ITパスポート試験とは?試験概要からメリットや難易度、勉強時間まで解説

更新日:2025年1月14日

ITパスポート試験とは?試験概要からメリットや難易度、勉強法まで解説

ITパスポートという資格について聞いたことがありますか? ITパスポートといっても、海外旅行に関する資格ではありません。

ITパスポートとは、ITに関する資格であり、デジタル化の進む現代社会において、大いに注目を集めています。 そんなITパスポートとは、どんな内容の資格なのでしょうか?

本記事では、ITパスポートとはどのような試験内容なのか、また、難易度や合格に必要な勉強時間はもちろん、試験はいつ行われるのか、受験料や出題範囲・出題形式はどうなっているのかなど、ITパスポートの詳細や魅力についてご紹介します。

加えて、ITパスポートを取得することのメリットとデメリット、さらに、資格としての将来性についても解説していきます。

  • ITパスポートとは国家資格のひとつで、情報処理技術者試験の1つの区分です。
  • ITパスポートの合格率は、だいたい50%前後です。
  • ITパスポート試験が人気なのは、合格することでたくさんのメリットがあるからです。
  • ITパスポート試験に合格するために必要な勉強時間は、およそ100時間です。
  • ITパスポートの将来性はとても明るいと言えます。
目次

ITパスポート試験とは?

ITパスポートとは、国家資格のひとつであり、ITを活用するすべての社会人にとって必要となる、ITの基本的な知識を身に付けていることを証明する資格です。

AIやビッグデータ、IoTといった技術は、IT化が進む日常生活ではもちろん、現代のビジネスシーンでも必要不可欠なものです。 ITの基礎的な技術に関する知識を身に付けたうえで最新情報にも明るく、それらを有効活用できるのが、「ITパスポートの資格を持った人」ということになります。

また、ITパスポート試験に合格することにより、経営管理やマネジメントの知識なども身に付くので、それらの現場でITを有効に活用できる人材を増やすことも、この資格の目的のひとつです。

さらに、今後社会に出ていく学生にとっても、取得しておくと就職活動でアピールできる資格であることは言うまでもありません。 まだ数は多くありませんが、求人の募集条件にITパスポートの資格所有を含めている企業もあります。

ITパスポートを取得すると、就職で有利になる、よりよい条件で就職できる可能性が高まることも、学生が当試験を受験する目的として十分な理由になるのではないでしょうか。

情報処理技術者試験のひとつ

ITパスポートは、情報処理技術者試験のひとつの区分です。 情報処理技術者試験とは、情報処理に関する知識と知能を認定する資格になります。

以下の表のように全部で12の区分がありますが、ITパスポートはそのひとつの区分であり、もっとも易しいレベル1に分類されています。

情報処理技術者試験の試験区分とレベル
種別 試験区分 レベル
ITを利用する者 ITパスポート試験 1
情報セキュリティマネジメント試験 2
情報処理技術者 基本情報技術者試験
応用情報技術者試験 3
高度情報処理技術者 ITストラテジスト試験 4
システムアーキテクト試験
プロジェクトマネージャ試験
ネットワークスペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITサービスマネージャ試験
システム監査技術者試験

つまり、ITパスポートは、IT系の資格のなかでも最初のステップとして取得する人が多い、基本的な資格と言えるでしょう。

情報セキュリティマネジメントとの違い

ITパスポートと情報セキュリティマネジメントは、それぞれ目的や対象者、試験範囲が異なる資格です。 ITパスポートはスキルレベル1に位置付けられ、IT初心者や一般職向けに、ITや経営戦略、セキュリティ、法律など幅広い基礎知識を問う試験です。

すべての社会人が業務で役立てられる知識を得られるのが特徴として挙げられます。 一方、情報セキュリティマネジメントはスキルレベル2に該当し、情報セキュリティに特化した試験内容で、リーダー職やセキュリティ担当者向けに設計されています。

セキュリティポリシーや規定の管理など、専門的な知識が求められるのが特徴です。

基本情報技術者との違い

ITパスポートはスキルレベル1に位置し、IT初心者や一般職向けで、幅広い基礎知識を問う試験であることは先述しました。

基本情報技術者はスキルレベル2に該当し、ITエンジニア向けの専門的な試験で、システム設計やプログラミングの知識が求められます。

難易度も基本情報技術者のほうが高く、合格率は20~30%と低めです。 ITパスポートがIT基礎知識の習得に適しているのに対し、基本情報技術者は実務に直結するスキルを証明する資格になります。

