基本情報技術者試験の勉強法を解説!独学での合格は可能?
更新日:2023年7月13日
IT系の技術者を中心に、IT関連の業種の方が目指す試験に情報処理技術者試験という国家資格があります。
近年受験者が増えているITパスポート試験もこの情報処理技術者試験の1区分。このITパスポートの上の区分にあるのが基本情報技術者試験です。
基本情報技術者試験は勉強法次第では十分独学でも合格を目指せる試験ではありますが、問題はこの勉強法をしっかりと守れるかどうかという点。
基本情報技術者試験は2023年にも出題内容の変更があり、どんどん形を変えて実施されています。そんな基本情報技術者試験のおすすめの勉強法などを紹介していきましょう。
基本情報技術者試験の勉強法について
基本情報技術者試験は情報処理技術者試験の区分のうちの1つ。同じく情報処理技術者試験の1区分として知られているITパスポートよりもより専門的な知識が必要となる試験です。
ITパスポートという資格は、IT系の職種と関係なく、全ての社会人が持つべきITに関する知識が身についていることを証明する資格です。
一方基本情報技術者試験は主にIT技術者が目指す試験。IT技術者にとっては基礎的な資格であり、IT系の専門知識が必要な資格の中では入門編的な資格となります。
IT系の仕事をしている方、IT技術者にとっては、試験で出題される問題の難易度自体はそこまで高くありません。しかし、IT系技術者ではないという方にとってはなかなか難易度の高い試験といえます。
そんな基本情報技術者試験の勉強法の基本的な部分に関して紹介していきましょう。
基礎知識と応用力のどちらも必要
基本情報技術者の試験では、科目Aの試験と科目Bの試験が行われます。科目Aの試験では、ITに関する基礎的な知識が、科目Bの試験では、「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム」の2つの分野を中心に出題されます。
科目Bでは基礎的な知識だけではなく、より専門的な知識や、基礎知識ををある程度応用する力が求められますので、基礎知識は暗記するだけではなく、きちんとその内容を理解し、自身で使いこなせるようになる必要があります。
基本情報技術者試験に合格して資格を取得するには、科目A、B両方同時に合格する必要があります。
基礎知識を詰め込むだけではなく、しっかりと応用問題にも対応できるだけの勉強をする必要があります。
独学で挑む場合はしっかりとした下準備が重要
基本情報技術者試験の難易度を考えると、独学でも十分挑戦可能です。しかし挑戦するのは無謀ではないというだけで、何も考えずに勉強を始めてすぐに合格できるほど甘くはありません。
独学で挑む場合、勉強法というよりまずは勉強前の下準備が重要になります。
独学で基本情報技術者試験に挑む場合は、テキスト選びが重要なポイントとなります。基本情報技術者試験のテキストはいろいろな種類が市販されており、そのテキストの中から自分に合ったテキストを見つける必要があります。
基本情報技術者試験では、ITに関する専門用語や基礎知識などを学ぶ必要がありますが、テキストによって初心者向けに丁寧に解説している物から、ある程度の知識はあるものとして話をすすめている物までいろいろな種類があります。
自分の知識レベルのあったテキストを見つけるのが最初に行う下準備です。
自分にあったテキストを見つけたら勉強スタートと行きたいところですが、本格的に勉強を始める前にまずはテキスト全体を流して読んでみましょう。
テキスト全体を読むことで、基本情報技術者試験ではどのような問題が出題されるのか、どういった分野の知識が重要になるのかなど、試験の全体像が見えてくるかと思います。
まずは試験の全体像を把握し、その後どのように勉強をすすめていくのかを検討する。つまり勉強のスケジュールを立てるのが大切です。
本格的な勉強を始める前に、まずはテキスト選びとスケジュールの立案。この2つが終わってから本格的に勉強を始めましょう。
また、基本情報技術者試験に関しては、最新情報の収集も重要です。基本情報技術者試験は、2023年4月から試験概要が大幅に変更され、特に科目Bの出題内容が変更されました。また、基本情報技術者試験には過去問がなく、新しい試験方式になって以降の出題傾向などがつかみにくいという問題があります。
できるだけ信用できる最新情報を見つけ、現在の出題内容に対応できるように心がけましょう。
基本情報技術者試験の勉強法のポイント
では、実際に基本情報技術者試験の勉強法について、具体的に紹介していきましょう。もちろんここでは具体的な勉強法も紹介しますが、基本的な部分にとどめます。ここで紹介している基本的な勉強法を理解して、実際には自分に合った勉強法を見つけ出すようにしてください。
