日商簿記・全商簿記・全経簿記の違いを教えて！就職にはどの試験が役立つ？

１．「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は、試験の主催者が違います

まず、「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は主催団体が異なります。それぞれ、<ul><li>日商簿記（正式名：日商簿記検定試験）……日本商工会議所</li><li>全商簿記（簿記実務検定試験）……全国商業高等学校協会</li><li>全経簿記（簿記能力検定）……全国経理教育協会</li></ul> が主催しています。このため、試験内容や受験料にもそれぞれ違いが見られます。

２．「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は、合格率が違います

例えば簿記2級で見た場合、「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」では合格率が大きく異なります。そのため、就職・転職活動における企業の評価も変わってきます。<figure class="table"><table><tbody><tr><td>&nbsp;</td><td>日商簿記2級</td><td>全経簿記2級</td><td>全商簿記2級</td></tr><tr><td>合格率</td><td>10-30％</td><td>商業簿記：35-60％ 工業簿記：80-90％</td><td>約60％</td></tr></tbody></table></figure>

３．「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は、受験者層が違います

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は、受験する人が異なります。具体的には、日商簿記は「社会人」、全商簿記は「商業高校の生徒」、全経簿記は「経理専門学校の生徒」が受ける傾向にあります。また、日商簿記では「1級」、全経簿記では「上級」に合格すると、税理士試験の受験資格が与えられるため、日商簿記1級よりも難易度が低い「全経簿記上級」を受験する税理士志望者も多いようです。

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」の違いとは？

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」には、難易度と試験範囲にも大きな違いがあります。実際に下の表で確認してみましょう。<figure class="table" style="width:100%;"><table class="ck-table-resized"><colgroup><col style="width:39.19%;"><col style="width:15.73%;"><col style="width:28.79%;"><col style="width:16.29%;"></colgroup><tbody><tr><td>&nbsp;</td><td>日商簿記</td><td>全経簿記</td><td>全商簿記</td></tr><tr><td rowspan="5">難易度 と 試験範囲</td><td>1級</td><td>-</td><td>-</td></tr><tr><td>2級</td><td>1級</td><td>1級</td></tr><tr><td>3級</td><td>2級</td><td>2級</td></tr><tr><td>簿記初級</td><td>3級</td><td>3級</td></tr><tr><td>-</td><td>基礎簿記会計</td><td>-</td></tr></tbody></table></figure>例えば、「日商簿記2級」は「全商簿記1級」「全経簿記1級」と難易度・試験範囲がほぼ一致しています。ただ近年、日商簿記が試験範囲の改定を行い、より「実務を意識した試験」に生まれ変わりました。その結果、日商簿記の難易度がより高まった状況となっています。このように、同じ簿記2級でも主催団体によって難易度・試験範囲が異なります。もし、あなたが学生時代に簿記資格を取得していたのであれば、どこが主催する試験だったかを確認しておきましょう。<a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="https://www.foresight.jp/boki/column/difference/">➡日商簿記の級の違いについてはこちら</a>

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」の難易度の違いを教えて！？

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」のうち、就職・転職に有利な試験は「日商簿記」です。年間50万人以上が受験する日商簿記は、社会的認知度が高く、この資格を採用の判断材料としている企業も少なくありません。特に近年、日商簿記は試験範囲の改定によってより実務的な内容となり、その重要性が再認識されています。就職や転職、結婚・出産後の再就職に役立てたいのであれば、「日商簿記」を受験するとよいでしょう。<a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="https://www.foresight.jp/boki/column/boki2-work/">➡簿記2級が有名だけど本当かどうか？</a>

日商？全商？全経？　就職・転職に有利な試験は？

簿記資格は履歴書に書くことができます。ただ就職・転職の際、企業にアピールできるのは、日商簿記なら「2級」以上、全商簿記と全経簿記は「1級」以上です。これより下の級は、評価の対象とならない可能性が高いので、履歴書にはあまり書かない方がいいかもしれません。

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は履歴書に書ける？

日商簿記の試験情報（試験日程・試験範囲・合格率・試験会場・申し込み方法）

試験日程

【1級】年2回（6月第2日曜日・11月第3日曜日） 【2,3級】年3回（2月第4日曜日・6月第2日曜日・11月第3日曜日） 【初級】ネット受験（試験施行機関が日時を決定）

試験範囲

【1級】商業簿記・会計学（90分）、工業簿記・原価計算（90分）途中休憩あり 【2級】商業簿記・工業簿記（120分） 【3級】商業簿記（120分） 【初級】簿記の基本用語や複式簿記の仕組み（40分）

出題形式

受験料

【1級】7,710円 【2級】4,630円 【3級】2,800円 【初級】2,160円

合格ライン

【1級】70％以上、ただし1科目ごとの得点は40%以上 【2,3級,初級】70％以上

合格率

【1級】8～10％ 【2級】10～30％ 【3級】40～50％ 【初級】50～60％

試験会場

【1～3級】全国各地の商工会議所が指定する会場 【初級】インターネット受験（全国のネット試験会場）

合格発表

試験後約1カ月後（各商工会議所によって発表時期が異なります）

受験資格

年齢・性別・学歴・国籍に関係なく、誰でも受験可能 ※何級からでも受験可 ※各級の同日受験も可

申込方法

申込受付日程、申込方法（窓口・インターネット・郵送）などは商工会議所によって異なる。 試験日の約2カ月前に、受験希望地の商工会議所に確認のこと。

主催団体公式サイト

<a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="http://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class2">日本商工会議所HP</a>