関連記事:
基本情報技術者試験が大きく変わる!試験概要を徹底解説

ITコーディネータとの違い

スキルレベル1に位置するITパスポートは、初心者や学生、社会人に対して、ITや経営、セキュリティの基礎知識が身についていることを証明する国家資格です。

一方、ITコーディネータは、経済産業省推進の民間資格で、ITと経営をつなぐプロフェッショナルを対象にしており、経営課題の解決やITサービスの活用を支援する役割が求められます。

難易度は、ITパスポートが初心者向けで合格率約50%、ITコーディネータは経営やITの実務経験がある人向けで、合格率は約60%です。

DX推進パスポートとの違い

DX推進パスポートは、デジタル技術を活用して組織変革を支援する人材を育成するための認定バッジです。 ITパスポートを含む3つの試験に基づいており、合格数に応じて段階的に認定されます。

一方、ITパスポートは、情報処理技術者試験の中でも基礎的な国家資格で、ITの基礎知識を学ぶことで合格に近づくことができます。

対象は社会人や学生で、業務にITを活用するための知識を学びたい人向けです。 ITパスポートと比べて、DX推進パスポートはより実務的なDX推進スキルの証明として利用されます。

MOSとの違い

MOS(Microsoft Office Specialist)とは、Microsoft Office製品の操作スキルを証明するマイクロソフト社認定の国際資格で、WordやExcelを使った実務能力が問われます。

一方、ITパスポートは経済産業省認定の国家資格で、ITの基礎はもちろん、幅広い分野の知識を学ぶ必要があるため、ITリテラシーを証明する資格として適しています。

実務スキルを強化したいならMOS、IT全般の基礎知識を身につけたいならITパスポートが適しており、それぞれの目的に応じて選ぶとよいでしょう。

ITパスポート試験の合格率・難易度は?

ITパスポートは、情報処理技術者試験のなかでもっとも易しいレベルの資格であるとご紹介しましたが、実際の合格率はどのようになっているのでしょうか。

ITパスポートの近年の合格率は次の表のとおりです。 ITパスポートの合格率はだいたい50%前後です。 受験した人のおよそ半数が合格することになります。

合格率という点で見ても、ITパスポート試験はそこまで難易度が高い試験ではなく、きちんと勉強をすれば、多くの方が合格できる試験と言うことができるでしょう。

情報処理技術者試験全体を見ても、合格率が50%を超える試験は決して多くありません。 それらの結果を鑑みても、ITパスポート試験の難易度はそこまで高くないと考えてもいいでしょう。

ITパスポート試験の難易度 参照:ITパスポート試験統計情報
試験年度 応募者数 受験者数 合格者数 合格率
2015年度 80,949名 73,185名 34,696名 47.4%
2016年度 86,305名 77,765名 37,570名 48.3%
2017年度 94,298名 84,235名 42,432名 50.4%
2018年度 107,172名 95,187名 49,221名 51.7%
2019年度 117,923名 103,812名 56,323名 54.3%
2020年度 146,971名 131,788名 77,512名 58.8%
2021年度 244,254名 211,145名 111,241名 52.7%
2022年度 253,159名 231,526名 119,495名 51.6%
2023年度 297,864名 265,040名 133,292名 50.3%
2024年度 205,437名 181,572名 90,590名 49.9%
過去10年合計 1,634,332名 1,455,255名 752,372名 51.5%

ITパスポート試験の難易度については、より詳細を記載している以下記事も合わせてチェックしてみてください。

関連記事:
ITパスポートの難易度は?合格率や必要な勉強時間、勉強法を解説

ITパスポート試験の概要

ここからは、ITパスポートについて、試験日程、受験料、出題形式、出題範囲といった基本的な概要についてチェックしていきましょう。

試験日程

ITパスポートの試験は、年間を通じて随時行われています。 試験が行われる頻度は、都道府県や会場によって異なりますが、だいたい月に1~3回程度、試験日が設けられています。