科目A試験と科目B試験に分けて勉強スケジュールを考える
基本情報技術者試験には科目Aと科目Bがあり、同時に両方の試験に合格しないと資格を取得できません。
勉強法のポイントは、両方の科目をそれぞれ勉強できるように、分けて勉強スケジュールを考えなければいけません。
科目Aと科目Bでは出題内容はもちろん、出題傾向や必要とされる知識も大きく変わります。理想を言えば科目Aの対策を終わらせてから科目Bの試験対策となりますが、時間をかけたくない方は両科目ともに同時進行ですすめて行くようにしましょう。
インプットだけではなくアウトプットも意識する
科目Aは特にですが、科目Bに関してもある程度の暗記力が必要になります。IT関係の専門用語やその言葉の指す意味など、しっかりと意味を理解しつつ頭に入れておく必要があります。
こうしたインプットの多い勉強の場合、多くの方がインプットに時間をかけ、どうしてもアウトプットがおろそかになりがちです。しかしインプットが重要な勉強こそアウトプットが重要になります。
人間の脳は新しい知識を記憶した場合、まずは短期記憶として脳内に保管します。しかし短期記憶に保管された記憶は時間とともに薄れていってしまいます。
この短期記憶を長期記憶に移すには、短期記憶にある新しい知識を使用する必要があります。つまりアウトプットするということです。
新たに得た知識をほかの誰かに言葉で説明する、新しい知識を使用する演習問題に挑戦するなど、何かしらの形で、得た知識をアウトプットしていきましょう。
出題傾向を把握する
資格試験の勉強において、その試験の出題傾向を把握するのは大きなポイントです。多くの資格試験の勉強法として、過去問対策が重視されます。これは過去問を解くことで、どのような問題が出題されるのか、その出題傾向を知ることができるためです。
しかし、基本情報技術者試験は2023年4月以降、実施方法や出題内容、試験時間などが大幅に変更されました。この記事を執筆している2023年6月現在、現状の試験方式になってからの出題傾向に関してはまだ不明点が多いのが現実です。
実際に基本情報技術者試験の過去問に関しては、基本情報技術者試験にCBT方式が導入されるようになった2020年度(令和2年度)以降未公開となっています。
最新の出題傾向という点では把握するのが非常に難しいのが現状ですが、今後現在の試験方式での試行回数が増えていけば、改めて出題傾向も見えてくるでしょう。独学の場合はこの出題傾向の把握も非常に難しくなりますが、可能な限り情報を集めるようにしましょう。
勉強スケジュールの立て方が大きなポイント
基本情報技術者試験に独学で挑戦する場合、重要になる下準備のひとつが勉強スケジュールを立てることです。なぜ重要かと言えば、基本情報技術者試験がCBT方式で行われるからです。
勉強スケジュールの立て方に関してはこの後説明しますが、まずは基本情報技術者試験の難易度などからどのようなスケジューリングが基本形となるのかを紹介しておきましょう。
基本情報技術者試験に独学で合格するためには、150~200時間ほどの勉強時間が必要と言われています。社会人や専業主婦(主夫)の方が、毎日の生活の中で確保できる勉強時間は、1日1~2時間程度でしょう。
仮に平日1時間、土日それぞれ5時間ずつ勉強すると考えると、1週間で15時間の勉強時間が確保できます。このペースで勉強した場合、合格までに必要な勉強期間は10~13週間(2~3ヶ月)程度となります。
仮に勉強期間を13週間確保した場合の勉強スケジュールのイメージを紹介しましょう。
週 | 勉強科目 | 勉強内容 |
---|---|---|
1~3週目 | 科目A | ・暗記項目を中心に試験範囲全体を勉強 ・項目ごとに効果的にアウトプットも組み込む |
4~7週目 | 科目B | ・参考問題などを中心にアウトプットをしていく |
8週目 | 科目A・B | ・模擬試験などで自身の弱点を把握する |
9~11週目 | 科目A・B | ・自身の弱点を重点的に補強 |
12~13週目 | 科目A・B | ・試験範囲全体の再学習 ・過去問があれば過去問対策も |
最初の3週間で科目Aの勉強を一通り終わらせ、続く4週間程度で科目Bの勉強を一通り終わらせます。
その後模擬試験や本番を想定した演習問題などで自身の実力をチェック。このチェックの段階では、どれだけ得点できたかよりもどの問題に正解し、どの問題で間違えたのかをチェックするのが重要。ここで自身の弱点を見つけ、その後は自身の弱点を克服しつつ2周目の勉強を行います。
この時に過去問や想定問題集が手に入れば、それも並行してすすめていきましょう。
これが試験日までの参考スケジュールです。ここから自分なりにアレンジをしながら、より自分に合った勉強スケジュールを組んでみましょう。
自分で試験日を決めて逆算してスケジュールを立てる