全商簿記の試験情報（試験日程・試験範囲・合格率・試験会場・申し込み方法）

【1級】会計（1時間30分）、原価計算（1時間30分） 【2,3級】商業簿記（1時間30分）

【1級】 会計：1,300円、原価計算:1,300円 【2,3級】各1,300円

100点満点とし70点以上で合格&nbsp;

【1級】35～45％ 【2級】60～70％ 【3級】60％

同協会が指定した全国各地の試験場校

試験当日試験場校において日時・場所を発表

・年齢・性別・学歴・国籍などに関係なく、誰でも受験可能。 ・何級からでも受験可能。

高校生：在籍校で受験票により申し込み 一般：指定された最寄りの試験校で受験申込書を入手し申し込み

<a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="http://www.zensho.or.jp/puf/examination/bookkeeping.html">全国商業高等学校協会HP</a>

全経簿記の試験情報（試験日程・試験範囲・合格率・試験会場・申し込み方法）

【1～3級・基礎】 年4回（2・5・7・11月の日曜日） 【上級】 年2回（2・7月の日曜日）

【上級】 商業簿記／会計学 1時間30分(商業簿記および会計学あわせて) 工業簿記／原価計算 1時間30分(工業簿記および原価計算あわせて) ※「商業簿記／会計学」の科目を受験しなかった場合、「工業簿記／原価計算」の科目を受験できません。【1級】 商業簿記・会計学 1時間30分 原価計算・工業簿記 1時間30分【2級】 商業簿記 1時間30分 工業簿記 1時間30分【3級】 商業簿記 1時間30分【基礎簿記会計】 1時間30分

【上級】 7,500円【1級】 商業簿記・会計学：2,200円 原価計算・工業簿記：2,200円【2級】 商業簿記：1,700円 工業簿記：1,700円【3級】 商業簿記：1,400円【基礎簿記会計】 1,200円

【1～3級・基礎】 1科目100点を満点とし、全科目得点70点以上で合格【上級】 各科目の得点が40点以上、全4科目の合計得点が280点以上で合格

【上級】20％前後 【1級】商業簿記・会計学：35～40％、原価計算・工業簿記：50～60％ 【2級】商業簿記：40％前後、工業簿記：80％前後 【3級】70％前後 【基礎】70％前後

同協会が指定した全国各地の専門学校

【1～3級・基礎】 試験日から１週間以内にインターネット上のマイページで閲覧可 【上級】 試験日から2カ月以内にインターネット上のマイページで閲覧可

・年齢・性別・学歴・国籍などに関係なく、誰でも受験可能 ・何級からでも受験可能。

「全国経理教育協会」のHPから申し込み

<a target="_blank" rel="noopener noreferrer" href="http://www.zenkei.or.jp/">全国経理教育協会HP</a>

それでは、各試験の試験情報を確認しておきましょう。それぞれ、試験日程や試験範囲、受験料、申し込み方法が異なるので、申し込む際は注意が必要です。

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」の試験情報を教えて！？

今回は、3つの簿記試験「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」に注目し、その違いと特徴を「難易度」「受験者層」「合格率」「試験情報」の面から比較しお話しました。結論として「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」にはそれぞれ特徴があり、受験者層も取得の目的も異なります。就職・転職に生かしたいのであれば社会的評価の高い「日商簿記」、税理士試験の受験資格がほしいのであれば「全経簿記（上級）」というように、目的に応じた試験を選ぶようにしましょう。

まとめ

<figure class="image"><img style="aspect-ratio:1320/600;" src="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/any/main-1739111228333-436583480.jpg" alt="main.jpg" srcset="https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/thumbnail_main-1739111228327-968903274.jpg 245w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/small_main-1739111228327-551852877.jpg 500w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/medium_main-1739111228327-541032196.jpg 750w,https://storage.googleapis.com/mcs-fs-pro-strapi-uploads-clone202504111055/large_main-1739111228327-447100896.jpg 1000w," sizes="100vw" width="1320" height="600"></figure>簿記には、「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」という3種類の試験があるため、簿記の受験を考えている方の中には、「どの試験を受ければいいのかわからない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか？そこで今回は、この3つの試験の違いと特徴について、分かりやすく解説、各試験の「難易度」や「受験者層」「合格率」「試験情報」のほか、「就職・転職に有利な試験」についても触れていきます。

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日商簿記・全商簿記・全経簿記の違いを教えて！就職にはどの試験が役立つ？

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」の違いとは？

１．「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は、試験の主催者が違います

２．「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は、合格率が違います

３．「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は、受験者層が違います

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」の難易度の違いを教えて！？

日商？全商？全経？ 就職・転職に有利な試験は？

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」は履歴書に書ける？

「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」の試験情報を教えて！？

日商簿記の試験情報（試験日程・試験範囲・合格率・試験会場・申し込み方法）

試験日程

試験範囲

出題形式

受験料

合格ライン

合格率

試験会場

合格発表

受験資格

申込方法

主催団体公式サイト

全商簿記の試験情報（試験日程・試験範囲・合格率・試験会場・申し込み方法）

試験日程

試験範囲

出題形式

受験料

合格ライン

合格率

試験会場

合格発表

受験資格

申込方法

主催団体公式サイト

全経簿記の試験情報（試験日程・試験範囲・合格率・試験会場・申し込み方法）

試験日程

試験範囲

出題形式

受験料

合格ライン

合格率

試験会場

合格発表

受験資格

申込方法

主催団体公式サイト

まとめ

日商？全商？全経？　就職・転職に有利な試験は？