また、同じ試験日でも、午前、午後、夕方と試験が複数回行われる会場もあります。

試験会場については47都道府県に設けられていて、自分の好きな会場を選んで受験できます。試験が頻繁に行われているため、自身のペースで勉強して、自分の都合のいいタイミングで受験ができるのが特徴です。

試験日程については、より詳細を記載している以下の記事も合わせてチェックしてみてください。

関連記事:
ITパスポートの試験日はいつ?受験資格や試験の基本概要を解説

受験料

ITパスポート試験の受験料は、7,500円(税込)です。 2021年度までは5,700円(税込)でしたが、2022年度から7,500円に変更となりました。

受験料の支払いは、クレジットカード決済、コンビニ支払い、バウチャー払いの3種類があります。

申し込み方法

ITパスポート試験の申し込みは、IPA(情報処理推進機構)の公式サイトから行うことができます。 初回受験時には利用者IDの登録が必要です。

このIDを用いて、試験の申し込みや結果確認ができるようになります。 ただし、1年以上利用がないとIDが無効になるため注意しましょう。

申し込みの際に、試験会場や日時、支払い方法を選択します。 支払い方法にはコンビニ決済、クレジットカード、バウチャーがあり、それぞれ利用可能な期間が異なるので事前に確認してください。

申し込み完了後、確認票をダウンロードしましょう。 確認票には受験日や会場、受験番号などが記載されており、試験当日に必要となるため、印刷して持参することが求められます。 ITパスポート試験の申し込みは、事前に手続き内容を確認ののち、余裕をもって準備を進めましょう。

関連記事:
ITパスポート試験の申し込みはいつから?申込手順もやさしく解説!

試験会場

ITパスポート試験は、全国47都道府県すべてに試験会場が設置されており、居住地を問わず自由に会場が選べるため、非常に受験しやすい環境が整っています。

パソコンスクールや試験専門施設が試験会場として指定されており、好立地であることも特徴です。 試験日は会場によって異なり、週末や平日を含めて複数の日程から選択可能です。

また、多くの会場では午前・午後、あるいは夕方の枠で試験が実施されているため、自分のスケジュールに合わせて受験の日時を調整できます。 全会場は定員制となっているので、早めの申し込みがおすすめです。

公式サイトで最新の会場情報や試験スケジュールを確認して、受験準備を計画的に進めましょう。

関連記事:
ITパスポートの試験会場はどこ?申込方法・試験当日の流れも解説

出題形式

ITパスポート試験で出題される問題数は、全部で100問です。 すべての問題が四肢択一式となっています。

また、ITパスポートではCBTという方式が採用されています。 これはComputer Based Testingの略で、コンピュータ上で出題され、マウスやキーボードを使い、パソコンの画面上で解答する形式です。

ITパスポート試験の公式ホームページから疑似体験用ソフトウエアをダウンロードできるので、不安な方はあらかじめマウスやキーボードを用いた解答形式を練習しておきましょう。

出題範囲

ITパスポートの出題範囲は、以下の3つの分野にわたります。

ストラテジ系:企業と法務、経営戦略、システム戦略
マネジメント系:開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
テクノロジ系:基礎理論、コンピュータシステム、技術要素

ITパスポート試験に合格するメリット

ITパスポート試験は2009年から始まったものであり、比較的新しい資格になります。 しかし年々受験者が増えており、今後もますます注目されることが予想される資格です。

ITパスポート試験が人気なのは、合格することでたくさんのメリットがあるからでしょう。 ここからは、ITパスポート試験に合格するメリットについて説明していきます。

ITに関する基本的な知識が身に付く

ITパスポートを取得する最大のメリットは、IT分野の基礎的な知識が身に付くことです。 現代社会において、日常生活はもとより、ビジネスの現場においても、ITは切り離せない技術であり、どんな職場でも活用することが求められています。

営業職であれば、それらの知識が顧客のニーズ分析などに活用できますし、総務や人事においても、ITを活用することで業務の効率化を図ることができます。

このように、すべての業種や職種において、ITを有効活用する機会は今後も著しく増えてくることでしょう。 そこで活躍できるのが、ITパスポートの資格所有者です。

また、ITの知識は、仕事の場だけではなく、私生活でも大いに役立つものです。 ITパスポートの資格を取得することで、オフィシャルでもプライベートでもメリットを得られることが、当資格の特徴と言えるでしょう。