勉強スケジュールを立てる場合、ポイントとなるのがスタート地点とゴール地点です。スタート地点は基本情報技術者試験の勉強を始めると決め、諸々下準備が整ったタイミングで問題ありませんが、問題となるのがゴール地点。
一般的にゴール地点は資格試験の受験日となりますが、基本情報技術者試験は2023年4月からCBT方式が本格的に採用されています。CBT方式とはPCで受験するタイプの試験で、特徴としては受験日時を受験者が決められるという点が挙げられます。
つまり勉強をスタートさせる時点で、ゴール地点が確定していないのが基本情報技術者試験。ゴール地点となる試験日は自分で決めなくてはいけません。
スケジュールを立てる前に、大まかでもいいので自分が受験するタイミングを決めておきましょう。そしてそのタイミングから逆算して勉強スケジュールを立てます。
ゴール地点から逆算することでより勉強スケジュールの中身は細かくなり、いつまでにどこまで勉強すればいいのかがハッキリ見えてきます。
無理なスケジュールは組まない
勉強スケジュールを組む際、注意すべき点が勉強のペース配分です。
基本情報技術者試験のように、比較的短期間の勉強期間で合格が目指せる試験の場合、勉強スケジュールを立てるのは、基本情報技術者試験委長さんしようと決めた瞬間です。この習慣というのは、もっとも勉強に対するモチベーションが高い瞬間であり、そのモチベーションでスケジュールを組むと大変なことになりかねません。
無理な勉強スケジュールを立てると、スケジュール通り勉強をすすめるのが難しくなります。予定通り勉強が進まなければ当然焦りますし、ストレスも感じるようになります。結果勉強に対するモチベーションが下がりやすくなり、せっかく立てたスケジュールが無意味なものになりかねません。
勉強スケジュールを立てる場合は、十分に余裕を持って立てるようにしましょう。特に基本情報技術者試験のように短期間勝負の資格試験の場合、余裕があるくらいのスケジュールでちょうどよくなるかと思います。
問題集などでしっかりアウトプットを行う
基本情報技術者試験には過去問が存在しません。そこで重要になるのが、ある程度出題傾向を想定して作られた問題集の存在です。
上記の通り基本情報技術者試験の勉強においてアウトプットは重要なポイント。特に過去問がない試験ですので、頼りになるのは想定問題集のみです。
問題集を選ぶ際はしっかりと中身を吟味し、さらに何度も問題を解くようにして対策をするようにしましょう。
試験概要の大幅変更で特に科目B試験対策が難関に
2022年に発表された試験方式や出題内容、試験時間の変更で、2023年4月以降の基本情報技術者試験は、それまでの基本情報技術者試験とはまた別の試験となる可能性があります。
詳しい変更内容に関しては以下の記事で詳しく解説していますのでここで詳細は省きますが、気になる方は確認してみてください。
この試験概要変更で大きく変わるのが科目Bの試験内容です。しかも内容が変わった試験の過去問は公表される予定がありません。
これまでも特に初学者の方たちにとっては難関だった科目Bの試験はより難関試験となる可能性があります。
これから基本情報技術者試験に挑戦する予定の方は、できるだけ科目Bに関する信頼できる情報を集め、どのような問題が出題されても対応できるように準備しておきましょう。
具体的な勉強法は?
ここからは基本情報技術者試験対策の具体的な勉強法を紹介していきます。特に独学で挑戦する方をイメージして紹介していきますので参考にしてください。
科目A試験対策は従来通りもスピード重視
近年何度も変更が繰り返されている基本情報技術者試験ですが、科目Aの試験に関しては、従来の試験問題と出題内容、出題難易度は変わらないと公表されています。つまり今まで通りの勉強法である程度対応可能ということになります。
暗記すべき部分はインプットとアウトプットを上手に組み合わせ、繰り返し覚えることで確実な記憶として取りこぼさないようにしましょう。
ポイントがあるとすれば解答スピード。2022年以前と比較して、1問あたりにかけられる時間が短くなります。できるだけスピーディーに解答できるように、解答スピードも意識して勉強するといいでしょう。
科目B試験対策は過去問にこだわりすぎない
科目Bの勉強法は、かつては過去問対策一択と言われるほど過去問対策が重要でした。しかし前述の通り、現状の試験システムでは過去問は公表されません。公表されている過去問は2019年度以前の問題であり、2023年以降の基本情報技術者試験に大きな影響があるとは思えません。
もちろんある程度の効果は期待できますが、以前ほど過去問対策は重要ではなくなります。過去問対策にこだわらず、より信頼できる想定問題集などでアウトプットができるように準備しましょう。
基本情報技術者試験は独学でも合格可能か?
