるためには、まず宅建業に従事していることが前提です。また、宅建業従業者証明書を持っていることも条件となります。この証明書は勤務先の事業者が発行し、正社員だけでなくパートやアルバイトでも取得可能です。
加えて所定の機関が実施する登録講習を修了する必要があります。登録講習は通信教育とスクーリングを組み合わせたもので、最後に修了試験があります。修了試験に合格すると、修了証明書が交付されます。
登録講習の受講申し込みは、宅建試験の年の3月ごろまでに行うのがおすすめです。宅建士試験が例年10月に実施されるため、余裕を持って受講するためです。
宅建試験の合格率
宅建試験の合格率や合格点について、以下の表にまとめました。
年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点(一般受験者) |
---|---|---|---|---|
令和5年度 | 233,276人 | 40,025人 | 17.2% | 36点 |
令和4年度 | 226,048人 | 38,525人 | 17.0% | 36点 |
令和3年度 (10月) |
209,749人 | 37,579人 | 17.9% | 34点 |
令和2年度
(10月) |
168,989人 | 29,728人 | 17.6% | 38点 |
令和元年度 | 220,797人 | 37,481人 | 17.0% | 35点 |
宅建試験の合格率は、例年15%から17%の範囲で推移しています。合格点は毎年変動しますが35点から36点が多くなっています。
また、宅建士試験は毎年20万人ほどの受験者がいます。そのなかで合格者は3万〜4万人という推移です。5点免除者の合格率は一般受験者よりも5%程度高い傾向にあります。
なお、宅建士試験の合格率については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
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宅建試験に合格するためのポイント
宅建試験に合格するためのポイントは、効率的な学習と時間の有効活用が挙げられます。忙しい日々のなかでも、スキマ時間を活用することで着実に勉強時間を確保できます。通勤中や昼休み、就寝前のわずかな時間でもスマートフォンアプリなどを使えば学習が可能です。
また、インプットとアウトプットのバランスを取ることも重要です。知識の習得だけでなく、問題演習にも十分な時間を割くようにしましょう。特に過去問題を解くことで出題傾向を把握し、効率的に得点力を上げることができます。
さらに、科目ごとの重要度を理解し、メリハリをつけた学習計画を立てることが大切です。宅建業法や権利関係など、配点の高い科目に重点を置きつつ、他の科目もバランスよく学習していきましょう。
自分に合った学習方法を見つけることもポイントです。動画講座や音声教材、テキストなど、様々な学習ツールを試してみて、最も効果的な方法を選びましょう。
効果的な試験勉強の方法については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
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宅建の最短合格なら通信講座がベスト
宅建士試験に最短で合格するためには、通信講座がおすすめです。通信講座には、忙しい社会人にとって多くのメリットがあるからです。
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宅建士試験の科目別攻略法を実践しよう
宅建士試験に合格するためには、各科目の特徴を理解し、効率的な勉強方法を実践することが重要です。特に権利関係や宅建業法は、配点が高く、重点的に学習すべき科目です。
一方、法令上の制限や税・その他は短時間で得点できる科目として、効率的に学習しましょう。過去問や模擬試験など、実践力を養う勉強も大切です。これらのポイントを押さえ、宅建士試験に挑戦していきましょう。
窪田義幸(くぼた よしゆき)
″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
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