IT以外の分野の知識も深まる

ITパスポートの資格を取得することで得られるのは、IT関連の知識だけにとどまりません。 それらに加え、経営戦略やリスクマネジメント、さらに、財務に関する知識についても試験で出題されるため、勉強すべき範囲は多岐にわたります。

経営戦略に関しては「SWOT分析(スウォット分析)」や「BSC(ランス・スコアカード)」といったことまでを勉強しておく必要があります。 そしてこれらは、社会人であれば理解しておきたい内容でもあるでしょう。

財務については、財務諸表の見方、損益分岐点の分析などについて学習しておくことが大切です。 これらは、経理などの専門部署に勤めていない場合でも、知っておくと役に立つ知識でもあります。

つまり、ITパスポート取得のための勉強をすれば、IT分野のことはもちろん、IT以外の社会人として必要な知識もあわせて身につけることができるのです。

就職や転職で有利になるケースも

ITパスポートを取得することで、ITに関する基礎的な知識を持っていることの証明になります。 ITパスポートの取得を必須にしている職種は多くありませんが、ITパスポートを取得していることで、就職や転職で有利になる可能性は大いにあります。

ITパスポートの取得は、有利になる特定の業種があるというよりも、すべての業種でプラスになると考えられます。 特に大学生、大学院生、専門学校生など、これから社会に出る学生にとっては、ITパスポートを取得することにより、ITに関する知識を持っていることが証明されるので、就職活動などにおいて優位な自己PRになるはずです。

一方、すでに社会人として働いている人については、志望する企業や職種にかかわらず、ITパスポートを取得していることが必ず有効に働くことは間違いないでしょう。

業種を選ばずすべての業種で使える資格

ITパスポートは、IT関連の仕事に就いている人に限らず、すべての業種で活かせる資格と言えます。 ITの活用は、どんな業界、業種でも、今や必須であるからです。

メールやSNS、チャットアプリを活用して、組織の中で従業員同士がやりとりをする場面も増えています。 もちろん、社外のクライアントやさまざまな業者とも、ITツールを駆使してコミュニケーションを取ることが当たり前の時代になりました。

そのため、ITパスポートを取得することで基本的なITの知識を身につけていると、その知識が必ず役に立つはずです。 もし、今あなたが学生であり、将来就きたい業界や業種が決まっていなくても、ITパスポートを取得しておいて損はありません。

むしろ、ITパスポートは、学生のうちに取得しておくと、後々評価の対象になる資格とも言えます。 すでに社会人として働いている人であっても、転職や異動によって、より深いITの知識が必要になるかもしれませんから、ITパスポートの資格を取得する魅力は大いにあるでしょう。

取得しやすいCBT制度

ITパスポートの特徴として、CBT方式という試験方法が採用されていることが挙げられます。 これは、パソコンで出題と解答を行う方式であり、日本全国のどこからでも受験しやすい方法として採用されています。

試験会場も47都道府県すべてに設けられていて、試験自体も頻繁に行われています。 限られた試験会場で、1年に一度しか行われていない他の資格試験と比べると、ITパスポートは大変受験しやすい資格試験なのです。

しかも、CBT方式は、試験が終了したらその場で結果がわかることも特徴です。 一度不合格になったとしても、すぐにその場で頭を切り替えて、再び勉強して再受験することも可能です。

また、ITパスポートに受験資格はありません。 年齢や学歴、職業などを問わず、誰でも受験できる資格です。

自分のスケジュールや学習の進行度合いにあわせて、好きなタイミングで受験できるので、何度でもチャレンジできるという点においても、取得しやすい資格と言えるのではないでしょうか。

ITパスポート取得のデメリット

ここまでは、ITパスポートを取得するメリットを挙げてきましたが、デメリットはあるでしょうか?

