貿易用語「バンニング」「デバンニング」ってなに?

貿易用語「バンニング」「デバンニング」ってなに?

「バンニング」「デバンニング」ってなに?

国際物流の業界で耳にする「バンニング」「デバンニング」という言葉。これらは海上コンテナ輸送に関わる、とある作業のことを指します。バンニングとは?デバンニングとは何か? これらの作業を含む一連の貨物の流れや手続きについて、まとめます。

目次

バンニングとは? デバンニングとは?

「バンニング(Vanning)」とは、輸出貨物をコンテナに積み込む作業のことです。貨物をコンテナに詰め込むことを意味する動詞vanに由来します。物流業界ではバンニングのことを「バン詰め」と、バンニング前の中身がカラのコンテナを「空バン」と呼ぶこともあります。

一方で、「デバンニング(Devannng)」とは、コンテナの中の貨物を取り出す作業のことです。英語の接頭辞deは離れることを指し、否定の意味合いを持ちます。貨物を詰め込む ⇔ 取り出す のように、バンニングの逆のイメージです。

なお、コンテナ輸送の海上運賃は基本的にコンテナ単位で決まりますので、コンテナ内がスカスカだろうと、ぎっしり埋まっていようとコンテナ1本にかかる船賃は変わりません。

スーパーの野菜袋詰めと同じイメージで、コンテナの中にぎっしり貨物を詰められたほうがお得になります。つまり、バンニングの際には、コンテナ内のスペースを最大限活用することがコストの観点から重要です。

また、輸送途中の揺れにより荷崩れを起こさないよう隙間に緩衝材を入れて固定したり、貨物の重量のバランスを考慮したりすることもバンニング作業をする上で大切です。

では、海上コンテナ輸送をするのに行われるバンニングとデバンニングについて、基本的な情報をまとめていきます。

海上コンテナのサイズと種類 

貨物をバンニングするコンテナにはいくつか種類があります。

◆海上コンテナのサイズは大きく分けて以下の3種類です。

  • 「20フィート(20’ / 20ft)」
  • 「40フィート(40’ / 40ft)」
  • 高さのある「40フィートハイキューブ(40ft High-Cube / 40HQ)」

◆海上コンテナの種類

  • 常温の「ドライ・コンテナ(Dry Container)」
  • 冷凍冷蔵貨物の輸送ができる「リーファー・コンテナ(Reefer Container / Refrigerated Container)」

◆特殊な形状

  • 「オープン・トップ(Open Top Container)」
    天井がなく、重量物や嵩高物をコンテナ上部からクレーンを使い直接バンニングすることができます。
  • 「フラット・ラック(Flat Rack Container)」
    天井に加え側面もなく、通常のコンテナでは輸送が困難な大型の貨物を上部や側面からバンニングすることが可能です。
  • 床しかない?!「フラット・ベッド・コンテナ(Flat Bed Container)」
  • 「タンク・コンテナ(Tank Container)」
    原酒やしょうゆ、液体化学薬品など液体貨物の輸送に適しています。

これらのコンテナは、貨物の形状・サイズ・性質によって使い分けます。

1フィートは30.48cmです。つまり、20フィートコンテナの長さは約6m, 40フィートは約12mです。

40フィートと40フィートハイキューブについて、とあるベテランの方はそれぞれ「ハチロクバン」「クンロクバン」と呼んでいました。コンテナ外寸の高さに由来します。40フィートコンテナの高さは、8フィート6インチ(8’6’’)です。一方で、ハイキューブコンテナの高さは、9フィート6インチ(9’6’’)で、通常のものよりも1フィート、つまり約30.5cm高さがあるのです。

ちなみに、1インチは2.54cmですので、8’6’’バンの高さは8フィート(243,84cm)6インチ(15.24cm)、つまり約259.1cmになります。9’6’’バンは9フィート(274.32cm)6インチ(15.24cm)なので、約289.6cmとなります。

かつて、私は輸出中古車の船積みをアレンジする仕事をしていたのですが、乗用車をバンニングするのに用いられていたのは、40フィートハイキューブのコンテナが主でした。たまに乗用車1台を20フィートコンテナにバン詰めするラグジュアリープランがあるくらいでした。

ここでクイズです。乗用車の場合40HQコンテナに一体何台くらい入ると思いますか?

