社労士と通関士ならお勧めはどっち?難易度や将来性から考える

お勧めはどっち?

社労士と通関士は、いずれも仕事に活かせる専門知識を証明する国家資格です。将来の就職や転職を考える上で、何か資格を取得したいと思い立った結果、「社労士か、通関士か」で迷うケースもあるようです。

実際のところ、実務未経験から挑戦するなら、社労士と通関士のどちらがお勧めといえるのでしょうか?社労士資格と通関士資格を、仕事内容や難易度、将来性の観点から比較して考えてみましょう。

➡社労士と簿記の比較についてはこちら
目次

仕事に活きる独占業務が魅力!社労士と通関士

数ある資格の中でも、社労士資格や通関士資格といった国家資格に狙いを定めるべき理由は、「資格を取得することで仕事の幅が広げられること」にあります。

民間資格の場合、取得しても必ずしも仕事に結びつかないことは意外と多いものです。この点、社労士も通関士も、取得すると独占業務に従事することができるようになります。

具体的には、社労士であればいわゆる1号業務(手続き業務)と2号業務(帳簿作成)、通関士は通関書類(輸出入申告書)の審査及び記名押印が挙げられます。

このように、「資格を取得しなければ出来ない仕事を手掛けたい」「仕事上で、周囲を一歩リードしたい」という方にとっては、社労士や通関士といった独占業務を有する資格取得を目標にするのがお勧めです。

社労士と通関士、取得するならどっち?

取得するならどっち?

皆さんご存知の通り、社労士と通関士はいずれも異なる専門分野を持つ資格同士です。両資格は「仕事に活かせる」という点で共通しているものの、実際にどちらを狙うべきかは、難易度や業務範囲、将来性から比較するのが妥当といえます。

社労士と通関士の難易度比較

大前提として、資格試験の難易度は、試験範囲の内容等が大きく異なる以上、横並びで単純比較できるものではありません。しかしながら、そこをあえて比べるとするならば、難易度の指標の一つである「合格率」から見るのが分かりやすいと思います。

社労士試験の合格率は例年7%ほど、これに対して通関士は10~15%程度で推移していることを鑑みれば、合格率から見た難易度は社労士の方が高いと言えます。また、合格に必要な勉強時間を比較しても、社労士で1,000時間、通関士で450時間が一般的な目安とされていますから、社労士の方が断然ハードルが高いと言えましょう。

「業務範囲」なら社労士に軍配

通関士の活躍の場である「通関業務」を行える職場は、主に通関業者のみに限られています。一方で、社労士が専門とする労働・社会保険関連業務は、業種を問わずどんな会社でも生じますから、労働・社会保険分野の専門性を活かせる職場は非常に多いのが特徴です。

また、社労士は、幅広い就職先を想定出来る他、独立開業しやすい士業のひとつとも考えられています。もちろん、通関士として独立することも可能ですが、関税や消費税の立替資金の準備や貨物の保管場所の確保等、個人での対応が難しいと言わざるを得ません。

このように、業務範囲や資格の活かし方を幅広く想定できるのは、社労士であると断言できます。

社労士と通関士はいずれも将来性あり

両資格の将来性に注目すると、労働・社会保険関連の専門家である社労士も、輸出入手続きのエキスパートである通関士も社会的なニーズは高く、常に需要のある職種と考えて良いでしょう。

よって、将来性の観点でいえば、社労士と通関士どちらの取得を目指しても何ら問題ありません。

取得資格は「興味関心」で考える

ここまで、あらゆる観点から社労士と通関士を比較しましたが、実際にどの資格を目標とするかは、ご自身の興味関心を主軸とした検討が重要であることは言うまでもありません。

どんなに将来的に役立つ資格であっても、専門分野に興味関心を持てないのであれば、資格取得までの道のりは険しいものとなりますし、資格を取得してからの実務にも面白みが感じられないかもしれません。

社労士と通関士、いずれも年に一度の国家資格であり、受験までの道のりは長丁場となること、さらに資格は取得して終わりではないことを考慮すれば、「ご自身がいかに興味関心を持って専門分野と向き合えるか」は重要な要素となります。

資格は大切、でもそれ以上に大事なのは「実務経験」

大事なのは「実務経験」

実際に試験対策を開始し、ひたすらに資格取得にばかり集中していると、どうしても「合格すること」がゴールとして捉えられがちになります。

確かに、資格取得に向けた取り組みは重要ですが、職業人生を考える上でそれ以上に大切なのは「資格を活かすこと」。実務未経験から資格取得を目指すなら、資格取得自体は一日も早く実現し、早期に実務家デビューし、一人前になれるよう取り組むべきです。

難関国家資格受験生の中には、「自分は独学で頑張るんだ」とこだわる方が少なくありませんが、資格取得までに5年、10年と時間をかけていては、資格取得本来の目的達成がかなり先になってしまいます。

そういった意味で、社労士と通関士、どちらを目指すにせよ、資格取得までの時間は専用の対策講座等を活用し、効率良く早期に合格を掴みとれるのが理想といえます。

まとめ

  • 社労士も通関士も、いずれも実務に直結する専門知識を証明する国家資格であり、取得することで仕事に活かすことができます
  • 社労士と通関士の難易度を「合格率」「勉強時間」から比較すると、いずれの観点からも社労士の方が難しいと判断できます
  • 業務の幅を考える上でも、幅広い就職先を想定でき、なおかつ独立開業も現実的である社労士が有利といえます
  • ただし、社労士も通関士も十分に将来性を見込むことができることから、どちらを取得しても専門性高く活躍出来ることに間違いありません
  • 社労士も通関士も難関国家資格ですから、試験勉強には専門の対策講座を活用して効率良く合格を目指し、一日も早く実務家デビューできるようスケジューリングすることが肝心です
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