社会人として仕事をしていく上で、または、私生活でもその知識を活用できるITパスポートですが、取得に関するデメリットについて見てみましょう。

独占業務などはなく資格としての魅力は低い

さまざまな種類の資格があるなか、それらを取得することで大きなメリットを得られるのは、独占業務を持つ資格です。 独占業務とは、医療行為を行うことができる医師免許、裁判で弁護を行うことができる弁護士資格のように、その資格を持たなければできない業務がある仕事のことを指します。

そのような独占業務ができる資格は利用価値が高く、社会的な評価も同じく向上します。 しかし、ITパスポートについては、何か特別な業務を独占的に行うことができる資格ではないため、資格としての価値がそれほど高いとは言えないかもしれません。

これが、ITパスポートのデメリットと考えることもできるでしょう。 しかし、ITパスポートは、英語力を測るTOEICのように、自分のITに関する知識量や実力を試し、証明するための資格です。

TOEICが英語力の証明なら、ITパスポートはIT力の証明といえます。 特に、これからIT関連の仕事に就きたいと考えている方や、ITとは関係のない業種に就いている方にとっても、ITパスポートの資格を持っていることで、ITに関する基本的な知識を持ち合わせていることを証明することができるため、非常に有効な自己アピールにつながること間違いなしです。

この点を十分に理解したうえで、取得するかどうか考えるといいでしょう。

就職後に取得するならほかの資格のほうが有利に

もうひとつ、ITパスポートの取得についてデメリットとなる可能性があるのは、就職して社会人になった後に取得するなら、ITパスポート以外の資格の方が有利と言えることです。

ITパスポート試験に合格するためには、最低限の勉強が必要です。 もし、すでに社会人として働いているのなら、資格試験のための勉強時間を確保することは決して簡単ではありません。

しかし、頑張って勉強をして資格を取得しても、ITパスポートには独占業務がないため、独占業務のある資格に比べると大きなメリットがあるとは言えません。 もちろん、独占業務を持つ資格は、ITパスポート試験よりも難関試験が多く、さらにたくさんの勉強時間が必要となります。

勉強時間と取得後のメリットのバランスを考え、受験するかどうかを決めることが重要になるでしょう。 ただし、大学生、大学院生、専門学生のようば学生の方には、ITパスポートの取得がおすすめです。

また、ITパスポートはさまざまな業種で活用できるため、将来どのような道に進むか決めていないという方にとっても、ITパスポートの取得は大きな意味を持ちます。

近年では、すでに働いている従業員に対して、ITパスポートの取得を推奨している企業も増えています。 今後は、就職条件にITパスポートの資格所有が必要になる業種が表れるかもしれません。

ITパスポートが必要になるのは?

ITパスポート試験とは?試験概要からメリットや難易度、勉強法まで解説

ここまでは、ITパスポート資格の概要を解説してきました。 ここからは、実際にこの資格がどのような方に必要となるのかを考えていきましょう。

ITパスポートが制定された目的、また、ITパスポートが情報処理技術試験の区分であることを考えると、どのような方に向けた資格であるのかが、自ずとわかってくるはずです。

すべての社会人が対象

ITパスポート試験を管理運営する情報処理推進機構は、ITパスポートについて次のように表現しています。 「ITを利活用するすべての社会人、これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格」。 この言葉からもわかる通り、ITパスポートはすべての社会人と学生にとって意味のある資格と言うことができます。

ITパスポート試験が制定されたのは2009年でした。 当時と比べても、現代の社会ではIT化が加速的に進んでいます。

ビジネスの面でも、人々の暮らしにおいても、ITが必要不可欠であり、ITに関する基礎知識は職種、業種、職場を問わず重要であることに間違いはありません。 そのため、ITパスポートは、すべての社会人が対象となる資格と言えるでしょう。

また、ITパスポートの資格を取得するためには、事前に勉強しなければなりません。 そのため、社会人よりも時間に余裕のある学生のうちに勉強して、ITパスポートの資格を取得しておくのがよりおすすめです。

学生も、将来は社会に出て働くことになりますから、社会人になる前にITに関する基礎知識を身に付け、さらに、その知識を証明できる資格を取得しておくことには大きな意味があるでしょう。

SEなどの専門職は専門資格取得を

ITパスポートはすべての社会人にとって取得する意味のある資格ですが、SEのようにITに関する専門性が高い職業に就いている方、または、そのような職業を目指している学生の方は、ITパスポートではなく、より専門性と実用性の高い資格の取得について考えてみましょう。

