RPAとは?基本情報技術者試験の最新キーワード解説!

更新日:2021年7月20日

RPAとは

近年では、深刻化する人手不足を背景に、人間が行う作業を機械化する取り組みが進められています。その中でも、PC上で実施する単純作業を機械に置き換えるRPAに注目が集まっています。RPAは多くの企業で導入が進んでおり、現在のIT業界におけるトレンドとなっています。

近年の基本情報技術者試験においては、RPAに関する問題が出題されるようになりました。試験対策としても、RPAに関する基本的な内容を知っておくべきでしょう。

この記事では、基本情報技術者試験の対策としてRPAに関する解説を行います。

目次

RPAとは

RPAとはRobotic Process Automationの略称であり、近年登場した単純作業を自動化するソフトウェアロボットのことです。RPAを用いることで、コンピュータを操作して実施する定型的な業務であれば自動化することが可能です。

RPAのメリット

RPAを用いて人間がPC上で実施する単純作業を自動化することで、企業の生産性を大きく向上させることができます。特に、大量に繰り返し作業を実施しなければならないケースなどで大きな効果を発揮します。

また、RPAはAI技術を組み合わせることで、より高度な処理を行うことができます。例えば、紙媒体での申込書をAIに読み込ませ、記載内容をExcelにまとめ、申込者に対して受領メールを送付するような作業は、すべてRPAとAIを用いて自動化することができるでしょう。

このように、広い範囲において作業の効率化を実現することができるのが、RPAの大きなメリットとなります。

RPAに適した業務

それでは、どのような業務がRPAの適用に適しているのでしょうか。

一つは、判断が入らない業務です。入力条件に対して出力が確定しているような、パターンが決まっている作業はコンピュータの得意とするところです。

また、繰り返し実施する業務についてもRPAの適用が向いています。RPAを作成するためにも費用は掛かりますので、できるだけ効果のある作業を対象に適用すべきですが、大量に繰り返しを行うような作業であれば作業量の削減ボリュームも多くなり、企業にもコストメリットが生じます。

RPAと業務プロセス改善の関係

RPAを活用する際には、RPAを適用できるように業務プロセスの見直しが重要となります。RPAは定型的な業務は得意ですが、非定型的な業務には適用できません。

よって、既存の業務のうち定型的なものを集約し、一度にRPAに処理してもらうような置き換えが有効となります。

また、RPAに関連する機能として、プロセスマイニングツールを合わせて利用することもできます。

プロセスマイニングツールに既存の業務プロセスを登録して分析することで、非効率な業務を洗い出すことができます。RPAを適用する際にプロセスマイニングも行うことで、RPAを適用しやすいように業務プロセスを変更することもできます。

業務プロセス改善手法

RPAの実行にあたって、業務プロセスを改善する手法には様々なものが知られています。以下では、特に基本情報技術者試験で問われるものを対象に、業務プロセス改善手法について紹介します。

ベンチマーキング

ベンチマーキングとは、他の企業の業務遂行手法と自社を比較して、優れた点を見出し、自社業務を改善することを指します。

一般的に、同業他社であれば業務プロセスは類似するものになりますが、それでも他社のプロセスと自社を比較すると、共通する部分と異なる部分が見えてきます。

業務プロセスが異なる部分について、なぜ異なるのか、異なることにより効率性や正確性はどのように違うのかなどを分析し、必要であれば自社の業務プロセスに取り入れます。

また、対象とする業務によっては他業界の他社を参考にするケースもあります。特に業界のトップランナーであれば、他業界の業務プロセスを分析することも有効です。

BPRとBPM

BPRとはBusiness Process Re-engineeringの略称であり、業務プロセスを抜本的に見直すことを意味します。BPRでは以下の段取りによりプロセスの再検討を行います。

項目 実施事項
検討 目標の設定と、BPRの対象とする業務の選定を行う
分析 現状の業務フローを作成し、業務の分析と課題の把握を行う
設計 業務の改善方針を作成し、業務プロセスの再設計を行う
実施 改善した業務プロセスを実業務に適用する
モニタリング 業務プロセスの改善結果を確認し、評価を行う

また、BPRと同時に実行すべき概念として、BPMというものがあります。BPMBusiness Process Managementの略称であり、業務プロセスの管理体制を作り長期的に業務の改善を行うことを意味します。

単独の取り組みとしてBPRを実施しただけでは、環境変化などによって将来的に再び非効率な業務プロセスに逆戻りしてしまう可能性があります。BPMの体制を構築し、継続的な改善を行うことで常に業務プロセスを改善し続けることができます。

まとめ

この記事では、基本情報技術者試験を受けようとされている方に向けて、RPAに関する内容の解説を行いました。

RPAは新しい概念であり、基本情報技術者試験対策として過去問などを解いただけでは取りこぼす可能性がある部分です。ぜひ、RPAに関する概要を押さえておき、試験において対応できるように対策しておくとよいでしょう。

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