乗用車1台の長さを4.5mとすると、約12mのコンテナには2台しか入らないのでは…?いえいえ、40HQコンテナに中古車4,5台くらいバンニングできるのです。斜めにしたり、2階建てにしたり、専門のバンニング業者が在庫のなかから無駄なスペースを生まない最適なバンニングプランを提案してくれます。

車を斜めにしたり、2段重ねにしたり、自由度の高いバンニングを実現するため、コンテナの高さがあるハイキューブコンテナが重宝していました。

バンニング→輸出の流れ 

コンテナがどこから来て、だれが運び、貨物をバンニングして、どのような流れでコンテナ船に船積みされるのか?まとめます。

まず、船会社にコンテナのブッキング(予約)をした後で、空コンテナの取り場所とバンニング後の実入りコンテナの搬入先を確認します。

コンテナを運送するドレ―業者を手配します。「ドレ―(Dray)」とは、海上コンテナを大型の特殊なけん引自動車(トレーラー)で陸上輸送することをいいます。どこのコンテナヤードから空バンをピックするのか?いつどこでバンニングをするのか?どこのコンテナターミナルに実入りコンテナを搬入するのか?など希望するスケジュールを伝えて依頼します。

ドレ―会社のドライバーが運送した空コンテナに、輸出貨物をバンニングします。貨物を積み込む前にはコンテナの天井や壁に穴が開いていないか?コンテナの床や壁が汚れていないか?チェックしてから作業を始めます。船の揺れなどによって荷崩れが起き貨物にダメージがでないように貨物の固定や重量のバランスに配慮しながらバンニングします。輸入地でデバンニングするまでコンテナが開封されていないことが分かるよう、最後に金属のシールで扉を封印します。

このシールは使い捨てで個々にSeal No.と呼ばれる番号が振られています。このシールナンバーはB/L(船荷証券)にも記載されますので、バンニング後のコンテナが未開封であることを、輸入地にてデバンニングする際に確認できます。

どこで誰がバンニングするのか?は、貨物の性質や荷主の事情などにより変わります。荷主が事前に貨物を港湾の保税地域などに搬入し、通関業者が税関に対して輸出申告の通関手続きをした後で、倉庫業者など専門業者がバンニング。

作業が終了した実入りコンテナをドレ―会社が指定されたコンテナターミナルに搬入するパターンや、荷主がバンニングを行い、実入りコンテナをターミナルに搬入した後で、輸出申告の通関手続きを行うパターンなどが考えられます。

ドレ―会社がバンニング後の実入りコンテナをバンニング場所から港湾の*コンテナターミナルに搬入します。

コンテナヤードでブッキングした本船にコンテナが積み込まれます。

*コンテナターミナル
本船へのコンテナの積卸し・コンテナの保管・コンテナの受け渡しを行う施設が集約している場所。本船へのコンテナの積卸しを行う場所をコンテナヤード(CY)と呼びます。

輸入デバンの流れ

輸入地に本船が到着した後、貨物がどのような流れを辿って、デバンニング作業が行われるのか?簡単にまとめます。

本船到着日が近くなると*アライバルノーティス(A/N)が輸入者のもとに届きます。船会社にB/L(船荷証券)原本の差し入れ、コンテナ荷卸しに係るチャージの支払いなど、コンテナを搬出するための準備をします。

*アライバルノーティス(Arrival Notice / A/N)
言葉通り、本船到着のお知らせです。本船の到着予定日(ETA : Estimated Time of Arrival)が記されており、A/Nと併せて荷卸しに伴うチャージの金額と支払い先、コンテナヤードからの貨物の受取手続きなどについて案内があります。

コンテナの荷卸しが終わりコンテナヤードからコンテナを搬出する場合、外国貨物のままコンテナをデバンニング場所まで保税運送するケースや、コンテナヤードにコンテナがある状態で輸入通関を済ませて、内国貨物にしてからデバン場所まで運送するパターンが考えられます。

いざ、デバンニング。略してデバンと呼ばれます。

デバン時の注意点は、書類上のものと実際の貨物の内容に相違がないか?異常がないか?を確認することです。万が一何かがあった場合、責任の所在を明らかにする必要があるので、紛失した、ダメージを受けたのは、一体どのタイミングなのか?推定できるようにチェックしておきます。

たとえば、デバン作業の前にコンテナを封印している金属製シールのシールナンバーが書類上のものと合っているかどうか確認をしてシールをカットします。万一、コンテナ内の貨物に紛失などがあった場合、シールの付け替えが分かれば輸送途中で盗難に遭ったのではと推測できます。

ドレ―会社にデバン後の空コンテナをターミナルに返却してもらいます。デバンした貨物で輸入通関を終えたものはトラックなどで納品先に配送されます。

さいごに

私が初めてバンニングの現場を目にしたのは、中古車のバンニングでした。バンニングする場合、通常プラットフォームと呼ばれる荷物の積替えをする中継エリアが必要になるそうですが、その見学したヤード(置き場)ではスロープタイプの設備で対応していました。ヤードの一角に設置されたバンニング用のスロープにコンテナをつけ、フォークリフトで直に貨物の出し入れができるようになっていました。

一番印象に残っているのは、バンニングスタッフのフォークリフト捌きです。当時大学を卒業したてで若かった私は自在にフォークを扱う姿にすっかり魅了されてしまいました。

物流に興味のある方や普段はオフィスでの貿易事務業務がメインだという方!機会があればぜひバンニングやデバンニングの作業を立会い見学してみてください。国際物流業界の新たな魅力を再発見できるかもしれませんよ。