ITパスポートは、あくまでもITの基礎的な知識を問う資格であり、ITの専門的な職業に就く方にとっては、そこまで重要と言える資格ではありません。 そのため、より上位の資格を狙うことがおすすめです。

情報処理技術者試験であれば、ITパスポートよりも上位レベルの資格がふさわしいでしょう。 国家資格に限らず、例えばSEの方ならCCNAやXMLマスターなどの資格も最適です。

仕事をしながら自分に必要となる資格を見極めて、その取得を目指しましょう。 また、ITパスポートには経営戦略やマネジメントといった分野も含まれますが、そのような分野に興味がある方は、それらに特化した資格試験を探すほうがいいでしょう。

ITパスポート試験合格に必要な勉強時間

ITパスポート試験に合格するために必要な勉強時間は、およそ100時間です。

これまでに、特にITに関する勉強をした経験がない方や学生の方などの初学者は、100時間程度を目安に勉強時間を考えましょう。 これは、1日2時間の勉強で数か月程度かかる計算になります。

一方、ITに関する基礎的な知識がある方や、IT系の仕事にすでに就いている方なら、勉強時間はやや少なくなり、80時間程度で合格を目指せるでしょう。 勉強時間については、より詳細を記載している以下の記事をチェックしてみてください。

関連記事:
ITパスポート試験に合格するための勉強時間は?取得するメリットや勉強方法も

ITパスポートは何ヶ月で取れる?

ITパスポート試験に合格するためには、学習時間の目安として平均150時間程度が必要とされています。

ITの基礎知識がない場合、約180時間の勉強が推奨され、1日2時間の学習を続ければ約3ヵ月で合格を目指すことができるはずです。 一方、IT関連の仕事をしている人や情報系の学校に通う学生など、ITの基礎知識がある場合は、約100時間の学習で合格が狙えると言われています。

この場合、1日1時間の学習を続けると約3ヵ月、1日2時間学習すれば約1.5ヵ月かかる計算になります。 苦手分野を重点的に復習することが、効率のいい学習方法となるでしょう。

ITパスポート試験合格に効率的な勉強方法

ITパスポートは、難易度が高い資格ではないので、独学でも十分に合格を目指すことができる資格と言われています。 しかし、ITパスポートの資格取得にチャレンジをする際に覚えておきたいのが、効率的な勉強方法についてです。

ITパスポート試験に合格するための効率的な勉強方法について、以下記事により詳しい情報を記載しているので、ぜひ読んでみてください。

関連記事:
ITパスポート試験に独学で挑戦するときに覚えておきたい勉強のポイント

ノウハウが詰まった参考書でインプットする

合格するための大事なポイントのひとつめが、教材選びを慎重に行うことです。 勉強に使う教材は何冊も用意せす、1冊に絞りこむのがおすすめです。 教材によって力を入れている分野が違ったり、演習問題が多かったりなど、特徴が異なります。

複数の教材を使うと、覚えるべき情報や把握すべき知識の順番や流れがブレやすくなり、学習が効率的に進まない可能性があります。 教材選びは難しいかもしれませんが、自分で実際に手に取って中を見ることが大切です。

読みやすく、わかりやすいと感じた教材に絞って学んでいきましょう。 図やイラストが多く使われているものも、理解が深まりやすいのでおすすめです。

過去問でアウトプットする

教材で知識をインプットしたら、次に必ずアウトプットの時間を設けましょう。 アウトプットの方法として、過去問にチャレンジするのがおすすめです。

教材を読み込んで新しい「情報」を覚えたとしても、それだけでは「知識」になりにくいものです。 過去問を解くことによって、取り入れた情報をアウトプットして、新たな知識として定着させていきましょう。

ちなみに、脳の働きを考慮すると、インプットは夜寝る前、アウトプットは朝起きた直後に行うのがいいという説もあるようです。

通信講座で最新情報を入手する

独学での勉強を検討する場合は、通信講座を利用するのもひとつの方法です。 通信講座であれば、試験に関する最新情報をいち早くキャッチアップして受講生にお知らせしてくれるため、試験の傾向や最新ニュースを得ることができます。