基本情報技術者試験の難易度自体はそこまで高いものではありません。もちろん独学でも十分に対応可能でしょう。
そこで基本情報技術者試験に独学で挑戦する場合のポイントを改めて解説していきたいと思います。
不可能ではないが簡単でもない
基本情報技術者試験に独学で挑戦すること自体は不可能ではありませんが、簡単でもありません。特に試験概要が変更された直後となる2023年、2024年あたりの試験では、過去問を利用できませんし、それなりの難易度にあるといえるでしょう。
しっかりと十分すぎるほど準備をし、根気よく勉強を続けて合格を目指しましょう。
スケジュールをしっかり立てる
独学で基本情報技術者試験合格を目指す場合、短期間で合格できるかどうかはスケジュールの立て方次第と言っても過言ではありません。自分の持っている知識や自分の仕事の都合、さらにプライベートの予定なども十分に加味したうえで、キツ過ぎず緩すぎないスケジュールを組みましょう。
信頼できるテキストを見つける
独学という勉強法において、頼りになるのは手元にあるテキストのみです。参考書、問題集などを選ぶ場合は、十分に比較検討し、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
特に参考書などはできれば1冊で勉強するのがおすすめ。出版社やシリーズによって重視するポイントや説明する方法が違うケースがあり、複数の参考書を読むと、かえって混乱してしまう可能性があります。
独学で基本情報技術者試験に合格できるかどうかに大きな影響を与えるのがこのテキスト選び。しっかりと自分に合ったものを見つけて購入しましょう。
より確実に合格を目指すのであればフォーサイトがおすすめ
基本情報技術者試験はそこまで難易度の高い試験ではありません。そのため理想は短期間の勉強期間で、一発で合格してしまうこと。
しかし、独学にこだわってしまうと、この短期間での合格が難しくなってしまうケースもあります。そんな場合には、勉強の途中からでも通信講座を利用するのがおすすめです。
通信講座は毎日自宅で一人で勉強する、授業の時間が決められていないのでマイペースで進められるなど、独学と非常に似た環境で使える勉強法で、独学からの切り替えにも対応しやすいというメリットがあります。
そんな通信講座の中ではフォーサイトの基本情報技術者講座がおすすめ。なぜフォーサイトがおすすめなのか。その理由をいくつか紹介しておきましょう。
最新の出題傾向に対応したテキスト
フォーサイトは長年いろいろな資格試験講座を開講している通信講座です。基本情報技術者試験に関しても、試験に精通したスタッフと専門講師がおり、試験概要が変更されても合格率を落とさないために、日々研究を続けています。
そんなスタッフや講師が製作に関わっているのがオリジナルテキスト。無駄な勉強はせず、基本情報技術者試験に合格するために必要な情報のみを厳選して詰め込んだテキストとなっており、効率よく学ぶことが可能です。
スキマ時間を有効活用できるeラーニング教材
フォーサイトをおすすめする大きな理由として、充実したeラーニング教材という点が挙げられます。毎日の生活の中にあるスキマ時間に、手元にあるスマホで手軽に勉強できるeラーニング教材は、基本情報技術者試験に短期間で合格するためには必須のアイテム。
デジタルテキストはもちろん、講義動画や音声データ、さらに演習問題など、いろいろな勉強法に対応した教材が手に入るのは大きなメリットといえるでしょう。
まとめ
基本情報技術者試験に独学で挑戦する場合、必要な勉強時間は150~200時間。ほかの資格試験と比較すると、そこまで難関試験ではないということができます。
信頼できるテキストや、しっかりとした勉強スケジュールがあれば、独学でも十分合格が目指せる難易度の試験ですが、このテキスト選びや勉強スケジュールの立て方が難しいところ。
さらに2023年4月から新しい試験方式になった基本情報技術者試験対策は、独学ではやや難しいと考えることもできます。
独学では難しいと感じた方、合格は目指せるけど時間がかかると感じた方は、独学にこだわらず通信講座の受講を検討してみましょう。
特に合格実績の高いフォーサイトがおすすめ。最新方式の基本情報技術者試験に対応したテキストや、いつでもどこでも勉強ができるeラーニング教材など、短期合格を目指すためのアイテムが手に入ります。
基本情報技術者試験はIT系資格試験の入門編。時間をかけずに突破して、さらに上の試験に挑戦しましょう。