自分の中の試験情報をアップデートすることで、効率的に試験勉強ができるうえ、着実に合格に近づくことができるでしょう。

ITパスポートの将来性

ITパスポート試験は入門レベルとはいえ、合格するためには勉強が必要です。 しかし、ITパスポートの資格に将来性がなければ、わざわざ勉強してまで取得する必要はないと考える方もいらっしゃるかもしれません。

ITパスポートに将来性はあるのでしょうか? 結論から申し上げますと、ITパスポートの将来性はとても明るいと言えます。

その主な理由は2つあり、これからご紹介していきます。

IT化が進む今後は必須の資格に

いまやわたしたちの生活に欠かせなくなったITは、ビジネスシーンでも多くの職場や業種でその技術が導入されています。

日本政府は2020年にデジタル庁を新設しました。 国を挙げてデジタル化を推進していく方針が示されたように、IT技術の活用は今後もあらゆる業界で今以上に進んでいくでしょう。

IT技術が進化すれば、私たちもそれに即して新しい知識を身につけなければいけません。 そしてそのようなIT知識の土台となるのが、ITパスポート試験で問われるような内容なのです。

IT化がますます加速していく将来において、ITパスポートの資格取得のために身につけた知識は、今まで以上に多くの場面で利用されることが予測されます。

現在、IT系の職種に就きたい学生たちは、就職活動で自己アピールができるように、ITパスポートの取得を目指して勉強をしています。 今後は、ITパスポートの取得を必須にする企業が出てくる可能性もあるでしょう。

そのような将来を考えると、ITパスポートを今のうちに取得しておくほうがさまざまな場面で有利に働くことは間違いないでしょう。

経営マネジメントの知識などは仕事の場でも生かせる

ITパスポートの試験内容には、経営戦略やマネジメントについてなど、IT以外の問題も出題されます。 そのような知識は、社会人であれば誰もが学んでおくべきことと言えるでしょう。

現在の職場でも活かせることはもちろん、自身の社会的ポジションが上がれば上がるほど必要になる知識でもあります。 ITの技術は日々進化しますが、経営戦略やマネジメントの基本的な考え方が大きく変わることはありません。

ITパスポートを取得して、それらの知識を身につけておくことは、将来的に見ても大変有効でしょう。

ITパスポート試験の注意点

ITパスポート試験をスムーズに受験するためには、事前準備と試験当日の行動が重要です。ここでは、試験当日に特に気をつけたいポイントを解説します。

余裕を持って準備を整え、試験に集中できる環境を作り、落ち着いて受験に挑むためにも、これらの注意点を参考にして万全の体制を整えましょう。

試験当日に注意すべき持ち物と服装

試験会場に着いたらスムーズに受付を済ませるために、持ち物を事前に確認しましょう。

必ず必要になる「確認票」や「写真付き身分証明書」は、忘れずに準備してください。 確認票はプリントアウトしておくと便利です。

利用者IDや受験番号をメモしておけば代用可能ですが、紙で手元に持っておくと安心でしょう。 服装にも注意が必要です。

試験中に身分証をポケットにしまうよう指示されることが多いため、ポケット付きの服を着用するのがおすすめです。 また、エアコンの効きすぎによる寒暖差にも対応できるよう、羽織るものを持参しましょう。

机の上には目薬やハンカチ以外の私物を置けないため、不要なものはロッカーや足元に置いてください。 試験会場までの道順や移動時間も確認しておきましょう。

迷わないよう、余裕を持って到着できるスケジュールを立ててください。 可能であれば事前に会場を下見し、試験当日の流れをイメージしておくとスムーズです。

CBT方式への慣れと試験中の進め方

ITパスポート試験は、コンピューターを使ったCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。 事前に試験画面や操作に慣れておくことが重要です。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が提供する「CBT疑似体験ソフトウェア」を活用して、画面のレイアウトや解答操作を体験しておきましょう。

操作方法に戸惑って時間をロスしないためにも、事前準備をしっかりと行うことが試験本番でのスムーズな進行に繋がります。 試験中の心構えとしては、わからない問題に固執せず、次の問題に進むことが大切です。

ITパスポート試験の合格ラインは60%であり、難問を全て解く必要はありません。 「後で見直すためにチェックするボタン」を活用し、最後の5分で解答状況を確認して空欄を埋めることを忘れないようにしましょう。

また、試験終了時間前に退室する受験者がいても焦らず、自分のペースを保つことが重要です。 遅刻してしまった場合でも、試験時間内であれば受験可能です。ただし、終了時刻が延長されることはないため、時間配分には十分注意してください。

ITパスポート最短合格なら通信講座がベスト

将来性のあるITパスポートの資格は、今のうちから取得しておくことがベストです。 そして、ITパスポートに最短で合格するなら、効率的に学ぶことができる通信講座の利用をおすすめします。

その理由のひとつとして、通信講座であれば、自分自身のペースで、いつでも勉強ができることが挙げられます。 働いている方や育児や家事で忙しい方などは特に、勉強時間をまとめて確保するのは簡単なことではありません。

しかし、通信講座を利用すれば、通勤時間や自宅での空き時間、仕事の休憩時間などを利用して、場所や時間を問わず勉強できるのが最大の魅力です。 また、費用面でもうれしいメリットがあります。

通学が必要なスクールの場合は、授業料に加えて交通費もかかります。 しかし、通信講座の場合は、受講料が割安で、かつ、交通費を気にする必要がありません。

加えて、市販の参考書を使った独学では、わからないことがあった際には、その答えを自分で探し出す必要があり、時間も労力もかかってしまいます。 その点、通信講座なら、不明点や疑問点について講師に聞くことができるので、正しい答えをすぐに導き出すことができます。

わからないところをそのままにせず、しっかりと学習を進めることができるので、ITパスポートの最短合格を狙うのであれば、通信講座がベストであることは言うまでもありません。

フォーサイトのITパスポート通信講座の特徴

ITパスポート試験の勉強をするにあたって、おすすめの通信講座は何と言っても「フォーサイト」です。

フォーサイトは、ITパスポート以外の資格試験講座も数多く行っており、それらも含めた合格率がとても高いのが特徴です。 経験豊かでコミュニケーション能力が高いベテランの講師陣が揃っていることもあり、受講者の合格率が非常に高いことは、当然の結果と言えるでしょう。

合格に焦点をあてた教材づくりが行われているため、フルカラーであることはもちろん、重要な点は色つきでわかりやすくまとめられています。 また、理解をより深められるよう、イラストや図が多く取り入れられているところも魅力です。

多くの方が「わかりやすい」と太鼓判を押している教材を使っての勉強が、合格最短の道であることは、誰の目から見ても明らかです。

不合格になることを考える前に、まずは合格をつかみ取るためにしっかりと勉強しましょう。

通信講座を体感するなら資料請求しよう!

ITパスポートの資格取得には通信講座がベスト、と聞いても、まだ通信講座を利用したことのない方や、過去にチャレンジしたけれど挫折してしまった方は、始める前から躊躇してしまうかもしれません。 そんなときは、まず、資料請求をしてみましょう。

フォーサイトの資料請求は、誰でも無料でできます。 資料だけではなく、サンプルテキストや問題集もオンラインですぐ見ることができるので、どのようにわかりやすくまとめられているのかを確認できます。 実際に教材をチェックすることで、自分で勉強するイメージがつきやすくなるはずです。

資料請求をすれば、無料でeラーニングを試すこともできます。

これだけの特典があって無料ですから、ITパスポートに興味を持った方は一度資料請求してみてはいかがでしょうか?

これからの時代に求められるITパスポート試験

ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識を証明できる国家試験です。 これからの社会において、IT化はますます加速していき、どのような業界でもIT技術が今以上に活用されると考えられます。

今後の社会背景を考えると、多くの社会人や学生にとって、取得をしておいたほうがいい資格としてITパスポートが挙げられるのではないでしょうか。 ITパスポートは情報処理技術者試験のなかでもっとも易しいレベルにあたりますが、合格するからにはしっかりと勉強をして知識を身につけたいところです。

ぜひ一度、ITパスポートの取得について考えてみませんか?

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この記事の監修者は
對馬敬広(つしま たかひろ)

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【出身】青森県
【経歴】弘前大学理工学部卒。基本情報技術者、甲種危険物取扱者等の資格を保有。
【趣味】料理、筋トレ
【座右の銘】不撓不屈
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